11 リスナーの管理
この章では、リスナーを作成、表示、変更および削除する方法を説明します。次の項目が含まれます。
リスナーの作成
リスナーを作成して仮想サーバーにバインドし、リクエストを様々なオリジン・サーバー・プールに転送するように構成できます。HTTPリスナーを作成するには、otd_createHttpListenerコマンドを実行し、TCPリスナーを作成するには、otd_createTcpListenerコマンドを実行します。
始める前に
リスナーの作成を開始する前に、次の項目を決定します。
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リスナーの一意の名前。名前は慎重に選択してください。リスナーの作成後に名前を変更することはできません。
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リスナーに対する、IPアドレス(またはホスト名)とポート番号の一意の組合せ。
同じIPアドレスと様々なポート番号の組合せ、または単一のポート番号と様々なIPアドレスの組合せを持つ複数のリスナーを定義できます。次のIPアドレスとポート番号の組合せそれぞれが、一意のリスナーと見なされます。
10.10.10.1:80 10.10.10.1:81 10.10.10.2:80 10.10.10.2:81
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HTTPリスナーの場合:
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リスナーのデフォルトの仮想サーバー。
Oracle Traffic Directorは、リクエスト・ヘッダーの
Host値が、リスナーにバインドされている仮想サーバーに指定されたホスト・パターンと一致しない場合、デフォルトの仮想サーバーにリクエストをルーティングします。仮想サーバーのホスト・パターンの指定の詳細は、「仮想サーバーの作成」を参照してください。 -
サーバーによって自動的に生成され、クライアントに送信されるURLに含まれるサーバー名。このサーバー名は、仮想ホスト名であるか、またはサーバーで別名が使用されている場合、別名である必要があります。コロンとポート番号がサーバー名に追加されている場合、このポート番号は自動生成されたURLで使用されます。
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TCPリスナーの場合: リスナーのTCPプロキシ。
トラフィック・トンネリングを行うためTCPプロキシはTCPリスナーを介してTCPリクエストを処理します。TCPプロキシには複数のTCPリスナーを関連付けることができます。TCPリスナーを関連付け、このページでTCPプロキシの設定を構成します。「TCPプロキシの作成」を参照してください。
内容
次のトピックの説明に従い、Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、リスナーを作成できます。
Fusion Middleware Controlを使用したリスナーの作成
Fusion Middleware Controlを使用してHTTPリスナーを作成するには、次を実行します。
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「グラフィカル・ユーザー・インタフェース - Fusion Middleware Control」の説明に従って、Fusion Middleware Controlにログインします。
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ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。
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「管理」→「OTD構成」を選択します。
使用可能な構成のリストが表示されます。
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HTTPリスナーを作成する構成を選択します。
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「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。
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「管理」→「リスナー」を選択します。
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「共通タスク」ペインで、「HTTPリスナー」の下にある「作成」をクリックします。
新規HTTPリスナー・ウィザードが表示されます。
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画面上のプロンプトに従い、前に決定済の詳細(リスナー名、IPアドレス、ポートなど)を使用して、HTTPリスナーの作成を完了します。
ノート:
構成で証明書を使用できる場合は、ウィザードの2つ目の画面で「SSL/TLS」チェック・ボックスが使用可能になります。HTTPSリクエストを受信する新しいリクエストが必要な場合は、このチェック・ボックスを選択してSSL/TLSを有効にし、ドロップダウン・リストから適切な証明書を選択します。
HTTPリスナーが作成された後、新規HTTPリスナー・ウィザードの「結果」画面にリスナーの作成が成功したことを示すメッセージが表示されます。
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「結果」画面で、「OK」をクリックします。
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作成したリスナーの詳細が、「リスナー」ページに表示されます。
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Fusion Middleware Controlを使用したTCPリスナーの作成
