3 Oracle WebCenterドメインのアップグレード

Oracle WebCenterおよびWebCenter Contentの一般的なアップグレード手順を理解することが重要です。また、Oracle WebCenterドメインをアップグレードするために、コンポーネントに固有の追加タスクが必要な場合があります。

以降の項に記述される手順では、基本的なWebCenterドメインを12c (12.2.1.4.0)にアップグレードするプロセスの概要を説明しています。ほとんどの場合、アップグレードではこれらの一般的な手順に従いますが、実際に実行するアップグレード手順は、アップグレードするコンポーネントによって異なります。コンポーネントに関連して、アップグレードの前後に追加の手順を実行することが必要になる場合があります。そのため、ドメインのアップグレードを行うには、アップグレード前の環境に存在するコンポーネントごとにアップグレード手順を確認する必要があります。

たとえば、Oracle WebCenterドメインにOracle WebCenter ContentとWebCenter Portalが含まれている場合は、「Oracle WebCenter Contentのアップグレード」「Oracle WebCenter Portal 11gインストールのアップグレード」で説明している手順に従う必要があります。

Oracle WebCenterのアップグレード・プロセスについて

WebCenter製品のアップグレードのプロセス・フローを確認して、アップグレード手順および実行する時期について理解します。

ノート:

マルチノード環境があり、サーバーを停止せずにこのアップグレードを実行する必要がある場合、「停止時間の短縮アップグレードの実行」を参照してください。

このプロセス・フローは、WebCenterドメインを12c (12.2.1.4.0)にアップグレードする大まかな手順を示しています。実際に実行するプロセスは、アップグレード前の環境およびアップグレードするコンポーネントによって異なります。

図3-1 Oracle WebCenterの12c (12.2.1.4.0)へのアップグレード

図3-1の説明が続きます
「図3-1 Oracle WebCenterの12c (12.2.1.4.0)へのアップグレード」の説明
タスク 説明

必須

Oracle Fusion Middlewareの、標準のアップグレード前のタスクと、追加のコンポーネント固有の必須タスクをすべて実行します。

Oracle WebCenterコンポーネントのアップグレード前のタスク

必須

ドメインに含まれるすべての製品の製品ディストリビューションをインストールします。

12cでは、WebLogic ServerとJRFはインフラストラクチャのディストリビューションに含まれているため、これを最初にインストールする必要があります。

バイナリは、既存のデプロイメントと同じホストの新規Oracleホームにインストールする必要があります。既存のデプロイメントに存在する製品のバイナリのみインストールします。新しい製品の追加は、アップグレードの完了後にのみ行えます。

11gから12cへのアップグレードのみ:

12cのリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を実行して、12cの必要なスキーマ(_STBおよび_OPSS)を作成します。

12cにはサービス表(_STB)スキーマが必要です。

11gでOIDベースのポリシー・ストアが使用されていた場合は、OPSS (_OPSS)スキーマが必要です。

以前の12cリリースからアップグレードしている場合は、これらのスキーマがリポジトリ内にすでにあります。

オプション

アップグレード・アシスタントでアップグレード前の準備状況チェックを実行します。

-readinessモードで実行された場合、アップグレード・アシスタントは読取り専用チェックを実行し、開始ポイント環境に正常なアップグレードの妨げになる問題がないかどうかを判別します。

チェックはコンポーネントによって異なり、考えられる問題のトラブルシューティングに役立つ完了レポートが生成されます。

必須

管理サーバー、管理対象サーバー、および既存のデプロイメントで実行されている他のアプリケーションを停止します。

アップグレード中に既存の環境を停止しないと、スキーマまたはコンポーネント構成、あるいはその両方が破壊される可能性があります。

必須

アップグレード・アシスタントを実行して、選択したスキーマを個別に、またはドメインで使用されるスキーマをすべてアップグレードします。

アップグレード・アシスタントで、可能であればいつでも選択したドメイン内のすべてのスキーマをアップグレードできるようにすることをお薦めします。

必須

再構成ウィザードを実行してドメインを再構成します。再構成ウィザードは、Oracle Fusion Middleware 12cの新しいツールです。

WebCenter PortalおよびSitesのユーザーのみ: アップグレード・アシスタントを(再度)実行し、残りのコンポーネント構成をアップグレードします。

WebCenter Contentのユーザーのみ: 必要な構成変更は、サーバーの起動時(アップグレード後)に、ユーザーの介入なしに自動的に実行されるので、アップグレード・アシスタントは実行しません。

ドメイン・コンポーネント構成のアップグレード

WebCenter Portalのユーザーのみ: Oracle WebCenter Portalを12cにアップグレードするには、一連の追加手順を実行する必要があります。

Oracle WebCenter Portal 11gインストールのアップグレード

必須

コンポーネント固有のドキュメントで説明されている、アップグレード後に必要なすべてのタスクを実行します。

アップグレード後にこれらのタスクを実行しないと、一部のコンポーネントが正しく動作しないことがあります。

アップグレード後の構成タスクの実行

必須

管理サーバーおよび管理対象サーバーを再起動します。

必須

アップグレードが成功したこと(アプリケーションが予期したとおり機能するなど)を確認します。

新規アプリケーションが予期したとおり動作することの確認

オプション

クラスタ・トポロジのWebCenterをアップグレードします(該当する場合)。

クラスタ・トポロジのWebCenterのアップグレード

製品ディストリビューションのインストール

アップグレードを開始する前に、ターゲット・システムにOracle Fusion Middleware InfrastructureおよびWebCenter Contentのディストリビューションをダウンロードし、Oracle Universal Installerを使用してインストールします。

ノート:

アップグレードにInfrastructureが必要な場合は、その他のFusion Middleware製品をインストールする前に、まずOracle Fusion Middlewareディストリビューションをインストールする必要があります。
12c (12.2.1.4.0)ディストリビューションをインストールするには:
  1. ターゲットのシステムにサインインします。
  2. Oracle Technology NetworkまたはOracle Software Delivery Cloudから次のものをターゲット・システムにダウンロードします。
    • Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャ (fmw_12.2.1.4.0_infrastructure_generic.jar)
    • Oracle WebCenter Content (fmw_12.2.1.4.0_wccontent_generic.jar)
  3. 12c (12.2.1.4.0)製品のディストリビューションをダウンロードしたディレクトリに移動します。
  4. Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストール・プログラムを開始します。
    • (UNIX) JDK_HOME/bin/java -jar fmw_12.2.1.4.0_infrastructure.jar
    • (Windows) JDK_HOME\bin\java -jar fmw_12.2.1.4.0_infrastructure.jar

Infrastructureのインストールが完了した後に、適切なディストリビューション名を使用して、残りのディストリビューションを同様にインストールします。たとえば、Oracle WebCenter Contentのインストール・プログラムを開始するには、ディストリビューション名としてfmw_12.2.1.4.0_wccontent_generic.jarを使用します。

  1. UNIXオペレーティング・システムでは、このホストにOracle製品を初めてインストールする場合に、「インストール・インベントリの設定」画面が表示されます。
    中央インベントリを作成する場所を指定します。この画面で選択したオペレーティング・システム・グループ名に対して中央インベントリの場所への書込み権限が付与されていることを確認し、「次」をクリックします。

    ノート:

    「インストール・インベントリの設定」画面は、Windowsオペレーティング・システムでは表示されません。
  2. 「ようこそ」画面で、情報をレビューしてすべての前提条件を満たしていることを確認します。「次へ」をクリックします。
  3. 「自動更新」画面で、オプションを1つ選択します。
    • この時点でソフトウェアの更新をシステムで確認しないようにする場合は、「自動更新をスキップ」を選択します。

    • パッチ・ファイルをダウンロードした場合は、「ディレクトリからパッチを選択」を選択して、ローカル・ディレクトリに移動します。

    • My Oracle Supportアカウントを持っている場合にソフトウェアの更新を自動でダウンロードするには、「My Oracle Supportで更新を検索」を選択します。Oracle Supportの資格証明を入力して、「検索」をクリックします。インストーラがMy Oracle Supportにアクセスするようにプロキシ・サーバーを構成するには、「プロキシ設定」をクリックします。「接続のテスト」をクリックして接続をテストします。

    「次へ」をクリックします。
  4. 「インストールの場所」画面でOracleホーム・ディレクトリの場所を指定し、「次へ」をクリックします。
    Oracle Fusion Middlewareディレクトリ構造の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』インストールおよび構成のためのディレクトリの理解に関する項を参照してください。
  5. 「インストール・タイプ」画面で、インストールする製品を選択します。
    「次へ」をクリックします。
  6. 「前提条件チェック」画面では、ホスト・コンピュータを分析して、特定のオペレーティング・システムの前提条件を満たしているか確認します。
    確認されたタスクのリストを表示するには、「正常なタスクの表示」を選択します。ログの詳細を表示するには、「ログの表示」を選択します。前提条件のチェックが失敗すると、エラー・メッセージが画面の下方に表示されます。エラーを修正し、「再実行」をクリックして再試行します。エラー・メッセージや警告メッセージを無視してインストールを続けるには、「スキップ」をクリックします(非推奨)。
  7. 「インストールの概要」画面で、選択したインストール・オプションを確認します。
    これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を入力します。レスポンス・ファイルには、入力したすべての情報が収集して格納され、後で(コマンドラインから)サイレント・インストールを実行するために使用できます。

    「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

  8. 「インストールの進行状況」画面で、プログレス・バーが100%完了になったら、「終了」をクリックしてインストーラを閉じるか、「次へ」をクリックしてサマリーを表示します。
  9. 「インストール完了」画面に、インストールの場所とインストールされた機能セットが表示されます。情報を確認し、「終了」をクリックしてインストーラを閉じます。
  10. Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストール後に、前述のステップを繰り返して、その他の製品ディストリビューションをインストールします。

RCUを使用した必要な12cスキーマの作成

アップグレード時、必要なスキーマを作成する必要があります。リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用してカスタマイズ・スキーマを作成するか、またはオプションで、Upgrade Assistantを使用してデフォルトのスキーマ設定を使用するスキーマを作成できます。この手順では、RCUを使用してスキーマを作成する方法について説明します。Upgrade Assistantを使用してスキーマを作成する方法は、アップグレード手順で説明しています。

ノート:

以前のOracle Fusion Middleware 12cリリースからアップグレードする場合は、これに該当するスキーマを再作成する必要はありません(そのスキーマがすでに存在する場合)。ドメインの既存のスキーマを特定するには、次のステップを参照してください。

アップグレードの前に次のスキーマが存在する必要があります。12cからアップグレードする際、現在どのスキーマが存在しているか不明な場合は、次のステップを参照してドメイン内の既存のスキーマを識別します。これらのスキーマがすでに存在している場合、再作成する必要はありません。

  • サービス表スキーマ(prefix_STB)。このスキーマは、ドメインベースのアップグレードに必要です。基本的なスキーマ構成情報(スキーマ接頭辞やパスワードなど)が格納され、他のOracle Fusion Middlewareコンポーネントはドメイン作成中にこれにアクセスして使用できます。このスキーマはリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を実行すると自動的に作成されます。RCUでは他の12cスキーマに使用した既存のスキーマ所有者接頭辞を指定します。

    ノート:

    サービス表スキーマが存在しない場合、UPGAST-00328: スキーマ・バージョンのレジストリ表はこのデータベースに存在しません。その場合、Upgrade Assistantを実行するためにはサービス表スキーマを作成する必要があります。というエラー・メッセージが表示されることがあります。

  • Oracle Platform Security Services (OPSS)スキーマ(prefix_OPSS)。このスキーマは、12cでOIDベースのセキュリティ・ストアを使用している場合に必要です。このスキーマは、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)の実行時に自動的に作成されます。LDAPベースのOPSSセキュリティ・ストアでサポートされているのは、Oracle Internet Directory (OID)のみです。LDAPベースのポリシー・ストアは、通常、本番環境で使用します。アップグレード前に、OIDベースのセキュリティ・ストアを再関連付けする必要はありません。アップグレード・アシスタントの実行中に、OPSSスキーマを選択できます。アップグレード・アシスタントは、OIDベースのセキュリティ・ストアを自動的にアップグレードします。

    ノート:

    12c OPSSデータベース・スキーマが必要なのは、ドメインの再構成時に12cスキーマを参照するためです。ドメインでは、アップグレード完了後にOIDベースのセキュリティ・ストアが引き続き使用されます。

  • 監査スキーマ(OPSS_AUDIT_VIEWER)。XMLベースのOPSS_AUDITスキーマ、または11gのPortalまたはServicesスキーマを使用していた場合は、RCUを使用して新しい12cOPSS_AUDIT_VIEWERスキーマを作成する必要があります。そうしないと、ドメインの再構成は失敗します。

  • WebLogic Serverスキーマ(_WLS): リリース12.2.1.3時点で、アップグレードを開始する前にWebLogic Serverスキーマが必要です。
RCUを使用してスキーマを作成するには:
  1. (オプション)12cからアップグレードする場合、既存のドメインにスキーマが存在していることを確認するには、DBA権限を持つユーザーとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次のコードを実行します。
    SET LINE 120
    COLUMN MRC_NAME FORMAT A14
    COLUMN COMP_ID FORMAT A20
    COLUMN VERSION FORMAT A12
    COLUMN STATUS FORMAT A9
    COLUMN UPGRADED FORMAT A8
    SELECT MRC_NAME, COMP_ID, OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY ORDER BY MRC_NAME, COMP_ID ;
    
  2. コマンドラインからjava -versionを実行して、動作保証されたJDKがすでにシステムにあることを確認します。12c (12.2.1.4.0)では、動作保証されたJDKは1.8.0_211以上です。
    JAVA_HOME環境変数が、動作保証されたJDKの場所に設定されていることを確認します。たとえば:
    • (UNIX) setenv JAVA_HOME=/home/Oracle/Java/jdk1.8.0_211
    • (Windows) set JAVA_HOME=C:\home\Oracle\Java\jdk1.8.0_211
    Add $JAVA_HOME/bin to $PATH.
  3. oracle_common/binディレクトリに移動します。
    UNIXオペレーティング・システムの場合:
    NEW_ORACLE_HOME/oracle_common/bin
    Windowsオペレーティング・システムの場合:
    NEW_ORACLE_HOME\oracle_common\bin

    ここでNEW_ORACLE_HOMEは、12c (12.2.1.4.0) Oracleホームになります。

  4. RCUを起動します。
    • (UNIX) ./rcu
    • (Windows) rcu.bat
  5. ようこそ」画面で「次へ」をクリックします。
  6. 「リポジトリの作成」画面で「リポジトリの作成」を選択し、「システム・ロードおよび製品ロード」を選択します。
    DBA権限を持っていない場合は、「システム・ロードに対するスクリプトの準備」を選択します。これにより、SQLスクリプトが生成されます。このスクリプトには、RCUが選択されたコンポーネントに対してアクションを実行するときにコールするものと同じSQL文とブロックがすべて含まれています。このスクリプトが生成された後は、必要なSYSまたはSYSDBA権限を持つユーザーが、このスクリプトを実行してシステム・ロード・フェーズを完了できます。

    「次へ」をクリックします。

  7. 「データベース接続の詳細」画面で、「データベース・タイプ」を選択し、12cスキーマをホストするデータベースの接続情報を入力します。次の該当する表を参照してください。

    表3-1 Oracle Databaseと、エディションベースで再定義されるOracle Databaseに対する接続資格証明

    オプション 説明および例
    ホスト名

    データベースが実行されるサーバーの名前を、次の書式で指定します。

    examplehost.exampledomain.com

    Oracle RACデータベースの場合は、このフィールドにVIP名またはいずれかのノード名を指定します。

    ポート

    データベースのポート番号を指定します。Oracleデータベースのデフォルトのポート番号は、1521です。

    サービス名

    データベースのサービス名を指定します。通常、サービス名はグローバル・データベース名と同じです。

    Oracle RACデータベースの場合、このフィールドにいずれかのノードのサービス名を指定します。たとえば:

    examplehost.exampledomain.com

    ユーザー名 データベースのユーザー名を入力します。デフォルトのユーザー名はSYSです。
    パスワード データベース・ユーザーのパスワードを入力します。
    ロール

    ドロップダウン・リストからデータベース・ユーザーのロールを選択します。

    「標準」または「SYSDBA」

    表3-2 MySQLデータベースに対する接続資格証明

    オプション 説明および例
    ホスト名

    データベースが稼働しているサーバーのホスト名、IPアドレスまたは詳細なサーバー名を、host\server形式で指定します。

    ポート

    データベースのポート番号を指定します。

    データベース名

    データベースの名前を指定します。

    ユーザー名 管理者権限を持つユーザーの名前を指定します。
    パスワード データベース・ユーザーのパスワードを入力します。

    表3-3 Microsoft SQL Serverデータベースに対する接続資格証明

    オプション 説明および例
    Unicodeのサポート

    ドロップダウン・リストから「はい」または「いいえ」を選択します。

    サーバー名 データベースが稼働しているサーバーのホスト名、IPアドレスまたは詳細なサーバー名を、host\server形式で指定します。

    MSSQL指定インスタンス: 指定インスタンスは、コンピュータのネットワーク名とインストール中に指定したインスタンス名によって識別されます。クライアントは、接続時に、サーバー名とインスタンス名の両方を指定する必要があります。

    ポート

    データベースのポート番号を指定します。

    データベース名

    データベースの名前を指定します。

    ユーザー名 管理者権限を持つユーザーの名前を指定します。
    パスワード データベース・ユーザーのパスワードを入力します。

    表3-4 IBM DB2データベースに対する接続資格証明

    オプション 説明および例
    サーバー名 データベースが稼働しているサーバーのホスト名、IPアドレスまたは詳細なサーバー名を、host\server形式で指定します。
    ポート

    データベースのポート番号を指定します。

    データベース名

    データベースの名前を指定します。

    ユーザー名 DB所有者の権限が付与されているユーザーの名前を指定します。IBM DB2データベースのデフォルトのユーザー名はdb2inst1です。
    パスワード データベース・ユーザーのパスワードを入力します。
    前提条件のチェックに成功したら、「OK」をクリックして次のページに進みます。チェックが失敗した場合は、入力した詳細を確認して再試行します。
  8. 「コンポーネントの選択」画面で、「既存の接頭辞の選択」を選択し、ドロップダウン・メニューから既存の11gスキーマの作成に使用した接頭辞(たとえば、DEV11G)を選択します。この接頭辞は、スキーマをこのドメインで使用するために論理的にまとめてグループ化するために使用されます。

    ノート:

    デフォルトで、Common Infrastructure Services (prefix_STB)およびOracle Platform Security Services (prefix_OPSS)スキーマが選択されます(まだそれらが作成されていない場合)。

    インストールするコンポーネントの接頭辞とスキーマ名をノートにとります。インストールの構成時にこの情報が必要になります。「次へ」をクリックします。
  9. 「前提条件チェック」ダイアログで、前提条件チェックが正常であることを確認し、「OK」をクリックします。
  10. 「スキーマ・パスワード」画面で、スキーマの所有者のパスワードを入力します。
    この画面で入力したパスワードをノートにとってください。製品インストールの構成中に必要となります。
  11. 「表領域のマップ」画面で、作成するスキーマに必要な表領域マッピングを構成します。
    「次へ」をクリックしてから、確認ダイアログの「OK」をクリックします。進行状況ダイアログに表領域の作成が完了したことが示されたら、「OK」をクリックします。
    RCUの起動時にTransparent Data Encryption (TDE)がデータベース(OracleまたはOracle EBR)内で有効化されている場合にのみ、「表領域の暗号化」チェック・ボックスが表示されます。RCUで作成される新しい表領域をすべて暗号化するには、「表領域のマップ」画面で「表領域の暗号化」チェック・ボックスを選択します。
  12. 「サマリー」画面で情報を確認し、「作成」をクリックしてスキーマの作成を開始します。
    この画面には、このRCU操作で作成されたログ・ファイルに関する情報が表示されます。特定のログ・ファイルの名前をクリックして、そのファイルの内容を表示します。
  13. 「完了サマリー」画面の情報を確認し、操作が正常に完了したことを確かめます。「閉じる」をクリックして、スキーマの作成を完了します。

アップグレード前の準備状況チェックの実行

アップグレードにかかわる潜在的な問題を特定するために、アップグレード・プロセスの開始前に、準備状況チェックの実行をお薦めします。準備状況チェックでは、アップグレードの潜在的な問題をすべて発見できるわけではないことに注意してください。準備状況チェック・レポートが成功しても、アップグレードが失敗する場合があります。

