4 Oracle Formsのアップグレード

この章では、Oracle Formsを11gまたは以前の12cバージョンから最新のバージョンにアップグレードする方法について説明します。

現在使用しているバージョンに関係なく、まず既存のインストールのバックアップを作成してから、新しいOracleホームで最新バージョンをインストールします。

11.1.1以前のバージョンからアップグレードする場合、次のいずれかの方法に従います:
  • 指示に従って、最初にv11にアップグレードします。次に、この項で説明するステップに従ってv12にアップグレードします。
  • v12のインストールを新規に実行し、必要に応じて新しい環境を手動で構成します。
Oracle Formsの以前のリリースからのアップグレードは、アップグレード・アシスタントを使用して実行されるアウトオブプレース・アップグレードです(ソフトウェアは新しいOracleホーム・ディレクトリの場所にインストールされます)。

ノート:

Oracle Reportsはこのリリースに含まれていますが、非推奨になりました。Oracle Reports固有のアップグレード情報については、12.2.1.3.0ドキュメント・ライブラリを参照してください。

内容は次のとおりです。

Oracle Formsのアップグレードの計画

Oracle Formsを12cにアップグレードするには、慎重に準備および計画を行い、一連のステップを実行する必要があります。

次のいずれかのバージョンを実行している場合、この章に記載のステップに従ってOracle Formsをアップグレードします。

  • Oracle Forms 12c (12.2.1.4.0)に対するOracle FMW 11.1.1.7 Forms

  • Oracle Forms 12c (12.2.1.4.0)に対するOracle FMW 11.1.2.2 Forms

  • Oracle Forms 12c (12.2.1.4.0)に対するOracle FMW 12c (12.2.1.0) Forms

  • Oracle Forms 12c (12.2.1.4.0)に対するOracle FMW 12c (12.2.1.1.0) Forms

  • Oracle Forms 12c (12.2.1.4.0)に対するOracle FMW 12c (12.2.1.2.0) Forms

  • Oracle Forms 12c (12.2.1.4.0)に対するOracle FMW 12c (12.2.1.3.0) Forms

Oracle Formsの11gからのアップグレードの準備

Oracle Forms 11gから現在のバージョンへのアップグレードを開始する前に、リモートのFormsノードでFormsアップグレード拡張スクリプトを実行して、リモート・ノードにあるForms構成アーティファクトを抽出する必要があります。

ノート: リモートFormsノードがある場合のみ、このステップを実行してください(リモートFormsノードは、ドメイン拡張シナリオまたはクラスタ拡張シナリオを使用して追加している可能性があります)。

Formsアップグレード拡張を、リモートFormsノードで実行するには:

  1. 次のディレクトリでforms-upgrade-ext.sh (forms-upgrade-ext.bat)スクリプトを探します。

    $ORACLE_HOME/forms/plugins/upgrade

  2. アーティファクトを保存する場所を渡すcollectオプションを使用して、forms-upgrade-ext.sh (forms-upgrade-ext.bat)スクリプトを各リモート・ノードで実行します。

    collect <arg1: location to save the artifacts>

    ノート: 各リモートFormsノードのソース環境でcollectオプションを実行します。このスクリプトによって、そのリモート・ノード上のForms構成ファイルが抽出され、指定した場所にパッケージ化されます。

  3. すべてのリモート・ノードから収集したアーティファクトを、管理サーバー・ノードにコピーします。
  4. 保存済アーティファクトとドメイン・ディレクトリの場所を渡すapplyオプションを使用して、forms-upgrade-ext.sh (forms-upgrade-ext.bat)スクリプトを管理サーバー・ノードで実行します。

    apply <arg1: location of the saved artifacts> <arg2: domain dir>

    ノート: applyオプションは、管理サーバー・マシンで一度のみ実行してください。このスクリプトでは、Forms構成がリモート・ノートのアーティファクトから抽出され、ドメインに適用されます。

