3 Oracle GoldenGate Classic for Oracle

3.1 Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGate Classic Architectureのデプロイ

MarketplaceでOracle GoldenGate Classic Architectureを使用することで、Oracle GoldenGateをオフボックス・アーキテクチャでデプロイできます。これは、Oracle GoldenGateデプロイメントを1つの場所から実行および管理できるということです。

Oracle GoldenGate Classicをデプロイするために必要な前提条件は次のとおりです。

3.2 Oracle Cloud Marketplace内でOracle GoldenGateを見つけること

Oracle Cloud MarketplaceからOracle GoldenGate Classicを起動するには、次のステップに従います。

  1. Oracle Cloud Marketplaceにログインします。
  2. Oracle Cloud Marketplaceホーム・ページから、「アプリケーション」の下の検索ボックスを使用し、GoldenGateというキーワードで検索します。
  3. 検索結果から、「Oracle GoldenGate」を選択します。

3.3 Oracle GoldenGate Classicの起動

次のステップは、TerraFormスタックを使用してOracle Cloud MarketplaceでOracle GoldenGate Classicを起動する際に役立ちます。
  1. アプリケーション・ページで「Get App」を選択します。
  2. 「OCI Region」を選択するか、OCIアカウントのログイン資格証明を使用してログインします。
    • OCI Region – 計算ノードをインストールするOCIリージョンを選択し、「Create Stack」をクリックします。
  3. 「Sign In to the Cloud Tenant」ページで、OCI テナントの詳細情報を入力します。
  4. アイデンティティ・プロバイダにサインインします。
  5. 「Oracle GoldenGate 19c for Oracle」ページで、次の情報を入力します。
    • Select Version – リストで使用可能なバージョンのリストが提供されます。
    • Select Compartment - 計算ノードを構築するコンパートメントを指定します。通常、計算ノードを構築するためのアクセス権を持つ場所です。
    • Terms of Use – このチェック・ボックスはデフォルトで選択されています。次に進む前にライセンスを確認することをお薦めします。
    • Launch Stack– OCI環境でスタックを起動します。
  6. スタック情報を入力します。これにはスタックの名前、説明、タグなどが含まれます。計算ノードが構築されるコンパートメントの詳細は、事前に移入され、編集できません。「Next」をクリックします。
  7. Configure Variables」に必要な詳細を入力します。この情報は、Oracle GoldenGate Classicの計算ノードを構築するために必要です。
    • Name for New Resources -
      1. Display name - すべての新規OCIリソースの識別に使用される表示名。
      2. Host DNS Name - 新しい計算ノードのドメイン名サービスの名前。
    • Network Settings -
      1. Create New Network - 新規ネットワーク・リソースを作成する場合は、このチェック・ボックスを選択します。
        • このチェック・ボックスを選択した場合は、「Create New Network」ウィザードが表示され、新しいネットワーク情報を追加および編集できます。
        • このチェック・ボックスを選択しない場合は、「Create New Network」ウィザードは表示されず、VCN内の既存のネットワーク・オプションを使用して計算ノードが作成されます。
      2. Network Compartment (オプション)- 新規または既存のネットワーク・リソースの区分。
      3. VCN (オプション)- 新規ネットワークを作成していない場合に、新規作成されたインスタンスに使用する既存のVCN。
      4. Subnet (オプション) – 新規ネットワークを作成していない場合に、新規作成されたインスタンスに使用する既存のサブネット。
    • Instance Settings -
      1. Compute Shape - 新規計算インスタンスのシェイプ。サポートされているシェイプは、VM.Standard2.4、VM.Standard2.8、VM.Standard2.16およびVM.Standard2.24です。
      2. Assign Public IP - 新しいVMにパブリックIPアドレスを設定する必要があるかどうかを示すには、このチェック・ボックスを選択します。
      3. Availability Domain - 新しいOracle GoldenGateインスタンスの可用性ドメイン。
      4. Custom Volume Size - 新しいブロック記憶域ボリュームのサイズをカスタマイズするには、このチェック・ボックスを選択します。
    • SSH Public Key -「opc」ユーザーとしてのSSHアクセスを許可するために使用される公開キー。
  8. 「Next」をクリックします。
  9. 「Review」ページで、入力した情報を確認してから、「Create」をクリックします。
  10. 「Create」をクリックした後、「Stacks Job Details」ページに移動します。このページから、計算ノードの作成を監視できます。
  11. 「Job Details」ページから構築の成功メッセージが表示されたら、「Compute」 -> 「Instances」の下にOracle GoldenGate Classicの計算ノードが表示されるようになります。