アップグレード前の準備状況チェックの実行について

アップグレード・アシスタントを-readinessモードで実行することにより、実際にアップグレードを実行する前に問題を検出できます。準備状況チェックは、アップグレード・アシスタントを使用してGUIモードで実行するか、またはレスポンス・ファイルを使用してサイレント・モードで実行できます。

Upgrade Assistantの準備状況チェックは、サポート対象の開始ポイントにあるFusion MiddlewareのスキーマとWebLogicドメインの構成について、読取り専用のアップグレード前確認を実行します。この確認は、読取り専用の操作です。

準備状況チェックでは、フォーマットされ、タイムスタンプの付けられた準備状況レポートが生成され、実際のアップグレードを試みる前に潜在的な問題に対処できます。問題が検出されない場合は、アップグレード・プロセスを開始できます。アップグレードを実行する前に、このレポートを詳細に確認することをお薦めします。

準備状況チェックは、既存のOracle Fusion Middlewareドメインがオンライン(他のユーザーがアクティブに使用している間)またはオフラインである間に実行できます。

準備状況チェックは、実際のアップグレードの実行前に、何度でも実行できます。ただし、アップグレードの実行後には、準備状況チェックを実行しないでください。これは、レポート結果が、アップグレード前の準備状況チェックと異なることがあるためです。

ノート:

パフォーマンスが影響されることを回避するために、オフピーク時に準備状況チェックを実行することをお薦めします。

準備状況モードでのUpgrade Assistantの起動

-readinessパラメータを使用して、アップグレード・アシスタントを準備状況モードで起動します。

Upgrade Assistantを使用して、アップグレード前の環境に対する準備状況チェックを実行するには:
  1. oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
  2. Upgrade Assistantを起動します。
    • (UNIX) ./ua -readiness
    • (Windows) ua.bat -readiness

    ノート:

    DISPLAY環境変数がGUIモードを使用できるように適切に設定されていない場合、次のエラーが表示される場合があります。
    Xlib: connection to ":1.0" refused by server
    Xlib: No protocol specified 

    この問題を解決するには、使用するローカル・ワークステーションのシステム名またはIPアドレスにDISPLAY環境変数を設定して、アップグレード・アシスタントを再実行します。

    DISPLAY変数を設定してもこれらのエラーが発生し続ける場合は、vncconfigなどの他のGUIツールの起動を試みてください。同じエラーが表示される場合は、DISPLAY環境変数が正しく設定されていない場合があります。

    その他のコマンドラインに指定可能なパラメータの詳細は、次の項を参照してください。

アップグレード・アシスタントのパラメータ

コマンドラインからアップグレード・アシスタントを起動するときに、追加のパラメータを指定できます。

表3-5 アップグレード・アシスタントのコマンドライン・パラメータ

パラメータ 必須またはオプション 説明

-readiness

準備状況チェックの場合は必須

ノート: 準備状況チェックはスタンドアロン・インストール上で実行できません(WebLogic Serverの管理対象でありません)。

アップグレードの準備状況チェックを実行します(実際のアップグレードは実行しません)。

スキーマと構成がチェックされます。

-examineパラメータを指定した場合は、このパラメータを指定しないでください。

-threads

オプション

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を特定します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。

-response

サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックの場合は必須

アップグレード・アシスタントがGUIモードで実行されているときに入力したデータから生成されるレスポンス・ファイルに保存されている入力を使用して、アップグレード・アシスタントを実行します。このパラメータを使用すると、アップグレード・アシスタントはサイレント・モード(アップグレード・アシスタントの画面表示なし)で実行されます。

-examine

オプション

調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。

-readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

-logLevel attribute

オプション

次のいずれかの属性を指定して、ログイン・レベルを設定します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

-logLevel TRACE属性を設定して、より多くのログが記録されるようにすることを検討してください。これは、アップグレードの失敗をトラブルシューティングする際に役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。

-logDir location

オプション

アップグレード・ログ・ファイルと一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。Upgrade Assistantによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。

デフォルトの場所は次のとおりです。

(UNIX)

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

(Windows)

ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp

-help

オプション

すべてのコマンドライン・オプションを表示します。

アップグレード・アシスタントを使用した準備状況チェックの実行

Upgrade Assistantの各画面を通じて、アップグレード前の準備状況チェックを完了します。

準備状況チェックは、サポートされるアップグレードの開始点にあるスキーマまたはコンポーネント構成に対してのみ実行されます。
準備状況チェックを完了するには:
  1. 「ようこそ」画面で、準備状況チェックに関する情報を確認します。「次へ」をクリックします。
  2. 「準備状況チェック・タイプ」画面で、実行する準備状況チェックを選択します。
    • 「個別に選択されたスキーマ」: アップグレード前に確認するスキーマを個別に選択できます。準備状況チェックは、スキーマがアップグレードに対応しているかどうか、またはアップグレードが必要かどうかをレポートします。

      このオプションを選択すると、画面名が「選択したスキーマ」に変更されます。

    • 「ドメイン・ベース」: Upgrade Assistantは、「ドメイン・ディレクトリ」フィールドで指定されたドメイン内で、アップグレード可能なスキーマまたはコンポーネントのすべてを検出して選択するようになります。

      このオプションを選択すると、画面名が「スキーマおよび構成」に変更されます。

      Upgrade Assistantですべてのスキーマとコンポーネント構成をチェックする場合は、デフォルトの選択を変更しないで使用します。それ以外の場合は、次に示す特定のオプションを選択します。
      • 「すべてのスキーマのチェックを含める」: アップグレードに対応したコンポーネントをすべて検出して確認します。

      • 「すべての構成のチェックを含める」: 管理対象WebLogic Serverドメインのコンポーネント構成を確認します。

    「次へ」をクリックします。

  3. 「個別に選択されたスキーマ」を選択した場合: 「使用可能なコンポーネント」画面で、アップグレードに対応可能なスキーマを持つコンポーネントを選択して、準備状況チェックの実行対象にします。
    「ドメイン・ベース」を選択した場合: 「コンポーネント・リスト」画面で、準備状況チェックを実行するドメインに存在するコンポーネントのリストを確認します。
    依存コンポーネントのあるコンポーネントを選択すると、該当するコンポーネントが自動的に選択されます。たとえば、Oracle Platform Security Servicesを選択すると、Oracle Audit Servicesが自動的に選択されます。

    選択したコンポーネントによっては、追加の画面が表示されることがあります。たとえば、次のような作業が必要になることがあります。

    • ドメイン・ディレクトリを指定します。

    • 選択したスキーマに接続するために、次のスキーマ資格証明を指定します: 「データベース・タイプ」「DBAユーザー名」および「DBAパスワード」。次に、「接続」をクリックします。

      ノート:

      Oracleデータベースは、デフォルトのデータベース・タイプです。データベース・タイプに間違いがないことを確認してから続行してください。間違ったデータベースを選択していることに気付いた場合でも、正しいタイプに変更するために、この画面に戻らないでください。そのかわりに、Upgrade Assistantを終了してから、正しいデータベース・タイプを選択した状態で準備状況チェックを再開し、すべてのスキーマに正しいデータベース・タイプが適用されるようにします。
    • 「スキーマ・ユーザー名」オプションを選択して、「スキーマ・パスワード」を指定します。

      ノート:

      Upgrade Assistantでは、デフォルトの資格証明が自動的に有効になります。接続できない場合、スキーマの資格証明を手動で入力し、続行します。
    「次」をクリックして、準備状況チェックを開始します。
  4. 「準備状況サマリー」画面で、選択内容に基づいて実行される準備状況チェックのサマリーを確認します。
    選択内容を保存して、今後、レスポンス(サイレンス)モードでUpgrade Assistantを再実行する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックして、レスポンス・ファイルの場所と名前を指定します。サイレント・アップグレードは、Upgrade Assistantとまったく同じ機能を実行しますが、データを手動で再入力する必要はありません。
    詳細レポートを表示するには、「ログの表示」をクリックします。
    「次へ」をクリックします。
  5. 「準備状況チェック」画面で、準備状況チェックのステータスを確認します。 このプロセスが完了するまで数分かかることがあります。
    複数のコンポーネントをチェックしている場合、それぞれのコンポーネントの進行状況は、それぞれ専用のプログレス・バーで同時に表示されます。
    準備状況チェックが完了したら、「続行」をクリックします。
  6. 「準備状況の終了」画面で、準備状況チェックの結果(「準備状況成功」または「準備状況失敗」)を確認します。
    • 準備状況チェックが成功した場合は、「準備状況レポートの表示」をクリックして完全なレポートを確認します。準備状況チェックが成功した場合でも、実際のアップグレードを実行する前に、準備状況レポートを確認するようにしてください。「検索」オプションは、レポート内の特定の語句を検索する際に使用します。また、このレポートには、完成した準備状況チェック・レポート・ファイルが格納されている場所も示されます。

    • 準備状況チェックで問題またはエラーが発生した場合、「ログの表示」をクリックして、ログ・ファイルを確認して問題を特定し、問題を修正してから、準備状況チェックを再開してください。ログ・ファイルは、設定したコマンドライン・オプションにより管理されます。

準備状況レポートの理解

ドメインの準備状況チェックを実行した後、レポートを確認してアップグレードを成功させるためのアクションをとる必要があるかどうかを判断します。

準備状況レポート・ファイルの形式は、次のとおりです。

readiness<timestamp>.txt

ここで、timestampは、準備状況チェックが実行された日付と時刻を示します。

準備状況レポートには、次の情報が含まれています。

表3-6 準備状況レポートの要素

レポートの情報 説明 必要なアクション
全体的な準備状況ステータス: SUCCESSまたはFAILURE レポートの上部に、準備状況チェックが合格したか1つ以上のエラーで完了したかが示されます。 1つ以上のエラーが発生してレポートが完了した場合、アップグレードを試みる前に、FAILを検索し、障害の原因となった問題を修正します。準備状況チェックは、アップグレードする前に必要に応じて何度でも再実行できます。

