1 サポート対象の理解

この章では、Oracle Database上のOracle GoldenGateのサポート情報について説明します。

内容は次のとおりです。

サポートされるOracleデータ型およびオブジェクトの詳細

この項では、Oracle GoldenGateでサポートされるデータ型、オブジェクトおよび操作について説明します。

データベース内で、ディクショナリ・ビューDBA_GOLDENGATE_SUPPORT_MODEを使用して、サポートされるオブジェクトに関する情報を取得できます。レプリケーション・サポートには様々なタイプがあります。
  • REDOからのキャプチャによるサポート

  • プロシージャ・レプリケーション・サポート

ほとんどのデータ型はサポートされており(SUPPORT_MODE=FULL)、Oracle GoldenGateによってREDO以外の変更がキャプチャされることを意味します。一部の珍しいケースで情報を取得できない場合もありますが、データベースへの接続を使用して情報をフェッチできます(SUPPORT_MODE=ID KEY)。ID KEYでサポートされる表では、これらの表をサポートするためにフェッチする、ソース・データベースまたはADGスタンバイ・データベースへの接続が必要です。ダウンストリーム統合Extractを使用し、NOUSERIDを使用している場合、顧客はFETCHUSERID接続またはFETCHUSERIDALIAS接続を指定する必要があります。

他の変更は、Extractの追加パラメータ設定を必要とするプロシージャ・レプリケーション(SUPPORT_MODE=PLSQL)でレプリケートできます。詳細は、「プロシージャ・レプリケーションについて」を参照してください。ネイティブ・サポートがなく、フェッチによるサポートもなく、プロシージャ・レプリケーションのサポートもない、まれなケースでは、Oracle GoldenGateはサポートされません。

キャプチャ・モードの詳細は、「使用するキャプチャ方法の決定」を参照してください。

Oracleデータ型、オブジェクトおよび操作に関するサポート情報の詳細は、「Oracle DMLのオブジェクトと操作のサポートの詳細」に記載されています。

レプリケーション・サポートが存在する場合はいくつかありますが、SQLEXECを使用する場合などでは、処理に制限があります。次の表に、これらの制限事項を示します。

サポートされているデータ型 サポートなし

NUMBER, BINARY FLOAT, BINARY DOUBLE UROWID

次の特殊な例:
  • XMLタイプ

  • UDT

  • オブジェクト表

  • コレクションまたはネストされた表

DATEおよびTIMESTAMP

一意性が制限された表

(N)CHAR(N) VARCHAR2 LONGRAWLONG RAW (N)CLOBCLOBBLOBSECUREFILEBASICFILEおよびBFILE

X

XML列、XMLType

X

UDT

X

ANYDATA

X

階層対応表

X

RETタイプ

X

DICOM

X

SDO_TOPO_GEOMETRYSDO_GEORASTER

X

IDENTITY列

X

SDO_RDF_TRIPLE_S

X

ノート:

DBMS_LOG.FRAGMENTを使用して更新されたSECUREFILE LOB、またはNOLOGGINGに設定されたSECUREFILE LOBは、REDOから読み取られるかわりにフェッチされます。

REDOからのサポートされるキャプチャ:

  • NUMBERBINARY FLOATBINARY DOUBLEおよび(論理) UROWID

  • DATEおよびTIMESTAMP

  • CHARVARCHAR2LONGNCHARおよびNVARCHAR2

  • RAWLONG RAWCLOBNCLOBBLOBSECUREFILEBASICFILEおよびBFILE (LOBサイズは4GBに制限されます)

  • CLOBBinaryおよびオブジェクト・リレーショナル(OR)として格納されるXML

  • XML CLOBXMLオブジェクト・リレーショナルおよびXML Binaryとして格納されるXMLType列およびXMLType

  • ソース・データベースの互換性が12.0.0.0.0以上であるBYTEセマンティクスのUDT (ユーザー定義または抽象データ型)

  • ソース・データベースの互換性が12.0.0.0.0以上のANYDATAデータ型

  • 階層対応表は、ソース・データベースの互換性が12.2.0.0.0以上でプロシージャ・レプリケーションが有効なOracle XMLデータベース・リポジトリで管理されます。

  • ソース・データベースの互換性が12.2.0.0.0以上のREF

  • ソース・データベースの互換性が12.0.0.0.0以上のDICOM

  • ソース・データベースの互換性が12.2.0.0.0以上でプロシージャ・レプリケーションが有効なSDO _TOPO_GEOMETRYまたはSDO_GEORASTER