3.4 Oracle GoldenGate Classic計算ノードのスタート・ガイド

新しいOracle GoldenGateデプロイメントにアクセスするには、計算ノードにログインし、Oracle GoldenGate Software Command Interface (GGSCI)にアクセスします。そのためには、Oracle GoldenGate Classicが実行されている計算ノードのパブリックIPアドレスを識別する必要があります。そのパブリックIPアドレスを識別するためのステップを次に示します。
  1. Oracle Cloudコンソールにログインします。
  2. 「Compute」 -> 「Instances」を選択します。
  3. 計算ノードのハイパーリンク名を選択します。パブリックIPアドレスは、「Primary VNIC Information」の下にリストされます。
  4. Oracle GoldenGateが実行されている計算ノードにアクセスするには、SSHを使用してopcアカウントとして接続します。opcアカウントを使用してノードにアクセスする方法の詳細は、インスタンスへの接続を参照してください。
公開SSHキーはデプロイメント・プロセスの一環として指定されます。Oracle GoldenGateインスタンスに接続しているときには秘密キーを使用できます。次の例は、Oracle GoldenGate計算ノードへの接続方法を示しています。
ssh -i <private-key-filename> opc@<public-id-address>

3.4.1 GGSCIの実行

Oracle GoldenGate Classicでは、インストールごとに環境変数を設定しなくても、Oracle GoldenGate環境にすばやくアクセスできます。

/usr/local/binディレクトリで使用できるggsci というカスタム・ユーティリティを使用して、正しい環境変数が環境で作成されるようにできます。ただし、これを使用する場合は必須パラメータを設定する必要があります。たとえば、Oracle Database 19cの場合は、次のように入力します。

-bash-4.2$ ./ggsci oracle19

Oracle GoldenGate Command Interpreter for Oracle
Version 19.1.0.0.1 OGGCORE_19.1.0.0.0_PLATFORMS_190524.2201_FBO
Linux, x64, 64bit (optimized), Oracle 19c on May 25 2019 15:07:20
Operating system character set identified as UTF-8.

Copyright (C) 1995, 2019, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.

GGSCI (ogg19ccls) 1>
Oracle Databaseのバージョンをコマンドで指定しなかった場合、次に示すように、必要な詳細情報とともに使用方法が表示されます。
-bash-4.2$ ./ggsci
Usage:   ./ggsci <oracle-version>
Example: ./ggsci oracle11, oracle12, oracle18, oracle19

ノート:

/u01/app/oggディレクトリからGGSCIコマンドを実行しないでください。

3.4.2 Oracle GoldenGateのサブディレクトリの作成

環境変数を設定した後、Oracle GoldenGate Classicを構成できます。Oracle GoldenGateに必要なサブディレクトリを作成するには、Oracle GoldenGateホームに移動し、Oracle GoldenGate Software Command Interface (GGSCI)にアクセスします。Oracle GoldenGateのインストールのユーザー・ガイドの説明に従って、サブディレクトリを作成します。
$ cd $OGG_HOME
$ ./ggsci
GGSCI> create subdirs

サブディレクトリを作成したら、サブディレクトリは/home/opc/oracle<##>ディレクトリから見つけることができます。これらは/home/opc/oracle<##>の場所に表示されますが、内容は/u02/deployments/<directory>に書き込まれます。これは、Oracle GoldenGateの計算ノードになんらかの問題が発生した場合に、フォルト・トレランスを改善するのに役立ちます。

3.5 Oracle DatabaseのためのClassic Oracle GoldenGateのスタート・ガイド

Oracle Cloud Marketplace上でOracle GoldenGate Classicをデプロイした後は、Oracle GoldenGate Classicの最新リリースにアクセスできます。

Oracle GoldenGate Classicの使用を開始する前に、ご使用の環境が完全でありデータをレプリケートする準備が整っていることを確認するためにいくつかのタスクを実行する必要があります。データ・レプリケーションを開始する前に、次のタスクを実行する必要があります。

トピック:

3.5.1 レプリケーション用のソース・データベースまたはターゲット・データベースの構成

レプリケートを開始する前に、Oracle GoldenGateをサポートするようにソース・データベースまたはターゲット・データベースを準備する必要があります。データベースを準備するには、Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGateの使用ガイドのOracle GoldenGateのデータベースの準備の項で示されているステップに従います。Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGateの使用ガイドで示されているステップでは、ロギングおよびカーネル・パラメータの有効化、フラッシュバック問合せの設定およびサーバー・リソースの管理について説明されています。

3.5.2 Oracle GoldenGate Classicとの接続の確立

Oracle GoldenGate Classic on Marketplace計算ノードは、ソース・データベースとターゲット・データベースへの接続を管理できるハブとして機能します。これを行うには、計算ノードとソース・データベースおよびターゲット・データベースとのネットワーク接続を確立します。計算ノードはOracle Database Clientソフトウェアで事前構成されており、使用準備ができています。

ソース・データベースまたはターゲット・データベースと計算ノードとの接続を確立できるようにするには、TNS_ADMINディレクトリ内にsqlnet.oraおよびtnsnames.oraファイルを用意する必要があります。デプロイメントごとに、TNS_ADMINディレクトリは /u02/deployments/<deployment_name>として設定されています。

3.5.3 Oracle GoldenGate Classicのネットワーク関連ファイルの更新

Oracle GoldenGate on Marketplace計算ノードは、Oracle Clientがインストールされた状態で事前構成されています。アーキテクチャ内の計算ノードとソース・システムまたはターゲット・システムとの間のネットワーク構成を確立するには、Oracle Client内のネットワーク関連ファイルを追加または更新する必要があります。

これらのファイルはTNS_ADMINの場所にあり、推奨される場所は/u02/deployment/oracle<##>/network/adminです。この構造をOracle Clientリリースごとに作成するには、次のステップを実行します。

  1. opcユーザーの資格証明を使用して、Oracle GoldenGate Marketplace計算ノードに接続します。
  2. ディレクトリを/u02/deployment/oracle<##>という場所に変更します。
  3. TNS_ADMINのディレクトリ構造の作成
    mkdir -p ./network/admin

    ノート:

    ネットワーク・ディレクトリ構造を他のOracle製品と一致させるには、 /network/adminをディレクトリ構造に追加する必要があります。このためには、環境変数TNS_ADMINを変更する必要があります。ローカル・ネーミング・パラメータの詳細は、Database Net Servicesリファレンスを参照してください。
  4. 既存のsqlnet.oraファイルおよびtnsnames.ora ファイルをadminディレクトリにコピーします。これらのファイルを計算ノード上に追加または更新する必要があります。

    sqlnet.oraファイルの例を次に示します。

    
    NAMES.DIRECTORY_PATH= (TNSNAMES, ONAMES, HOSTNAME)
    NAMES.DEFAULT_DOMAIN = ora.com

    tnsnames.oraファイルの例を次に示します。

    TEST =
      (DESCRIPTION =
        (ADDRESS_LIST =
          (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = test2)(PORT = 1521))
        )
    (CONNECT_DATA =
          (SERVER = DEDICATED)
          (SERVICE_NAME = test)
      )
    )

3.5.4 Oracle GoldenGate Classicのデータベース資格証明の作成

資格証明ストアを使用して、Oracle GoldenGate Classicのソース・データベースおよびターゲット・データベースのデータベース資格証明を格納および使用します。tnsnames.oraファイルを使用して、必要なデータベースに接続します。

データベース資格証明を作成するには、次のタスクを実行します。

  1. Oracle GoldenGateの計算ノードにログインします。
    $ ssh -i <private key> opc@<public_ip_address>
  2. /usr/local/binに移動してggsciを実行します。
    $ cd /usr/local/bin
    $ ggsci oracle<##>
  3. 資格証明ストアを構成に追加します。
    ggsci> add credentialstore 
  4. 資格証明ストアを変更して、必要なログイン資格証明を追加します。
    ggsci > alter credentialstore add user <user_id>@<tnsnames_string> password ******** alias <alias_name> domain OracleGoldenGate
  5. データベースにログインして、接続をテストします。
    ggsci > dblogin useridalias <alias_name> domain OracleGoldenGate