タイムスタンプ

レポートが生成された日付と時刻です。

必要なアクションはありません。

ログ・ファイルの場所

/oracle_common/upgrade/logs

生成されたログ・ファイルのディレクトリの場所です。

必要なアクションはありません。

ドメイン・ディレクトリ ドメインの場所が表示されます 必要なアクションはありません。

準備状況レポートの場所

/oracle_common/upgrade/logs

生成された準備状況レポートのディレクトリの場所です。

必要なアクションはありません。

チェックされたコンポーネントの名前

チェックに含まれるコンポーネントの名前およびバージョンとステータス。

ドメインに、このリリースにアップグレードできないSOAコア拡張機能などのコンポーネントが含まれる場合は、アップグレードを試行しないでください。

チェックされたスキーマの名前

チェックに含まれるスキーマの名前および現在のバージョンとステータス。

スキーマのバージョン番号をレビューします。ドメインに、このリリースにアップグレードできないスキーマが含まれる場合は、アップグレードを試行しないでください。

個別のオブジェクトのテスト・ステータス: FAIL

準備状況チェックのテストで、特定のオブジェクトに問題が検出されています。

失敗した問題がすべて解決されるまではアップグレードしないでください。

個別のオブジェクトのテスト・ステータス: PASS

準備状況チェックのテストでは、特定のオブジェクトに問題が検出されませんでした。

準備状況チェック・レポートに「成功」ステータスのみが表示されている場合は、環境をアップグレードできます。ただし、準備状況チェックでは、ハードウェアやアップグレード時の接続性などの外部環境に関する問題を検出することはできません。アップグレードの進捗を常に監視する必要があります。

<オブジェクト>の準備状況チェックの完了ステータス: FAILURE 準備状況チェックで、スキーマ、索引またはデータ型などの特定のオブジェクトに対して解決する必要がある1つ以上のエラーが検出されました。 失敗した問題がすべて解決されるまではアップグレードしないでください。
<オブジェクト>の準備状況チェックの完了ステータス: SUCCESS 準備状況チェック・テストによって問題が検出されませんでした。 必要なアクションはありません。

準備状況レポート・ファイルのサンプルを次に示します。レポートにはこれらのチェックのすべてが含まれない場合があります。

Upgrade readiness check completed with one or more errors.

This readiness check report was created on Fri Aug 16 13:29:41 PDT 2019
Log file is located at: /oracle/work/middleware_latest/oracle_common/upgrade/logs/ua2019-08-16-13-23-36PM.log
Readiness Check Report File: /oracle/work/middleware_latest/oracle_common/upgrade/logs/readiness2019-08-16-13-29-41PM.txt
Domain Directory: /oracle/work/middleware_1212/user_projects/domains/jrf_domain

Starting readiness check of components.

Oracle Platform Security Services
   Starting readiness check of Oracle Platform Security Services.
     Schema User Name: DEV3_OPSS
     Database Type: Oracle Database
     Database Connect String: 
     VERSION Schema DEV3_OPSS is currently at version 12.1.2.0.0.  Readiness checks will now be performed.
   Starting schema test:  TEST_DATABASE_VERSION  Test that the database server version number is supported for upgrade
     INFO   Database product version: Oracle Database 12c Enterprise Edition Release 12.1.0.2.0 - 64bit Production
With the Partitioning, OLAP, Advanced Analytics and Real Application Testing options
   Completed schema test: TEST_DATABASE_VERSION --> Test that the database server version number is supported for upgrade +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_REQUIRED_TABLES  Test that the schema contains all the required tables
   Completed schema test: TEST_REQUIRED_TABLES --> Test that the schema contains all the required tables +++ PASS
   Starting schema test:  Test that the schema does not contain any unexpected tables  TEST_UNEXPECTED_TABLES
   Completed schema test: Test that the schema does not contain any unexpected tables --> TEST_UNEXPECTED_TABLES +++ Test that the schema does not contain any unexpected tables
   Starting schema test:  TEST_ENOUGH_TABLESPACE  Test that the schema tablespaces automatically extend if full
   Completed schema test: TEST_ENOUGH_TABLESPACE --> Test that the schema tablespaces automatically extend if full +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_USER_TABLESPACE_QUOTA  Test that tablespace quota for this user is sufficient to perform the upgrade
   Completed schema test: TEST_USER_TABLESPACE_QUOTA --> Test that tablespace quota for this user is sufficient to perform the upgrade +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_ONLINE_TABLESPACE  Test that schema tablespaces are online
   Completed schema test: TEST_ONLINE_TABLESPACE --> Test that schema tablespaces are online +++ PASS
   Starting permissions test:  TEST_DBA_TABLE_GRANTS  Test that DBA user has privilege to view all user tables
   Completed permissions test: TEST_DBA_TABLE_GRANTS --> Test that DBA user has privilege to view all user tables +++ PASS
   Starting schema test:  SEQUENCE_TEST  Test that the Oracle Platform Security Services schema sequence and its properties are valid
   Completed schema test: SEQUENCE_TEST --> Test that the Oracle Platform Security Services schema sequence and its properties are valid +++ PASS
   Finished readiness check of Oracle Platform Security Services with status: SUCCESS.

Oracle Audit Services
   Starting readiness check of Oracle Audit Services.
     Schema User Name: DEV3_IAU
     Database Type: Oracle Database
     Database Connect String: 
     VERSION Schema DEV3_IAU is currently at version 12.1.2.0.0.  Readiness checks will now be performed.
   Starting schema test:  TEST_DATABASE_VERSION  Test that the database server version number is supported for upgrade
     INFO   Database product version: Oracle Database 12c Enterprise Edition Release 12.1.0.2.0 - 64bit Production
With the Partitioning, OLAP, Advanced Analytics and Real Application Testing options
   Completed schema test: TEST_DATABASE_VERSION --> Test that the database server version number is supported for upgrade +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_REQUIRED_TABLES  Test that the schema contains all the required tables
   Completed schema test: TEST_REQUIRED_TABLES --> Test that the schema contains all the required tables +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_UNEXPECTED_TABLES  Test that the schema does not contain any unexpected tables
   Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_TABLES --> Test that the schema does not contain any unexpected tables +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_ENOUGH_TABLESPACE  Test that the schema tablespaces automatically extend if full
   Completed schema test: TEST_ENOUGH_TABLESPACE --> Test that the schema tablespaces automatically extend if full +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_USER_TABLESPACE_QUOTA  Test that tablespace quota for this user is sufficient to perform the upgrade
   Completed schema test: TEST_USER_TABLESPACE_QUOTA --> Test that tablespace quota for this user is sufficient to perform the upgrade +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_ONLINE_TABLESPACE  Test that schema tablespaces are online
   Completed schema test: TEST_ONLINE_TABLESPACE --> Test that schema tablespaces are online +++ PASS
   Starting permissions test:  TEST_DBA_TABLE_GRANTS  Test that DBA user has privilege to view all user tables
   Completed permissions test: TEST_DBA_TABLE_GRANTS --> Test that DBA user has privilege to view all user tables +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_MISSING_COLUMNS  Test that tables and views are not missing any required columns
   Completed schema test: TEST_MISSING_COLUMNS --> Test that tables and views are not missing any required columns +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_UNEXPECTED_COLUMNS  Test that tables and views do not contain any unexpected columns
   Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_COLUMNS --> Test that tables and views do not contain any unexpected columns +++ PASS
   Starting datatype test for table OIDCOMPONENT:  TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes
   Completed datatype test for table OIDCOMPONENT: TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes +++ PASS
   Starting datatype test for table IAU_CUSTOM_01:  TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes
   Completed datatype test for table IAU_CUSTOM_01: TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes +++ PASS
   Starting datatype test for table IAU_BASE:  TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes
   Completed datatype test for table IAU_BASE: TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes +++ PASS
   Starting datatype test for table WS_POLICYATTACHMENT:  TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes
   Completed datatype test for table WS_POLICYATTACHMENT: TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes +++ PASS
   Starting datatype test for table OWSM_PM_EJB:  TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes
   Completed datatype test for table OWSM_PM_EJB: TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes +++ PASS
   Starting datatype test for table XMLPSERVER:  TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes
   Completed datatype test for table XMLPSERVER: TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes +++ PASS
   Starting datatype test for table SOA_HCFP:  TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes
   Completed datatype test for table SOA_HCFP: TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes +++ PASS
   Starting schema test:  SEQUENCE_TEST  Test that the audit schema sequence and its properties are valid
   Completed schema test: SEQUENCE_TEST --> Test that the audit schema sequence and its properties are valid +++ PASS
   Starting schema test:  SYNONYMS_TEST  Test that the audit schema required synonyms are present
   Completed schema test: SYNONYMS_TEST --> Test that the audit schema required synonyms are present +++ PASS
   Finished readiness check of Oracle Audit Services with status: FAILURE.

Common Infrastructure Services
   Starting readiness check of Common Infrastructure Services.
     Schema User Name: DEV3_STB
     Database Type: Oracle Database
     Database Connect String: 
   Starting schema test:  TEST_REQUIRED_TABLES  Test that the schema contains all the required tables
   Completed schema test: TEST_REQUIRED_TABLES --> Test that the schema contains all the required tables +++ PASS
   Completed schema test: ALL_TABLES --> TEST_REQUIRED_TABLES +++ Test that the schema contains all the required tables
   Starting schema test:  TEST_UNEXPECTED_TABLES  Test that the schema does not contain any unexpected tables
   Completed schema test: ALL_TABLES --> TEST_UNEXPECTED_TABLES +++ Test that the schema does not contain any unexpected tables
   Starting schema test:  TEST_REQUIRED_VIEWS  Test that the schema contains all the required database views
   Completed schema test: ALL_TABLES --> TEST_REQUIRED_VIEWS +++ Test that the schema contains all the required database views
   Starting schema test:  TEST_MISSING_COLUMNS  Test that tables and views are not missing any required columns
   Completed schema test: ALL_TABLES --> TEST_MISSING_COLUMNS +++ Test that tables and views are not missing any required columns
   Starting schema test:  TEST_DATABASE_VERSION  Test that the database server version number is supported for upgrade
   Starting schema test:  TEST_DATABASE_VERSION  Test that the database server version number is supported for upgrade
     INFO   Database product version: Oracle Database 12c Enterprise Edition Release 12.1.0.2.0 - 64bit Production
With the Partitioning, OLAP, Advanced Analytics and Real Application Testing options
   Completed schema test: TEST_DATABASE_VERSION --> Test that the database server version number is supported for upgrade +++ PASS
   Completed schema test: ALL_TABLES --> TEST_DATABASE_VERSION +++ Test that the database server version number is supported for upgrade
   Finished readiness check of Common Infrastructure Services with status: SUCCESS.

