2 Oracle Data Integrator Cloud ServiceからOracle Data Integrator Marketplaceへの移行

この章では、データ・ポンプを使用して、Oracle Data Integrator Cloud Service (ODI-CS)のOracle Data Integratorリポジトリをデータベース・レベルでマーケットプレイスのOracle Data Integratorに移行する方法について説明します。

この章では、次の項目について説明します。

ノート:

データ・ポンプを使用する移行は、リポジトリが非常に大きい場合にのみに行ってください。リポジトリがそれほど大きくない場合は、標準のエクスポート/インポートで十分です。リポジトリのエクスポート/インポートの詳細は、『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』リポジトリ・レベルのエクスポート/インポートに関する項を参照してください。

2.1 ODI-CSリポジトリのエクスポート

ODI-CSリポジトリは、SQL Developer (データ・ポンプ・ウィザード)または次のOSライン・コマンドを使用してエクスポートできます:

expdp SYSTEM/<PASSWOD>@<TNS_NAME> schemas=<SCHEMA_NAME> directory= DATA_PUMP_DIR_PDB dumpfile=<DUMP_FILE_NAME > logfile=<LOG_FILE_NAME>

2.2 DBaaSのプロビジョニング

次の項で説明する、DBaaSシステムおよびデータベースのプロビジョニング・ウィザードに従います:

https://docs.cloud.oracle.com/en-us/iaas/Content/Database/Tasks/creatingDBsystem.htm

DBaaSのバージョンが、ODI-CSで使用しているDBCSのバージョンと同じである必要があります。

2.3 ATPのプロビジョニング

ATPのプロビジョニングの詳細なステップについては、Autonomous Transaction Processingの開始とプロビジョニングを参照してください。

2.4 ODI Marketplaceのプロビジョニング

ODI Marketplaceのプロビジョニングの詳細は、「Oracle Data Integratorインスタンスの起動」を参照してください。

プロビジョニング後、デフォルトでスタンドアロン・エージェントが使用可能になります。(ODI Marketplaceに付属の)スタンドアロン・エージェントを、新しいリポジトリを指すように切り替えることができます。ただし、スタンドアロン・コロケート/weblogicエージェントが必要な場合は、個別にインストールする必要があります。スタンドアロン・コロケート・エージェントの設定の詳細は、「スタンドアロン・コロケート・エージェントの作成」を参照してください。

2.5 ODI Marketplaceノードへの必要なODIバージョンのインストール

ODI MarketplaceノードにインストールされているODIのバージョンが、ODI-CSで使用されているバージョンと同じである必要があります。

必要なODIバージョンをODI Marketplaceノードにインストールするには、次のステップに従います:

  1. SSHを使用して、ODI Marketplaceノードに接続します。
  2. 新しいディレクトリを作成し、必要なODIバージョンをこのディレクトリにダウンロードします。
  3. ファイルを解凍し、ODIインストーラを実行します。
  4. 「ようこそ」画面で「次へ」をクリックします。
  5. 「自動更新」画面で、「自動更新をスキップ」を選択します。「次」をクリックします。
  6. 「インストール場所」画面で、ODI用に作成したディレクトリを使用してOracleホームを指定します。「次」をクリックします。
  7. 「インストール・タイプ」画面で、デフォルトで選択されている「スタンドアロン・インストール」をそのままにして、「次へ」をクリックします。
  8. 「前提条件のチェック」画面で、前提条件のチェックが100%完了したら、「次へ」をクリックします。
  9. 「セキュリティ更新」画面で、セキュリティ更新オプションのチェックを解除し、「次へ」をクリックします。
  10. 警告ダイアログ・ボックスで、「はい」をクリックします。これは一時的なインストールであるため、サポートに接続する必要はありません。
  11. 「インストール・サマリー」画面で、インストール情報を確認し、「インストール」をクリックします。
  12. 「インストールの進行状況」画面で、プロセスの進行状況を確認できます。これには数分かかる場合があります。すべてのタスクが正常に終了したら、「終了」をクリックします。