Oracle Formsテンプレート・ファイルのコピーの作成

最新の12cリリースへのアップグレードを開始する前に、既存のFormsテンプレート・ファイルのコピーを作成することをお薦めします。

これには、ディレクトリORACLE_HOME\user_projects\domains\base_domain\config\fmwconfig\components\FORMS\instances\<INSTANCE NAME>\serverのすべてのファイルが含まれます。以前の12cリリースから最新のリリースにアップグレードする場合、ファイルは前の行で述べたディレクトリと同じディレクトリ内に置かれます。Oracle Formsを12cよりも前のリリース(たとえば、11g)から最新の12cリリースにアップグレードする場合、ファイルは別のディレクトリに置かれる場合があります。

テンプレート・ファイルのコピーは、テンプレート・ファイルの新しい形式にユーザー固有のカスタマイズをリストアするのに役立ちます。

アップグレード・プロセスの完了後、前のバージョンで作成されたユーザー固有のカスタマイズを手動で新しいFormsテンプレート・ファイルにコピーまたはマージする必要があります。

Oracle Formsの11gから12cへのアップグレード

アップグレードを開始する前に、アップグレード中またはアップグレード後に既存の設定が影響を受けないよう、完全なアップグレード・プロセスを必ず把握しておくことが重要です。

Oracle Formsの11gから12cへのアップグレード・プロセスには、2つのステップが含まれます。

WLS再構成ウィザードを使用した11gドメインの再構成

11gドメインを構成するには、WLS 12c再構成ウィザードを使用する必要があります。

11gのドメインを再構成するには:

  1. 次の場所から再構成ウィザードを実行します。

    $ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/reconfig.sh

  2. アップグレードする11g FMWドメインを指定します。
  3. RCUのスキーマ情報を入力します。
  4. 再構成ウィザードの「拡張構成」では、「トポロジ」オプションのみを選択します。

    システム・コンポーネント・オプションは選択しないでください。これらは、自動的にアップグレード・アシスタントにより構成/アップグレードされます。

  5. 「ノード・マネージャ」画面はデフォルトの選択のままにします。必要に応じ、ユーザー名およびパスワードを入力します。
  6. JRF-MAN-SVRおよびFORMS-MAN-SVRサーバー・グループを、11gのインストールの後に追加されたWLS_FORMS、WLS_FORMS1など、およびその他のFormsで管理されたサーバーのユーザーを含むすべてのFormsで管理されたサーバーに選択します。
  7. 再構成ウィザードの最後の画面が表示されるまで、「次」をクリックします。

ノート:

11gでは、Formsはリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)スキーマを必要としませんが、12c以降では、すべてのWebLogic Server 12cドメインでRCUスキーマを設定する必要があります。そのため、これらのステップを実行する前には、WLS再構成ウィザードを実行する前にRCUに必要なスキーマ(Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャ・ドメインの構成に関する項を参照)を必ず作成するようにしてください。

Upgrade Assistantの使用方法

11gから12cへのアップグレードを完了するには、12.2.1.4.0アップグレード・アシスタントを実行する必要があります。

アップグレードは次のようにします。

  1. 次の場所から12.2.1.4.0アップグレード・アシスタントを実行します。

    $ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin/ua

  2. 「ドメインによって使用されるすべての構成」オプションを選択します。
  3. 再構成した12cドメインの場所を指定します。
  4. 前提条件のチェック・ボックスを選択します。
  5. 「アップグレード」をクリックします。

Oracle Formsの以前の12cリリースからのアップグレード

この項では、Oracle Formsを以前のOracle Forms 12cリリースから最新の12cにアップグレードするプロセスについて説明します。

Oracle Forms 12c (12.2.1)から12c (12.2.1.4.0)へのアップグレード

Oracle Forms 12.2.1から12.2.1.4.0にアップグレードするには、3つの主なステップを完了する必要があります。

そのステップを次に示します。

ノート:

12.2.1からアップグレードする際には、リモート・ノードでのforms-upgrade-ext.shの実行は必要ありません

アップグレード・アシスタントの実行によるドメイン・スキーマのアップグレード

12.2.1.4.0のアップグレード・アシスタントを使用してドメイン・スキーマをアップグレードするには、次のステップを実行します。

ドメイン・スキーマをアップグレードするには:

  1. 次の場所から12.2.1.4.0アップグレード・アシスタントを実行します。

    $ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin/ua

  2. ドメインによって使用されるすべてのスキーマオプションを選択します。
  3. アップグレードするスキーマ・コンポーネントを選択します。
  4. 再構成した12cドメインの場所を指定します。
  5. 前提条件のチェック・ボックスを選択します。
  6. RCUデータベースの接続情報を指定します。
  7. 「次」をクリックします。
  8. 「終了」をクリックします。
WLS再構成ウィザードを使用した12.2.1ドメインの再構成

WLS再構成ウィザードを使用して12.2.1ドメインを再構成する必要があります。

12.2.1ドメインを再構成するには:

  1. 次の場所から再構成ウィザードを実行します。

    $ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/reconfig.sh

  2. アップグレードする12.2.1 FMWドメインの場所を指定します。
  3. RCUのスキーマ情報を入力します。
  4. 再構成ウィザードの「拡張構成」では、「トポロジ」オプションのみを選択します。

    システム・コンポーネント・オプションは選択しないでください。これらは、自動的にアップグレード・アシスタントにより構成/アップグレードされます。

  5. 「ノード・マネージャ」画面はデフォルトの選択のままにします。必要に応じ、ユーザー名およびパスワードを入力します。
  6. 再構成ウィザードの最後の画面が表示されるまで、「次」をクリックします。
アップグレード・アシスタントの実行によるコンポーネント構成のアップグレード

コンポーネント構成をアップグレードするには、12.2.1.4.0のアップグレード・アシスタントを使用して一連のステップを完了します。

コンポーネント構成をアップグレードするには:

  1. 次の場所から12.2.1.4.0アップグレード・アシスタントを実行します。

    $ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin/ua

  2. 「ドメインによって使用されるすべての構成」オプションを選択します。
  3. 再構成した12cドメインの場所を指定します。
  4. 前提条件のチェック・ボックスを選択します。
  5. 「アップグレード」をクリックします。

Oracle Forms 12c (12.2.1.1.0)から12c (12.2.1.4.0)へのアップグレード

Oracle Forms 12.2.1.1.0から12.2.1.4.0にアップグレードするには、3つのステップを完了する必要があります。

そのステップを次に示します。

アップグレード・アシスタントの実行によるドメイン・スキーマのアップグレード

12.2.1.4.0のアップグレード・アシスタントを使用してドメイン・スキーマをアップグレードするには、次のステップを実行します。

ドメイン・スキーマをアップグレードするには:

  1. 次の場所から12.2.1.4.0アップグレード・アシスタントを実行します。

    $ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin/ua

  2. ドメインによって使用されるすべてのスキーマオプションを選択します。
  3. アップグレードするスキーマ・コンポーネントを選択します。
  4. 再構成した12cドメインの場所を指定します。
  5. 前提条件のチェック・ボックスを選択します。
  6. RCUデータベースの接続情報を指定します。
  7. 「次」をクリックします。
  8. 「終了」をクリックします。
WLS再構成ウィザードを使用した12.2.1.1.0ドメインの再構成

WLS再構成ウィザードを使用して12.2.1.1.0ドメインを再構成する必要があります。

12.2.1.1.0ドメインを再構成するには:

  1. 次の場所から再構成ウィザードを実行します。

    $ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/reconfig.sh

  2. アップグレードする12.2.1.1.0 FMWドメインの場所を指定します。
  3. RCUのスキーマ情報を入力します。
  4. 再構成ウィザードの「拡張構成」では、「トポロジ」オプションのみを選択します。

