2.5.3 インスタンス設定の構成

Oracle Application Express開発インスタンスの各種の一般的な設定を制御します。これには、ワークスペースのプロビジョニング動作、記憶域、電子メール、ウォレット情報、レポート出力、「ヘルプ」メニュー、ワークスペース・サイズ・オプションおよびアプリケーションID範囲の構成が含まれます。

2.5.3.1 ワークスペースのセルフ・サービス・プロビジョニングの構成について

インスタンス管理者は、ワークスペースをプロビジョニングする(または作成する)ときのオートメーションの程度を決定します。

割当ての動作方法を決定するには、インスタンス管理者は、「インスタンスの設定」ページで次のいずれかの「プロビジョニング・ステータス」オプションを選択します。

  • 「手動」 - このモードでは、インスタンス管理者が新しいワークスペースを作成し、ワークスペース管理者にログイン情報を通知します。

  • リクエスト - ユーザーがセルフ・サービス方式で直接ワークスペースをリクエストします。ユーザーはログイン・ページのリンクをクリックしてリクエスト・フォームにアクセスします。ワークスペース・リクエストが承認されると、該当するログイン情報が電子メールで自動的にユーザーに送信されます。

  • 電子メールの検証でのリクエスト - このモードでは、ユーザーがサインイン・ページでリンクをクリックしてワークスペースを直接リクエストし、リクエスト・フォームにアクセスします。各ユーザーは、検証リンクを含む電子メールを最初に受信します。ユーザーが検証リンクをクリックすると、リクエストが処理されます。ユーザーは、この後サインイン・ページを使用してワークスペースにアクセスできます。

注意:

サインイン・ページのリンクを使用してユーザーがワークスペースをリクエストできるようにするには、プロビジョニング・ステータスを「リクエスト」または電子メールの検証でのリクエストにする必要があります。割当てステータスが「手動」に設定されている場合、サインイン・ページにリンクが表示されません。

2.5.3.2 電子メール割当ての無効化

「電子メール・プロビジョニング」を使用すると、電子メールの検証で割当てを行う場合に、ワークスペース・プロビジョニングが無効になります。

電子メール割当てを無効にするには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスにサインインします。
  2. 「インスタンスの管理」をクリックします。
  3. 「インスタンスの設定」で、「インスタンスの設定」をクリックします。
  4. 「電子メール・プロビジョニング」から、「無効」を選択します。

    「無効」を選択すると、電子メールの検証で割当てを行う場合に、ワークスペース・プロビジョニングが完全に無効になります。

  5. 「メッセージ」に、電子メール割当てを無効にした理由を示すメッセージを入力します。
  6. 「変更の適用」をクリックします。

2.5.3.3 記憶域の構成

インスタンス管理者は、ワークスペースや自動拡張表領域をリクエストした際に新しいスキーマを要求したり、指定日数に達したアップロード済ファイルを削除する記憶域オプションを構成できます。

2.5.3.3.1 新しいスキーマの要求

ワークスペースをリクエストするユーザーが、既存のスキーマを選択することができるか、または新しいスキーマをリクエストする必要があるかを制御します。

ワークスペースの作成時に新しいスキーマを要求するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスにサインインします。
  2. 「インスタンスの管理」をクリックします。
  3. 「インスタンスの設定」で、「インスタンスの設定」をクリックします。
  4. 「記憶域」までスクロールします。
  5. 「新しいスキーマが必要」から、次のいずれかを選択します。
    • はい: ユーザーは新しいワークスペースをリクエストするときに、新しいスキーマをリクエストする必要があります。
    • いいえ: ユーザーは新しいワークスペースをリクエストするときに、既存のスキーマを選択できます。
  6. 「変更の適用」をクリックします。

2.5.3.3.2 自動拡張表領域の有効化

自動拡張表領域の有効化。

「自動拡張表領域」を有効にすると、Oracle Application Expressで割り当てられる表領域は、リクエストされたサイズの1/10のサイズのデータ・ファイルで作成されます。データ・ファイルは、リクエストされたサイズまで自動的に拡張します。たとえば、ユーザーが100MBのワークスペースをリクエストすると、データ・ファイルの初期サイズは10MBとなり、100MBの最大サイズまで自動的に拡張します。

