16 マルチテナント・コンテナ・データベースでのOracle GoldenGateの構成

この章では、マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)にOracle GoldenGateを構成する場合の手順について説明します。

内容は次のとおりです。

プラガブル・データベースからのキャプチャ

1つのExtractグループで、複数のプラガブル・データベースから単一の証跡にキャプチャできます。パラメータ・ファイルで、container.schema.objectの形式の3つの部分からなる完全修飾名で、ソース・オブジェクトをTABLEおよびSEQUENCE文に指定する必要があります。

3つの部分からなる名前を指定する代替方法として、SOURCECATALOGパラメータでデフォルトのプラガブル・データベースを指定し、後続のTABLEまたはSEQUENCEパラメータに、schema.objectのみを指定できます。この構成の複数のインスタンスを使用して、複数のソース・プラガブル・データベースを処理できます。たとえば:

SOURCECATALOG pdb1
TABLE phoenix.tab;
SEQUENCE phoenix.seq;
SOURCECATALOG pdb2
TABLE dallas.tab;
SEQUENCE dallas.seq;

プラガブル・データベースへの適用

Replicatは、1つのプラガブル・データベースのみに接続して適用できます。正しいものを指定するには、USERIDまたはUSERIDALIASパラメータで指定するデータベース・ユーザーにSQL*Net接続文字列を使用します。たとえば: GGADMIN@FINANCE。パラメータ・ファイルで、MAP文のTARGETの部分に、schema.objectのみを指定します。MAPの部分で、3つの部分からなる名前の複数のプラガブル・データベースからキャプチャされるソース・オブジェクトを識別するか、2つの部分からなる名前のSOURCECATALOGパラメータを使用します。次に、この構成の例を示します。

SOURCECATALOG pdb1
MAP schema_1.tab, TARGET 1;
MAP schema_1.seq, TARGET 1;
SOURCECATALOG pdb2
MAP schema_2.tab, TARGET 2;
MAP schema_2.seq, TARGET 2;

次に、SOURCECATALOGを使用せずにソース・プラガブル・データベースを識別する例を示します。この場合、ソース・オブジェクトは3つの部分からなる名前で指定されます。

MAP pdb1.schema_1.tab, TARGET 1;
MAP pdb1.schema_1.seq, TARGET 1;

複数のソース・プラガブル・データベースから複数のターゲット・プラガブル・データベースへのレプリケーションを構成するには、パラレルExtractおよびReplicatストリームを構成し、それぞれ1つのプラガブル・データベースのデータを処理できます。または、複数のソース・プラガブル・データベースから1つのExtractキャプチャを構成できます(複数のReplicatグループによって読み取られる1つの証跡を書き込み、それぞれ異なるターゲット・プラガブル・データベースに適用します)。さらに別の方法として、複数の証跡への1つのExtract書込みを使用する方法があり、各証跡は、特定のターゲット・プラガブル・データベースに割り当てられたReplicatによって読み取られます。

構成からのオブジェクトの除外

プラガブル・データベース、スキーマおよびオブジェクトを構成から除外するには、CATALOGEXCLUDESCHEMAEXCLUDETABLEEXCLUDEMAPEXCLUDEおよびEXCLUDEWILDCARDOBJECTSONLYパラメータを使用できます。

マルチテナント・コンテナ・データベースのその他の要件

この項では、マルチテナント・コンテナ・データベースとの間のレプリケーションに適用される特別な要件について説明します。

要件は次のとおりです。

  • マルチテナント・コンテナ・データベース内の異なるプラガブル・データベースが異なる文字セットを持つことができます。Oracle GoldenGateは、異なる文字セットを持つマルチテナント・データベースから、1つの証跡ファイルにデータをキャプチャして、データをレプリケートしますが、異なる文字セットの使用によってデータは破損しません。

  • Extractは統合キャプチャ・モードで動作する必要があります。Extractキャプチャ・モードの詳細は、「使用するキャプチャ方法の決定」 を参照してください。Replicatは任意のモードで動作できます。

  • ログマイニング・サーバーと対話するには、Extractが共通ユーザーとしてルート・コンテナ(cdb$root)に接続する必要があります。ルート・コンテナを指定するには、USERIDまたはUSERIDALIASパラメータで指定するデータベース・ユーザーに適切なSQL*Net接続文字列を使用します。たとえば: C##GGADMIN@FINANCE。Oracle GoldenGateプロセスのユーザーの作成および適切な権限を付与する方法は、「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください。

  • ソースCDB 12.2をサポートするためには、Extractで証跡形式としてリリース12.3を指定する必要があります。REDOログ内の変更により、Oracle 12.2以上のマルチテナント・データベースからキャプチャするには、証跡フォーマット・リリースが12.3以上である必要があります。

  • dbms_goldengate_auth.grant_admin_privilegeパッケージは、マルチテナント・コンテナ・データベース内のキャプチャおよび適用の適切な権限を付与します。これにはcontainerパラメータが含まれ、次の例のようにALLに設定する必要があります。

    exec dbms_goldengate_auth.grant_admin_privilege('C##GGADMIN',container=>'all')
    
  • DDLレプリケーションはマルチテナント・データベースの通常のレプリケーションとして機能します。ただし、Replicatはルート・コンテナに接続してはならず、PDBのみに接続する必要があるため、ルート・コンテナのDDLはレプリケートしないでください。

マルチテナント・データベースのFLUSH SEQUENCE

FLUSH SEQUENCEはPDBレベルで発行される必要があるため、ユーザーは、順序レプリケーションを実行する各PDBでOracle GoldenGateユーザーを作成し、DBLOGINを使用してそのPDBにログインし、FLUSH SEQUENCEコマンドを実行する必要があります。

各PDBで同じスキーマを使用して、スキーマがGGSCHEMA GLOBALSパラメータ・ファイルで動作するようにすることをお薦めします。次に例を示します。

Environment Information OGG 18.1 Oracle 12c to Oracle 12c Replication, Integrated Extract, Parallel Replicat
Source: CDB GOLD, PDB CERTMISSN 
Target: CDB PLAT, PDB CERTDSQ 
Source OGG Configuration
    Container User: C##GGADMIN
    PDB User for Sequences: GGATE
sqlplus / as sysdbao 
SQL> alter session set container=CERTMISSN;
SQL> create user ggate identified by password default tablespace users temporary tablespace temp quota unlimited on users container=current;
Run @sequence
sqlplus / as sysdba
SQL> alter session set container=CERTMISSN;
SQL> @sequence
プロンプトが表示されたら、次のように入力します
GGATE GLOBALS
GGSCHEMA GGATE
FLUSH SEQUENCE:
GGSCI> DBLOGIN USERIDALIAS GGADMIN DOMAIN GOLD_QC_CDB$ROOT

GGSCI> FLUSH SEQUENCE CERTMISSN.SRCSCHEMA1.*
 
ターゲットのOracle GoldenGate構成:
 PDB User: GGATE
Run @sequence
sqlplus / as sysdba
SQL> alter session set container=CERTDSQ;
SQL> @sequence

プロンプトが表示されたら、GGATEを入力します

これは、キャプチャ元の各PDBでも実行する必要がある@sequence.sqlスクリプトにも適用されます。