3.5.5 Oracle GoldenGate ClassicのSchemaTrandataの追加

ソース・データベースに接続するための資格証明を追加した後は、ソース・スキーマでのサプリメンタル・ロギングを有効にする必要があります。SchemaTrandataをソース・スキーマに追加するためのステップを次に示します。
  1. Oracle GoldenGateの計算ノードにログインします。
    $ ssh -i <private key> opc@<public_ip_address>
  2. GGSCIを実行します。
    $ cd /usr/local/bin
    $ ./ggsci oracle<##>
  3. 資格証明ストア別名を使用してソース・データベースに接続します。
    ggsci > dblogin useridalias <alias_name> domain OracleGoldenGate
  4. schematrandataを使用して、サプリメンタル・ロギングをスキーマに追加します。
    ggsci > add schematrandata <schema>

    ノート:

    ソース・データベースがマルチテナントで、c##ユーザーを使用してrootに接続している場合、Oracle Database 12.1以降では、<pdb>.<schema>のようにスキーマとともにPDBデータベースを指定する必要があります。

3.5.6 Oracle GoldenGate Classicのチェックポイント表の作成

チェックポイント表には、ターゲット・システムにトランザクションを適用する際にReplicatの進行状況の追跡に必要なデータが含まれます。使用しているReplicatに関係なく、ターゲット・システムに対してチェックポイント表を有効にすることをお薦めします。

ノート:

GLOBALSファイルのパラメータCHECKPOINTTABLE <table name>を確認して、デフォルトのチェックポイント表名を事前に指定することもできます。

チェックポイント表を作成するには、次のステップに従います。

  1. Oracle GoldenGateの計算ノードにログインします。
    $ ssh -i <private key> opc@<public_ip_address>
  2. GGSCIを実行します。
    $ cd /usr/local/bin
    $ ./ggsci oracle<##>
  3. 資格証明ストア別名を使用してターゲット・データベースに接続します。
    
    ggsci > dblogin useridalias <alias_name> domain OracleGoldenGate
  4. チェックポイント表を追加します。
    ggsci > add checkpointtable <schema>.checkpointtable

3.5.7 Oracle GoldenGate Classicのハートビート表の有効化

自動ハートビート表は、Oracle GoldenGateフレームワーク内で待機時間を監視するための重要な方法です。ハートビート表により、構成内のエンドツーエンドのスループットを測定し、ネットワーク内の潜在的なボトルネックを識別する方法が提供されます。マルチテナント・データベースの場合、OGGがデータを適用できる各PDBにハートビート表を作成する必要があります。

自動ハートビート表を実装するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle GoldenGateの計算ノードにログインします。
    $ ssh -i <private key> opc@<public_ip_address>
  2. GGSCIを実行します。
    $ cd /usr/local/bin
    $ ./ggsci oracle<##>
  3. 資格証明ストア別名を使用してソース・データベースまたはターゲット・データベースに接続します。
    ggsci > dblogin useridalias <alias_name> domain OracleGoldenGate
  4. 自動ハートビート表を追加します。
    ggsci > add heartbeattable
自動ハートビート機能の詳細は、Oracle GoldenGate処理の監視のドキュメントを参照してください。

3.5.8 Oracle GoldenGate Classicの取得サポートの構成

レプリケーションを開始する前に、取得プロセスを設定する必要があります。取得プロセスは、Extractとも呼ばれます。Oracle GoldenGate Classicでは、3種類のExtractがサポートされています。これらを次に示します。
  • クラシックExtract
  • 統合Extract
  • 初期ロードExtract

使用する取得のタイプを決定するには、Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGateの使用ガイド使用するキャプチャ方法の決定の項を参照してください。

これらのExtractのいずれかを構築するには、Oracle GoldenGate Classicで次のステップを実行します。

  1. Oracle GoldenGateの計算ノードにログインします。
    $ ssh -i <private key> opc@<public_ip_address>
  2. GGSCIを実行します。
    $ cd /usr/local/bin
    $ ./ggsci oracle<##>
  3. 資格証明ストア別名を使用してソース・データベースに接続します。
    ggsci > dblogin useridalias <alias_name> domain OracleGoldenGate
  4. Extractを追加します。
    • クラシックExtractの場合-
      ggsci > add extract <extract_name>, tranlog, begin now
      ggsci > add exttrail ./dirdat/aa, extract <extract_name>
    • 統合Extractの場合-
      ggsci > add extract <extract_name>, integrated tranlog, begin now
      ggsci > register extract <extract_name>, database container (<pdb_ame>)
      ggsci > add extrail ./dirdat/aa, extract <extract_name>
    • 初期ロードExtractの場合-
      ggsci > add extract <extract_name>, sourceistable