「自動拡張表領域」を有効にするには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスにサインインします。
  2. 「インスタンスの管理」をクリックします。
  3. 「インスタンスの設定」で、「インスタンスの設定」をクリックします。
  4. 「記憶域」までスクロールします。
  5. 「自動拡張表領域」を有効にするには、「はい」を選択します。
  6. 「変更の適用」をクリックします。

2.5.3.3.3 bigfile表領域の有効化

bigfile表領域のサポートを有効化します。

ワークスペースが割り当てられると、Oracle Application Expressは関連するデータベース・ユーザー、表領域およびデータファイルを作成します。「bigfile表領域」が有効な場合、Oracle Application Expressで割り当てられる表領域は、bigfileの表領域として作成されます。bigfile表領域は、単一で非常に大きいデータファイルを持つ表領域です。これに対して、従来のsmallfile表領域には複数のデータファイルを格納できますが、各データファイルは大きくありません。

ヒント:

表領域の容量が制限される場合があるため、大規模なファイル・サイズをサポートしていないプラットフォームでbigfile表領域を使用することはお薦めしません。サポートされているファイルの最大サイズの詳細は、使用しているオペレーティング・システム固有のドキュメントを参照してください。

bigfile表領域を有効化するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスにサインインします。
  2. 「インスタンスの管理」をクリックします。
  3. 「インスタンスの設定」で、「インスタンスの設定」をクリックします。
  4. 「記憶域」までスクロールします。
  5. 「bigfile表領域」で、「はい」を選択します。
  6. 「変更の適用」をクリックします。

参照:

BIGFILE_TABLESPACES_ENABLEDパラメータの詳細は、『Oracle Application Express APIリファレンス』の使用可能なパラメータ値に関する説明を参照してください。

2.5.3.3.4 暗号化された表領域の有効化

暗号化された表領域のサポートを有効化します。

「暗号化された表領域」が有効な場合、Oracle Application Expressで割り当てられる表領域は、Oracle Databaseの透過的データ暗号化(TDE)機能を使用して、暗号化された表領域として作成されます。TDEを使用すると、データ・ファイルに格納されている機密データを暗号化できます。許可なく復号化されるのを防止するため、TDEにより暗号化キーはデータベース外部のセキュリティ・モジュールに格納されます。

Application Expressでこの機能を利用するには、暗号化ウォレットを作成し、マスター暗号化キー・セットを使用する必要があります。また、暗号化ウォレットは、新しいApplication Expressワークスペースを割り当てる前に開く必要があります。

暗号化された表領域を有効化するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスにサインインします。
  2. 「インスタンスの管理」をクリックします。
  3. 「インスタンスの設定」で、「インスタンスの設定」をクリックします。
  4. 「記憶域」までスクロールします。
  5. 「暗号化された表領域」で、「はい」を選択します。
  6. 「変更の適用」をクリックします。

参照:

ENCRYPTED_TABLESPACES_ENABLEDパラメータの詳細は、『Oracle Application Express APIリファレンス』の使用可能なパラメータ値に関する説明を参照してください。

2.5.3.3.5 アップロードしたファイルの削除

Oracle Application Expressがアップロード済ファイルを自動的に削除するまでの日数を指定します。

「アップロード済ファイルを次の日数後に削除」を使用して、Oracle Application Expressがアップロード済ファイルを自動的に削除するまでの日数を指定します。この自動削除処理がOracle Application Expressインスタンス内のすべてのワークスペースに適用されることに注意してください。削除されるファイルのタイプには次のものが含まれます。

  • アプリケーションのエクスポート

  • CSSのエクスポート

  • イメージのエクスポート

  • ページのエクスポート

  • プラグイン

  • スクリプトのエクスポート

  • スプレッドシート/テキスト・データのインポート

  • 静的ファイルのエクスポート

  • テーマ

  • ユーザー・インタフェースのデフォルト値

  • ワークスペースのエクスポート

  • XMLデータのインポート

エクスポート・ファイルおよびインポート・ファイルを削除するタイミングを構成するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスにサインインします。
  2. 「インスタンスの管理」をクリックします。
  3. 「インスタンスの設定」で、「インスタンスの設定」をクリックします。
  4. 「記憶域」までスクロールします。
  5. 「アップロード済ファイルを次の日数後に削除」に、Oracle Application Expressがアップロード済ファイルを削除するまでの日数を入力します。