  • ソース・データベースの互換性が18.1.0.0.0以上のIDENTITY列

  • ソース・データベースの互換性が19.1.0.0.0以上のSDO_RDF_TRIPLE_S

サポート対象(データベースからフェッチ)

SECUREFILE LOB

  • DBMS_LOB.FRAGMENT_*プロシージャで変更済

  • NOLOGGING LOB

  • ソース・データベースのリリースが12gR2未満である重複解除LOB

次のデータ型を含むUDT:

  • リージョンIDを持つTIMESTAMP WITH TIMEZONETIMESTAMP WITH LOCAL TIMEZONETIMESTAMP WITH TIMEZONE

  • INTERVAL YEAR TO MONTHINTERVAL DAY TO SECOND

  • BINARY FLOATBINARY DOUBLE

  • BFILE

オブジェクト表には次の属性があります。
  • ネストされた表

  • SDO_TOP_GEOMETRY

  • SDO_GEORASTER

その他の考慮事項

  • NUMBERは、Oracleで許可されている最大サイズまで指定できます。浮動小数点数の範囲および精度のサポートは、ホスト・マシンによって異なります。通常は有効桁数が16桁の精度ですが、データベースのドキュメントで想定されている近似について確認してください。Oracle GoldenGateでは、サポートされる精度を超える値は丸められるか切り捨てられます。

  • 非論理的なUROWID列は、Extractによって識別されます。警告メッセージはレポート・ファイルに生成されます。列情報は証跡レコードに含まれません。レコードのそれ以外のサポートされているデータ型はすべて証跡レコードの一部であり、レプリケートされます。

  • 初期ロード、SQLEXEC、または列をデータベースからのみフェッチできる操作についてのTZR (リージョンID)で表されたTIMESTAMP WITH TIME ZONE。これらの場合、列が選択されると、ソース・データベースによってリージョンIDが時間オフセットに変換されます。Replicatは、タイムスタンプを日付と時間のデータとして、時間オフセット値とともにターゲット・データベースに適用します。

  • 4Kから32KへのVARCHARの拡張(拡張またはLONG VARCHAR)
    • 32KのLONG列は行識別子として使用することはできません。
      • キー索引または一意索引の一部としての列

      • TABLEパラメータまたはMAPパラメータのKEYCOLS句内の列。

    • CDRの解決列としての32KのLONG列(競合の解決および検出)

    • 拡張VARCHAR列が一意索引または制約の一部の場合、この表へのダイレクト・パス挿入により、Replicatが異常終了して警告が表示されることがあります。ALL_INDEXESまたはALL_IND_COLUMNS (一意索引)、あるいはALL_CONS_COLUMNSまたはALL_CONSTRAINTS (一意制約)をチェックして、拡張VARCHARによって異常終了が発生したことを確認します。拡張VARCHARを確認したら、索引を一時的に削除にするか、制約を無効にできます。
      • 一意索引: DROP INDEX index_name;

      • 一意制約: ALTER TABLE table_name MODIFY CONSTRAINT constraint_name DISABLE;

  • Oracle GoldenGateでは、4Kより大きいオブジェクトのフィルタリング、列マッピングまたは操作はサポートされません。

  • BFILE列はロケータをレプリケートします。データベースの外部にあるサーバー・ファイル・システムのファイルは、レプリケートされません

  • マルチバイト文字データ:ソースとターゲットのデータベースが、レプリケートされる表と順序のスキーマ定義に関して論理上同一である必要があります。変換、フィルタリングおよび他の操作は使用できません。

  • 2つのデータベース間の文字セットは、次のいずれかである必要があります。

    • ソースとターゲットで同一

    • 同等。同じ文字セットではありませんが、同じ文字のセットを含みます

    • ターゲットがソースのスーパーセット

    マルチバイト・データは、バイトまたは文字のセマンティクスで使用できます。

  • UDTおよび抽象データ型(ADT)自体の構造は、ソースとターゲットの両方で同じである必要があります。UDTには、異なるソース・スキーマとターゲット・スキーマを含めることができます。オブジェクトの列または行内に値が含まれているUDTは、TABLE文またはMAP文のフィルタ基準で使用したり、Oracle GoldenGateの列変換関数の入力または出力、SQLEXECまたは他の組込みデータ操作ツールとして使用することはできません。Oracleの同様のソースおよびターゲットにのみ、サポートが提供されます。