3.5.9 Oracle GoldenGate Classicの適用サポートの構成

レプリケーションの適用プロセスはReplicatとも呼ばれ、構成が非常に簡単で単純です。Oracle GoldenGate ClassicでサポートされているReplicatには5つのタイプがあります。これらのReplicatを次に示します。
  • 統合Replicat
  • クラシックReplicat
  • 調整Replicat
  • 統合モードでの並列Replicat
  • 非統合モードでの並列Replicat

使用するReplicatを決定するには、Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGateの使用ガイド使用する適用方法の決定の項を参照してください。

これらのReplicatのいずれかを構築するには、Oracle GoldenGate Classicで次のステップを実行します。

  1. Oracle GoldenGateの計算ノードにログインします。
    $ ssh -i <private key> opc@<public_ip_address>
  2. GGSCIを実行します。
    $ cd /usr/local/bin
    $ ./ggsci oracle<##>
  3. 資格証明ストア別名を使用してソース・データベースに接続します。
    ggsci > dblogin useridalias <alias_name> domain OracleGoldenGate
  4. Replicatを追加します。
    • クラシックReplicatの場合:
      ggsci > add replicat <replicat_name>, exttrail ./dirdat/ab, checkpointtable <schema>.<checkpointtable>
    • 調整Replicatの場合:
      ggsci > add replicat <replicat_name>, coordinated [maxthreads <number>], exttrail ./dirdat/ab, checkpointtable <schema>.<checkpointtable>
    • 非統合モードでの並列Replicatの場合:
      ggsci > add replicat <replicat_name>, parallel, exttrail ./dirdat/ab, checkpointtable <schema>.<checkpointtable>

    ノート:

    Autonomous Data WarehouseおよびAutonomous Transaction Processingへのレプリケーションには、クラシックReplicatまたは非統合モードの並列Replicatのみを使用できます。

3.6 Oracle GoldenGate Classicのデータ・リソースへの接続

Oracle GoldenGateデータ・ソースとターゲットの接続の様々な方法について学習します。次の接続タイプがあります。

3.6.1 Oracle GoldenGate ClassicのOracle Database (オンプレミス)への接続

Oracle GoldenGate Classic on Marketplaceを使用して、リモートでオンプレミスのOracleデータベース・リソースからデータを取得することやそれにデータを適用することができます。これにより、レプリケーションが可能になり、そのレプリケーション・プロセスを一元的に管理できるようになります。

レプリケーションのユースケース

次のユースケースでは、Oracle GoldenGate Classicを使用してデータ・リソース間でデータをレプリケートできます。

  • 移行
  • データ分散
  • リアルタイム・データ・ウェアハウス
  • 運用レポート
オンプレミスからのデータのレプリケート

前提条件

レプリケーションを開始する前に、次のものが設定されていることを確認してください。

  • Oracle GoldenGate Classic
  • ソース・データベース
  • ターゲット・データベース

オンプレミスからクラウドに、またはオンプレミスからオンプレミスにデータを移動するには、次のタスクを実行します。

3.6.1.1 レプリケーション用のOracle Databaseの構成
オンプレミスのOracleデータベースをレプリケーション用に準備するには、次のタスクを実行します。
  1. ロギング・プロパティの構成
    • サプリメンタル・ロギングの有効化
  2. Oracle Database内でのOracle GoldenGateの有効化
    • enable_goldengate_replicationのパラメータの更新

詳細は、Oracle GoldenGateのためのデータベースの準備のドキュメントを参照してください。

3.6.1.2 Oracle GoldenGate Classicの計算ノードの構成

Oracle GoldenGate Classic計算ノードからオンプレミス・データベースへの接続を確立するには、tnsnames.oraファイルを編集し、エントリで自分のデータベース・リソースを指定する必要があります。