    正の整数を入力してください。この設定がNULLの場合、ファイルは自動的に削除されません。

  6. 「変更の適用」をクリックします。

ヒント:

削除されたファイルのサマリーを確認するには、「自動ファイル削除ログ」を参照します。開発インスタンス間のアクティビティの監視を参照してください。

2.5.3.4 電子メールの構成

Oracle Application Expressでメールを送信できるようにするには、インスタンス管理者がインスタンスレベルで電子メール設定を構成する必要があります。

ヒント:

新しいワークスペース・リクエストが承認されたときにユーザーにログイン資格証明が電子メールで自動的に送信されるように、Oracle Application Expressを構成できます。ワークスペースの作成方法の指定の概要およびプロビジョニング・モードの選択を参照してください。

2.5.3.4.1 ネットワーク・サービスの有効化について

Oracle Database 11g以降のバージョンで、アウトバウンド・メールを送信したり、Webサービスを使用したり、Oracle Application ExpressのPDFレポート出力を使用するには、ネットワーク・サービスを有効にする必要があります。

ネットワーク・サービスを有効化すると、Oracle Application Expressでのアウトバウンド・メールの送信、Oracle Application ExpressでのWebサービスの使用、PDFレポートの出力に対するサポートが有効になります。

Oracle Database 11gリリース2以降では、ネットワーク・サービスとの通信機能が、デフォルトで無効化されています。このため、Oracle Database 11gリリース2以降でOracle Application Expressを実行している場合は、新しいDBMS_NETWORK_ACL_ADMINパッケージを使用して、APEX_190100データベース・ユーザーにすべてのホストに対する接続権限を付与する必要があります。これらの権限を付与しないと、次の場合に問題が発生します。

  • Oracle Application Expressでアウトバウンド・メールを送信する。

    ユーザーはAPEX_MAILパッケージからメソッドをコールできますが、アウトバンド・メールの送信時に問題が発生します。

  • Oracle Application ExpressでWebサービスを使用する。

  • PDF/レポートの印刷。

参照:

Oracle Application Expressインストレーション・ガイドの「インストール・シナリオのOracle Database 11g以上のネットワーク・サービスの有効化」

2.5.3.4.2 完全開発環境での電子メールの構成

インスタンス管理者は完全開発環境で電子メールを送信できるようにOracle Application Expressを構成する必要があります。

完全開発環境でメールを送信するようにOracle Application Expressを構成するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスにサインインします。
  2. 「インスタンスの管理」をクリックします。
  3. 「インスタンスの設定」で、「インスタンスの設定」をクリックします。
  4. 「記憶域」までスクロールします。
  5. 「電子メール」で、次の編集を行います。
    1. Application ExpressのインスタンスのURL - このApplication ExpressインスタンスへのURLを指定します(データベース・アクセス記述子またはコンテキスト・ルートの後に末尾のスラッシュを含めます)。この設定は、システム生成電子メールに使用されます。次に例を示します。

      https://www.example.com/apex/

    2. Application ExpressのイメージのURL - このApplication Expressインスタンスのイメージ・ディレクトリへの完全なURLを指定します(イメージ・ディレクトリの後に末尾のスラッシュを含めます)。この設定は、システム生成電子メールに使用されます。

      https://www.example.com/i/

    3. SMTPホスト・アドレス - SMTPサーバーのサーバー・アドレスを定義します。これは、インストール時のデフォルトではlocalhostに設定されます。別のサーバーをSMTPリレーとして使用する場合は、このパラメータをそのサーバーのアドレスに変更します。
    4. SMTPホスト・ポート - メール・リクエスト用にSMTPサーバーが待機するポートを定義します。デフォルト設定は25です。
    5. SMTP認証ユーザー名: ユーザー名を入力すると、Oracle Application Expressは電子メールの送信時にこれを認証します。Oracle Database gリリース2 (11.2.0.2)より前では、SMTPの認証スキーム「LOGIN」のみがサポートされています。それより新しいデータベースのバージョンでは、UTL_SMTPのすべての認証スキームがサポートされています。
    6. SMTP認証パスワード: パスワードを入力すると、Oracle Application Expressは電子メールの送信時にこれを認証します。Oracle Database gリリース2、リリース11.2.0.2より前では、SMTPの認証スキーム「LOGIN」のみがサポートされています。それより新しいデータベースのバージョンでは、UTL_SMTPのすべての認証スキームがサポートされています。
    7. SSL/TLSの使用 - Oracle Database 11gリリース2、リリース11.2.0.2以上では、Application Expressは保護されたSMTP接続をサポートしています。