    CREATE TABLE as SELECT (CTAS)文を使用して作成されたオブジェクト表を完全にサポートするには、CTAS文からDMLをキャプチャするように統合Extractを構成する必要があります。Oracleのオブジェクト表は、サポートされているターゲット・データベースのOracle以外のオブジェクト表にマップできます。

  • XML列タイプは、フィルタリングおよび操作では使用できません。TABLE文またはMAP文でCOLMAP句を使用して、オブジェクトのXML表現を文字列にマップできます。

    XMLデータで作業する場合は、AL32UTF8文字セットをデータベース文字セットにすることをお薦めします。これにより、Oracle GoldenGateによってソースからターゲットに正しく変換されます。DDLレプリケーションが有効な場合、Oracle GoldenGateでCTAS文をレプリケートし、基となるターゲット表からのデータの選択を可能にします。TRANSLOGOPTIONS GETCTASDMLパラメータが設定されている場合、OIDが保持されます。XMLType表の場合、行オブジェクトIDがソースとターゲットの間で一致する必要があります。

サポートされていないOracleデータ型

Oracle GoldenGateでは、次のデータ型はサポートされません。

  • +12:00から-12:00の範囲外の時間オフセット値。Oracle GoldenGateでは、+12:00から-12:00の間の時間オフセット値をサポートしています。

  • 単一列のみが含まれ、その列が次のいずれかである表。

    • UDT

    • LOB (CLOB、NCLOB、BLOB、BFILE)

    • XMLType列。Oracle GoldenGateでは、XMLTypeデータをLOBとして処理します。

    • データが32KBを超えるVARCHAR2 (MAX)

  • LOB、UDT、XMLまたはXMLType列があり、次のいずれかがない表。

    • 主キー

    • 一意制約または一意索引を持つスカラー列

    すべてのスカラー列の組合せで一意性が保証されない表はサポートされません。

  • 次のXML特性を持つ表:
    • XML属性で構成された主キー制約を持つ表

    • オブジェクト識別子に基づく主キー(PKOID)を持つXMLType表。

    • 行オブジェクト識別子(OID)がソースとターゲット間で一致しないXMLType表。

    • 空のCTAS文で作成されるXMLType表。

    • XMLスキーマに変更が加えられるXMLスキーマベースのXMLType表および列(XMLスキーマは、dbms_xmlパッケージを使用してソース・データベースおよびターゲット・データベースに登録する必要があります)。

    • XMLTypeを更新するSET値の全体の長さは、新しいコンテンツと他の操作、XQueryバインド値を含めて32Kを超えます。

    • XML-バイナリおよびXML-ORのSQL*Loaderダイレクト・パス・インサート。

  • 次のUDT特性を持つ表:

    • CFILEまたはOPAQUEを含むUDT (XMLTypeを除く)

    • バイナリまたは印刷できない文字が含まれているCHAR属性とVARCHAR属性を含むUDT

    • RMTTASKパラメータを使用するUDT

  • 次の条件を持つUDTおよびネストされた表:

    • CHAR、NVARCHAR2またはNCLOB属性を持つネストされた表のUDT。

    • UDTにCLOB、BLOB、拡張(32k) VARCHAR2またはRAW属性を含むネストされた表。

    • 他のUDTの一部である、ネストされた表の列/属性。

  • ネストされた表のデータを更新する際には、ネストされた表が含まれている行を同時に更新する必要があります。それ以外の場合、サポートはありません。

  • VARRAYSとネストされた表をフェッチすると、変更箇所のみでなく、毎回、列の内容全体がフェッチされます。それ以外の場合、サポートはありません。

  • オブジェクト表には次の属性があります。

    • ネストされた表

    • SDO_TOPO_GEOMETRY

    • SDO_GEORASTER

その他の除外については、「サポートされるOracleデータ型およびオブジェクトの詳細」を参照してください。

Oracle DMLのオブジェクトと操作のサポートの詳細

この項では、DML操作のキャプチャとレプリケーションについてOracle GoldenGateでサポートされるOracleオブジェクトと操作について概説します。

Oracle DMLでサポートされているオブジェクトおよび操作

内容は次のとおりです。

マルチテナント・コンテナ・データベース

Oracle GoldenGateは、マルチテナント・コンテナ・データベースとの間でキャプチャと配信を実行します(「マルチテナント・コンテナ・データベースでのOracle GoldenGateの構成」を参照)。