2.6 DBaaSでのODIリポジトリの作成

リポジトリ作成ユーティリティ(rcu)を使用して、DBaaS内にODIリポジトリを作成できます。リポジトリのバージョンが、ODI-CSで使用しているバージョンと同じである必要があります。

rcuを使用してDBaaS内にODIリポジトリを作成するには、次のステップに従います:

  1. $MW_HOME/oracle_common/binディレクトリに移動します。
  2. rcuを実行して、新しい(空の)リポジトリを作成します。
  3. 「ようこそ」画面で「次へ」をクリックします。
  4. 「リポジトリの作成」画面で、デフォルト値を受け入れて「次」をクリックします。
  5. 「データベース接続の詳細」画面で、DBaaS接続情報を入力します。DBAまたはSYSDBA権限を持つユーザー(SYSなど)が必要です。
  6. 前提条件をすべて確認したら、「OK」をクリックします。
  7. 「コンポーネントの選択」画面で、すべてデフォルトのままにして「Oracle Data Integrator」を選択します。「次」をクリックします。
  8. 前提条件をすべて確認したら、「OK」をクリックします。
  9. 「スキーマ・パスワード」画面で、パスワードを入力して確認します。このパスワードは後で必要になるため、メモしておいてください。「次」をクリックします。
  10. 「カスタム変数」画面で、スーパーバイザ・パスワードと作業リポジトリ・パスワードを入力します。

    スーパーバイザ・パスワードは6 - 12文字にする必要があり、特殊文字"#"または"_"を含めることができます。作業リポジトリ・パスワードは0 - 10文字にする必要があり、特殊文字"#"または"_"を含めることができます。これらのパスワードは、このプロセスの後半で必要になるため、メモしておいてください。

  11. 「表領域のマップ」画面で、「次」をクリックします。
  12. 確認ウィンドウで、「OK」をクリックします。
  13. 表領域が作成されたら、「OK」をクリックします。
  14. 「サマリー」画面で「作成」をクリックします。
  15. 様々なタスクの進行状況を追跡できる画面が表示されます。すべてのタスクが終了すると、新しい画面が表示されます。新しい画面にすべてのタスクのステータスが表示されます。「閉じる」をクリックします。

2.7 DBaaSノードへのODIリポジトリのインポート

ODIリポジトリをDBaaSノードにインポートするには、次のステップに従います:

  1. SSHを使用して、ODIリポジトリのインポート先のDBaaSノードに接続します。

  2. 次のimpdpコマンドを実行します:

    impdp SYSTEM/<PASSWORD>@<DBBaaS_system> schemas=DEV_ODI_REPO directory=DATA_PUMP_DIR_PDB dumpfile=<DUMP_FILE_NAME> logfile=<LOG_FILE_NAME> TABLE_EXISTS_ACTION=REPLACE