      オプションは次のとおりです。

      • はい: SMTP通信の前にSSL/TLSによる保護された接続が確立されます。

      • 接続の確立後: Oracle Application Expressは、接続が開かれた直後にSMTPのコマンドSTARTTLSを送信します。

      • いいえ: 保護されていない接続が開かれます。

    8. デフォルトの電子メール送信元アドレス: プロビジョニング・リクエストの承認や、パスワードのリセットなど、電子メールを作成するタスクに対する送信元アドレスを定義します。
    9. ワークスペースごとの最大の電子メール: 24時間ごとの各ワークスペースのAPEX_MAIL APIで送信できる電子メール・メッセージの数を定義します。
  6. 「変更の適用」をクリックします。

2.5.3.4.3 ランタイム環境での電子メールの構成

インスタンス管理者はランタイム環境で電子メールを送信できるようにOracle Application Expressを構成する必要があります。

ランタイム環境でメールを送信するようにOracle Application Expressを構成するには、次のステップを実行します。

  1. SQL*Plusを起動して、SYSとしてOracle Application Expressがインストールされているデータベースに接続します。次に例を示します。
    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
  2. 次の文を実行します。
    ALTER SESSION SET CURRENT_SCHEMA = APEX_190100
    
  3. 次の文を実行します。
    BEGIN
       APEX_INSTANCE_ADMIN.SET_PARAMETER(PARAMETER_NAME, PARAMETER_VALUE);
    END;

    ヒント:

    電子メール・パラメータの説明は、完全開発環境での電子メールの構成を参照してください。

参照:

『Oracle Application Express APIリファレンス』のSET_PARAMETERプロシージャに関するセクション

2.5.3.4.4 ランタイム環境での電子メール設定の決定

ランタイム環境での電子メール設定の決定

ランタイム環境での電子メール設定を決定するには、次のステップを実行します。

  1. SQL*Plusを起動して、SYSとしてOracle Application Expressがインストールされているデータベースに接続します。次に例を示します。
    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
  2. 次の文を実行します。
    ALTER SESSION SET CURRENT_SCHEMA = APEX_190100
    
  3. 次の文を実行します。
    SELECT 
    APEX_INSTANCE_ADMIN.GET_PARAMETER(PARAMETER_NAME)
    FROM DUAL;
    

    ヒント:

    電子メール・パラメータの説明は、完全開発環境での電子メールの構成を参照してください。

参照:

『Oracle Application Express APIリファレンス』のGET_PARAMETERファンクションに関するセクション

2.5.3.5 ウォレット情報の構成

Oracle Application Expressインスタンスのウォレット情報(認証および署名された資格証明を格納)を構成します。

2.5.3.5.1 SSLとウォレットの作成の概要

ウォレットは、SSLに必要な認証および署名された資格証明(秘密キー、証明書および信頼できる証明書)の格納に使用されるパスワード保護されたコンテナです。

Secure Sockets Layer(SSL)は、RSA公開キーによる暗号化と対称キーによる暗号化を使用して、認証、暗号化およびデータの整合性を実現する業界標準プロトコルです。SSLの有効時は、URLにhttpsと表示されます。

次の場合は、ウォレットを作成する必要があります。

  • SSL有効URLを呼び出す(たとえば、Webサービスを起動して)場合。

  • タイプがSSL有効URLのリージョンを作成する場合。

  • 「SSL/TLSの使用」属性を「はい」に設定してセキュアSMTPを構成する場合。

  • 「認証付きSSL」を使用するように構成されたLDAP認証スキームを持つアプリケーションを使用する場合。

ウォレット作成の概要

ウォレットを作成するには、次のステップを実行します。

  1. データベース管理者はOracle Application Expressデータベース・インスタンスでウォレットを作成する必要があります。

  2. インスタンス管理者は、インスタンスの設定ページのウォレット属性を構成して、ウォレットへのファイル・システム・パスおよび(必要に応じて)ウォレット・パスワードを指定します。