表、ビューおよびマテリアライズド・ビュー

Oracle GoldenGateでは、標準の表、索引構成表、クラスタ化された表およびマテリアライズド・ビューに対して行われる次のDML操作がサポートされます。

  • INSERT

  • UPDATE

  • DELETE

  • 関連するトランザクション制御操作

ヒント:

DBA_GOLDENGATE_SUPPORT_MODEデータ・ディクショナリ・ビューを使用して、データベースの表に対するOracle GoldenGateキャプチャ・プロセス・サポートのレベルの情報を表示できます。DBA_GOLDENGATE_SUPPORT_MODEPLSQL値は、表がネイティブでサポートされるが、手続き型サプリメンタル・ロギングが必要なことを示します。詳細は、DBA_GOLDENGATE_SUPPORT_MODEに関する項を参照してください。主索引およびNULL以外の一意索引を持たないすべての表を表示する必要がある場合は、DBA_GOLDENGATE_NOT_UNIQUEを使用できます。詳細は、DBA_GOLDENGATE_NOT_UNIQUEに関する項を参照してください。

標準の表のサポートの制限

これらの制限は、Extractに適用されます。

  • Oracle GoldenGateでは、任意の数の行を含む表をサポートします。

  • 行の長さは最大4MBです。列の変更前および変更後の両方イメージを処理範囲に含むようにOracle GoldenGateが構成されている場合、完全な変更前イメージと変更後イメージの長さの合計に適用される長さは、最大4MBになります。たとえば、行識別子として使用されている列でUPDATE操作が実行されると、変更前および変更後のイメージが処理され、合計で4MBを超えることはできません。変更前および変更後のイメージは、行識別子でない列にも必要ですが、競合の検出および解決(CDR)の比較列として使用されます。CLOBなど、4KBを超えるデータが許可される文字の列では、最初の4KBのデータのみが行内に格納され、4MBの最大行長が可能になります。BLOBなど、4KBを超えるデータが許可されるバイナリの列では、最初の8KBのデータが行内に格納され、4MBの最大行長が可能になります。

  • Oracle GoldenGateでは、データベースによってサポートされている表ごとに最大列数がサポートされています。

  • Oracle GoldenGateでは、データベースによってサポートされている最大列サイズがサポートされます。

  • Oracle GoldenGateでは、列に次のデータ型の1つが含まれていないかぎり、列が1つだけ含まれている表がサポートされています。

    • LOB

    • LONG

    • LONG VARCHAR

    • ネストされた表

    • ユーザー定義型(UDT)

    • VARRAY

    • XMLType

  • 未使用の列を含む表に対するレプリケートの前に、DBOPTIONS ALLOWUNUSEDCOLUMNを設定します。

  • Oracle GoldenGateでは、次のパーティション化属性を持つ表がサポートされます。

    • レンジ・パーティション化

    • ハッシュ・パーティション化および時間隔パーティション化

    • コンポジット・パーティション化

    • 仮想列ベースのパーティション化

    • 参照パーティション化

    • リスト・パーティション化

  • Oracle GoldenGateでは、仮想列を含む表がサポートされますが、これらの列に対する変更データのキャプチャも適用も行われません。データベースでは仮想列がトランザクション・ログに書き込まれず、Oracle Databaseでは仮想列に対するDMLが許可されません。同じ理由から、初期ロード・データは仮想列に適用できません。仮想列から非仮想列へのデータのマップは行えます。

  • Oracle GoldenGateでは、仮想列を含む一意索引を考慮しません。

  • Oracle GoldenGateでは、Oracle Exadataとの間のレプリケーションがサポートされます。Exadataハイブリッド列圧縮をサポートするには、Extractが統合キャプチャ・モードで動作する必要があります。Exadataハイブリッド列圧縮をサポートするには、ソース・データベース互換性が11.2.0.0.0以上に設定されている必要があります。

  • Oracle GoldenGateでは、Transparent Data Encryption(TDE)がサポートされます。

    • Extractは、統合キャプチャ・モードでは設定要件なしで、TDE列の暗号化およびTDE表領域の暗号化をサポートします。

  • Oracle GoldenGateでは、DDLレプリケーション・サポートの一環として、あるいはDDLサポートとは無関係のスタンドアロン機能としてTRUNCATE文がサポートされます。

  • Oracle GoldenGateでは、XMLバイナリおよびXMLオブジェクト・リレーショナルのSQL*Loaderダイレクト・パス・インサートを除き、ダイレクト・ロードINSERTのキャプチャがサポートされます。サプリメンタル・ロギングが有効であることと、データベースがアーカイブ・ログ・モードであることが必要です。次の直接ロード方式がサポートされています。

