E Oracle Virtual Assembly Builder用のOracle Web Services Managerイントロスペクション・プラグイン

この付録では、Oracle Virtual Assembly Builder用のOracle Web Services Manager (OWSM)イントロスペクション・プラグインについて説明します。

次のトピックが含まれています:

E.1 Oracle Virtual Assembly Builder用のOWSMイントロスペクション・プラグインについて

Oracle Virtual Assembly Builderは、インストールされたOracleコンポーネントを仮想化して変更した後、Oracle VM環境にデプロイするためのツールです。

Oracle Virtual Assembly Builderを使用すると、ソフトウェア・アプライアンスと呼ばれるアーティファクト内の既存のソフトウェア・コンポーネントの構成を取得できます。その後、アプライアンスをグループ化して、その関係をソフトウェア・アセンブリ,と呼ばれるアーティファクトに定義できます。アセンブリは、完全な複数層アプリケーション・トポロジを記述するブループリントを提供します。

『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理』Oracle Virtual Assembly Builder用のプラグインの使用に関する項で説明されているように、Oracle Virtual Assembly Builder用のOWSMイントロスペクション拡張機能では、Oracle WebLogic Serverイントロスペクタの機能が拡張されます。このプラグインでは、WebLogicドメインの一部として構成されているOWSM固有のアーティファクトの構成が検査されます。

OWSMイントロスペクション・プラグイン拡張機能は、Oracle WebLogic Server 12cバージョン12.1.2.0と連携して機能します。

E.2 OWSMイントロスペクション・プラグインの理解

OWSMイントロスペクション・プラグインの使用方法について説明します。

次のトピックが含まれています:

E.2.1 OWSMイントロスペクション・プラグインのパラメータ

Oracle Virtual Assembly Builderでは、OWSMイントロスペクション・プラグインのパラメータを使用して、イントロスペクションの前に更新が確認されます。

表E-1は、OWSMイントロスペクション・プラグインのパラメータを示しています。WebLogic Serverに必要なパラメータの詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理』イントロスペクション・プラグインのパラメータに関する項を参照してください。

表E-1 OWSMイントロスペクション・プラグインのパラメータ

パラメータ 説明

oracleCommonHome

Oracle共通ホーム・ディレクトリの場所。

このパラメータは省略可能です。指定した場合、イントロスペクションの前に、Oracle Virtual Assembly Builderによって、OWSMプラグインに対する更新がないかどうか確認されます。指定しないと、イントロスペクションの前にOracle Virtual Assembly Builderで更新が確認されることはありません。

E.2.2 OWSMイントロスペクション・プラグイン参照システムの前提条件

Oracle WebLogic Serverで定義するもの以外に追加の前提条件はありません。

Oracle WebLogic Serverに必要な前提条件については、Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理参照システムの前提条件に関する項を参照してください。

E.2.3 OWSMイントロスペクション・プラグインの使用要件

Oracle WebLogic Serverで定義されている以外に、OWSMの追加使用要件はありません。

Oracle WebLogic Serverの要件については、Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理のプラグイン使用要件に関する項を参照してください。表E-2では、OWSMイントロスペクション・プラグインの使用でサポートされているトポロジを示し、説明しています。

注意:

キーストアや資格証明ストアなどの、有効なデータに必要なセキュリティ・アーティファクトは、すでに存在しているか、またはリハイドレーション後ステップとして手動で作成する必要があります。

表E-2 OWSMイントロスペクション・プラグインでサポートされているトポロジ

トポロジ 説明

単一ドメイン・トポロジ

イントロスペクション・プラグインは、ドキュメント・リポジトリ(MDS)およびドメイン構成ディレクトリ(wsm-config.xml)に格納されているアーティファクトを取得します。ソース環境でアーティファクトが変更された場合、それに対応するユーザー・プロパティが、イントロスペクション・プラグインで生成されるアセンブリに追加されます。

複数ドメイン・トポロジ

同じポリシー・リポジトリ(MDS)に複数のドメインがデータを格納できます。OWSMポリシー・マネージャ・アプリケーションが各ドメインにインストールされており、同一のMDSを共有します。複数ドメイン・トポロジをサポートするには、いずれかのドメインがイントロスペクトまたはリハイドレートされる際にすべてのドメインのMDSデータを移動します。

異種サービスのセキュリティ・トポロジ

OWSMポリシー・マネージャ・アプリケーションは、異種ドメイン間で使用されます。OWSMポリシー・マネージャ・アプリケーションは、WebLogic Serverドメインおよびそれに接続する他のドメインにデプロイされます。OWSMポリシー・マネージャ・アプリケーションがインストールされているドメインがイントロスペクトされた場合、すべてのドメイン構成およびブートストラップ構成のMDSに格納されているアーティファクトが取得されます。他の異種ドメインの場合は、ブートストラップ構成を手動で更新できます。