参照:

2.5.3.5.2 完全開発環境でのウォレットの構成

「インスタンスの設定」ページで完全開発環境でのウォレット設定を構成します。

完全開発環境でウォレット設定を指定するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスにサインインします。
  2. 「インスタンスの管理」をクリックします。
  3. 「インスタンスの設定」で、「インスタンスの設定」をクリックします。
  4. 「ウォレット」をクリックします。
  5. 「ウォレット」で、次のことを行います。
    1. ウォレット・パス - 次の形式でウォレットが格納されているファイルシステムでのパスを入力します。
      file:directory-path

      例は、フィールドレベル・ヘルプを参照してください。

    2. パスワード - ウォレットを開くのに必要なパスワードを入力します。「ウォレット・パスワードを変更するかどうかを確認する場合は選択」を選択し、パスワードを変更したことを示します。
  6. 「変更の適用」をクリックします。

2.5.3.5.3 ランタイム環境でのウォレットの構成

SQL*Plusを起動し、次のSQL文を実行して、ランタイム環境でのウォレット設定を構成します。

ランタイム環境でウォレット設定を指定するには、次のステップを実行します。

  1. SQL*Plusを起動して、SYSとしてOracle Application Expressがインストールされているデータベースに接続します。次に例を示します。
    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
  2. 次の文を実行します。
    ALTER SESSION SET CURRENT_SCHEMA = APEX_190100
    
  3. 次の文を実行します。
    BEGIN 
        APEX_INSTANCE_ADMIN.SET_PARAMETER(PARAMETER_NAME, PARAMETER_VALUE);
    END;
    

    ウォレットのパラメータについては、表2-5を参照してください。

    表2-5 ウォレット・パラメータ

    パラメータ名 説明

    WALLET_PATH

    ファイル・システムでのウォレットへのパス。次に例を示します。

    file:/home/username/wallets
    

    WALLET_PWD

    ウォレットに関連付けられているパスワード。

参照:

『Oracle Application Express APIリファレンス』のSET_PARAMETERプロシージャに関するセクション

2.5.3.5.4 ランタイム環境でのウォレット設定の決定

SQL*Plusを起動し、次のSQL文を実行して、ランタイム環境でのウォレット設定を構成します。

ランタイム環境でのウォレット設定を決定するには、次のステップを実行します。

  1. SQL*Plusを起動して、SYSとしてOracle Application Expressがインストールされているデータベースに接続します。次に例を示します。
    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
  2. 次の文を実行します。
    ALTER SESSION SET CURRENT_SCHEMA = APEX_190100
    
  3. 次の文を実行します。
    SELECT 
    APEX_INSTANCE_ADMIN.GET_PARAMETER(PARAMETER_NAME) 
    FROM DUAL;
    

    ウォレットのパラメータについては、 表2-5を参照してください。

参照:

『Oracle Application Express APIリファレンス』のGET_PARAMETERファンクションに関するセクション

2.5.3.6 レポート出力の構成

エンド・ユーザーはPDFを含む様々な形式でレポートをダウンロードおよび出力できます。

2.5.3.6.1 レポート出力の構成の概要

サイトレベル、インスタンスレベル、ページおよびリージョンレベルでの出力設定を構成して、レポート出力を可能にします。

レポート出力機能を設定するには、次の出力設定を構成する必要があります。

  1. サイト・レベル: インスタンス管理者はこのセクションで説明するように、Oracle Application Expressインスタンス全体に対して機能のレベル(標準または拡張)を指定する必要があります。

  2. アプリケーション・レベル: ワークスペース管理者および開発者は「レポート問合せ」と「レポート・レイアウト」を定義できます。「レポート問合せ」と「レポート・レイアウト」は「共有コンポーネント」に格納され、特定のページには関連がありません。

  3. ページ/リージョン・レベル: 開発者は特定のページの「レポート」リージョンを編集し、レポート出力を有効化できます。エンド・ユーザーが様々な書式でリージョンを出力できるようになります。

参照:

2.5.3.6.2 フル開発環境でのレポート出力の構成

「インスタンスの設定」ページでインスタンスレベルでのレポート出力を構成します。

完全開発環境でレポートの出力を構成するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスにサインインします。
  2. 「インスタンスの管理」をクリックします。
  3. 「インスタンスの設定」で、「インスタンスの設定」をクリックします。
  4. 「レポート出力」をクリックします。
  5. プリンタ・サーバーで、オプションを選択します。
    • Oracle REST Data Services -Oracle REST Data Servicesリリース2.0以上を使用する場合には、このオプションを選択します。このオプションによって、Application Expressで提供されるデフォルトのテンプレートおよびカスタマイズしたXSL-FOテンプレートを使用して、レポート問合せの作成およびレポート・リージョンの出力を含む基本的な出力機能が使用できるようになります。

      注意:

      「Oracle REST Data Services」オプションでは、外部出力サーバーが必要なく、かわりに、レポート・データおよびスタイルシートがリスナーにダウンロードされ、リスナーによってPDF形式にレンダリングされてから、クライアントに送信されます。この設定のPDFドキュメントはデータベースに戻されないため、Oracle REST Data Servicesベースの構成を使用する場合、出力APIはサポートされません。

    • 外部(Apache FOP): 外部J2EEサーバーでApache FOPを使用している場合に、このオプションを選択します。このオプションによって、Application Expressで提供されるデフォルトのテンプレートおよびカスタマイズしたXSL-FOテンプレートを使用して、レポート問合せの作成およびレポート・リージョンの出力を含む基本的な出力機能が使用できるようになります。

    • Oracle BI Publisher: Oracle BI Publisher(Oracle XML Publisherとも呼ばれる)の使用許諾が必要です。このオプションによって、レポートの問合せ結果を取得し、Oracle BI Publisherを使用して、XMLからRTF形式に変換できるようになります。Application Express内でのレポート出力用に、独自にカスタマイズしたRTFまたはXSL-FOのテンプレートをアップロードする場合、このオプションを選択してください。

  6. 前のステップで「外部(Apache FOP)」または「Oracle BI Publisher」を選択した場合、次を指定します。
    • プリント・サーバーのプロトコル - プリント・サーバーが使用するプロトコル(HTTPまたはHTTPS)を選択します。

    • プリント・サーバーのホスト・アドレス - プリント・サーバー・エンジンのホスト・アドレスを指定します。デフォルトでは、localhostに設定されています。プリント・サーバーが別の場所にインストールされている場合は、対応するホスト・アドレスを入力します。

    • プリント・サーバー・ポート - プリント・サーバー・エンジンのポートを定義します。デフォルト設定は8888です。

    • プリント・サーバー・スクリプト - プリント・サーバー・エンジンのスクリプトを定義します。デフォルト設定は次のとおりです。

      /xmlpserver/convert
      
  7. 「出力タイムアウト」に、秒数を入力します。これは、プリント・サーバーとの通信の転送タイムアウトを秒単位で定義するオプションです。
  8. 「変更の適用」をクリックします。

参照:

Oracle BI Publisherのインストールおよび構成の詳細は、「PDF Printing in Application Express」を参照してください。

2.5.3.6.3 ランタイム環境でのレポート出力設定の構成

SQL*Plusを起動し、次のSQL文を実行して、ランタイム環境でのレポート出力設定を構成します。

ランタイム環境でレポート出力の設定を構成するには、次のステップを実行します。

  1. SQL*Plusを起動して、SYSとしてOracle Application Expressがインストールされているデータベースに接続します。次に例を示します。
    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
  2. 次の文を実行します。
    ALTER SESSION SET CURRENT_SCHEMA = APEX_190100
    
  3. 次の文を実行します。
    BEGIN
        APEX_INSTANCE_ADMIN.SET_PARAMETER(PARAMETER_NAME, PARAMETER_VALUE);
    END;
    

    使用可能なパラメータについては、表2-6を参照してください。

    表2-6 ランタイム環境でのレポート出力のパラメータ

    パラメータ名 説明

    PRINT_BIB_LICENSED

    標準サポートまたは拡張サポートのいずれかを指定します。拡張サポートの場合は、Oracle BI Publisherの使用許諾が必要です。有効な値は次のとおりです。

