B SAP ABAP ERPアダプタの追加情報

SAPシステムに接続する場合は、特定の権限を構成する必要があります。また、スタンドアロンのJavaユーティリティを使用して、ODIの外部でもテストを実行できます。

この付録の内容は次のとおりです。

SAP ERP KMの詳細は、『Oracle Data Integrator接続およびナレッジ・モジュール・ガイド』を参照してください。

B.1 SAP ABAP ERPで必要な権限

SAPシステムへの接続、開発時のLKMの実行には、SAPダイアログ・ユーザーであることが必要です。SAP RFCユーザーでは不十分です。

開発の際、このユーザーには開発者ライセンス・キーが必要です。ライセンス・キーは、https://launchpad.support.sap.com/#/sscr/developers/myから取得できます。この開発者ライセンス・キーがないと、実行しようとしても失敗し、クリーン・アップ操作が必要になる場合があります。

本番でRKMおよびLKMを実行する場合は、SAP RFCユーザーで十分です。

これらのSAPユーザー・タイプは次の操作で使用できます。

表B-1 必要なSAPユーザー・タイプ

操作 必要なSAPユーザー・タイプ

RKM: 設定

SAPダイアログ・ユーザー

RKM: リバース・エンジニアリング

SAPダイアログ・ユーザーまたはSAP RFCユーザー

LKM: 開発

SAPダイアログ・ユーザーまたはSAP RFCユーザー

LKM: 本番

SAPダイアログ・ユーザーまたはSAP RFCユーザー

ECC6サーバーの認可

以降の表では、SAP ABAPナレッジ・モジュールを使用するために必要な権限をリストしています。

B.1.1 重要な考慮事項

SAP権限を構成する際は、次の点を考慮してください。

  • S_DATASETは物理ファイルへのアクセスを制御する認可オブジェクトであるため、SAPディレクトリおよびフォルダがマウントされたパスへのアクセス権を提供する必要があります。ここに示す値はサンプル・パスであり、該当するランドスケープ・ディレクトリ・パスか、または*(all)を指定する必要があります。

  • NRまたは(NR)は、NOT REQUIREDを意味します。

B.1.2 RKM SAP ERPのアップロードに必要な認可

Oracleの製品サポートから明示的に要求された場合にのみ、次のSAP認可が必要です。標準インストールでは、これらの認可は必要ありません。

ノート:

この認可には開発者キーが必要です。

オブジェクト フィールド名 値(ECC6-EHP3) 値(ECC6-EHP7)および(ECC6-EHP8)

S_RFC

ACTVT

16

16

S_RFC

RFC_NAME

RFC1, SDIFRUNTIME, SUTL, SYST, ZODI_FGR_PROD*, ZODI_FGR

RFC1, SDIFRUNTIME, SUTL, SYST, ZODI_FGR_PROD*, ZODI_FGR

S_RFC

RFC_TYPE

FUGR

FUGR

S_TCODE

TCD

SU53,SE38

SE38, WE30, SU53

S_ADMI_FCD

S_ADMI_FCD

NR

RFCA

S_CTS_ADMI

CTS_ADMFCT

TABL

TABL

S_CTS_SADM

CTS_ADMFCT

NR

TABL

S_CTS_SADM

DESTSYS

NR

*

S_CTS_SADM

DOMAIN

NR

*

S_DATASET

ACTVT

34

33, 34

S_DATASET

FILENAME

*

*

S_DATASET

PROGRAM

SAPLSTRF

*

S_TABU_DIS

ACTVT

03

02, 03

S_TABU_DIS

DICBERCLS

*

*

S_TABU_NAM

ACTVT

NR

02, 03

S_TABU_NAM

TABLE

NR

*

S_DEVELOP

ACTVT

01, 02, 03

01, 02, 03, 06

S_DEVELOP

DEVCLASS

$TMP, ZODI_LKM_PCKG, ZODI_RKM_PCKG

$TMP, ZODI_LKM_PCKG, ZODI_RKM_PCKG

S_DEVELOP

OBJNAME

Z$$$XRFC, ZODI*

Z$$$XRFC, ZODI*

S_DEVELOP

OBJTYPE

DEVC, FUGR, FUNC, PROG

DEVC, FUGR, FUNC, PROG

S_DEVELOP

P_GROUP

''

S_PROGRAM

P_ACTION

NR

BTCSUBMIT, SUBMIT, VARIANT

S_PROGRAM

P_GROUP

NR

*

S_SYS_RWBO

ACTVT

NR

01, 02, 03, 05, 06, 23

S_SYS_RWBO

DESTSYS

NR

*

S_SYS_RWBO

DOMAIN

NR

''

