13 Hypersonic SQL

Oracle Data IntegratorでのHypersonic SQLの使用方法を理解することが重要です。

この章の内容は次のとおりです。

13.1 概要

Oracle Data Integrator (ODI)では、Hypersonic SQLデータベースのデータがシームレスに統合されます。Oracle Data Integratorの機能(リバースエンジニアリング、データ整合性チェックおよびマッピングなど)は、Hypersonic SQLを使用した場合に最良の動作が得られるように設計されています。

13.1.1 概念

Hypersonic SQLデータベースの概念は、Oracle Data Integratorの概念に次のようにマップされます。1つのHypersonic SQLサーバーはOracle Data Integratorの1つのデータ・サーバーに対応します。このサーバー内で、単一のOracle Data Integrator物理スキーマがデータベースにマップされます。

Oracle Data Integratorでは、Java Database Connectivity (JDBC)を使用してHypersonic SQLに接続します。

13.1.2 ナレッジ・モジュール

Oracle Data Integratorには、Hypersonic SQLデータを処理するためのナレッジ・モジュール(KM)が用意されています。これらのリストを表13-1に示します。これらのKMでは、Hypersonic SQL固有の機能が使用されます。Hypersonic SQLデータベースでは、汎用SQL KMを使用することもできます。詳細情報を参照してください。

表13-1 Hypersonic SQLナレッジ・モジュール

ナレッジ・モジュール 説明

CKM HSQL

Hypersonic SQL表で定義された制約と照合して、データの整合性をチェックします。無効なレコードを拒否して、動的に作成されるエラー表に格納します。フロー制御および静的制御に使用できます。

JKM HSQL Consistent

トリガーを使用してHypersonic SQL表の一貫したジャーナル化を行うためのジャーナル化インフラストラクチャを作成します。Hypersonic SQLでの一貫性のあるチェンジ・データ・キャプチャを有効にします。

JKM HSQL Simple

トリガーを使用してHypersonic SQL表の単純なジャーナル化を行うためのジャーナル化インフラストラクチャを作成します。

SKM HSQL

Hypersonic SQLデータベースのデータ・アクセスWebサービスを生成します。

13.2 インストールおよび構成

Hypersonic SQLナレッジ・モジュールの使用を開始する前に、この項の情報を必ず読んでください。

13.2.1 システム要件および動作要件

インストールを実行する前に、システム要件および動作要件のドキュメントを読んで、使用する環境がインストールする製品の最低インストール要件を満たすことを確認する必要があります。

サポートされているプラットフォームおよびバージョンのリストには、次のOracle Technical Network (OTN)からアクセスできます。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/data-integrator/documentation/index.html

13.2.2 テクノロジ固有の要件

Oracle Data IntegratorでHypersonic SQLを使用するためのテクノロジ固有の要件はありません。

サポートされるデータ型の詳細は、Hypersonic SQLのドキュメントを参照してください。

13.2.3 接続性要件

この項では、Hypersonic SQLデータベースに接続するための要件をリストします。

JDBCドライバ

Oracle Data Integratorは、Hypersonic SQL用JDBCドライバとともにインストールされます。このドライバではTCP/IPネットワーク・レイヤーが直接使用され、他のコンポーネントのインストールや構成は不要です。

13.3 トポロジの設定

トポロジの設定には次が含まれます。

  1. Hypersonic SQLデータ・サーバーの作成

  2. Hypersonic SQL物理スキーマの作成

13.3.1 Hypersonic SQLデータ・サーバーの作成

各Hypersonic SQLデータ・サーバーは、特定のHypersonic SQLユーザー・アカウントに接続された1つのHypersonic SQLデータベースに対応します。このユーザーは、データ・サーバーの下に作成されたOracle Data Integrator内の物理スキーマを介して、データベースにアクセスできます。

『Oracle Data Integratorの管理』データ・サーバーの作成に関する項に記載されている標準の手順で、Hypersonic SQLテクノロジ用データ・サーバーを作成します。この項では、Hypersonic SQLデータ・サーバーの定義に関する必須または固有のフィールドのみについて説明します。

  1. 「定義」タブ:
    • 名前: Oracle Data Integratorに表示されるデータ・サーバーの名前

    • サーバー: データ・サーバーの物理名

    • ユーザー/パスワード: Hypersonic SQLユーザーおよびそのパスワード(通常sa)