    • STANDARD

    • ADVANCED

    • APEX_LISTENER

    PRINT_SVR_HOST

    プリント・サーバー変換エンジンのホスト・アドレス(localhostなど)を指定します。プリント・サーバーが別の場所にインストールされている場合は、対応するホスト・アドレスを入力します。

    PRINT_SVR_PORT

    プリント・サーバー・エンジンのポート(8888など)を定義します。値は、正の整数である必要があります。

    PRINT_SVR_PROTOCOL

    有効な値は次のとおりです。

    • http

    • https

    PRINT_SVR_SCRIPT

    プリント・サーバー・エンジンのスクリプトを定義します。次に例を示します。

    /xmlpserver/convert
    

参照:

『Oracle Application Express APIリファレンス』のSET_PARAMETERプロシージャに関するセクション

2.5.3.6.4 ランタイム環境でのレポート出力設定の決定

ランタイム環境でのレポート出力設定を決定します。

ランタイム環境でのレポート出力設定を決定するには、次のステップを実行します。

  1. SQL*Plusを起動して、SYSとしてOracle Application Expressがインストールされているデータベースに接続します。次に例を示します。
    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
  2. 次の文を実行します。
    ALTER SESSION SET CURRENT_SCHEMA = APEX_190100
    
  3. 次の文を実行します。
    SELECT 
    APEX_INSTANCE_ADMIN.GET_PARAMETER(PARAMETER_NAME)
    FROM DUAL;
    

参照:

2.5.3.7 「ヘルプ」メニューの構成

Oracle Application Express開発環境の右上隅に表示される「ヘルプ」メニューのターゲットURLを構成します。

デフォルトでは、「ヘルプ」メニューは現在のOracle Application Expressのオンライン・ドキュメント・ライブラリを参照します。

「ヘルプ」メニューを構成するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスにサインインします。
  2. 「インスタンスの管理」をクリックします。
  3. 「インスタンスの設定」で、「インスタンスの設定」をクリックします。
  4. 「ヘルプ」をクリックします。
  5. 「ヘルプのURL」でURLを編集します。

    ここで定義するURLは、ユーザーがOracle Application Express内から「ヘルプ」リンクをクリックすると表示されます。

  6. 「変更の適用」をクリックします。

参照:

Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイドの「Oracle Application Expressのドキュメントの概要」

2.5.3.8 リクエストのためのワークスペース・サイズ・オプションの構成

新しいワークスペースやスキーマをリクエストする際および既存のワークスペースの追加領域をリクエストする際に、ユーザーが使用できるワークスペース・サイズ・オプションを構成します。

ワークスペース・サイズ・オプションを構成するには、次のステップを実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスにサインインします。
  2. 「インスタンスの管理」をクリックします。
  3. 「インスタンスの設定」で、「インスタンスの設定」をクリックします。
  4. 「新規ワークスペース・リクエスト・サイズ」「ワークスペース変更リクエスト・サイズ」をクリックします。次の項目を指定します。
    • サイズ - サイズ・オプションを変更するデフォルト数を編集します。

    • 表示 - ワークスペース・サイズの選択リストにすべてのサイズ・オプションを表示するために、「はい」を選択します。

    • デフォルト - ワークスペースの「記憶域」フィールドに表示するデフォルト値を選択して、リクエストを変更します。

  5. 「変更の適用」をクリックします。

2.5.3.9 アプリケーションID範囲の管理

新しいデータベース・アプリケーションおよびWebシート・アプリケーションのIDの範囲を制御します。

大規模な複数インスタンスのインストールでID範囲を分けると、インスタンス間でワークスペースを容易に移動でき、アプリケーションIDを保持できます。ID範囲を有効化するには、少なくとも「最小ID」を指定する必要があります。

アプリケーションID範囲を構成するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Application Express管理サービスにサインインします。
  2. 「インスタンスの管理」をクリックします。
  3. 「インスタンスの設定」で、「インスタンスの設定」をクリックします。
  4. 「アプリケーションID範囲」をクリックして、次を指定します。
    • 最小ID: データベースIDおよびWebシート・アプリケーションIDの下限範囲を入力します。

    • 最大ID: データベースIDおよびWebシート・アプリケーションIDの最大範囲を入力します。

  5. 「変更の適用」をクリックします。