A Oracle HTTP ServerのカスタムWLSTコマンド

WebLogic ServerドメインでOracle HTTP Serverを管理するための特定のWLST Serverコマンドがあります。ほとんどはオンライン・コマンドで、WLSTとドメイン用の管理サーバーが接続されている必要があります。

この付録には、Oracle HTTP Server固有のWLSTコマンドについての情報が記載されています。

Oracle HTTP ServerのカスタムWLSTコマンドのヘルプ

Oracle HTTP ServerのカスタムWLSTコマンドについてはオンライン・ヘルプを使用できます。

オンライン・ヘルプを取得するには、WLSTコマンド行にhelp('manageohs')と入力すると、Oracle HTTP ServerのすべてのカスタムWLSTコマンドが表示されます。

特定のカスタムWLSTコマンドを取得するには、WLSTコマンド行にhelp('custom_command_name')と入力します。たとえば:

help('ohs_createInstance')

WLSTオンライン・コマンドの使用

WLSTオンライン・コマンドを使用する前に、次のステップを実行します:
  1. CLIを開き、次のコマンドを使用してWLSTを起動します:
    • (Linux/UNIX) $ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/wlst.sh
    • (Windows) $ORACLE_HOME\oracle_common\common\bin\wlst.cmd
  2. ドメインの管理サーバーに接続します。
    管理サーバーへの接続の詳細は、『Oracle WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンス』「connect」を参照してください。
  3. 次の例に示すように、推奨される引数を指定してカスタムOHS WLSTオンライン・コマンドを実行します:
    ohs_createInstance(instanceName='xxx', machine='yyy', serverName='zzz', ...)

Oracle HTTP Serverのコマンド

構成ウィザードのかわりに、ohs_createInstanceおよびohs_deleteInstanceコマンドを使用して、Oracle HTTP Serverインスタンスを作成および削除します。これらのカスタム・コマンドは、追加のエラー・チェックを実行し、インスタンスの作成の場合は、自動的にポートを割り当てます。

表A-1に示すカスタムWLSTコマンドでは、WebLogic ServerドメインのOracle HTTP Serverインスタンスを管理します。

表A-1 Oracle HTTP Serverコマンド

使用するコマンド 用途 WLSTでの使用

ohs_addAdminProperties

Oracle HTTP Serverの管理サーバーのプロパティ・ファイルにLogLevelプロパティを追加します。

オンライン

ohs_addNMProperties

Oracle HTTP Serverのノード・マネージャのプラグイン・プロパティ・ファイルにプロパティを追加します。

オンライン

ohs_createInstance

Oracle HTTP Serverの新しいインスタンスを作成します。

オンライン

ohs_deleteInstance

指定したOracle HTTP Serverインスタンスを削除します。

オンライン

ohs_exportKeyStore

キーストアを指定したOracle HTTP Serverインスタンスにエクスポートします。

オンライン

ohs_updateInstances

Oracle HTTP Serverインスタンスが構成ウィザードを使用して作成された場合、KSSデータベースにキーストアを作成します。

オンライン

ohs_addAdminProperties

ohs_addAdminPropertiesコマンドはLogLevelプロパティをOracle HTTP Server管理サーバーのプロパティ・ファイル(ohs_admin.properties)に追加します。LogLevelohs_addAdminPropertiesが現在サポートしている唯一のパラメータです。このコマンドは、WLSTが管理サーバーのインスタンスに接続している場合にのみ使用できます。

WLSTでの使用: オンライン

構文

ohs_addAdminProperties(logLevel = 'value')
引数 説明

LogLevel

ログに書き込む情報の粒度。デフォルトはINFOです。使用できる他の値は次のとおりです。

  • ALL

  • CONFIG

  • FINE

  • FINER

  • FINEST

  • OFF

  • SEVERE

  • WARNING

この例では、ログ・レベルをFINESTに設定したログ・ファイルを作成します。

ohs_addAdminProperties(logLevel = 'FINEST')

ohs_addNMProperties

WLSTでの使用: オンライン

説明

ohs_addNMPropertiesコマンドはプロパティをOracle HTTP Serverノード・マネージャのプラグイン・プロパティ・ファイル(ohs_nm.properties)に追加します。このコマンドは、WLSTが管理サーバーのインスタンスに接続している場合にのみ使用できます。

構文

ohs_addNMProperties(logLevel = 'value', machine='node-manager-machine-name')
引数 説明

LogLevel

ログに書き込む情報の粒度。デフォルトはINFOで、その他の許容値は次のとおりです。

  • ALL

  • CONFIG

  • FINE

  • FINER

  • FINEST

  • OFF

  • SEVERE

  • WARNING

machine

ノード・マネージャを実行するマシンの名前。

この例では、ターゲット・マシンmy_NM_machineのパス<domain_dir>/system_components/OHSの下に、ログ・レベルをFINESTに設定してohs_nm.logという名前のログ・ファイルを作成します。ユーザーはノード・マネージャを再起動する必要はありません。

ohs_addNMProperties(logLevel = 'FINEST', machine = 'my_NM_machine')

ohs_createInstance

WLSTでの使用: オンライン

説明

ohs_createInstanceコマンドでは、Oracle HTTP Serverの新しいインスタンスを作成し、明示的に指定されるか自動的に割り当てられるリスニング・ポートなどの重要な構成が可能です。

