2 インストールおよび構成

この章では、Oracle Fusion Middleware製品のインストールと構成に関する問題について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

製品のインストールに関する問題

この項では、次の項目について説明します。

使用可能なソフトウェア・パッチおよび製品情報の確認

Oracle Fusion Middleware製品をインストールする前に、My Oracle Supportで入手可能な製品情報を確認することをお薦めします。

http://support.oracle.com/

My Oracle Supportに登録すると、利用可能なパッチやその他の重要なOracle Fusion Middleware製品情報に関する重要な情報に簡単にアクセスできます。

ノート:

たとえば、次の汎用インストールjarファイル名およびクイックスタートjarファイル名にアクセスできます:
  • fmw_12.2.1.4.0_idm.jar

  • fmw_12.2.1.4.0_idmquickstart.jar

  • fmw_12.2.1.4.0_idmquickstart2.jar

必要なパッチのダウンロードおよび適用

Oracle Fusion Middleware 12c (12.2.1.4.0)をインストールした後、特定の既知の問題に対応するために追加パッチが必要な場合があります。

Oracle Fusion Middleware 12c用のパッチは、次の場所にあるMy Oracle Supportから入手できます。

http://support.oracle.com

パッチをダウンロードするには:

  1. My Oracle Supportにログインします。

  2. 「パッチと更新版」タブをクリックします。

  3. 「パッチ検索」領域で、「パッチ名または番号」を選択します。

  4. パッチ番号を入力します。

  5. 「検索」をクリックします。「パッチ検索結果」ページが表示されます。

  6. パッチをダウンロードしてインストールします。

製品の構成に関する問題

この項の内容は、次のとおりです。

日本語名が付いたパーティションをFusion Middleware Controlから作成できない

Fusion Middleware Controlを使用して日本語の名前を持つパーティションを作成することはできません。

回避策としては、Fusion Middleware Controlを使用して英語の名前を使用するパーティションを作成するか、WebLogic Server管理コンソールを使用して日本語の名前を持つパーティションを作成します。

製品のインストールと構成のドキュメントに関する問題

この項では、次の項目について説明します。

ノード・マネージャのWindowsサービスとしての登録

ノード・マネージャを次のいずれかとして動作するWindowsサービスとして登録する方法を示します。

  • スタンドアロンOHSドメイン

  • ODIエージェントと同じ場所に配置されたドメイン

ドメインの作成後に、次の手順を実行します。

  1. JAVA_OPTIONS環境変数を、適切なOracleホームおよびドメイン・ホーム・ディレクトリを指すように設定します。
    set JAVA_OPTIONS=-Dohs.product.home=ORACLE_HOME -Dweblogic.RootDirectory=DOMAIN_HOME
    

    たとえば:

    set JAVA_OPTIONS=-Dohs.product.home=C:\Oracle\product\OHS\OracleHome -Dweblogic.RootDirectory=C:\Oracle\config\domains\OHSDomain
    
  2. ドメイン・ホーム・ディレクトリに移動し、次のコマンドを実行します。
    installNodeMgrSvc.cmd

Oracle Fusion MiddlewareとのOracle Business Intelligenceの互換性

Oracle Fusion Middleware 12.2.1.3.0を使用して、Oracle Business Intelligence 12c (12.2.1.4.0)をインストールする必要があります。

Oracle Business Intelligence 12.2.1.4.0は、Oracle Fusion Middleware 12.2.1.4.0と同じOracleホーム・ディレクトリにインストールできません。

Autonomous Databaseでの製品のインストールおよび構成に関連する問題

次の項では、Autonomous Transaction Processingデータベース(Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)の両方)を使用したOracle Fusion Middleware製品の製品のインストールと構成に関連する既知の問題、回避策、および制限事項について説明します:

ノート:

Autonomous Transaction Processingデータベースでリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用してスキーマを作成する前提条件は、『リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』Autonomous Transaction Processingデータベースでのスキーマ作成の前提条件に関する項を参照してください。