Fusion Middleware Controlを使用してTCPリスナーを作成するには、次を実行します。
WLSTを使用したリスナーの作成
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HTTPリスナーを作成するには、
otd_createHttpListenerコマンドを実行します。たとえば、次のコマンドでは、構成
fooにポート番号が23456、デフォルト仮想サーバーがbarであるhttp-listener-1という名前のHTTPリスナーが作成されます。props = {} props['configuration'] = 'foo' props['http-listener'] = 'http-listener-1' props['port'] = '23456' props['server-name'] = 'example.com' props['default-virtual-server-name'] = 'bar' otd_createHttpListener(props) -
TCPリスナーを作成するには、
otd_createTcpListenerコマンドを実行します。たとえば、次のコマンドでは、構成
fooにポート番号が34567、TCPプロキシがtcp_proxy-1であるtcp_listener_1という名前のTCPリスナーが作成されます。props = {} props['configuration'] = 'foo' props['tcp-listener'] = 'tcp-listener-1' props['port'] = '34567' props['tcp-proxy-name'] = 'tcp-proxy-1' otd_createTcpListener(props)
リスナー・リストの表示
リスナーを作成した後、リスナーの現在のリストを表示できます。リスナーのリストを表示するには、otd_listHttpListenersまたはotd_listTcpListenersコマンドを実行します。
内容
次のトピックの説明に従い、Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、リスナーのリストを表示できます。
Fusion Middleware Controlを使用したリスナーのリストの表示
Fusion Middleware Controlを使用してHTTPまたはTCPリスナーのリストを表示するには、次を実行します。
名前をクリックすると、リスナーのプロパティの詳細を表示できます。
WLSTを使用したリスナーのリストの表示
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HTTPリスナーのリストを表示するには、次の例に示すように、
otd_listHttpListenersコマンドを実行します。props = {} props['configuration'] = 'foo' otd_listHttpListeners(props)listener-1 listener-2
otd_getHttpListenerPropertiesコマンドを実行することで、HTTPリスナーのプロパティの詳細を表示できます。
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TCPリスナーのリストを表示するには、次の例に示すように、
otd_listTcpListenersコマンドを実行します。props = {} props['configuration'] = 'foo' otd_listTcpListeners(props)listener-1 listener-2
otd_getTcpListenerPropertiesコマンドを実行することで、TCPリスナーのプロパティの詳細を表示できます。
リスナーの変更
リスナーを作成した後、設定の一部(リスナーのポート番号、IPアドレス、プロトコル・ファミリなど)を変更する必要がある場合があります。
内容
次のトピックの説明に従い、Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、リスナーの設定を変更できます。WLSTを使用したリスナーの変更
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HTTPリスナーのプロパティを変更するには、
otd_setHttpListenerPropertiesコマンドを実行します。たとえば、次のコマンドでは、構成foo内のリスナーhttp-listener-1の1接続当たりの最大リクエスト数が1024に変更されます。props = {} props['configuration'] = 'foo' props['http-listener'] = 'http-listener-1' props['max-requests-per-connection'] = '1024' otd_setHttpListenerProperties(props)HTTPリスナーのSSL/TLS設定を変更するには、
otd_setHttpListenerSslPropertiesコマンドを実行します。たとえば、次のコマンドを実行すると、構成fooのリスナーhttp-listener-1のTLS 1.0サポートが無効になります。 props = {} props['configuration'] = 'foo' props['http-listener'] = 'http-listener-1' props['tls10'] = 'false' otd_setHttpListenerSslProperties(props)TCPリスナーのプロパティを変更するには、
otd_setTcpListenerPropertiesコマンドを実行します。たとえば、次のコマンドでは、構成foo内のリスナーtcp-listener-1の1接続当たりの最大リクエスト数が1024に変更されます。
props = {} props['configuration'] = 'foo' props['tcp-listener'] = 'tcp-listener-1' props['max-requests-per-connection'] = '1024' otd_setTcpListenerProperties(props)TCPリスナーのSSL/TLS設定を変更するには、