    システム・コンポーネント・オプションは選択しないでください。これらは、自動的にアップグレード・アシスタントにより構成/アップグレードされます。

  5. 「ノード・マネージャ」画面はデフォルトの選択のままにします。必要に応じ、ユーザー名およびパスワードを入力します。
  6. 再構成ウィザードの最後の画面が表示されるまで、「次」をクリックします。
アップグレード・アシスタントの実行によるコンポーネント構成のアップグレード

コンポーネント構成をアップグレードするには、12.2.1.4.0のアップグレード・アシスタントを使用して一連のステップを完了します。

コンポーネント構成をアップグレードするには:

  1. 次の場所から12.2.1.4.0アップグレード・アシスタントを実行します。

    $ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin/ua

  2. 「ドメインによって使用されるすべての構成」オプションを選択します。
  3. 再構成した12cドメインの場所を指定します。
  4. 前提条件のチェック・ボックスを選択します。
  5. 「アップグレード」をクリックします。

Oracle Forms 12c (12.2.1.2.0)から12c (12.2.1.4.0)へのアップグレード

Oracle Forms 12.2.1.2.0から12.2.1.4.0にアップグレードするには、3つのステップを完了する必要があります。

そのステップを次に示します。

アップグレード・アシスタントの実行によるドメイン・スキーマのアップグレード

12.2.1.4.0のアップグレード・アシスタントを使用してドメイン・スキーマをアップグレードするには、次のステップを実行します。

ドメイン・スキーマをアップグレードするには:

  1. 次の場所から12.2.1.4.0アップグレード・アシスタントを実行します。

    $ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin/ua

  2. ドメインによって使用されるすべてのスキーマオプションを選択します。
  3. アップグレードするスキーマ・コンポーネントを選択します。
  4. 再構成した12cドメインの場所を指定します。
  5. 前提条件のチェック・ボックスを選択します。
  6. RCUデータベースの接続情報を指定します。
  7. 「次」をクリックします。
  8. 「終了」をクリックします。
WLS再構成ウィザードを使用した12.2.1.2.0ドメインの再構成

WLS再構成ウィザードを使用して12.2.1.2.0ドメインを再構成する必要があります。

12.2.1.2.0ドメインを再構成するには:

  1. 次の場所から再構成ウィザードを実行します。

    $ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/reconfig.sh

  2. アップグレードする12.2.1.2.0 FMWドメインの場所を指定します。
  3. RCUのスキーマ情報を入力します。
  4. 再構成ウィザードの「拡張構成」では、「トポロジ」オプションのみを選択します。

    システム・コンポーネント・オプションは選択しないでください。これらは、自動的にアップグレード・アシスタントにより構成/アップグレードされます。

  5. 「ノード・マネージャ」画面はデフォルトの選択のままにします。必要に応じ、ユーザー名およびパスワードを入力します。
  6. 再構成ウィザードの最後の画面が表示されるまで、「次」をクリックします。
アップグレード・アシスタントの実行によるコンポーネント構成のアップグレード

コンポーネント構成をアップグレードするには、12.2.1.4.0のアップグレード・アシスタントを使用して一連のステップを完了します。

コンポーネント構成をアップグレードするには:

  1. 次の場所から12.2.1.4.0アップグレード・アシスタントを実行します。

    $ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin/ua

  2. 「ドメインによって使用されるすべての構成」オプションを選択します。
  3. 再構成した12cドメインの場所を指定します。
  4. 前提条件のチェック・ボックスを選択します。
  5. 「アップグレード」をクリックします。

Oracle Forms 12c (12.2.1.3.0)から12c (12.2.1.4.0)へのアップグレード

12.2.1.3.0からOracle Forms 12.2.1.4.0にアップグレードするには、ゼロ・ダウンタイム(ZDT)アップグレードまたは非ZDTアップグレードを実行できます。アップグレード後、該当する構成ステップを完了します。