Oracle JRF
   Starting readiness check of Oracle JRF.
   Finished readiness check of Oracle JRF with status: SUCCESS.

System Components Infrastructure
   Starting readiness check of System Components Infrastructure.
   Starting config test:  TEST_SOURCE_CONFIG  Checking the source configuration.
     INFO /oracle/work/middleware_1212/user_projects/domains/jrf_domain/opmn/topology.xml was not found. No upgrade is needed.
   Completed config test: TEST_SOURCE_CONFIG --> Checking the source configuration. +++ PASS
   Finished readiness check of System Components Infrastructure with status: ALREADY_UPGRADED.

Common Infrastructure Services
   Starting readiness check of Common Infrastructure Services.
   Starting config test:  CIEConfigPlugin.readiness.test  This tests the readiness of the domain from CIE side.
   Completed config test: CIEConfigPlugin.readiness.test --> This tests the readiness of the domain from CIE side. +++ PASS
   Finished readiness check of Common Infrastructure Services with status: SUCCESS.

Finished readiness check of components.

サーバーとプロセスの停止

Upgrade Assistantを実行してスキーマと構成をアップグレードする前に、管理サーバーおよび管理対象サーバーを含むすべてのアップグレード前のプロセスとサーバーを停止する必要があります。

Oracle Fusion Middleware環境は、Oracle WebLogic Serverドメイン、管理サーバー、複数の管理対象サーバー、Javaコンポーネント、アイデンティティ管理コンポーネントなどのシステム・コンポーネント、およびメタデータのリポジトリに使用されるデータベースで構成できます。コンポーネントは相互に依存していることがあるため、適切な順序で停止する必要があります。

ノート:

この項の手順では、WLSTコマンドライン・ユーティリティまたはスクリプトを使用して、既存のアップグレード前のサーバーとプロセスを停止する方法について説明します。Oracle Fusion Middleware ControlおよびOracle WebLogic Server管理コンソールを使用することもできます。管理サーバーと管理対象サーバーおよびノード・マネージャの起動と停止に関する項を参照してください。

アップグレード前のFusion Middleware環境を停止するには、アップグレード前のドメインに移動し、次のステップに従います。

ステップ1: 管理対象サーバーを停止する

WebLogic Server管理対象サーバーを停止するには、stopManagedWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) EXISTING_DOMAIN_HOME/bin/stopManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url

  • (Windows) EXISTING_DOMAIN_HOME\bin\stopManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url

プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。

ステップ2: システム・コンポーネントを停止する

Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントを停止するには、stopComponentスクリプトを使用します。

  • (UNIX) EXISTING_DOMAIN_HOME/bin/stopComponent.sh component_name

  • (Windows) EXISTING_DOMAIN_HOME\bin\stopComponent.cmd component_name

システム・コンポーネントは任意の順序で停止できます。

ステップ3: 管理サーバーを停止する

管理サーバーを停止するときに、管理サーバーで稼働しているプロセス(WebLogic Server管理コンソールやFusion Middleware Controlなど)も停止します。

管理サーバーを停止するには、stopWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) EXISTING_DOMAIN_HOME/bin/stopWebLogic.sh

  • (Windows) EXISTING_DOMAIN_HOME\bin\stopWebLogic.cmd

プロンプトが表示されたら、管理サーバーのユーザー名とパスワード、およびURLを入力します。

ステップ4: ノード・マネージャを停止する

ノード・マネージャを停止するには、それが実行されているコマンド・シェルを閉じます。

またはnodemanager.properties属性のQuitEnabledtrueに設定し(デフォルトはfalse)、WLSTを使用して、ノード・マネージャに接続して停止できます。『Oracle Fusion Middleware WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンス』stopNodeManagerに関する項を参照してください。

製品スキーマのアップグレード

サーバーとプロセスの停止後に、Upgrade Assistantを使用して、サポートされている製品スキーマをOracle Fusion Middlewareの現在のリリースにアップグレードします。

アップグレード・アシスタントを使用すると、個別に選択したスキーマまたはドメインに関連付けられているすべてのスキーマをアップグレードできます。選択したオプションによって、表示されるアップグレード・アシスタントの画面は異なります。

アップグレードで使用可能な既存のスキーマの識別

このオプションのタスクでは、スキーマのバージョン・レジストリを問い合せて、アップグレードを開始する前に使用可能なスキーマのリストを確認できます。このレジストリには、バージョン番号、コンポーネント名およびID、作成日と変更日、カスタム接頭辞などのスキーマ情報が含まれます。

アップグレード・アシスタントでは、ドメイン内のすべてのスキーマをアップグレードすることも、アップグレードするスキーマを個々に選択することもできます。いずれかの方法を選択するために、次のステップに従って、アップグレードに使用可能なすべてのスキーマのリストを確認します。

  1. Oracleデータベースを使用している場合、Oracle DBA権限を持つアカウントを使用してデータベースに接続し、SQL*Plusから次を実行します。

    SET LINE 120
    COLUMN MRC_NAME FORMAT A14
    COLUMN COMP_ID FORMAT A20
    COLUMN VERSION FORMAT A12
    COLUMN STATUS FORMAT A9
    COLUMN UPGRADED FORMAT A8
    SELECT MRC_NAME, COMP_ID, OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY ORDER BY MRC_NAME, COMP_ID;
    
  2. 生成されたレポートを確認します。

    あるスキーマでアップグレードの必要がない場合、schema_version_registry表には、アップグレード前のバージョンでそのスキーマが保持されます。

  3. 既存のスキーマに使用されているスキーマ接頭辞名を確認します。新しい12c (12.2.1.4.0)スキーマの作成時に、同じ接頭辞を使用することになります。

ノート:

  • 既存のスキーマが、サポートされているバージョンからのものでない場合、12c (12.2.1.4.0)のアップグレード手順を使用する前に、それらをサポートされているバージョンにアップグレードする必要があります。詳細は、アップグレード前のバージョンのドキュメントを参照してください。

  • 一部のコンポーネント(Oracle Enterprise Data Quality、Oracle GoldenGate Monitor、Oracle GoldenGate Veridataなど)では、標準的なOracle Fusion Middlewareのサポート対象バージョン以外のバージョンからのアップグレードがサポートされています。

  • 以前のバージョンでOIDベースのポリシー・ストアを使用していた場合、アップグレードを実行する前に新しいOPSSスキーマを必ず作成します。アップグレード後も、OPSSスキーマはLDAPベース・ストアのままです。

  • Oracle Fusion Middlewareリリース12c (12.2.1.4.0)でアップグレード可能な製品のスキーマのみをアップグレードできます。まだ12c (12.2.1.4.0)へのアップグレードが可能になっていないコンポーネントを含むドメインをアップグレードしないでください。

アップグレード・アシスタントの起動

Upgrade Assistantを実行して、製品のスキーマ、ドメイン・コンポーネント構成、またはスタンドアロンのシステム・コンポーネントを12c (12.2.1.4.0)にアップグレードします。

Upgrade Assistantを起動するには:

ノート:

Upgrade Assistantを起動する前に、Upgrade Assistantが稼働している環境に対して、JVM文字エンコードがUTF-8に設定されていることを確認します。文字エンコードがUTF-8に設定されていない場合、それらの名前にUnicode文字が含まれているファイルをダウンロードすることはできません。これによってアップグレードが失敗することがあります。

  1. oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
  2. Upgrade Assistantを起動します。
    • (UNIX) ./ua
    • (Windows) ua.bat

コマンドラインに指定可能なその他のパラメータ(ロギングのパラメータなど)の詳細は、次を参照してください。

アップグレード・アシスタントのパラメータ

コマンドラインからアップグレード・アシスタントを起動するときに、追加のパラメータを指定できます。

表3-7 アップグレード・アシスタントのコマンドライン・パラメータ

パラメータ 必須またはオプション 説明

-readiness

準備状況チェックの場合は必須

ノート: 準備状況チェックはスタンドアロン・インストール上で実行できません(WebLogic Serverの管理対象でありません)。

アップグレードの準備状況チェックを実行します(実際のアップグレードは実行しません)。

スキーマと構成がチェックされます。

-examineパラメータを指定した場合は、このパラメータを指定しないでください。

-threads

オプション

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を特定します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。

-response

サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックの場合は必須

アップグレード・アシスタントがGUIモードで実行されているときに入力したデータから生成されるレスポンス・ファイルに保存されている入力を使用して、アップグレード・アシスタントを実行します。このパラメータを使用すると、アップグレード・アシスタントはサイレント・モード(アップグレード・アシスタントの画面表示なし)で実行されます。

-examine

オプション

調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。

-readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

-logLevel attribute

オプション

次のいずれかの属性を指定して、ログイン・レベルを設定します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

-logLevel TRACE属性を設定して、より多くのログが記録されるようにすることを検討してください。これは、アップグレードの失敗をトラブルシューティングする際に役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。

-logDir location

オプション

アップグレード・ログ・ファイルと一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。Upgrade Assistantによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。

デフォルトの場所は次のとおりです。

(UNIX)

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

(Windows)

ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp

-help

オプション

すべてのコマンドライン・オプションを表示します。

アップグレード・アシスタントを使用したOracle WebCenterスキーマのアップグレード

Upgrade Assistantの各画面を通じて、製品スキーマをアップグレードします。

Upgrade Assistantを使用して、製品スキーマをアップグレードするには:
  1. 「ようこそ」画面には、Upgrade Assistantの概要と、アップグレード前のいくつかの重要なタスクについての情報が示されます。「次へ」をクリックします。

    ノート:

    Upgrade Assistantの画面の詳細は、画面上の「ヘルプ」をクリックしてください。
  2. 「選択したスキーマ」画面で、実行するスキーマ・アップグレード操作を選択します。
    • 個別に選択されたスキーマ。アップグレード用のスキーマを個別に選択する場合で、ドメインで使用されるすべてのスキーマをアップグレードしない場合。

      注意:

      12c (12.2.1.4.0)コンポーネントをサポートするために使用されるスキーマのみをアップグレードしてください。Oracle Fusion Middleware 12c (12.2.1.4.0)に含まれていないコンポーネントをサポートするために現在使用されているスキーマをアップグレードしないでください。
    • ドメインで使用されるすべてのスキーマ。アップグレード・アシスタントは、「ドメイン・ディレクトリ」シールドに指定されているドメイン内のアップグレード可能なスキーマがあるすべてのコンポーネントを検索し、選択できます。これは、ドメイン支援のスキーマ・アップグレードとも呼ばれています。さらに、Upgrade Assistantはスキーマの入力画面に接続情報を事前に移入します。

      ノート:

      必要なすべてのスキーマがアップグレードに確実に含まれるようにするため、ほとんどのアップグレードについて「ドメインで使用されるすべてのスキーマ」を選択することをお薦めします。

    「次へ」をクリックします。

  3. 「個別に選択されたスキーマ」を選択した場合: 「使用可能なコンポーネント」画面で、スキーマをアップグレードするコンポーネントを選択します。コンポーネントを選択すると、スキーマとすべての依存関係が自動的に選択されます。
  4. 「前提条件」画面で、すべてのチェック・ボックスを選択して、前提条件を満たしていることを確認します。「次へ」をクリックします。

    ノート:

    アップグレード・アシスタントでは前提条件が満たされているかどうかを確認できません。
  5. スキーマ資格証明画面で、アップグレードする各スキーマのデータベース接続詳細を指定します(選択したスキーマに応じて画面名が変更されます)。
    • 「Database Type」ドロップダウン・メニューからデータベース・タイプを選択します。

    • データベース接続の詳細を入力して、「接続」をクリックします。

    • 「スキーマ・ユーザー名」ドロップダウン・メニューからアップグレードするスキーマを選択し、スキーマのパスワードを入力します。アップグレードするスキーマに対して正しいスキーマ接頭辞を使用してください。

      ノート:

      リリース12.1.2のUCSUMSスキーマでは、コンポーネントIDまたはスキーマ名が変わるため、アップグレード・アシスタントは、使用可能なスキーマを自動的に認識し、それらをドロップダウン・リストに表示することはありません。テキスト・フィールドに手動で名前を入力する必要があります。名前はアップグレードの開始ポイントに応じて、prefix_ORASDPMまたはprefix_UMSのいずれかになります。
  6. 「調査」画面で、各スキーマを調査したUpgrade Assistantのステータスを確認して、スキーマのアップグレードの準備が整っていることを検証します。ステータスが「調査が終了しました。」になっている場合は、「次」をクリックします。
    調査フェーズが失敗した場合は、「調査失敗」ダイアログの「いいえ」をクリックして、アップグレードをキャンセルすることをお薦めします。「ログの表示」をクリックしてエラーの原因を確認し、共通するアップグレード・エラーの解決に関する情報を『Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantによるアップグレード』アップグレードのトラブルシューティングに関する項で参照します。

    ノート:

    • 確認フェーズ中に検出された問題を、アップグレードを進めずに解決した場合は、バックアップからリストアを再び行わずにUpgrade Assistantを開始できます。ただし、「調査失敗」ダイアログ・ボックスで「はい」をクリックしてアップグレードを続行していた場合は、Upgrade Assistantを再開する前に、バックアップからアップグレード前の環境をリストアする必要があります。

    • 調査プロセスを取り消してもスキーマまたは構成データに影響はありませんが、将来のアップグレード・セッションでは、Upgrade Assistantが収集した情報を再収集する必要があります。

  7. 「アップグレード・サマリー」画面で、アップグレードまたは作成、あるいはその両方が行われるスキーマのサマリーを確認します。
    正しいソース・バージョンとターゲット・バージョンが、アップグレード対象の各スキーマにリストされていることを確認します。
    これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存して、後でアップグレード・アシスタントをレスポンス(またはサイレント)モードで再度実行する場合、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの名前と場所を指定します。サイレント・アップグレードは、Upgrade Assistantとまったく同じ機能を実行しますが、データを手動で再入力する必要はありません。
    「次へ」をクリックします。
  8. 「アップグレードの進行状況」画面で、アップグレードのステータスを監視します。

    注意:

    アップグレード・アシスタントにはアップグレードを実行するための十分な時間を与えてください。やむを得ない場合を除き、アップグレード操作は取り消さないでください。これを行うと、環境が不安定になる可能性があります。
    正しくアップグレードされていないスキーマがある場合は、Upgrade Assistantのログ・ファイルで情報を確認します。

    ノート:

    この画面のプログレス・バーには、現在のアップグレード手順の進行状況が表示されます。アップグレードの残り時間を示すものではありません。

    「次へ」をクリックします。

  9. アップグレードが成功した場合: 「アップグレード成功」画面で、「閉じる」をクリックし、アップグレードを完了してウィザードを閉じます。

    アップグレードが失敗した場合: 「アップグレード失敗」画面で「ログの表示」をクリックして、エラーを確認し、トラブルシューティングします。ログはNEW_ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logsにあります。

    ノート:

    アップグレードが失敗した場合は、バックアップからアップグレード前の環境をリストアし、問題を修正してから、Upgrade Assistantを再起動する必要があります。

スキーマのアップグレードの確認

すべてのアップグレード・ステップを完了したら、schema_version_registryのスキーマ・バージョンが適切に更新されていることをチェックして、アップグレードの成功を検証します。

Oracle Databaseを使用する場合、Oracle DBAを持つユーザーとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次を実行して現行のバージョン番号を取得します。

SET LINE 120
COLUMN MRC_NAME FORMAT A14
COLUMN COMP_ID FORMAT A20
COLUMN VERSION FORMAT A12
COLUMN STATUS FORMAT A9
COLUMN UPGRADED FORMAT A8
SELECT MRC_NAME, COMP_ID, OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY ORDER BY MRC_NAME, COMP_ID ;

問合せ結果について:

  • VERSION列の数値が、そのスキーマの最新のバージョン番号に一致していることを確認します。たとえば、スキーマ・バージョン番号が12.2.1.4.0になっていることを確認します。

    ノート:

    ただし、すべてのスキーマ・バージョンが更新されるわけではありません。一部のスキーマではこのリリースへのアップグレードが必要なく、アップグレード前のバージョン番号が保持されます。

  • STATUSフィールドは、スキーマのパッチ適用操作中はUPGRADINGまたはUPGRADEDのどちらかになり、パッチ適用操作が完了するとVALIDになります。

  • ステータスが「INVALID」と表示された場合は、ステータスの更新が失敗しています。ログ・ファイルを調べて、失敗した理由を判定する必要があります。

  • IAU_APPENDIAU_VIEWERが所有するシノニム・オブジェクトは、INVALIDと表示されますが、失敗を意味するものではありません。

    これらは、シノニムの作成後にターゲット・オブジェクトが変更されるため無効になります。シノニム・オブジェクトは、アクセスされるときに有効になります。これに該当するINVALIDオブジェクトは、無視しても問題ありません。

ドメインの再構成について

再構成ウィザードを実行して、ドメイン・コンポーネント構成を12c (12.2.1.4.0)に再構成します。

ノート:

ソースがクラスタ化環境の場合、プライマリ・ノードでのみ再構成ウィザードを実行します。

WebLogic Serverドメインを再構成すると、ドメイン内のアプリケーションに応じて、次の項目が自動的に更新されます。

  • WebLogic Serverコア・インフラストラクチャ

  • ドメイン・バージョン

ノート:

ドメインの再構成を開始する前に、次の制限事項に注意してください。

  • 再構成ウィザードでは、ドメインに含まれる独自のアプリケーションは更新されません。

  • アップグレード・プロセス中に、非動的クラスタ・ドメインを動的クラスタ・ドメインに変換することはサポートされていません。

    動的クラスタ機能は、再構成ウィザードの実行中に使用できますが、サポートされているアップグレードは非動的クラスタのアップグレードのみで、その後で動的クラスタを追加することになります。アップグレード・プロセス中に動的クラスタを追加することはできません。

  • アップグレードするインストールでOracle Access Management (OAM)が使用されない場合は、2つのファイルを編集して、再構成ウィザードが、存在しないOAMインフラストラクチャ・スキーマの更新(アップグレードが失敗する)を試みないようにする必要があります。

    $DOMAIN/init-info/domain-info.xmlに次の例のような行をコメント・アウトします。

    <!--extention-template-ref name="Oracle Identity Navigator" 
      version="11.1.1.3.0" 
      location="/u01/app/oracle/product/fmw/iam111130/common/templates/applications/yourcomany.oinav_11.1.1.3.0_template.jar" 
      symbol=""/-->
    
    <!--install-comp-ref name="oracle.idm.oinav" version="11.1.1.3.0" 
      symbol="yourcompany.idm.oinav_11.1.1.3.0_iam111130_ORACLE_HOME" 
      product_home="/u01/app/oracle/product/fmw/iam111130"/-->

    また、同様に、$DOMAIN/config/config.xmlに次の例のような行をコメント・アウトします。

    <!--app-deployment> 
      <name>oinav#11.1.1.3.0</name>
      <target>AdminServer</target>
      <module-type>ear</module-type>
    
      <source-path>/u01/app/oracle/product/fmw/iam111130/oinav/modules/oinav.ear_11.1.1.3.0/oinav.ear</source-path>
      <deployment-order>500</deployment-order>
      <security-dd-model>DDOnly</security-dd-model>
      <staging-mode>nostage</staging-mode>
    </app-deployment-->
    
具体的には、ドメインを再構成する場合、次のことが発生します。
  • ドメインのconfig.xmlファイルのドメイン・バージョン番号は、管理サーバーのインストール済WebLogic Serverバージョンに更新されます。

  • すべてのインストール済Oracle製品の再構成テンプレートは、自動的に選択されてドメインに適用されます。これらのテンプレートは、WebLogicドメインが現在のWebLogic Serverバージョンと互換性を持つために必要な再構成タスクを定義します。

  • 起動スクリプトが更新されます。

    変更済の起動スクリプトを維持する場合は、そのスクリプトをバックアップしてから、再構成ウィザードを開始してください。

ノート:

ドメインの再構成プロセスを開始すると、それによって行われた変更を元に戻すことはできません。再構成ウィザードを実行する前に、アップグレード前のチェックリストに示されているようにドメインのバックアップを作成したことを確認します。再構成ウィザードの実行中にエラーまたは他の割込みが発生した場合、バックアップ場所から元のドメイン・ディレクトリにファイルとディレクトリをコピーすることによって、ドメインをリストアする必要があります。これは、再構成前にドメインを確実に元の状態に戻す唯一の方法です。