E.2.4 OWSMイントロスペクション・プラグインの結果のアーティファクト・タイプ

OWSMプラグインで、結果のアーティファクトまたはアセンブリが作成されることはありません。

アセンブリはOracle WebLogic Serverプラグインで作成され、OWSMプラグインはルート・アセンブリにプロパティを追加するのみです。詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理』結果のアーティファクト・タイプに関する項を参照してください。

E.2.5 OWSMイントロスペクション・プラグインのワイヤリング

Oracle WebLogic Serverプラグインで提供されるもの以外の接続はサポートされていません。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理』ワイヤリングに関する項を参照してください。

E.2.6 OWSMイントロスペクション・プラグインのワイヤリング・プロパティ

Oracle WebLogic Serverプラグインで提供されるもの以外の接続プロパティはサポートされていません。

E.2.7 OWSMイントロスペクション・プラグインのアプライアンス・プロパティ

OWSMアプライアンスのシステムおよびユーザー・プロパティの詳細を説明します。

次の表に、OWSMアプライアンスのプロパティを示します。

注意:

イントロスペクトされたドメインについて変更されていないユーザー・プロパティは、アセンブリに追加されません。

表E-3は、OWSMシステム・プロパティを示しています。

注意:

システム・プロパティは編集不可です。

表E-3 OWSMシステム・プロパティ

名前 タイプ 必須 デフォルト 説明

oracle.common.home

文字列

false

なし

再構成時のOracle共通ホームの場所。

表E-4は、次のsts-trust-configポリシー・アサーションのOWSMユーザー・プロパティを示しています。

表E-4 OWSMアプライアンスのユーザー・プロパティ - STS信頼

名前 タイプ 必須 デフォルト Assembly Builderでの表示名 説明

port-uri

文字列

false

なし

policyname.port-uri

サービス・ポートURL。

wsdl-uri

文字列

false

なし

policyname.wsdl-uri

サービスWSDL URL。

表E-5 OWSMユーザー・プロパティ - KerberosおよびSPNEGO

名前 タイプ 必須 デフォルト Assembly Builderでの表示名 説明

caller.principal.name

文字列

false

なし

policyname.caller.principal.name

caller.principal.nameを参照してください。

keytab.location

文字列

false

なし

policyname.keytab.location

keytab.locationを参照してください。

service.principal.name

文字列

false

なし

policyname.service.principal.name

service.principal.nameを参照してください。

表E-6は、次のwss11-sts-issued-token-with-certificatesポリシー・アサーションのOWSMアプライアンス・ユーザー・プロパティを示しています。

表E-6 OWSMユーザー・プロパティ - wss11-sts-issued-token-with-certificates

名前 タイプ 必須 デフォルト Assembly Builderでの表示名 説明

sts.auth.caller.principal.name

文字列

false

なし

policyname.sts.auth.caller.principal.name

sts.auth.caller.principal.nameを参照してください。

sts.auth.keytab.location

文字列

false

なし

policyname.sts.auth.keytab.location

sts.auth.keytab.locationを参照してください。

sts.auth.service.principal.name

文字列

false

なし

policyname.sts.auth.service.principal.name

sts.auth.service.principal.nameを参照してください。

OWSMでは、ドメインの構成をオーバーライドするために、そのドメインに構成ドキュメントを作成できます。これらのドキュメントには、ターゲット環境で変わる可能性のあるプロパティが含まれます。詳細は、Oracle Web Services Managerのドメイン構成の管理を参照してください。

OWSMのインストール時にブートストラップ・プロパティを指定した場合、OWSMエージェント・インスタンスは、そのブートストラップ接続情報(fmwconfigディレクトリのwsm-config.xmlファイルにある)を使用して、OWSMポリシー・マネージャに接続します。詳細は、Oracle Web Services Managerのドメイン構成の管理を参照してください。

表E-7は、ブートストラップ構成のOWSMユーザー・プロパティを示しています。

表E-7 OWSMアプライアンスのユーザー・プロパティ - ブートストラップ構成

名前 タイプ 必須 デフォルト Assembly Builderでの表示名 説明

keystore.path

文字列

false

なし

bootstrap.ssl.keystore

Configuration Managerのキーストアの場所。詳細は、Oracle Web Services Managerのドメイン構成の管理を参照してください。

pm.url

文字列

false

なし

bootstrap.pm.url

Configuration ManagerのPM URL。形式はhttp://hostname:portです。詳細は、「Oracle Web Services Managerのドメイン構成の管理」を参照してください。

truststore.path

文字列

false

なし

booostrap.ssl.truststore

Configuration Managerのトラスト・ストアの場所。詳細は、Oracle Web Services Managerのドメイン構成の管理を参照してください。

E.2.8 OWSMイントロスペクション・プラグインでサポートされるテンプレート・タイプ

OWSMイントロスペクション・プラグインでサポートされるテンプレート・タイプは、Oracle Enterprise Linux (OEL)です。