    • /*+ APPEND */ヒント

    • /*+ PARALLEL */ヒント(クラシック・キャプチャ・モードのRACではサポートされません)

    • DIRECT=TRUEを設定したSQLLDR

  • Oracle GoldenGateは、Extractが統合キャプチャ・モードの場合に、圧縮されたオブジェクトからのキャプチャを完全にサポートしています。クラシック・モードのExtractでは、圧縮されたオブジェクトはサポートされません。

  • Oracle GoldenGateでは、統合キャプチャ・モードでのXAおよびPDML分散トランザクションがサポートされます。クラシック・モードのExtractでは、RACのPDMLまたはXAはサポートされません。

  • Oracle GoldenGateでは、FLASHBACK ARCHIVEを有効にした表でのDML操作がサポートされます。ただし、Oracle GoldenGateでは、FLASHBACK ARCHIVE句を含む表を作成するDDL、またはフラッシュバック・データ・アーカイブ自身を作成、変更または削除するDDLはサポートされません。

ビューのサポートの制限

これらの制限は、Extractに適用されます。

  • Extractが初期ロード・モードの場合、Oracle GoldenGateでビューからのキャプチャがサポートされます(REDOログではなく、ソース・ビューからの直接のキャプチャ)。

  • Oracle GoldenGateで、変更データはビューからキャプチャされませんが、ビューの基になる表からのキャプチャはサポートされます。

マテリアライズド・ビューのサポートの制限

マテリアライズド・ビューはExtractでサポートされますが、次の制限があります。

  • WITH ROWIDを使用して作成されるマテリアライズド・ビューはサポートされていません。

  • WITH ROWIDを使用してマテリアライズド・ビューのログを作成できます。

  • ソース表に主キーを設定しておく必要があります。

  • マテリアライズド・ビューの切捨てはサポートされていません。DELETE FROM文を使用できます。

  • マテリアライズド・ビューの全体リフレッシュのDML(DDLではない)はサポートされます。この機能のDDLサポートが必要な場合はOracle GoldenGateのサポート事例をオープンしてください。

  • Replicatの場合、Create MVコマンドにFOR UPDATE句を含める必要があります。

  • マテリアライズド・ビューまたは基礎となるベース表のいずれか(両方ではない)をレプリケートできます。

クラスタリング表のサポートの制限

索引付きクラスタはExtractによってサポートされますが、ハッシュ・クラスタはサポートされません。

順序およびIDENTITY列

  • IDENTITY列はOracleデータベース18c以上でサポートされており、統合Extract、統合モードの並列Replicatまたは統合Replicatが必要です。

  • Oracle GoldenGateは、1方向のアクティブ/パッシブ高可用性構成での順序値およびIDENTITY列のレプリケーションをサポートします。

  • Oracle GoldenGateによって、ターゲットの順序値が常にソースの順序値よりも大きくなります(または、キャッシュがゼロの場合、それらに等しくなります)。

順序のサポートの制限

次の制限は、統合キャプチャ・モードとクラシック・キャプチャ・モードに適用されます。

  • Oracle GoldenGateは、アクティブ/アクティブ双方向構成での順序値のレプリケーションはサポートしません。

  • ソースおよびターゲットの順序のキャッシュ・サイズおよび増分間隔は、同一である必要があります。キャッシュは0を含む任意のサイズにできます(NOCACHE)。

  • 順序は、循環を有効または無効に設定できますが、ソース・データベースとターゲット・データベースの設定は同一にする必要があります。

  • デフォルトの順序列を持つ表は、調整Extractのレプリケーションから除外されます。

Oracle DMLでサポートされていないオブジェクトおよび操作

Extractでサポートされない追加のOracleオブジェクトまたは操作は、次のとおりです。

  • Oracle Database 12.2との互換性を保つため、REFはネイティブでサポートされますが、主キー・ベースのREF (PKREF)はサポートされません

  • アクティブ/アクティブ双方向構成での順序値

  • データベース・リプレイ

  • EXTERNALとして作成された表

Oracle DDLのオブジェクトと操作のサポートの詳細

この項では、DDL操作のキャプチャとレプリケーションについてOracle GoldenGateでサポートされるOracleオブジェクトと操作について概説します。

バージョン11.2.0.4より前のOracleリリースの場合は、トリガーベースのキャプチャが必要です。Extractがバージョン11.2.0.4以上のOracle Databaseに対して統合モードで実行される場合、DDLトリガーおよびサポート・オブジェクトは不要です。