ZDT (ゼロ・ダウンタイム・アップグレード)は、マルチノード環境を対象としています。管理者は、最小限のダウンタイムあるいはダウンタイムなしでマルチノード環境のパッチ適用やアップグレードを実行できます。

そのステップを次に示します。

12.2.1.3.0からのZDTアップグレードの実行

12.2.1.3.0からOracle Forms 12.2.1.4.0へのZDTアップグレードを実行するには、次の一連のステップを完了します。

12.2.1.3.0バージョンからのアップグレードで、次のいずれかの条件を満たした場合はZDTアップグレードを使用することをお薦めします。
  • マルチノード・ロード・バランシング・フォームのデプロイメント用
  • FMW 12.2.1.3.0と同じOracle HomeパスにFMW 12.2.1.4.0をインストールする場合
このプロシージャの有効範囲に対する2ノードのシナリオがあるとします。プライマリ・ノードはノード1とし、管理サーバー、Forms (管理対象サーバーWLS_FORMSとシステム・コンポーネントforms1)およびOHSを使用します。セカンダリ・ノードはノード2とし、Formsインスタンス(管理対象サーバーWLS_FORMSとシステム・コンポーネントforms1)を使用します。
  1. ノード1上の管理サーバーおよび管理対象サーバーを含むシステム・コンポーネントを停止します。
  2. ノード1で12.2.1.3 Oracleホームの親ディレクトリの名前を変更します。たとえば、名前をOracle_Home_Oldに変更できます。
  3. ノード1でOracle Formsバージョン12.2.1.4.0を12.2.1.3.0で使用されるものと同じOracleホーム・パスにインストールします(ステップ2で名前を変更する前の)。
  4. WLSドメイン・ディレクトリ(user_projects)とそのサブディレクトリが古いOracleホーム内にある場合は、これらのディレクトリを以前と同じ場所にある新しいOracleホームにコピーします。
  5. ノード上1の管理サーバーおよび管理対象サーバーを含むシステム・コンポーネントを起動します。
  6. ノード2上のシステム・コンポーネントと管理対象サーバーを停止します。
  7. ステップ2から4までを繰り返して、Oracle Formsをノード2にインストールします。
  8. ノード2上のシステム・コンポーネントと管理対象サーバーを起動します。
  9. 12.2.1.4.0のインストールを完了し、サーバーを正常に起動した後、ノード1および2からOracle_Home_Oldディレクトリを削除します。削除する前に、必要なカスタム・ファイルをOracle_Home_Oldディレクトリからコピーしてください。
12.2.1.3.0からの非ZDTアップグレードの実行

12.2.1.3.0からOracle Forms 12.2.1.4.0への非ZDTアップグレードを完了するには、3つのステップを完了する必要があります。

新しいOracleホームへの12.2.1.4ソフトウェアのインストール

WebLogic Server Infrastructure 12.2.1.4およびForms 12.2.1.4ソフトウェアを新しいOracleホーム・ディレクトリにインストールします。

このソフトウェアのインストールの詳細は、「新しいOracleホームへのOracle Formsのインストール」を参照してください。
WLS再構成ウィザードを使用した12.2.1.3.0ドメインの再構成

WLS再構成ウィザードを使用して12.2.1.3.0ドメインを再構成する必要があります。

12.2.1.3.0ドメインを再構成するには:

  1. 新しいOracleホームの次の場所から再構成ウィザードを実行します:

    $ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/reconfig.sh

  2. アップグレードする12.2.1.3.0 FMWドメインの場所を指定します。
  3. RCUのスキーマ情報を入力します。
  4. 再構成ウィザードの「拡張構成」では、「トポロジ」オプションのみを選択します。