構文

ohs_createInstance(instanceName='xxx', machine='yyy', serverName='zzz', ...)
引数 定義

instanceName

作成する管理対象インスタンスの名前。

machine

インスタンスの既存マシンのエントリ。この名前(しばしば<hostName>.myCorp.com)はWebLogic Serverドメインの作成時に設定されます。名前を忘れた場合は、$ORACLE_INSTANCE/config/config.xmlを確認して<machine>ブロックを検索します。または、WLSTで、次を実行することでマシン名を見つけることができます。

serverConfig()
cd('Machines')
ls()

listenPort

(オプション) 非SSLサーバーのポート番号。この値が指定されない場合、ポートは自動的に割り当てられます。リスニング・ポートは通常7777から始まり、ここから順次増加します。

sslPort

(オプション) SSL仮想ホストのポート番号。この値が指定されない場合、ポートは自動的に割り当てられます。SSLポートは通常4443から始まり、ここから順次増加します。

adminPort

(オプション) ノード・マネージャとの通信に使用するポート番号。この値が指定されない場合、ポートは自動的に割り当てられます。管理ポートは通常9999から始まり、ここから順次増加します。

serverName

(オプション) 非SSLサーバーのServerNameディレクティブの値。この値が指定されない場合、マシンのホスト名およびリスニング・ポートを使用してこの値が作成されます。

次の例では、マシンabc03.myCorp.com上で動作するohs1というOracle HTTP Serverインスタンスを作成します。

ohs_createInstance(instanceName='ohs1', machine='abc03.myCorp.com')

ohs_deleteInstance

WLSTでの使用: オンライン

説明

ohs_deleteInstanceコマンドは指定したOracle HTTP Serverインスタンスを削除します。インスタンスは削除する前に停止しておく必要があります。インスタンスがUNKNOWNまたはRUNNING状態の場合、このコマンドによってエラーが返されます。

構文

ohs_deleteInstance(instanceName='xxx')

instanceNameはOracle HTTP Serverインスタンスの名前です。

次の例では、Oracle HTTP Serverインスタンスohs1を削除します。

ohs_deleteInstance(instanceName='ohs1')

ohs_exportKeyStore

WLSTでの使用: オンライン

説明

ohs_exportKeyStoreコマンドはキーストアを指定したOracle HTTP Serverインスタンスの場所にエクスポートします。このコマンドは、WLSTが管理サーバーのインスタンスに接続している場合にのみ使用できます。このコマンドの使用方法の詳細は、WLSTを使用したキーストアのOracle HTTP Serverインスタンスへのエクスポートを参照してください。

構文

ohs_exportKeyStore(keyStoreName='<keyStoreName>', instanceName = '<instanceName>')
引数 説明

keyStoreName

キーストアの名前。

instanceName

Oracle HTTP Serverインスタンスの名前。

キーストアの命名規則

キーストアの名前(keyStoreName)は文字列<instanceName>_で始まる必要があります。

たとえば、キーストアがohs1という名前のOracle HTTP Serverインスタンスにエクスポートされる必要があるとします。この場合、ohs1にエクスポートされる必要のあるすべてのキーストアの名前は、ohs1_で始まる必要があります。

キーストアの作成中にこの構文に従わなかった場合、キーストアのエクスポートは成功しない可能性があります。

この例では、キーストアohs1_myKeystoreをOracle HTTP Serverインスタンスohs1にエクスポートします。

ohs_exportKeyStore(keyStoreName='ohs1_myKeystore', instanceName = 'ohs1')

ohs_updateInstances

WLSTでの使用: オンライン

説明

WLSTが管理サーバー・インスタンスに接続されている場合のみ、ohs_updateInstancesコマンドを使用できます。ドメイン内のすべてのOracle HTTP Serverインスタンス間で解析が行われ、次のタスクが実行されます。

  • 存在しない場合、新しいキーストアが<instanceName>_defaultという名前で作成されます。

  • 新しく作成したキーストアにデモンストレーション用の証明書demoCASignedCertificateを入れます。

  • キーストアをインスタンスの場所にエクスポートします。

このコマンドは、構成ウィザードをコロケート・モードでのみ使用してOracle HTTP Serverインスタンスが作成された後に使用されます。「WLSTを使用したOracle HTTP Serverインスタンスのキーストアとの関連付け」を参照してください。

構文

ohs_updateInstances()

このコマンドは引数を取りません。

ohs_updateInstances()