36 Oracle NetSuite

Oracle Data IntegratorでのOracle NetSuiteの使用方法について理解することが重要です。

この章の内容は次のとおりです。

36.1 概要

Oracle NetSuiteは、クラウドベースのビジネス管理ソフトウェアのプロバイダとして世界をリードしています。Oracle NetSuiteを使用すると、ERP/財務会計、CRM、eコマース、インベントリなどにわたるコア・ビジネス・プロセスを、完全に統合された単一のシステムで管理できます。

Oracle Data Integrator (ODI)では、Oracle NetSuiteがシームレスに統合されます。Oracle Data Integratorの機能(リバース・エンジニアリングおよびマッピングなど)は、Oracle NetSuiteを使用した場合に最良の動作が得られるように設計されています。

36.1.1 概念

Oracle NetSuiteテクノロジの概念は、Oracle Data Integratorの概念に次のようにマップされます: 1つのOracle NetSuiteインスタンスはOracle Data Integratorの1つのデータ・サーバーに対応します。このインスタンス内で、1つのスキーマはOracle Data Integratorの1つの物理スキーマにマップされます。

36.1.2 ナレッジ・モジュール

Oracle Data Integratorには、次の表に示すような、Oracle NetSuiteデータを処理するためのナレッジ・モジュール(KM)が用意されています。また、Oracle NetSuiteで汎用SQL KMを使用することもできます。詳細は、汎用SQLを参照してください。

表36-1 Oracle NetSuiteナレッジ・モジュール

ナレッジ・モジュール 説明

LKM NetSuite to Oracle

Oracle NetSuiteからOracleステージング領域へデータをロードします。

RKM Oracle NetSuite

表、ビュー、列、保存検索をリバース・エンジニアリングし、Oracle Data Integratorマッピングでソースとして使用するデータ・モデルを作成します。

36.2 インストールおよび構成

Oracle NetSuiteテクノロジでの作業を開始する前に、この項の情報を必ず読んでください:

36.2.1 システム要件および動作要件

インストールを実行する前に、システム要件および動作保証のドキュメントを読み、インストールする製品の最小インストール要件を環境が満たしていることを確認します。

サポートされているプラットフォームおよびバージョンのリストには、次のOracle Technical Network (OTN)からアクセスできます。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/data-integrator/documentation/index.html

36.2.2 テクノロジ固有の要件

Oracle Data IntegratorでOracle NetSuiteを使用するためのテクノロジ固有の要件はありません。

36.2.3 接続性要件

この項では、Oracle NetSuiteデータベースに接続するための要件をリストします。

Oracle Data Integratorでは、Oracle NetSuite JDBCドライバを使用してOracle NetSuiteデータベースに接続します。

Oracle NetSuite JDBCドライバのインストール

Oracle NetSuite JDBCドライバをインストールするには、次のステップを実行します:

  1. JDBCドライバ・インストーラをNetSuiteからダウンロードし、インストールします。

  2. NQjc.jarファイルをuserlibディレクトリにコピーします。ODI Studioへのサードパーティ・ライブラリの追加の詳細は、『Oracle Data Integratorのインストールと構成』ODI Studioへのライブラリの追加に関する項を参照してください。

NetSuite Webページからのパラメータの収集

JDBC接続を定義するには、Netsuiteから特定のパラメータを取得する必要があります。NetSuite JDBC接続文字列の移入に必要な情報は、NetSuiteのWebページ(ホーム/ダッシュボード/SuiteAnalytics Connectを設定)に記載されています。このページで、ログインに使用したユーザーに関する次の情報を確認できます:

  • サービス・ホスト
  • サービス・ホスト
  • サービス・データ・ソース
  • アカウントID
  • ロールID

36.3 トポロジの設定

トポロジの設定には次が含まれます。

36.3.1 Oracle NetSuiteデータ・サーバーの作成

『Oracle Data Integratorの管理』データ・サーバーの作成に関する項に記載されている標準の手順で、Oracle NetSuiteテクノロジ用データ・サーバーを作成します。この項では、Oracle NetSuiteデータ・サーバーの定義に関する必須または固有のフィールドのみについて説明します:
  1. 「定義」タブで次のフィールドに入力します。
    1. 名前: Oracle Data Integratorに表示されるデータ・サーバーの名前。
    2. ユーザー: データ・サーバーに接続するためのユーザー名。
    3. パスワード: データ・サーバーに接続するためのパスワード。
    4. アカウントID: データ・サーバーに接続するためのアカウントID。
    5. ロールID: データ・サーバーに接続するためのロールID。