デフォルトでは、環境変数TNS_ADMINはデプロイメントごとに事前構成されています。ただし、tnsnames.oraおよびsqlnet.oraファイルは計算ノードですぐに使用できるようになっていません。これらのファイルを作成するか、既存のファイルからコピーする必要があります。次の表に示すように、tnsnames.oraまたはsqlnet.oraファイルは事前構成された場所から見つけることができます。

表3-1 Oracle Database Clientディレクトリ

Oracle Databaseバージョン ディレクトリ

Oracle 11g

/u02/deployments/oracle<##>/network/admin

Oracle 12c

/u02/deployments/oracle<##>/network/admin

Oracle 18c

/u02/deployments/oracle<##>/network/admin

Oracle 19c

/u02/deployments/oracle<##>/network/admin

ノート:

  • Oracle Autonomous製品のクライアント資格証明を使用している場合は、tnsnames.oraファイルを編集する必要があります。
  • ネットワーク・ディレクトリ構造を他のOracle製品と一致させるには、 /network/adminをディレクトリ構造に追加する必要があります。このためには、環境変数TNS_ADMINを変更する必要があります。ローカル・ネーミング・パラメータの詳細は、Database Net Servicesリファレンスを参照してください。

3.6.2 Oracle GoldenGate ClassicのサービスとしてのOracle Databaseへの接続

Oracle GoldenGate Classic on Marketplaceを使用して、リモートでOracle Cloud Infrastructure (OCI) Database as a Service (DBaaS)リソースからデータを取得することやそれに適用することができます。これにより、スケーラブルな方法でレプリケーションを有効にすることや、管理点を一元化することや、クラウド・サービス間のレプリケーションを有効にすることができます。

OCI Database as a Serviceへのデータのレプリケート

前提条件

オンプレミスからデータをレプリケートする前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。

  • Oracle GoldenGate Classic on Marketplace
  • ソース・データベース
  • Oracle Cloud Infrastructure (OCI) Database as a Service (DBaaS)インスタンス

オンプレミスからクラウドに、またはオンプレミスからオンプレミスにデータを移動するには、次のタスクを実行します。

3.6.2.1 レプリケーション用のOracle Databaseの構成
オンプレミスのOracleデータベースをレプリケーション用に準備するには、次のタスクを実行します。
  1. ロギング・プロパティの構成
    • サプリメンタル・ロギングの有効化
  2. Oracle Database内でのOracle GoldenGateの有効化
    • enable_goldengate_replicationのパラメータの更新

詳細は、Oracle GoldenGateのためのデータベースの準備のドキュメントを参照してください。

3.6.2.2 Oracle GoldenGate Classicの計算ノードの構成

Oracle GoldenGate Classic計算ノードからオンプレミス・データベースへの接続を確立するには、tnsnames.oraファイルを編集し、エントリで自分のデータベース・リソースを指定する必要があります。

デフォルトでは、環境変数TNS_ADMINはデプロイメントごとに事前構成されています。ただし、tnsnames.oraおよびsqlnet.oraファイルは計算ノードですぐに使用できるようになっていません。これらのファイルを作成するか、既存のファイルからコピーする必要があります。次の表に示すように、tnsnames.oraまたはsqlnet.oraファイルは事前構成された場所から見つけることができます。

表3-2 Oracle Database Clientディレクトリ

Oracle Databaseバージョン ディレクトリ

Oracle 11g

/u02/deployments/oracle<##>/network/admin

Oracle 12c

/u02/deployments/oracle<##>/network/admin

Oracle 18c

/u02/deployments/oracle<##>/network/admin

Oracle 19c

/u02/deployments/oracle<##>/network/admin

ノート:

  • Oracle Autonomous製品のクライアント資格証明を使用している場合は、tnsnames.oraファイルを編集する必要があります。
  • ネットワーク・ディレクトリ構造を他のOracle製品と一致させるには、 /network/adminをディレクトリ構造に追加する必要があります。このためには、環境変数TNS_ADMINを変更する必要があります。ローカル・ネーミング・パラメータの詳細は、Database Net Servicesリファレンスを参照してください。

3.6.3 Oracle Autonomous Data Warehouse/Autonomous Transaction Processingへの接続

Oracle Cloud Marketplace上のOracle GoldenGate Classicを使用することで、データをOracle Autonomous Data Warehouse Cloud Service (ADWCS)またはAutonomous Transaction Processing (ATP)にレプリケートできます。この項で説明するステップにより、Oracle Autonomous Database Warehouse Cloud Service (ADWCS)へのリモート接続の手法が合理化されます。