ATP-Sデータベースを使用してOracle Internet Directoryを構成するために必要な前提条件は、Oracle Internet Directoryのインストールおよび構成の次のトピックを参照してください:

Autonomous Transaction Processingデータベースでの製品のインストールと構成に関連する既知の問題および回避策

この項では、Autonomous Transaction Processingデータベース(Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)の両方)を使用したOracle Fusion Middleware製品の製品のインストールと構成に関連する問題と回避策について説明します。

表2-1に、Autonomous Databaseを使用するOracle Fusion Middleware製品のスキーマを作成する際に、RCU画面で発生する一般的な問題および回避策を示します。

表2-1 一般的な問題および回避策

問題 回避策

「データベース接続の詳細」画面で、データベース・ユーザー・ロールに「標準」を選択すると、スキーマをロードするにはSysdbaまたはdba権限が必要ですという警告が表示されます。

「無視」をクリックして、スキーマの作成を続行します。

「表領域のマップ」画面で、権限の不足またはDB_FILESの最大数の超過が原因で、表領域作成エラーが発生する場合があります

ATP-Dデータベースの場合、「デフォルト表領域」列のドロップダウン・リストからDATAを選択し、「一時表領域」列のドロップダウン・リストからTEMPを選択して、デフォルト表領域と一時表領域をオーバーライドする必要があります。

ATP-Sデータベースの場合は、デフォルト表領域および一時表領域をオーバーライドする必要があります。

『リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』表領域のマップに関する項を参照してください。

表2-2に、Autonomous Databaseを使用する特定のOracle Fusion Middleware製品に該当する問題および回避策を示します。

表2-2 特定のOracle Fusion Middleware製品に関する問題および回避策

製品 問題 回避策

Oracle SOAインフラストラクチャ

SOAINFRAスキーマの作成中、Oracle Identity Managementの場合、警告ORA-24010: QUEUE DEV24_SOAINFRA.IP_IN_QUEUEは存在しませんがRCUログに表示されます。

警告を無視して、スキーマの作成を続行できます。

Oracle Enterprise Scheduler (ESS)およびOracle Managed File Transfer (MFT)

スキーマの作成中、「サマリー」画面に、「ORA-01031: 権限が不足しています」という警告が表示され、スキーマの作成が失敗します。

create any job権限をADMINユーザーに追加し、スキーマ作成を再開します。

Oracle Enterprise Scheduler (ESS)およびOracle Managed File Transfer (MFT)

スキーマの作成中、create any job権限を追加した後でも、「サマリー」画面に「ORA-01031: 権限が不足しています」という警告が表示されます。

ATP-Dの場合は、パッチ31443286を、ATP-Sの場合は、パッチ33351665を適用するとスキーマの作成を再開できます。

Oracle WebCenter Content (WCC)

スキーマの作成中、「サマリー」画面に警告が表示されます。

警告メッセージの例:

ORA-01031: insufficient privileges
File:/home/opc/idm/oracle_common/../wcccontent/common/sql/content/sql/oracle/contentserverrole.sql
Statement: GRANT SELECT  ON CTXSYS.DR$PENDING TO contentserver_role
ORA-01450: maximum key length (6398) exceeded
File:/home/opc/jrf/oracle_common/../wcccontent/common/sql/content/sql/oracle/contentserverrole.sql
Statement: CREATE TABLE RunTimeConfigData
ORA-01450: maximum key length (6398) exceeded
File:/home/opc/jrf/oracle_common/../wcccontent/common/sql/content/sql/oracle/intradoc.sql
STATEMENT Create table Subscription

ここで、/home/opc/idmおよび/home/opc/jrfは、ORACLE HOMEの場所です。

「無視」をクリックして、スキーマの作成を続行します。

Oracle WebCenter Content (WCC)