    保存検索アクセスの場合、「アプリケーションID」と「バージョン」も必須です。アプリケーションIDを生成してリリース・バージョンを検索するためのステップについて次に説明します:

    NetSuiteアプリケーションIDの生成

    ODI用のNetSuiteアプリケーションIDを生成するには、次のステップを実行します:

    1. NetSuiteに管理者としてログインします。
    2. 「設定」→「インテグレーション」→「統合を管理」に移動します。「新規」を選択します。
    3. 名前を入力し、「トークン・ベース認証」および「ユーザー資格情報」が選択されていることを確認します。それ以外の項目は、必要でなければ選択を解除します。構成を保存すると、「インテグレーション」パネルに「アプリケーションID」が表示されます。

    NetSuiteリリース・バージョンの確認

    会社で使用しているNetSuiteのバージョンを確認するには、次のステップを実行します:

    1. NetSuiteにログインします。
    2. ホームページで、ページの下部までスクロールします。
    3. ページ・フッターにNetSuiteのバージョン番号が表示されます。バージョン番号は次のように表示されます: NetSuite (Edition: United States) Release 2020.1 Copyright © NetSuite Inc. 1999-2020。したがって、バージョンは2020_1になります。
  2. 「JDBC」タブで次の値を入力します。
    1. JDBCドライバ: com.netsuite.jdbc.openaccess.OpenAccessDriver
    2. JDBC URL: NetSuite {Server Host}:{Server Port};ServerDataSource={Server Data Source};

    必須のURLパラメータを次に示します:

    • サーバー・ホスト: ホスト名として指定された、SuiteAnalytics ConnectサーバーのTCP/IPアドレス。
    • サーバー・ポート: SuiteAnalytics Connectサーバーがリスニングを行うTCP/IPポート。有効なパラメータ値は、1708です。
    • サーバー・データ・ソース: 接続に使用されるSuiteAnalytics Connectサーバー・データ・ソースの名前。有効なパラメータ値は、NetSuite.comおよびNetSuite2.comなどです。
  3. 「テスト接続」をクリックして、確立された接続をテストします

36.3.2 Oracle NetSuite物理スキーマの作成

『Oracle Data Integratorの管理』物理スキーマの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用してOracle NetSuiteデータ・サーバーの物理スキーマを作成します。
『Oracle Data Integratorの管理』論理スキーマの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用してこの物理スキーマ用の論理スキーマを作成し、特定のコンテキストで関連付けます。

36.4 Oracle NetSuiteモデルの作成およびリバース・エンジニアリング

この項では、次の項目について説明します。

36.4.1 Oracle NetSuiteモデルの作成

『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』モデルの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用してOracle NetSuiteモデルを作成します。

36.4.2 Oracle NetSuiteモデルのリバース・エンジニアリング

Oracle NetSuiteでは、RKMを使用してメタデータを取得するカスタマイズ済リバース・エンジニアリングのみがサポートされています。

Oracle NetSuiteモデルでカスタマイズ済リバース・エンジニアリングを実行するには、『Oracle Data Integratorでの統合プロジェクトの開発』モデルのリバース・エンジニアリングに関する項の説明に従って、通常の手順を使用します。

Oracle Data Integratorには、リバース・エンジニアリングのための'RKM Oracle NetSuite'ナレッジ・モジュールが用意されています。表のみをリバース・エンジニアリングする場合は、「種類」セクションで「テーブル」を選択する必要があります。保存検索をリバース・エンジニアリングする場合は、「保存検索」を選択してから、保存検索の「種類」を選択する必要があります。

36.5 マッピングの設計

Oracle NetSuiteをマッピングのソースとして使用できます。マッピング用に選択したKMによって、このマッピングの機能およびパフォーマンスが決まります。

JDBCソースのみが使用されている(つまり、保存検索がない)場合は、汎用JDBC KMを使用できます。ただし、いずれかのソースが保存検索である場合は、'LKM NetSuite to Oracle'ナレッジ・モジュールを使用する必要があります。