詳細は、Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGateの使用ガイドの自律型データベースへのデータのレプリケートの項を参照してください。

自律型データベースへのレプリケートのユースケース

Oracle GoldenGate Classicを使用して、次のことのためにデータをAutonomous Data Warehouseにレプリケートします。

  • リアルタイム・データ・ウェアハウス
  • 運用レポート
Autonomous Data Warehouseへのデータのレプリケート

前提条件:

Autonomous Data Warehouseにデータをレプリケートする前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。

  • Oracle GoldenGate Classic
  • Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud Service
  • ソース・データベース

Oracle GoldenGate Classicを使用して自律型データベースにデータを提供するには、次のタスクを実行します。

3.6.3.1 レプリケーション用のAutonomous Data Warehouseの構成

事前作成済のOracle GoldenGateユーザー(ggadmin)のロック解除

次のステップを実行して、レプリケーション用にAutonomous Data Warehouseを構成します。

  1. Autonomous Data Warehouse内の事前作成済Oracle GoldenGateユーザー(ggadmin)のロックを解除しパスワードを変更します。任意のSQLクライアント・ツールを使用してアカウントのロックを解除します。

    詳細は、Oracle Autonomous Data Warehouseの使用ガイドのAutonomous Data Warehouseインスタンスへの接続についての項を参照してください。

    SQL> select * from dba_users order by username;
    SQL> alter user ggadmin identified by <password> account unlock;
  2. パラメータenable_goldengate_replicatonがtrueに設定されているかどうかを確認します。そうでない場合は、このパラメータを変更します。
    SQL> select * from v$parameter where name = 'enable_goldengate_replication';
    SQL> alter system set enable_goldengate_replication = true scope=both;

ターゲット・スキーマの作成

レプリケーションで使用できるスキーマとターゲット・オブジェクトを作成するには、次のステップを実行します。このスキーマおよび関連オブジェクトはDDLレプリケーションをサポートしていません。

  1. 新しいアプリケーション・ユーザー/スキーマを作成します。このユーザー/スキーマには、レプリケーションのターゲット・オブジェクトが格納されます。

    ノート:

    appadminはサンプル・ユーザーです。
    SQL> create user appadmin identified by ********
    SQL> grant create session, resource, create view, create table to appadmin;
    SQL> alter user appadmin quota unlimited on data;
    
  2. ユーザー/スキーマとしてOracle Autonomous Data Warehouse Cloudデータベースに接続し、アプリケーション表を作成します。
3.6.3.2 自律型データベース・クライアント資格証明

自律型データベース・クライアント資格証明の取得

自律型データベースへの接続を確立するには、クライアント資格証明ファイルを自律型データベース・サービス・コンソールからダウンロードする必要があります。詳細は、Oracle Autonomous Data Warehouseの使用ガイドのクライアント資格証明のダウンロードの項を参照してください。

ノート:

自律型データベースへの管理者アクセス権がない場合は、資格証明ファイルをダウンロードして提供するようにサービス管理者に依頼してください。自律型データベースの資格証明ファイルを入手したら、そのzipファイルをOracle GoldenGate計算ノードにアップロードする必要があります。

次のステップを実行して、Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudアカウントの詳細を取得します。

  1. Oracle Autonomous Data Warehouse Cloudアカウントにログインします。
  2. 「Instance」ページから、自律型データベース・インスタンスのメニュー・オプションをクリックし、「Service Console」を選択します。
  3. adminのユーザー名とそれに関連付けられたパスワードを使用して、サービス・コンソールにログインします。
  4. サービス・コンソールで、「Administration」タブをクリックします。
  5. 「Download Client Credentials」をクリックします。
  6. 資格証明zipファイルを保護するためのパスワードを入力して、「Download」をクリックします。
  7. 資格証明zipファイルをローカル・システムに保存します。

Oracle GoldenGate計算ノードへのクライアント資格証明の移動

Oracle GoldenGateからAutonomous Data Warehouseへの接続を確立するには、クライアント資格証明をOracle GoldenGate計算ノードに移動する必要があります。次のステップでは、ご使用のマシンからOracle GoldenGate計算ノードに資格証明zipファイルを移動する方法を説明します。