S_SYS_RWBO

TTYPE

NR

DTRA

S_TRANSPRT

ACTVT

01,03

01, 02, 03, 06

S_TRANSPRT

TTYPE

DTRA,TASK

*

S_IDOCDEFT

ACTVT

NR

03

S_IDOCDEFT

EDI_CIM

NR

S_IDOCDEFT

EDI_DOC

NR

S_IDOCDEFT

EDI_TCD

NR

B.1.3 RKM SAP ERPの実行に必要な認可

RKM SAP ERPを使用してSAPモデルのリバース・エンジニアリングを実行するには、次のSAP認可が必要です。

オブジェクト フィールド名 値(ECC6–EHP3) 値(ECC6-EHP7)および(ECC6-EHP8)

S_RFC

ACTVT

16

16

S_RFC

RFC_NAME

RFC1, SDIFRUNTIME, SUTL, SYST, ZODI_FGR_PROD*, ZODI_FGR

RFC1, SDIFRUNTIME, SUTL, SYST, ZODI_FGR_PROD*, ZODI_FGR

S_RFC

RFC_TYPE

FUGR

FUGR

S_TCODE

TCD

SU53, SE38

SU53, SE38

S_CTS_ADMI

CTS_ADMFCT

NR

TABL

S_DATASET

ACTVT

NR

34

S_DATASET

FILENAME

NR

*

S_DATASET

PROGRAM

NR

SAPLSTRF

S_TABU_DIS

ACTVT

03

02, 03

S_TABU_DIS

DICBERCLS

*

*

S_TABU_NAM

ACTVT

NR

02, 03

S_TABU_NAM

TABLE

NR

*

S_TRANSPRT

ACTVT

01, 03

01, 03

S_TRANSPRT

TTYPE

DTRA, TASK

DTRA, TASK

B.1.4 LKM SAP ERPのアップロードに必要な認可

Upload ABAPオプションが有効の場合、SAP開発環境でSAP ERP LKMを使用してマッピングを実行するには、次のSAP認可が必要です。

ノート:

この認可には開発者キーが必要です。

オブジェクト フィールド名 値(ECC6-EHP3) 値(ECC6-EHP7)および(ECC6-EHP8)

S_RFC

ACTVT

16

16

S_RFC

RFC_NAME

RFC1, SDIFRUNTIME, SYST, ZODI_FGR, ZODI_FGR_PROD_*

RFC1, SDIFRUNTIME, SYST, ZODI_FGR, ZODI_FGR_PROD_*

S_RFC

RFC_TYPE

FUGR

FUGR

S_TCODE

TCD

SE38, SU53

SE38, SU53

S_ADMI_FCD

S_ADMI_FCD

RFCA, SFTP

RFCA, SFTP

S_BTCH_ADM

BTCADMIN

Y

Y

S_BTCH_JOB

JOBACTION

RELE

RELE

S_BTCH_JOB

JOBGROUP

' '

' '

S_CTS_ADMI

CTS_ADMFCT

TABL

TABL

S_DATASET

ACTVT

06,33,34

06,33,34

S_DATASET

FILENAME

*

*

S_DATASET

PROGRAM

*

SAPLSLOG, SAPLSTRF, SAPLZ*, ZODI*

S_DEVELOP

ACTVT

1

1

S_DEVELOP

DEVCLASS

*

*

S_DEVELOP

OBJNAME

ZODI*

ZODI*

S_DEVELOP

OBJTYPE

FUGR, FUNC

FUGR, FUNC

S_DEVELOP

P_GROUP

NR

S_TRANSPRT

ACTVT

01, 02

01, 02

S_TRANSPRT

TTYPE

DTRA,TASK

DTRA,TASK

S_APPL_LOG

ACTVT

6

6

S_APPL_LOG

ALG_OBJECT

ZODI_APPOBJ

ZODI_APPOBJ

S_APPL_LOG

ALG_SUBOBJ

ZODI_SUBOBJ

ZODI_SUBOBJ

S_TABU_DIS

ACTVT

3

3

S_TABU_DIS

DICBERCLS

*

*

B.1.5 LKM SAP ERPの実行に必要な認可

LKMオプションUpload Abap Codeが無効の場合(QAまたは本番)、SAP本番環境でSAP ERP LKMを使用してマッピングを実行するには、次のSAP認可が必要です。

オブジェクト フィールド名 値(ECC6-EHP3) 値(ECC6-EHP7)および(ECC6-EHP8)

S_RFC

ACTVT

16

16

S_RFC

RFC_NAME

RFC1, SDIFRUNTIME, SYST, ZODI_FGR_PROD*

RFC1, SDIFRUNTIME, SYST, ZODI_FGR_PROD*,RFC_METADATA

S_RFC

RFC_TYPE

FUGR

FUGR

S_ADMI_FCD

S_ADMI_FCD

SFTP

SFTP

S_BTCH_ADM

BTCADMIN

Y

Y

S_BTCH_JOB

JOBACTION

RELE

RELE

S_BTCH_JOB

JOBGROUP

' '