UCMサーバー・ログにエラー・メッセージが表示されます。

UCM_serverログ内のエラー・メッセージは次のとおりです:
  • 一般的な例外:

    java.sql.SQLSyntaxErrorException: ORA-01031: 権限が不足しています

    この一般的な例外は、ATP-DとATP-Sの両方のデータベースに表示されます。

    パッチ31443286を適用し、スキーマの作成を再開できます。

  • データの例外:

    原因: エラー: 1450、位置: 0、Sql = CREATE TABLE Subscription

  • データの例外:

    原因: エラー: 942、位置: 48、Sql = CREATE INDEX dRTLastModified_RunTFB30128Ata ON RunTimeConfigData (dRTLastModified)

  • データの例外:

    原因: エラー: 1450、位置: 0、Sql = CREATE TABLE RunTimeConfigData

    ノート:

    データの例外は、Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)データベースにのみ表示されます。
 

Oracle WebCenter Sites (WCS)

FirstSiteIIサンプル・サイトをインストールおよび構成できないため、ATP-Sを使用するOracle WebCenter Sitesでは、新しいプロモーション・アセットを作成できません。

ノート: この問題が該当するのは、ATP-Sデータベースを使用するWebCenter Contentのみです。

インストール時に、FirstSiteIIを除外する必要があります。

Oracle Forms

ATP-Sへの接続時に、Forms Builderから、「ORA-01031: 権限が不足しています」というエラーがスローされます。

ノート: この問題が該当するのは、ATP-Sデータベースを使用するOracle Formsのみです。

このエラーは無視しても問題ありません。ただし、この状態の結果として、リモート依存性モードはTIMESTAMPに設定されます。

Oracle Forms

Forms Application Deployment Service (FADS)は、ATP-DおよびATP-Sへの接続を試行する際に、SQLスクリプトを含むアプリケーションのデプロイに失敗します。「デプロイメントの詳細」に、IOエラー: 読取りコールからマイナス1を取得しました。データベースとの接続の確立中にエラーが発生しましたというエラーが表示されます。

ノート: SQLスクリプトのデプロイメントは、IBM AIXではサポートされていません。

パッチ32645990を適用します。

Oracle Internet Directory (OID)

RCUを使用してスキーマを作成する際に、OIDスキーマをロードすると、「サマリー」画面に、「ORA-28007: パスワードは再利用できません。」という警告が表示されます。

「無視」をクリックして、スキーマの作成を続行します。

Oracle Internet Directory (OID)

ドメインの構成後、同じ場所に配置されたOracle Internet Directoryの管理サーバーを起動すると、管理サーバーの起動中にエラー・メッセージが表示されます。

ノート: この問題が該当するのは、ATP-Sデータベースを使用するOracle Internet Directoryのみです。

詳細は、Oracle Internet Directoryのインストールおよび構成同じ場所に再配置されたOracle Internet Directoryのサーバーおよびプロセスの起動に関する項を参照してください。

このメッセージは機能的な影響がないため、無視してかまいません。

Oracle Internet Directory (OID)

ドメインの構成後、同じ場所に配置されたOracle Internet Directoryの管理サーバーを起動すると、管理サーバー・ログに悪影響のないエラー・メッセージが表示される場合があります。

詳細は、Oracle Internet Directoryのインストールおよび構成同じ場所に再配置されたOracle Internet Directoryのサーバーおよびプロセスの起動に関する項を参照してください。

このメッセージは機能的な影響がないため、無視してかまいません。

Oracle Access Management(OAM)

ドメインの構成後、管理サーバーを起動すると、管理サーバー・ログに、悪影響のないエラー・メッセージが表示される場合があります。

詳細は、Oracle Access Managementソフトウェアのインストールおよび構成サーバーの起動に関する項を参照してください。

このエラー・メッセージは機能的な影響がないため、無視してかまいません。

Oracle Identity Manager(OIM)