Oracle DDLでサポートされているオブジェクトおよび操作

ソース・データベースがOracle 11.2.0.4以上でExtractが統合モードで動作する場合、DDLキャプチャ・サポートはデータベース・ログマイニング・サーバーに統合され、DDLトリガーを使用する必要はありません。データベース・パラメータの互換性を11.2.0.4.0に設定する必要があります。Extractは次のようなパスワード・ベースの列の暗号化を含むDDLをサポートします。

  • CREATE TABLE t1 ( a number, b varchar2(32) ENCRYPT IDENTIFIED BY my_password);

  • ALTER TABLE t1 ADD COLUMN c varchar2(64) ENCRYPT IDENTIFIED BY my_password;

ノート:

DDLのパスワード・ベースの列の暗号化は、クラシック・キャプチャ・モードではサポートされません。

DDLサポートに関して、Extractに次の追加の文が適用されます。

  • Oracle GoldenGateのすべてのトポロジ構成は、Oracle DDLレプリケーションでサポートされています。

  • Oracle DDLのアクティブ/アクティブ(双方向)レプリケーションは、同一のメタデータが含まれている2つ(および2つだけ)のデータベース間でサポートされています。

  • Oracle GoldenGateでは、次のオブジェクトでDDLはサポートされます。

    • クラスタ

    • ディレクトリ

    • ファンクション

    • 索引

    • パッケージ

    • プロシージャ

    • 表領域

    • ロール

    • 順序

    • シノニム

    • トリガー

    • ビュー

    • マテリアライズド・ビュー

    • ユーザー

    • 非表示列

  • Oracle DDLのOracle Edition-Based Redefinition (EBR)データベース・レプリケーションは、次のOracle Databaseオブジェクトの統合Extractでサポートされています。

    • ファンクション

    • ライブラリ

    • パッケージ(仕様と本体)

    • プロシージャ

    • シノニム

    • 型(仕様と本体)

    • ビュー

    EBRは、DDLトリガーの使用をサポートしていません。

  • Oracle GoldenGateでは、最大4MBのサイズのDDL操作がサポートされます。Oracle GoldenGateでは、DDL文のサイズが文字ではなくバイトで測定されます。このサイズ制限にはパッケージ、プロシージャおよび関数が含まれます。DDLサポートの実際のサイズには、文のテキストに加え、オブジェクト名の長さ、DDL型および内部でのDDLレコード保持のその他の特性に応じて異なるOracle GoldenGateのメンテナンス・オーバーヘッドも含まれるため、実際のサイズ制限は概算です。

  • Oracle GoldenGateは、グローバル一時表(GTT) DDL操作をレプリケートできるように、Extractへのこの操作の表示をサポートしています。この操作はデフォルトでは設定されていないため、有効にするにはDDLOPTIONSパラメータを設定する必要があります。

  • Oracle GoldenGateは、NOUSERIDおよびTRANLOGOPTIONS GETCTASDMLとともに使用する統合ディクショナリをサポートしています。これは、ExtractはDDLトリガーのかわりに、ディクショナリ・オブジェクトに問い合せずにLogMinerディクショナリからオブジェクト・メタデータ取得することを意味しています。Oracle GoldenGateは、ソース・データベース互換性パラメータが11.2.0.4以上で、統合Extractが使用されているときには、自動的に統合ディクショナリを使用します。

    統合ディクショナリの機能は、クラシックExtractではサポートされていません

    Oracle GoldenGate release 12.2.xで統合ディクショナリおよび証跡フォーマットを使用するときには、Oracle Databaseのリリースが12.1.0.2よりも前の場合、統合キャプチャではLogminerパッチがマイニング・データベース上で適用されることが必要になります。

  • Oracle GoldenGateでは、統合キャプチャ・モードでの非表示列のレプリケーションがサポートされます。証跡フォーマット・リリース12.2が必要です。ReplicatではMAPINVISIBLECOLUMNSパラメータを指定するか、MAPパラメータのCOLMAP句で非表示列に明示的にマップする必要があります。

