3 パッチ適用とアップグレード

この章では、Infrastructureのアップグレードに関する問題について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

製品のアップグレードに関する問題

この項では、次の項目について説明します。

停止時間の短縮アップグレード後のバージョン番号が正しくない

12c (12.2.1.4.0)へのアップグレードに使用するアップグレード手順に応じて、アップグレード後のバージョン番号と著作権の年がOracle Enterprise Managerで変わらないことに気づく場合があります。これはエラーではありません。

停止時間の短縮アップグレードを正常に実行すると、Oracle Enterprise Managerにアクセスしたときに著作権の年とバージョン番号が正しく表示されません。これらの正しくないバージョンは既知の問題であり、アップグレードを再度実行する必要はありません。次の問題は無視してかまいません:
  • 著作権の年は2019年ではなく2017年として表示されます
  • バージョンは12.2.1.3.0、ランタイム・バージョンは12.2.1.4.0になります

IPM専用ドメインのMDSスキーマの検出でエラー

Application Extension Framework (AXF)がOracle ImagingおよびProcess Management (Oracle I/PM)とともに構成されている場合、MDSデータソースはドメインに作成されます。AXFが構成されていない場合、11gドメインにMDSデータソースは作成されません。

そのため、UAでドメイン補助スキーマ・アップグレードを使用すると、MDSスキーマは検出されません。MDSデータソースなしにアップグレードを続けることができます。

アップグレード・アシスタントでマルチデータのソースが定義されているドメインの読取りができない

アップグレード・アシスタントに次のエラーが表示された場合は、ua.bat スクリプトを編集する必要があります。
 ConnectionHelper: CIE config framework not located/initialized.
具体的には、このエラーを回避するため、oracle_common/upgrade/bin/ua (ua.bat)スクリプトを編集して次のjarファイル名を変更する必要があります。
cieCfg_wls_external_lib.jarcieCfg_wls_lib.jarに変更する必要があります
cieCfg_cam_external_lib.jarcieCfg_cam_lib.jarに変更する必要があります

アップグレード後の標準ワークスペース・ダッシュボードにメンバー情報が表示されない

12cへアップグレードすると、標準ワークスペース・ダッシュボードに表示されるメンバーごとのパフォーマンスのグラフは、新しい12cインスタンスのみに対して使用可能で、進行中、ハイブリッドまたは終了(クローズ)済の11gインスタンスに対しては使用できません。ただし、カスタム12cワークスペース・ダッシュボードには、メンバー情報がそのまま表示されます。

再構成時にMissingResourceExceptionが発生する場合がある

-log_priority=ALLを使用して再構成ウィザードを起動すると、次の例外がreconfig.logファイルに表示されます。

java.util.MissingResourceException: No bundle found for base name
config-template

この例外は無視できます。

アップグレード時にEDN-JMSバックログ・イベントが移行しない

Oracle Fusion Middleware 11gからOracle Fusion Middleware 12cへアップグレードする際に、EDN-JMSキューのバックログ・イベントは移行しません。

アップグレードの前に、バックログ・イベントがJMSキューに存在しているかを確認します。アップグレードの終了後、これらのバックログ・イベントがキューの中にないことを検証します。

JMSキューにバックログ・イベントがあるかどうかは、Oracle WebLogic Server管理コンソールで確認できます。

  1. 「ドメイン構造」から、「soainfra」「サービス」「メッセージング」「JMSモジュール」「SOAJMSModule」「EDNQueue」を選択します。
  2. 「監視」タブを選択します。
  3. 「SOAJMSModule」および「EDNQueue」を選択し、「メッセージの表示」をクリックします。

製品のパッチ適用に関する問題

この項の内容は、次のとおりです。

ユーザーがパッチ適用処理を終了した後でも再生成されたライブラリがOPatchによってリストアされない

OPatchポストスクリプトが失敗し、ユーザーがパッチ適用処理を続行せずに終了した場合、OPatchは再生成されたライブラリを正しくリストアしません。

OPatchログを確認して、ライブラリが再生成されたかどうかを判断します。ライブラリが再生成された場合、パッチを再度適用します。OPatchポストスクリプトが再度失敗した場合、「y」を選択してパッチ適用処理を続行します。このとき、OPatchは自動的にパッチをロールバックしないため、ユーザーがOPatchを手動でロールバックして、パッチ適用前の環境をリストアする必要があります。

パッチのロールバック方法の詳細は、『Opatchによるパッチ適用』OPatchを使用したOracle Fusion Middlewareへのパッチの適用に関する項を参照してください。