ドメインの構成後、管理サーバーを起動してSysadminコンソール(http://<machine_name>:<oim_server_port>/sysadmin)およびOIMコンソール(http://<machine_name>:<oim_server_port>/identity)にアクセスしてもJET UIが機能せず、空白のページが表示されて、管理サーバー・ログにエラー・メッセージが表示されます。

詳細は、Oracle Identity Governanceソフトウェアのインストールおよび構成サーバーの起動に関する項を参照してください

次のコマンドを使用してクラスパスの設定を解除した後、サーバー、管理サーバー、Oracle SOAサーバーおよびOracle Identity Manager (OIM)サーバーを端末から再起動します:EXPORT CLASSPATH=

ノート: サーバーは次の順序で再起動する必要があります:
  • 管理サーバー
  • Oracle SOAサーバー
  • Oracle OIMサーバー

Autonomous Databaseでの製品のインストールと構成に関連する制限事項

この項では、Autonomous Transaction Processingデータベース(Oracle Autonomous Transaction Processing専用(ATP-D)Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)の両方)を使用したOracle Fusion Middleware製品の製品のインストールと構成に関連する制限事項について説明します。

Autonomous Transactionデータベースを使用するOracle Fusion Middleware製品に関連する制限事項は次のとおりです:

  • スキーマを通常ユーザーとして作成する必要がありますが、データベースに対する完全なSYSまたはSYSDBA権限がない場合は、RCUの「リポジトリの作成」画面で「システム・ロードおよび製品ロード」を選択する必要があります。
  • RCUをサイレント・モードで実行できるのは、Oracle GoldenGateのみで、その他のOracle Fusion Middleware製品ではできません。
  • スキーマ・パスワードは12文字以上にし、大文字、小文字および数字を少なくとも1文字ずつ使用する必要があります。
  • RCUで接続資格証明を指定するには、接続文字列の書式を使用する必要があります。『リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』Autonomous Transaction Processingデータベースの接続資格証明に関する項を参照してください。
  • ドメインを構成してデータベースおよびデータベース・スキーマの詳細を指定する際、「データベース構成タイプ」画面で選択する必要があるのは、「RCUデータ」オプションのみです。「手動構成」オプションを使用して、スキーマのパラメータを手動で入力することはできません。
  • JDBCコンポーネント・スキーマ設定のドメインを構成する場合は、「JDBCコンポーネント・スキーマ」画面で、「接続URL文字列」オプションのみを使用して接続資格証明を指定します。

    Oracle Internet Directoryの場合は、Oracle Internet Directoryのインストールおよび構成JDBCコンポーネント・スキーマ情報の指定に関する項で、その他の製品の場合は、『Oracle Identity and Access Managementのインストールおよび構成』JDBCコンポーネント・スキーマ情報の指定に関する項で、接続文字列の書式を参照してください。

  • データベースに接続するための接続資格証明を指定する際、Oracle Autonomous Transaction Processing共有(ATP-S)データベースの場合は、tnsnames.oraに指定されたデータベース・サービス名<databasename>_tpurgentまたは<databasename>_tpのいずれか1つのみを使用する必要があります。『リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』Autonomous Transaction Processingデータベースの接続資格証明に関する項を参照してください。

    ノート:

    この接続情報は、ATP-Dデータベースには適用できません。
  • ATPのセキュリティ機能が強化されたため、オンプレミス・データベースで通常使用可能なForms機能の中には、Autonomous Transaction Processing (ATP)で使用できないものや制限付きで部分的に公開されるものがあります。これらの制限のため、アドバンスト・キューイング統合やデータベース・アイドル・システム・イベントなどのForms機能はサポートされていません。『Oracle Formsリリース・ノート』Oracle Formsの問題点と回避策に関する項を参照してください。
  • Autonomous Transaction Processingデータベースを使用するOracle Fusion Middleware製品の製品のインストールと構成が動作保証されているのは、Linuxのみです。

ドキュメントの訂正箇所

この時点で既知の問題はありません。