    コマンドにTABLE_EXISTS_ACTIONオプションが含まれていることを確認してください。

2.8 ODI StudioでのDBaaS ODIリポジトリへのアクセスの確認

ODI StudioでDBaaS ODIリポジトリへのアクセスを確認するには、次のステップに従います:
  1. $MW_HOME/odi/studioディレクトリに移動します。
  2. odi.shを実行します。
  3. 「インポート・プリファレンスの確認」画面で、「いいえ」をクリックします。
  4. 左側のパネルにある「リポジトリへの接続」をクリックします。
  5. 「Oracle Data Integratorログイン」画面で、プラス記号(+)アイコンをクリックして、リポジトリを追加します。「リポジトリ接続情報」画面が表示されます。
  6. Oracle Data Integrator接続の詳細を次のように指定します:
    1. ログイン名: カスタム・ログイン名を指定します。このリポジトリの目的がわかるような名前を入力できます。
    2. ユーザー: SUPERVISORを指定します。
    3. パスワード: 元のODIリポジトリのパスワード。
  7. データベース接続(マスター・リポジトリ)の詳細を次のように指定します:
    1. ユーザー: (新しく作成したリポジトリ内の)スキーマ所有者。
    2. パスワード: スキーマ所有者のパスワード。
    3. ドライバ・リスト: ドロップダウン・リストから「Oracle JDBCドライバ」を選択します。
    4. ドライバ名: これが'oracle.jdbc.OracleDriver'に自動的に移入されます。
    5. URL: 接続URLを指定します。接続URLの形式は次のようにしてください: jdbc:oracle:thin:@<host>:<port/ServiceName>
  8. 「テスト」をクリックして、リポジトリへの接続をテストします。
  9. 接続が成功したことを示すメッセージが表示されたら、「OK」をクリックします。
  10. 「リポジトリ接続情報」画面で、「OK」をクリックします。
  11. 「Oracle Data Integratorログイン」画面で、「OK」をクリックします。
  12. 左側のパネルの「トポロジ」タブに移動します。
  13. 「作業リポジトリ」ノードを展開し、「WORKREP」をダブルクリックします。エラー・メッセージが表示されます。「OK」をクリックします。
  14. DBaaSリポジトリへの接続情報を変更するには、画面の左上隅にある接続アイコンをクリックします。
  15. リポジトリのデータベース・ユーザー(DBaaS)とそのパスワードを入力します。次に、左側のペインの「JDBC」リンクをクリックします。
  16. DBaaSサーバーへの接続URLを入力し、「テスト接続」をクリックします。
  17. 確認ウィンドウで、「はい」をクリックします。
  18. 「テスト」をクリックして、リポジトリへの接続をテストします。ここで指定されているエージェントは変更しないでください。
  19. 接続が成功したことを示すメッセージが表示されたら、「OK」をクリックします。

2.9 リポジトリのアップグレード

リポジトリをアップグレードするには、次のステップに従います:
  1. ODI Marketplace・ノードの$MW_HOME/oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
  2. アップグレード・ツールを実行します。
  3. 「ようこそ」画面で「次へ」をクリックします。
  4. 「選択したスキーマ」画面で、「個別に選択されたスキーマ」を選択します。「次」をクリックします。
  5. 「使用可能なコンポーネント」画面で、「Oracle Data Integrator」を選択します。「次」をクリックします。
  6. 「前提条件」画面で、すべてのチェック・ボックスを選択して「次」をクリックします。
  7. ODIスキーマ画面で、DBaaSリポジトリへの接続情報を入力し、「接続」をクリックします。DBaaSシステム内にDBA権限を持つユーザーが必要であることに注意してください。

    接続に成功すると、「スキーマ・ユーザー名」フィールドにスキーマ・ユーザーが表示されます。この場合、スキーマ・ユーザーはDEV_ODI_REPOです。

  8. スキーマ・ユーザーのパスワードを入力し、「次」をクリックします。
  9. 「ODIオプション」画面で、すべてデフォルトのままにして「次」をクリックします。
  10. 「ODIスーパーバイザ」画面で、スーパーバイザ・ユーザーとそのパスワードを入力します。「次」をクリックします。
  11. これにより、システムによってポジトリが調査され、アップグレードの準備が整っているかどうかが判断されます。調査が完了したら、「次」をクリックします。
  12. サマリーを確認し、「アップグレード・サマリー」画面で「アップグレード」をクリックします。
  13. 「アップグレードの進行状況」画面で、アップグレード・プロセスのステータスを確認できます。終了後、「次」をクリックします。
  14. 「アップグレード成功」画面で、「閉じる」をクリックします。

2.10 移行済リポジトリのエクスポート

移行済リポジトリは、SQL Developer (データ・ポンプ・ウィザード)または次のOSライン・コマンドを使用してエクスポートできます:

expdp SYSTEM/<PASSWOD>@<TNS_NAME> schemas=<SCHEMA_NAME> directory= DATA_PUMP_DIR_PDB dumpfile=<DUMP_FILE_NAME > logfile=<LOG_FILE_NAME>

コマンドではDATA_PUMP_DIRではなくDATA_PUMP_DIR_PDBを使用する必要があることに注意してください。

2.11 ATPへの移行済リポジトリのインポート

移行済リポジトリをATPにインポートするには、次のことを実行します:

  1. エクスポートしたアップグレード・リポジトリをオブジェクト・ストレージにアップロードして、ATPからアクセスできるようにします。

  2. ATPシステム内に資格証明を作成して、オブジェクト・ストレージにアクセスできるようにします:
    BEGIN
       DBMS_CLOUD.PUT_OBJECT(credential_name => 'ODI_MIG',
         object_uri => 'https://objectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com/n/<NAMESPACE>/b/<BUCKET_NAME>/o/< DUMP_FILE_NAME>',
         directory_name => 'DATA_PUMP_DIR',
         file_name => '<DUMP_FILE_NAME>');
    END;
    /
    