    SOURCEDEFSまたはTARGETDEFSを使用する場合、Oracle表の定義ファイルのメタデータ・フォーマットは証跡フォーマットと互換性があることが必要です。メタデータ・フォーマット12.2は証跡フォーマット12.2と互換性があり、12.2より前のメタデータ・フォーマットは12.2より前の証跡フォーマットと互換性があります。定義ファイルのメタデータ・フォーマットを指定するには、DEFGENで定義ファイルが生成される際にDEFSFILEパラメータのFORMAT RELEASEオプションを使用します。

  • ネームスペース・コンテキストを作成するDDL文(CREATE CONTEXT)は、Extractによってキャプチャされ、Replicatによって適用されます。

  • ポンプ・モードのExtractは、次のDDLオプションをサポートしています。

    • DDL INCLUDE ALL

    • DDL EXCLUDE ALL

    • DDL EXCLUDE OBJNAME

    DDL EXCLUDESOURCECATALOGおよびALLCATALOGオプションもサポートされています。

    DDLパラメータが指定されていない場合、すべてのDDLが証跡に書き込まれます。DDL EXCLUDE OBJNAMEが指定されている場合は、オブジェクト所有者が除外ルールに一致しないと証跡に書き込まれます。

サポートされていないOracle DDLのオブジェクトおよび操作

次の文は、統合キャプチャ・モードとクラシック・キャプチャ・モードに適用されます。

除外されるオブジェクト

次の名前または名前の接頭辞はOracle予約済とみなされ、Oracle GoldenGate DDL構成から除外する必要があります。これらの名前を含むオブジェクトはOracle GoldenGateによって無視されます。

除外されるスキーマ:

  "ANONYMOUS", // HTTP access to XDB
  "APPQOSSYS", // QOS system user
  "AUDSYS", // audit super user
  "BI", // Business Intelligence
  "CTXSYS", // Text
  "DBSNMP", // SNMP agent for OEM
  "DIP", // Directory Integration Platform
  "DMSYS", // Data Mining
  "DVF", // Database Vault
  "DVSYS", // Database Vault
  "EXDSYS", // External ODCI System User
  "EXFSYS", // Expression Filter
  "GSMADMIN_INTERNAL", // Global Service Manager
  "GSMCATUSER", // Global Service Manager
  "GSMUSER", // Global Service Manager
  "LBACSYS", // Label Security
  "MDSYS", // Spatial
  "MGMT_VIEW", // OEM Database Control
  "MDDATA",
  "MTSSYS", // MS Transaction Server
  "ODM", // Data Mining
  "ODM_MTR", // Data Mining Repository
  "OJVMSYS", // Java Policy SRO Schema
  "OLAPSYS", // OLAP catalogs
  "ORACLE_OCM", // Oracle Configuration Manager User
  "ORDDATA", // Intermedia
  "ORDPLUGINS", // Intermedia
  "ORDSYS", // Intermedia
  "OUTLN", // Outlines (Plan Stability)
  "SI_INFORMTN_SCHEMA", // SQL/MM Still Image
  "SPATIAL_CSW_ADMIN", // Spatial Catalog Services for Web
  "SPATIAL_CSW_ADMIN_USR",
  "SPATIAL_WFS_ADMIN", // Spatial Web Feature Service
  "SPATIAL_WFS_ADMIN_USR",
  "SYS",
  "SYSBACKUP",
  "SYSDG",
  "SYSKM",
  "SYSMAN", // Adminstrator OEM
  "SYSTEM",
  "TSMSYS", // Transparent Session Migration
  "WKPROXY", // Ultrasearch
  "WKSYS", // Ultrasearch
  "WK_TEST",
  "WMSYS", // Workspace Manager
  "XDB", // XML DB
  "XS$NULL",
  "XTISYS", // Time Index

特別なスキーマ:

  "AURORA$JIS$UTILITY$", // JSERV
  "AURORA$ORB$UNAUTHENTICATED", // JSERV
  "DSSYS", // Dynamic Services Secured Web Service
  "OSE$HTTP$ADMIN", // JSERV
  "PERFSTAT", // STATSPACK
  "REPADMIN",
  "TRACESVR" // Trace server for OEM

除外される表は次のとおりです(*ワイルドカードは任意のスキーマまたは文字を示します)。

  "*.AQ$*", // advanced queues
  "*.DR$*$*", // oracle text
  "*.M*_*$$", // Spatial index
  "*.MLOG$*", // materialized views
  "*.OGGQT$*",
  "*.OGG$*", // AQ OGG queue table
  "*.ET$*", // Data Pump external tables
  "*.RUPD$*", // materialized views
  "*.SYS_C*", // constraints
  "*.MDR*_*$", // Spatial Sequence and Table
  "*.SYS_IMPORT_TABLE*",
  "*.CMP*$*", // space management, rdbms >= 12.1
  "*.DBMS_TABCOMP_TEMP_*", // space management, rdbms < 12.1
  "*.MDXT_*$*" // Spatial extended statistics tables
サポートされていないその他のDDL