  1. SSHとopcユーザー資格証明を使用して、Oracle GoldenGate Classic計算ノードに接続します。
    ssh -i <private_key> opc@<public_ip_address>
  2. ステージング・ディレクトリを作成し、必要な権限を付与してから、セッションを終了します。
    $ mkdir stage
    $ exit
    
  3. 資格証明zipファイルをOracle Goldengate Classic計算ノードにコピーします。
    $ scp ./<credential_file>.zip opc@<public_id_address>:~/stage
  4. Oracle GoldenGate Classic計算ノードに接続します。
    ssh -i <private_key> opc@<public_ip_address>
  5. 資格証明zipファイルがステージングの場所で使用可能かどうかを確認します。
    $ cd ~/stage
    $ ls -ltr
    

Autonomousクライアント資格証明を使用したOracle Goldengate計算ノードの構成

ADWCクライアント資格証明をOracle GoldenGate計算ノードに移動した後、必要なファイルをインストールし、Autonomous Data Warehouseに接続していることを確認する必要があります。必要なSQL*Netコンポーネントを構成するためのステップを次に示します。

  1. SSHとopcユーザー資格証明を使用して、Oracle GoldenGate Classic計算ノードにログインします。
    ssh -i <private_key> opc@<public_ip_address>
  2. クライアント資格証明ファイルを一時ディレクトリに解凍します。
    unzip ./<credential_file>.zip -d ./client_credentials
  3. sqlnet.oraおよびtnsnames.oraファイルをTNS_ADMINの場所にコピーします。
    $ cd ~/stage/client_credentials
    $ cp ./sqlnet.ora /u02/deployments/<deployment>/etc
    $ cp ./tnsnames.ora /u02/deployments/<deployment>/etc

    ノート:

    ネットワーク・ディレクトリ構造を他のOracle製品と一致させるには、 /network/adminをディレクトリ構造に追加する必要があります。このためには、環境変数TNS_ADMINを変更する必要があります。ローカル・ネーミング・パラメータの詳細は、Database Net Servicesリファレンスを参照してください。
  4. sqlnet.oraファイルを編集し、ディレクトリ・パラメータを、クライアント資格証明の解凍先を指す情報の場所で置き換えます。
    $ cd /u02/deployments/<deployment>/etc
    $ vi ./sqlnet.ora

    ?/network/admin/home/opc/stage/client_credentialsに変更します。

  5. テスト目的で、オペレーティング・システム・レベルでTNS_ADMINおよびORACLE_HOME環境変数を設定します。

    ノート:

    Oracle GoldenGateデプロイメントでは、デプロイメントごとに設定されている、ORACLE_HOMEおよび TNS_ADMIN環境変数が使用されます。
    $ export ORACLE_HOME=/u01/app/client/<oracle version>
    $ export TNS_ADMIN=/u02/deployments/<deployment>/etc
    
  6. tnsnames.oraファイル内のエントリのいずれかに接続することで、Autonomous Data Warehouseへの接続をテストします。
    $ cd $ORACLE_HOME/bin
    $ ./sqlplus appadmin/**********@orcladw_low
3.6.3.3 レプリケーション用のOracle Goldengate Classicの構成

Oracle GoldenGate Classicを使用してAutonomous Data Warehouseへの正常な接続を確立するには、次のステップを実行します。

Autonomous Data Warehouseに接続するためのOracle GoldenGate資格証明の追加

Autonomous Data Warehouseに接続するためのOracle GoldenGate資格証明の詳細を追加するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle GoldenGateの計算ノードにログインします。
    $ ssh -i <private key> opc@<public_ip_address>
  2. /usr/local/binに移動してggsciを実行します。
    $ cd /usr/local/bin
    $ ggsci oracle<##>
  3. 資格証明ストアを構成に追加します。
    ggsci> add credentialstore 
  4. 資格証明ストアを変更して、必要なログイン資格証明を追加します。
    ggsci > alter credentialstore add user <user_id>@<tnsnames_string> password ******** alias <alias_name> domain OracleGoldenGate
  5. 自律型データベースにログインして、接続をテストします。
    ggsci > dblogin useridalias <alias_name> domain OracleGoldenGate