' '

S_DATASET

ACTVT

06,33,34

06,33,34

S_DATASET

FILENAME

*

*

S_DATASET

PROGRAM

SAPLSLOG*, SAPLSTRF*, SAPLZODI*, ZODI*, SAPLZODI_FGR_PROD*

SAPLSLOG*, SAPLSTRF*, SAPLZODI*, SAPLZODI_FGR_PROD*, ZODI*

S_TRANSPRT

ACTVT

01, 02

01, 02

S_TRANSPRT

TTYPE

DTRA, TASK

DTRA, TASK

S_APPL_LOG

ACTVT

6

6

S_APPL_LOG

ALG_OBJECT

ZODI_APPOBJ

ZODI_APPOBJ

S_APPL_LOG

ALG_SUBOBJ

ZODI_SUBOBJ

ZODI_SUBOBJ

B.2 SAP接続テスト

この接続テストは、トポロジでSAP ABAPデータ・サーバーを構成した後で実行する必要があります。

このテストでは、次の処理を実行します。

  • 構成されたSAPシステムへのテスト接続を確立します。

  • 「About」ダイアログを表示して、SAP JCoが適切に設定されていることを検証します。

このテストは、RKM SAP ERP Connection TestというRKMを使用して実行されます。このKMではリバース処理は行われません。接続テストが実行されるのみです。

接続テストを実行するには:

  1. 『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』モデルの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用してSAP ABAPテクノロジおよびSAP ABAP論理スキーマに基づくSAP ERPモデルを作成します。
  2. SAP ERPモデルの「リバース・エンジニアリング」タブでRKM SAP ERP Connect Testを選択します。
  3. モデルを保存します。
  4. 「リバースエンジニアリング」をクリックしてリバースを開始します。

数秒以内にSAP JCoの「About」ダイアログが表示されます。表示されない場合は、オペレータ・ナビゲータでセッション実行ログを確認してください。タスク「Test SAP Connection」の出力にSuccessfully connected to SAP Systemが含まれていることを確認してください。含まれていない場合、接続テストに失敗しており、接続の問題を分析する必要があります。

B.3 SAPスタンドアロン接続テスト

接続テストに加え、スタンドアロンJavaユーティリティを使用してODIの外部でテストを実行できます。このユーティリティは、スタンドアロン・エージェントとともに使用できます。

スタンドアロンJavaユーティリティを使用して接続をテストするには:

  1. コマンド・ウィンドウを開きます。
  2. <ODI_HOME>/odi/sdk/libディレクトリに移動します。
  3. JAVA_HOMEがサポートされているJVMを指していることを確認します。
  4. SAP Java Connectorがインストールされており、sapjco3.jarおよびsapjco3ライブラリが<ODI_HOME>/odi/sdk/libディレクトリにあることを確認します。
  5. 次のコマンドを使用してユーティリティを起動します。

    Windowsの場合:

    java -cp sapjco3.jar;odi-sap.jar oracle.odi.sap.km.test.JCoTest

    Linux/UNIXの場合:

    java -cp sapjco3.jar:odi-sap.jar oracle.odi.sap.km.test.JCoTest

    このコマンドにより、<ODI_HOME>/odi/sdk/libフォルダにODI_SAP_CON_POOL.jcoDestinationファイルが生成されます。

    詳細は、『Oracle Data IntegratorのためのSAP ABAP ERPアダプタ・スタート・ガイド』付録C「SAPスタンドアロン接続テスト」を参照してください。

  6. テキスト・エディタでODI_SAP_CON_POOL.jcoDestinationファイルを開きます。このファイルは次のようになっています。
    #for tests only!
    jco.client.lang=EN
    jco.destination.peak_limit=10
    jco.client.client=800
    jco.client.passwd=<SAP Password>
    jco.client.user=<SAP User>
    jco.client.sysnr=00
    jco.destination.pool_capacity=5
    jco.client.ashost=<SAP Application Server>
    
  7. SAP管理者から取得したSAP接続情報を入力します。
  8. 同じコマンドを使用してユーティリティを起動します。ユーティリティは編集したファイルを使用し、テスト結果または考えられる問題を出力します。

    単なるSAP接続のテストに加え、ユーティリティでは、RKMで必要な特定のファンクション・モジュールが存在するかどうかの検証も行います。

  9. 実行後にODI_SAP_CON_POOL.jcoDestinationファイルを削除します。このファイルには、SAPログイン資格証明が格納されているからです。