  2. 「JDBC」タブ:
    • JDBCドライバ: org.hsqldb.jdbcDriver

    • JDBC URL: jdbc:hsqldb:hsql://<host>:<port>

      URLのパラメータは次のとおりです。

      • <host>: Hypersonic SQLマシンのネットワーク名またはIPアドレス

      • <port>: ポート番号

13.3.2 Hypersonic SQL物理スキーマの作成

『Oracle Data Integratorの管理』物理スキーマの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用して物理スキーマを作成します。

『Oracle Data Integratorの管理』論理スキーマの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用してこの物理スキーマ用の論理スキーマを作成し、特定のコンテキストで関連付けます。

13.4 統合プロジェクトの設定

Hypersonic SQLデータベースを使用してプロジェクトを設定するには、標準の手順に従います。『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』統合プロジェクトの作成に関する項を参照してください。

Hypersonic SQLでの作業を開始するにあたり、使用するプロジェクトに次のナレッジ・モジュールをインポートすることをお薦めします。

  • CKM HSQL

使用するプロジェクトに汎用SQL KMもインポートします。これらのKMの詳細を参照してください。

13.5 Hypersonic SQLモデルの作成およびリバース・エンジニアリング

この項では、次の項目について説明します。

13.5.1 Hypersonic SQLモデルの作成

『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』モデルの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用してHypersonic SQLモデルを作成します。

13.5.2 Hypersonic SQLモデルのリバース・エンジニアリング

Hypersonic SQLでは、JDBCドライバの機能のみを使用する標準のリバース・エンジニアリングがサポートされています。

Hypersonic SQLで標準のリバース・エンジニアリングを実行するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』モデルのリバース・エンジニアリングに関する項に記載されている通常の手順を行います。

13.6 チェンジ・データ・キャプチャの設定

ODI Hypersonic SQLナレッジ・モジュールでは、チェンジ・データ・キャプチャ機能がサポートされています。ジャーナル化の設定方法およびキャプチャされた変更の使用方法の詳細は、『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』のチェンジ・データ・キャプチャの使用に関する項を参照してください。

Hypersonic SQLジャーナル化ナレッジ・モジュールでは、単純ジャーナル化および一貫性セット・ジャーナル化がサポートされています。このJKMでは、トリガーを使用してソース表でのデータ変更をキャプチャします。

Oracle Data Integratorには、Hypersonic SQL表をジャーナル化するためのナレッジ・モジュールが用意されています。これらのリストを表13-2に示します。

表13-2 Hypersonic SQLジャーナル化ナレッジ・モジュール

KM ノート

JKM HSQL Consistent

トリガーを使用してHypersonic SQL表の一貫したジャーナル化を行うためのジャーナル化インフラストラクチャを作成します。Hypersonic SQLでの一貫性のあるチェンジ・データ・キャプチャを有効にします。

JKM HSQL Simple

トリガーを使用してHypersonic SQL表の単純なジャーナル化を行うためのジャーナル化インフラストラクチャを作成します。

13.7 データ品質の設定

Oracle Data Integratorには、Hypersonic SQL表で定義された制約と照合してデータの整合性をチェックするためのHSQL CKMが用意されています。詳細は、『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』フロー制御および静的制御に関する項を参照してください。

Oracle Data Integratorには、Hypersonic SQLのチェックを実行するためのナレッジ・モジュールが用意されています。これらのリストを表13-3に示します。

表13-3 Hypersonic SQLデータベース用チェック・ナレッジ・モジュール

推奨KM ノート

CKM HSQL

Hypersonic SQL表で定義された制約と照合して、データの整合性をチェックします。無効なレコードを拒否して、動的に作成されるエラー表に格納します。フロー制御および静的制御に使用できます。

13.8 マッピングの設計

マッピングのソース、ステージング領域またはターゲットとしてHypersonic SQLを使用できます。

マッピングまたはチェック用に選択したKMによって、このマッピングまたはチェックの機能およびパフォーマンスが決まります。この項に示す推奨事項は、Hypersonic SQLデータ・サーバーに関連する様々な状況でのKMの選択に役立ちます。

Oracle Data Integratorには、ロードまたは統合のためのHypersonic SQL専用のナレッジ・モジュールは用意されていません。これらのKMか、ソース、ターゲットまたはステージング領域として使用する他のテクノロジに固有のKMを使用してください。