  3. このファイルは、SQL Developer (データ・ポンプ・ウィザード)または次のOSライン・コマンドを使用してインポートできます:

    impdp ADMIN/<PASSWORD>@<TNS_NAME> directory=data_pump_dir credential=ODI_MIG dumpfile=https://objectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com/n/orasenatdpltinfomgmt01/b/MAGU_Bucket/o/MIG_ODI_REPO.dmp parallel=16 partition_options=merge table_exists_action=REPLACE transform=segment_attributes:n transform=dwcs_cvt_iots:y transform=constraint_use_default_index:y exclude=index,cluster,indextype,materialized_view,materialized_view_log,materialized_zonemap,db_link REMAP_SCHEMA=<SOURCE_SCHEMA>:<TARGET_SCHEMA>

ノート:

この手順は、ATP-Dにのみ適用できます。

2.12 ODI Marketplace Studioでの移行済リポジトリへのアクセスの確認

ODI Marketplace Studioで移行済リポジトリへのアクセスを確認するには、次のステップに従います:
  1. リポジトリが正常にインポートされたら、新しいODI MarketplaceノードでODI Studioを起動します。
  2. 左側のパネルにある「リポジトリへの接続」をクリックします。「Oracle Data Integratorログイン」画面が表示されます。
  3. リポジトリ接続情報を変更するには、鉛筆アイコンをクリックします。「リポジトリ接続情報」画面が表示されます。
  4. リポジトリ接続情報を次のように変更します:
    1. パスワード(SUPERVISOR用): スーパーバイザ・パスワードを、Oracle Data Integrator Cloud Serviceの元のODIリポジトリにあったパスワードに変更します。
    2. 資格証明ファイルの使用: チェック・ボックスを選択します。
    3. 資格証明ファイル: /home/opcディレクトリ内のウォレット・ファイルを参照して選択します。
    4. 接続の詳細: 低い接続を選択します。
    5. 作業リポジトリ: 「マスター・リポジトリのみ」を選択します。
  5. 「テスト接続」をクリックします。
  6. 接続が成功したことを示すメッセージが表示されたら、「OK」をクリックします。
  7. 「リポジトリ接続情報」画面で、「OK」をクリックします。
  8. 「Oracle Data Integratorログイン」画面で、「OK」をクリックします。
  9. 左側のパネルの「トポロジ」タブに移動します。
  10. 「リポジトリ」パネルを開きます。
  11. 「作業リポジトリ」ノードを展開し、「WORKREP」をダブルクリックします。
  12. ADBリポジトリへの接続情報を変更するには、画面の左上隅にある「接続情報」ボタンをクリックします。
  13. リポジトリのデータベース・ユーザー(ADB)とそのパスワードを入力します。次に、左側のペインの「JDBC」リンクをクリックします。
  14. 「JDBC URL」フィールドにADBサーバーへの接続URLを入力し、「テスト接続」をクリックします。
  15. 確認ウィンドウで、「はい」をクリックします。
  16. 「テスト」をクリックします。ここで指定されている物理エージェントは変更しないでください。
  17. 接続が成功したことを示すメッセージが表示されたら、「OK」をクリックします。
  18. 切断アイコンをクリックして、リポジトリから切断します。
  19. 左側のパネルにある「リポジトリへの接続」をクリックします。「Oracle Data Integratorログイン」画面が表示されます。
  20. 作業リポジトリを再指定するには、鉛筆アイコンをクリックします。「リポジトリ接続情報」画面が表示されます。
  21. 画面の下部にある「作業リポジトリ」ラジオ・ボタンを選択します。次に、右側の虫めがねアイコンをクリックします。
  22. 「リポジトリの選択」画面に表示された作業リポジトリを選択し、「OK」をクリックします。
  23. 「リポジトリ接続情報」画面で、「OK」をクリックします。これで、ODI Marketplaceのリポジトリに移動します。