再構成ウィザードを使用して既存のドメインを再構成する手順に従います。Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic ServerのアップグレードWebLogicドメインの再構成を参照してください。

ドメインのバックアップ

再構成ウィザードの実行前に、ドメイン・ディレクトリのバックアップ・コピーを作成します。

ドメイン・ディレクトリのバックアップを作成するには:

  1. コンテンツを保持するには、ソース・ドメインを別の場所にコピーします。
    (Windows) copy C:\domains\mydomain to C:\domains\mydomain_backup
    (UNIX) cp mydomain /domains/mydomain_backup
  2. 各リモート管理対象サーバーのドメインを更新する前に、各リモート・マシンのドメイン・ディレクトリのバックアップ・コピーを作成します。
  3. ドメインのバックアップしたバージョンが完全であることを確認します。
なんらかの理由でドメインの再構成が失敗した場合は、すべてのファイルおよびディレクトリをバックアップ・ディレクトリから元のドメイン・ディレクトリにコピーしてドメインを完全に再構成前の元の状態に戻す必要があります。

再構成ウィザードの起動

ノート:

再構成プロセスを開始する前に、管理サーバーおよびすべてのコロケート管理対象サーバーを停止します。「サーバーとプロセスの停止」を参照

再構成ウィザードをグラフィカル・モードで起動するには:

  1. ドメインが存在するシステムにサインインします。
  2. コマンド・シェル(UNIXオペレーティング・システムの場合)またはコマンド・プロンプト・ウィンドウ(Windowsオペレーティング・システムの場合)を開きます。
  3. エディション・ベースのデータベース・ユーザーのみ: スキーマがEBRデータベースを使用して構成されている場合、再構成ウィザードを実行する前に、手動でデフォルトのエディション名を設定する必要があります。
    次のSQLコマンドを実行して、デフォルト・エディションを設定します。

    ALTER DATABASE DEFAULT EDITION = edition_name;

    ここで、edition_nameは、子エディションの名前です。

  4. oracle_common/common/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) NEW_ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin
    • (Windows) NEW_ORACLE_HOME\oracle_common\commom\bin
  5. 次に示すロギングオプションを指定して、再構成ウィザードを開始します。
    • (UNIX) ./reconfig.sh -log=log_file -log_priority=ALL
    • (Windows) reconfig.cmd -log=log_file -log_priority=ALL

    log_fileは、ドメイン再構成セッション用に作成するログ・ファイルの絶対パスです。これは、再構成処理をトラブルシューティングする必要がある場合に役立つことがあります。

    パラメータ-log_priority=ALLは、ログを詳細モードで出力します。

    ノート:

    このコマンドを実行すると、デフォルトのキャッシュ・ディレクトリが無効であることを示す次のエラー・メッセージが表示される場合があります。

    *sys-package-mgr*: can't create package cache dir
    

    環境変数CONFIG_JVM_ARGSを設定することでキャッシュ・ディレクトリを変更できます。たとえば:

    CONFIG_JVM_ARGS=-Dpython.cachedir=valid_directory

再構成ウィザードを使用したドメインの再構成

再構成ウィザードの各画面を通じて、既存のドメインを再構成します。

ノート:

ソースがクラスタ化環境の場合、プライマリ・ノードでのみ再構成ウィザードを実行します。圧縮/解凍ユーティリティを使用して、ドメイン内の他のクラスタ・メンバーに変更を適用します。
再構成ウィザードを使用してドメインを再構成するには:
  1. 「ドメインの選択」画面で、アップグレードするドメインの場所を指定するか、「参照」をクリックしてナビゲートし、ドメインのディレクトリを選択します。「次へ」をクリックします。
  2. 「再構成セットアップの進行状況」画面で、セットアップ・プロセスの進行状況を確認します。完了したら、「次へ」をクリックします。
    このプロセスでは次の処理が行われます。
    • Fusion Middleware製品を含む、インストール済製品の再構成テンプレートが自動的に適用されます。これにより、config.xmlconfig-groups.xmlsecurity.xmlなどの様々なドメイン構成ファイルが更新されます。

    • Fusion Middleware製品をサポートするスキーマ、スクリプトおよび他のファイルが更新されます。

    • ドメイン・アップグレードが検証されます。

  3. 「ドメイン・モードおよびJDK」画面で、ドメインで使用するJDKを選択するか、「参照」をクリックして、使用するJDKにナビゲートします。12c (12.2.1.4.0)に対してサポートされているJDKバージョンは、1.8.0_211以降です。「次へ」をクリックします。

    ノート:

    このステージでは、「ドメイン・モード」を変更することはできません。
    特定のプラットフォームでサポートされているJDKのリストは、Oracle Fusion Middlewareでサポートされているシステム構成の説明を参照してください。
  4. 「データベース構成タイプ」画面で、「RCUデータ」を選択して、サーバー表(_STB)スキーマに接続します。
    RCUサービス表(_STB)スキーマ資格証明を使用してデータベース接続の詳細を入力して、「RCU構成の取得」をクリックします。
    再構成ウィザードは、この接続を使用して、ドメインのコンポーネントに必要なデータソースを自動的に構成します。

    ノート:

    デフォルトでは、選択されたドライバはOracleのサービス接続用ドライバ(Thin)、バージョン: : 「いずれか」です。接続の詳細で、サービス名のかわりにインスタンス名を指定した場合は、Oracleのサービス接続用ドライバ(Thin)、バージョン: 「いずれか」を選択します ドライバ・タイプを変更しない場合、接続が失敗します。

    ノート:

    既存の12c (12.2.1.3.0)データ・ソースの場合、再構成では既存の値が保存されます。RCUで12c (12.2.1.4.0)用にスキーマが作成された新しいデータ・ソースの場合、デフォルトの接続データは_STBスキーマから取得されます。特定のスキーマの接続データが_STBスキーマにない場合は、デフォルトの接続データが使用されます。
    チェックが成功した場合は、「次へ」をクリックします。チェックが失敗した場合は、接続の正しい詳細を再入力し、再試行します。
  5. 「JDBCコンポーネント・スキーマ」画面で、各コンポーネント・スキーマのDBMS/サービスおよびホスト名が正しいことを確認し、「次へ」をクリックします。
  6. 「JDBCコンポーネント・スキーマ・テスト」画面で、すべてのコンポーネント・スキーマを選択して「選択された接続のテスト」をクリックし、各スキーマの接続をテストします。テストの結果は、「ステータス」列に表示されます。
    チェックが完了したら、「次へ」をクリックします。
  7. 「拡張構成」画面で、拡張構成を実行するすべてのカテゴリを選択できます。選択したカテゴリごとに、詳細構成を行うことができる適切な構成画面が表示されます。

    ノート:

    「拡張構成」画面にリストされるカテゴリは、ドメインに選択したテンプレートに定義されているリソースによって異なります。
    このアップグレードではオプションを選択せずに、「次へ」をクリックします。
  8. 「構成のサマリー」画面で、ドメインの詳細な構成設定を確認してから続行します。
    「表示」ドロップダウン・リストからフィルタ・オプションを選択すると、右側のパネルに表示される項目を制限できます。
    構成を変更するには、「戻る」をクリックして適切な画面に戻ります。ドメインを再構成するには、「再構成」をクリックします。

    ノート:

    ドメインを再構成しても、その場所は変更されません。
  9. 「再構成の進行状況」画面には、再構成プロセスの進行状況が表示されます。
    このプロセスでは次の処理が行われます。
    • ドメイン情報が抽出、保存および更新されます。

    • Fusion Middleware製品をサポートするスキーマ、スクリプトおよび他のファイルが更新されます。

    進捗バーが100%になったら、「次へ」をクリックします。
  10. 「構成の終了」画面に、再構成プロセスが成功して完了したか、または失敗したかどうかが示されます。管理サーバーURL(リスニング・ポートを含む)とともに再構成されたドメインの場所も表示します。再構成が成功した場合は、「Oracle Weblogic Serverの再構成に成功しました」と表示されます。
    再構成プロセスが正常に完了しなかった場合は、その理由を示すエラー・メッセージが表示されます。問題を解決するための適切な措置を講じます。問題を解決できない場合は、My Oracle Supportに連絡してください。
    以後の操作のためにドメインの場所と管理サーバーURLをノートにとります。

ドメイン・コンポーネント構成のアップグレード

ドメインを再構成した後、Upgrade Assistantを使用して、更新したドメイン構成と一致するようドメイン内のドメイン・コンポーネント構成をアップグレードします。

アップグレード・アシスタントの起動

Upgrade Assistantを実行して、製品のスキーマ、ドメイン・コンポーネント構成、またはスタンドアロンのシステム・コンポーネントを12c (12.2.1.4.0)にアップグレードします。

Upgrade Assistantを起動するには:

ノート:

Upgrade Assistantを起動する前に、Upgrade Assistantが稼働している環境に対して、JVM文字エンコードがUTF-8に設定されていることを確認します。文字エンコードがUTF-8に設定されていない場合、それらの名前にUnicode文字が含まれているファイルをダウンロードすることはできません。これによってアップグレードが失敗することがあります。

  1. oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
  2. Upgrade Assistantを起動します。
    • (UNIX) ./ua
    • (Windows) ua.bat

コマンドラインに指定可能なその他のパラメータ(ロギングのパラメータなど)の詳細は、次を参照してください。

アップグレード・アシスタントのパラメータ

コマンドラインからアップグレード・アシスタントを起動するときに、追加のパラメータを指定できます。

表3-8 アップグレード・アシスタントのコマンドライン・パラメータ

パラメータ 必須またはオプション 説明

-readiness

準備状況チェックの場合は必須

ノート: 準備状況チェックはスタンドアロン・インストール上で実行できません(WebLogic Serverの管理対象でありません)。

アップグレードの準備状況チェックを実行します(実際のアップグレードは実行しません)。

スキーマと構成がチェックされます。

-examineパラメータを指定した場合は、このパラメータを指定しないでください。

-threads

オプション

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を特定します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。

-response

サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックの場合は必須

アップグレード・アシスタントがGUIモードで実行されているときに入力したデータから生成されるレスポンス・ファイルに保存されている入力を使用して、アップグレード・アシスタントを実行します。このパラメータを使用すると、アップグレード・アシスタントはサイレント・モード(アップグレード・アシスタントの画面表示なし)で実行されます。