Oracle GoldenGateでは次のものはサポートされていません。

  • ネストされた表に対するDDL。

  • IDENTITY列に対するDDL。

  • ALTER DATABASEおよびALTER SYSTEM (これらはDDLとはみなされません)。ディクショナリを使用して、ALTER DATABASE DEFAULT EDITIONおよびALTER PLUGGABLE DATABASE DEFAULT EDITIONをレプリケートできます。その他のALTER [PLUGABLE] DATABASEコマンドはすべて無視されます。

  • スタンバイ・データベースに対するDDL。

  • データベース・リンクDDL。

  • FLASHBACK ARCHIVE句を含む表を作成するDDL、またはフラッシュバック・データ・アーカイブ自身を作成、変更または削除するDDL。FLASHBACK ARCHIVEを含む表に対するDMLはサポートされません。

  • 一部のDDLでは、システム生成のオブジェクト名が生成されます。システム生成オブジェクトの名前は、2つの異なるデータベース間で常に同じであるとはかぎりません。したがって、システム生成名を持つオブジェクトに対するDDL操作は、ターゲットで名前が完全に同じ場合にのみ実行する必要があります。

クラスタへのOracle GoldenGateの統合

クラスタにOracle GoldenGateをインストールした場合は、次のステップを実行して、クラスタ・ソリューションにOracle GoldenGateを統合します。

クラスタでのOracle GoldenGateのインストールおよび使用の詳細は、ClassicおよびMicroservicesアーキテクチャの次のホワイト・ペーパーを参照してください。

  1. Oracle Real Application Clustersを使用したOracle GoldenGate Classic Architectureの構成ベスト・プラクティス

  2. Oracle Real Application Clustersを使用したOracle GoldenGate Microservices Architectureの構成ベスト・プラクティス

クラスタでの一般的な要件

  1. クラスタ・ノードでGoldenGateプロセスを自動的に管理するように、Oracle Grid Infrastructure Bundled Agent (XAG)を構成します。詳細は、Oracle Grid Infrastructure Bundled Agents (XAG)によるOracle GoldenGateの構成を参照してください。
    XAGを使用すると、Oracle GoldenGateプロセスを起動する前に、必要なクラスタ・ファイル・システムがマウントされていることを確認できます。クラスタでアプリケーションの仮想IP (VIP)を使用している場合は、正しいノードでVIPが起動していることも、バンドルされたエージェントによって確認されます。
  2. AUTOSTARTおよびAUTORESTARTパラメータを使用してOracle GoldenGate Managerプロセスを構成し、Managerでレプリケーション・プロセスを自動的に起動するようにします。
  3. 1つのノードのみで共有ドライブをマウントします。これによって、他のノードでプロセスが起動されなくなります。すべてのノードで同じマウント・ポイントを使用します。Oracle Grid Infrastructure Bundled Agentを使用している場合は、必要なファイル・システムのマウントが自動的に実行されます。
  4. クラスタのすべてのデータベース・インスタンスで、COMPATIBLEパラメータの設定が同じことを確認します。
  5. このドキュメントに記載のとおり、Oracle GoldenGateを構成します。

Oracle GoldenGateをWindowsクラスタ・リソースとして追加

Oracle GoldenGateをWindowsクラスタにインストールした場合は、次の手順に従ってOracle GoldenGateをクラスタ・リソースとして設定し、すべてのノード上にManagerサービスを正しく設定します。

  • クラスタ・アドミニストレータで、Oracle GoldenGateの接続先のデータベース・インスタンスを含むグループにManagerプロセスを追加します。

  • Oracle GoldenGateが稼働するすべてのノードが、リソースの実行可能な所有者として選択されていることを確認します。

  • Manager Windowsサービスに次の依存関係(「サービス」コントロール・パネルから構成可能)があることを確認します。

    • データベース・リソース

    • Oracle GoldenGateディレクトリが含まれているディスク・リソース

    • データベース・トランザクション・ログ・ファイルを含むディスク・リソース

    • データベースのトランザクション・ログ・バックアップ・ファイルを含むディスク・リソース