otd_setTcpListenerSslPropertiesコマンドを実行します。たとえば、次のコマンドを実行すると、構成fooのリスナーtcp-listener-1のTLS 1.0サポートが無効になります。props = {} props['configuration'] = 'foo' props['tcp-listener'] = 'tcp-listener-1' props['tls10'] = 'false' otd_setTcpListenerSslProperties(props)
リスナーの削除
不要になったリスナーを削除できます。リスナーを削除するには、otd_deleteHttpListenerまたはotd_deleteTcpListenerコマンドを実行します。
内容
次のトピックの説明に従い、Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、リスナーを削除できます。
WLSTを使用したリスナーの削除
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HTTPリスナーを削除するには、次の例に示すように、
otd_deleteHttpListenerコマンドを実行します。props = {} props['configuration'] = 'foo' props['http-listener'] = 'http-listener-1' otd_deleteHttpListener(props) -
TCPリスナーを削除するには、次の例に示すように、
otd_deleteTcpListenerコマンドを実行します。props = {} props['configuration'] = 'foo' props['tcp-listener'] = 'tcp-listener-1' otd_deleteTcpListener(props)
ステータス・リスナーの構成
Oracle Traffic Directorインスタンスのステータスをチェックする専用のステータス・リスナーを構成できるようになりました。Oracle Traffic Directorのステータスを提供する専用ポートを使用すると、Oracle Traffic Directorがロードされている場合であっても、必ずステータス・リクエストの処理に使用できます。
さらに、そのポートに対してSSL設定を構成することで、ステータス・リスナーを保護できます。
Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、リスナーを構成できます。
Fusion Middleware Controlを使用したステータス・リスナーの構成
Fusion Middleware Controlを使用してステータス・リスナーを構成するには、次を実行します。
WLSTを使用したステータス・リスナーの構成
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ステータス・リスナーのプロパティを有効化/変更します
ステータス・リスナーを有効化するか、あるいはステータス・リスナーの非SSLプロパティを変更するには、例に示すように、
otd_enableStatusListenerコマンドを実行します。-
ステータス・リスナーを有効化するには、次のようにします
props = {} props['configuration'] = 'foo' props['port'] = '12345' otd_enableStatusListener(props) -
ステータス・リスナーの非SSLプロパティを変更するには、次のようにします
前の例で示したように、有効化されたステータス・リスナーについて考えてみます。これは、
ipおよびfamilyの値がそれぞれ*およびdefaultであることを意味しています。このステータス・リスナーのIPアドレスおよびポートを再構成するには、例に示すように、otd_enableStatusListenerコマンドを実行します。props = {} props['configuration'] = 'foo' props['ip'] = '127.0.0.1' props['port'] = '2016' otd_enableStatusListener(props)
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ステータス・リスナーを無効化します
ステータス・リスナーを無効化するには、例に示すように、
otd_disableStatusListenerコマンドを実行します。props = {} props['configuration'] = 'foo' otd_disableStatusListener(props) -
ステータス・リスナーのプロパティを表示します
ステータス・リスナーのプロパティを表示するには、例に示すように、
otd_getStatusListenerPropertiesコマンドを実行します。props = {} props['configuration'] = 'foo' otd_getStatusListenerProperties(props) -
ステータス・リスナーのSSLプロパティを変更します
ステータス・リスナーのSSLプロパティを変更するには、例に示すように、
otd_setStatusListenerSslPropertiesコマンドを実行します。ステータス・リスナーのSSLを無効にするには、
enabledプロパティをfalseに設定します。props = {} props['configuration'] = 'foo' props['enabled'] = 'false' otd_setStatusListenerSslProperties(props) -
ステータス・リスナーのSSLプロパティを表示します
ステータス・リスナーのSSLプロパティを表示するには、例に示すように、
otd_getStatusListenerSslPropertiesコマンドを実行します。props = {} props['configuration'] = 'foo' otd_getStatusListenerSslProperties(props)