-examine

オプション

調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。

-readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

-logLevel attribute

オプション

次のいずれかの属性を指定して、ログイン・レベルを設定します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

-logLevel TRACE属性を設定して、より多くのログが記録されるようにすることを検討してください。これは、アップグレードの失敗をトラブルシューティングする際に役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。

-logDir location

オプション

アップグレード・ログ・ファイルと一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。Upgrade Assistantによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。

デフォルトの場所は次のとおりです。

(UNIX)

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

(Windows)

ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp

-help

オプション

すべてのコマンドライン・オプションを表示します。

アップグレード・アシスタントを使用したドメイン・コンポーネント構成のアップグレード

Upgrade Assistantの各画面を通じて、WebLogicドメインのコンポーネント構成をアップグレードします。

再構成ウィザードを実行してWebLogicドメインを12c (12.2.1.4.0)に再構成した後に、アップグレード・アシスタントを実行して、ドメイン・コンポーネント構成を、更新されたドメイン構成に一致するようにアップグレードする必要があります。

Upgrade Assistantを使用して、ドメイン・コンポーネント構成をアップグレードするには:
  1. 「ようこそ」画面には、Upgrade Assistantの概要と、アップグレード前のいくつかの重要なタスクについての情報が示されます。「次へ」をクリックします。

    ノート:

    Upgrade Assistantの画面の詳細は、画面上の「ヘルプ」をクリックしてください。
  2. 次の画面で、次を実行します。
    • 「ドメインによって使用されるすべての構成」を選択します。画面名が「WebLogicコンポーネント」に変更されます。

    • 「ドメイン・ディレクトリ」フィールドに、WebLogicドメイン・ディレクトリのパスを入力します。

    「次へ」をクリックします。

  3. 「コンポーネント・リスト」画面で、構成をアップグレードするコンポーネントがリストにすべて含まれていることを確認し、「次」をクリックします。
    アップグレードするコンポーネントが表示されない場合は、「戻る」をクリックして前の画面に移動し、異なるドメインを指定します。
  4. 「前提条件」画面で、すべてのチェック・ボックスを選択して、前提条件を満たしていることを確認します。「次へ」をクリックします。

    ノート:

    アップグレード・アシスタントでは前提条件が満たされているかどうかを確認できません。
  5. 「調査」画面で、各コンポーネントを調査したUpgrade Assistantのステータスを確認して、コンポーネント構成のアップグレードの準備が整っていることを検証します。ステータスが「調査が終了しました。」になっている場合は、「次」をクリックします。
    調査フェーズが失敗した場合は、「調査失敗」ダイアログの「いいえ」をクリックして、アップグレードをキャンセルすることをお薦めします。「ログの表示」をクリックしてエラーの原因を確認し、共通するアップグレード・エラーの解決に関する情報を『Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantによるアップグレード』アップグレードのトラブルシューティングに関する項で参照します。

    ノート:

    • 確認フェーズ中に検出された問題を、アップグレードを進めずに解決した場合は、バックアップからリストアを再び行わずにUpgrade Assistantを開始できます。ただし、「調査失敗」ダイアログ・ボックスで「はい」をクリックしてアップグレードを続行していた場合は、Upgrade Assistantを再開する前に、バックアップからアップグレード前の環境をリストアする必要があります。

    • 調査プロセスを取り消しても構成データに影響はありませんが、将来のアップグレード・セッションでは、Upgrade Assistantが収集した情報の再収集が必要になります。

  6. 「アップグレード・サマリー」画面で、コンポーネント構成のアップグレードに選択したオプションのサマリーを確認します。
    レスポンス・ファイルには、入力したすべての情報が収集および格納されます。このファイルにより、その後のサイレント・アップグレードの実行が可能になります。サイレント・アップグレードは、Upgrade Assistantとまったく同じ機能を実行しますが、データを手動で再入力する必要はありません。これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を指定します。
    「アップグレード」をクリックして、アップグレード・プロセスを開始します。
  7. 「アップグレードの進行状況」画面で、アップグレードのステータスを監視します。

    注意:

    アップグレード・アシスタントにはアップグレードを実行するための十分な時間を与えてください。やむを得ない場合を除き、アップグレード操作は取り消さないでください。これを行うと、環境が不安定になる可能性があります。
    正しくアップグレードされていないコンポーネントがある場合は、Upgrade Assistantのログ・ファイルで情報を確認します。

    ノート:

    この画面のプログレス・バーには、現在のアップグレード手順の進行状況が表示されます。アップグレードの残り時間を示すものではありません。

    「次へ」をクリックします。

  8. アップグレードが成功した場合: 「アップグレード成功」画面で「閉じる」をクリックして、アップグレードを完了し、ウィザードを閉じます。新規インストールでコンポーネントを機能させるために手動で実行する必要のあるタスクが、アップグレード後のアクションウィンドウに表示されます。このウィンドウは、コンポーネントにアップグレード後のステップがある場合にのみ表示されます。
    アップグレードが失敗した場合: 「アップグレード失敗」画面で「ログの表示」をクリックして、エラーを確認し、トラブルシューティングします。ログは、ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logsにあります。

    ノート:

    アップグレードに失敗した場合、アップグレード前の環境をバックアップからリストアし、問題を解決して、アップグレード・アシスタントを再度起動する必要があります。

ドメイン固有コンポーネント構成のアップグレードの確認

ドメイン固有コンポーネント構成のアップグレードが成功したことを確認するには、管理コンソールおよびOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにサインインし、各コンポーネントのバージョン番号が12.2.1.4.0になっていることを確認します。

管理コンソールにサインインするには、次に移動します。http://administration_server_host:administration_server_port/console

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control Consoleにサインインするには、次に移動します。http://administration_server_host:administration_server_port/em

ノート:

アップグレード後、管理ツールは、前のOracleホーム・ディレクトリではなく新しい12c (12.2.1.4.0)のOracleホーム・ディレクトリから必ず実行してください。

アップグレード・プロセス時に、一部のOWSMドキュメント(ポリシー・セット、ポリシーおよびアサーション・テンプレートなどの事前定義ドキュメント)のアップグレードが必要な場合があります。ポリシー・セットまたは事前定義ドキュメントがアップグレードされると、バージョン番号が1増分されます。

Upgrade Assistantを実行するためにFMWユーザーを作成した場合は、アップグレードが成功したことを確認してからアカウントを削除してください。

アップグレード後の構成タスクの実行

デプロイメントに含まれるコンポーネントによっては、アップグレード後に追加の構成タスクを実行することが必要になります。

ノート:

デプロイメントに次のものが含まれる場合は、追加のアップグレード後のタスクを実行します。

WebCenter Contentのアップグレード後のタスクの実行

Oracle WebCenter Portalのアップグレード後のタスクの実行

サーバーおよびプロセスの起動

正常なアップグレードの後に、管理サーバーや管理対象サーバーなど、すべてのプロセスおよびサーバーを再起動します。

コンポーネントは相互に依存していることがあるため、適切な順序で起動する必要があります。

ノート:

この項の手順では、WLSTコマンドラインまたはスクリプトを使用してサーバーとプロセスを起動する方法について説明します。Oracle Fusion Middleware ControlおよびOracle WebLogic Server管理コンソールを使用することもできます。『Oracle Fusion Middlewareの管理』管理サーバーと管理対象サーバー、およびノード・マネージャの起動および停止に関する項を参照してください。

Fusion Middleware環境を起動するには、次のステップに従います。

ステップ1: 管理サーバーの起動

管理サーバーを起動する場合、管理サーバーで稼働しているWebLogic Server管理コンソールやFusion Middleware Controlなどのプロセスも起動します。

管理サーバーを起動するには、startWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) NEW_DOMAIN_HOME/bin/startWebLogic.sh

  • (Windows) NEW_DOMAIN_HOME\bin\startWebLogic.cmd

プロンプトが表示されたら、管理サーバーのユーザー名とパスワード、およびURLを入力します。

ステップ2: ノード・マネージャを起動する

ノード・マネージャを起動するには、startNodeManagerスクリプトを使用します。

  • (UNIX) NEW_DOMAIN_HOME/bin/startNodeManager.sh

  • (Windows) NEW_DOMAIN_HOME\bin\startNodeManager.cmd

ステップ3: 管理対象サーバーを起動する

WebLogic Server管理対象サーバーを起動するには、startManagedWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) NEW_DOMAIN_HOME/bin/startManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url

  • (Windows) NEW_DOMAIN_HOME\bin\startManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url

プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。

ノート:

通常、管理対象サーバーを起動すると、そのサーバーにデプロイされているアプリケーションが開始されます。したがって、管理対象サーバーの起動後にアプリケーションを手動で開始する必要はありません。

ステップ4: システム・コンポーネントを起動する

Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントを起動するには、startComponentスクリプトを使用します。

  • (UNIX) NEW_DOMAIN_HOME/bin/startComponent.sh component_name

  • (Windows) NEW_DOMAIN_HOME\bin\startComponent.cmd component_name

システム・コンポーネントは任意の順序で起動できます。

キーストアの同期化

アップグレード前の環境にSSLが構成されていた場合、OPSSセキュリティ・ストアからローカル・リポジトリにキーストアを同期化する必要があります。

キーストアを同期化するには、まずWLSTセッションをオフライン・モードで開きます。

cd /ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/
./wlst.sh

次に、WSLTコマンド・プロンプト(wls:/offline>)で、次のコマンドを実行してキーストアを同期化します。

connect('username', 'password','t3://host:port')
svc = getOpssService(name='KeyStoreService')
svc.listKeyStoreAliases(appStripe="system",name="keystoreName",password='',type="*")
syncKeyStores(appStripe='system',keystoreFormat='KSS')

usernamepasswordhostおよびportをシステムに合った適切な値に置き換えます(デフォルト値はlocalhostおよび7001です)。keystoreNameにキーストアの名前を入力します。

前述のコマンドを実行したら、管理対象サーバーを再起動します。

新規アプリケーションが予期したとおり動作することの確認

すべてのサーバーが正常に起動されたら、コンポーネント・アプリケーションを開き、すべてが予期したとおりに動作していることを確認します。コンポーネント固有の管理者ガイドと開発者ガイドを使用して、アップグレード後の環境の新機能をナビゲートします。