    システム・コンポーネント・オプションは選択しないでください。これらは、自動的にアップグレード・アシスタントにより構成/アップグレードされます。

  5. 「ノード・マネージャ」画面はデフォルトの選択のままにします。必要に応じ、ユーザー名およびパスワードを入力します。
  6. 再構成ウィザードの最後の画面が表示されるまで、「次」をクリックします。
アップグレード・アシスタントの実行によるコンポーネント構成のアップグレード

コンポーネント構成をアップグレードするには、12.2.1.4.0のアップグレード・アシスタントを使用して一連のステップを完了します。

コンポーネント構成をアップグレードするには:

  1. 次の場所から12.2.1.4.0アップグレード・アシスタントを実行します。

    $ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin/ua

  2. 「ドメインによって使用されるすべての構成」オプションを選択します。
  3. 再構成した12cドメインの場所を指定します。
  4. 前提条件のチェック・ボックスを選択します。
  5. 「アップグレード」をクリックします。
12.2.1.3.0からのアップグレードの完了

12.2.1.3.0からOracle Forms 12.2.1.4.0にZDTまたは非ZDTアップグレードを実行するステップを完了した後、次のステップを実行してアップグレードを完了します。

アップグレード・ステップの完了後、次のステップを実行します。

  1. FADSが12.2.1.3.0ドメインで構成されている場合、次のステップを完了します。
    1. アップグレード・オプションを指定して、fads_config.pyスクリプトを実行します。
      ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/wlst.sh fads_config.py upgrade

    2. プロンプトを完了します。
  2. FMWドメインが12.2.1.3.0からアップグレードされたら、次のステップを実行してuseridパラメータの暗号化を有効にします。

    ノート:

    新しい12.2.1.4.0ドメインを作成すると、デフォルトでformsweb.cfgファイルのuseridパラメータが暗号化されます。
    1. 非ZDTアップグレードを使用する場合は、管理サーバーおよびForms管理対象サーバーのforms.userid.encryption.enabledサーバー・パラメータをtrueに設定します。

      『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』ドメイン全体のサーバー・パラメータのカスタマイズに関する項を参照してください。

      次に、forms.userid.encryption.enabledパラメータが有効になっているsetUserOverridesLate.shファイル(Windowsの場合はsetUserOverridesLate.cmdを使用)のサンプルを示します。

      echo ""
      echo "*****************************************************"
      echo "** Executing setUserOverridesLate.sh"
      echo "*****************************************************"
       
      # specify additional java command line options for all servers
      
      EXTRA_JAVA_PROPERTIES="${EXTRA_JAVA_PROPERTIES} -Dforms.userid.encryption.enabled=true"
      export EXTRA_JAVA_PROPERTIES
      
      echo "USER_MEM_ARGS=\"${USER_MEM_ARGS}\""
      echo "EXTRA_JAVA_PROPERTIES=\"${EXTRA_JAVA_PROPERTIES}\""
      echo ""
      echo "*****************************************************"
      echo "** End of setUserOverrideLate.sh"
      echo "*****************************************************"
      echo ""
      
    2. ZDTアップグレードと非ZDTアップグレードの両方について、WLST (オンライン・モード)を使用して次のコマンドを実行し、Formsアプリケーションのキーストアにアクセスするためのフォーム・アプリケーションまたはMBeanに対する権限を付与します。
      
      grantPermission(codeBaseURL="file:${common.components.home}/../forms/provision/forms-config-mbeans.jar",
      permClass="oracle.security.jps.service.keystore.KeyStoreAccessPermission",permTarget="stripeName=formsapp,
      keystoreName=formsks,alias=*", permActions="*") 
      
      grantPermission(codeBaseURL="file:${domain.home}/servers/${weblogic.Name}/tmp/_WL_user/formsapp_12.2.1/-",
      permClass="oracle.security.jps.service.keystore.KeyStoreAccessPermission", permTarget="stripeName=formsapp,
      keystoreName=formsks,alias=*",permActions="*")
      
    3. ZDTと非ZDTアップグレードのどちらの場合も、管理サーバーおよびForms管理対象サーバーを再起動します。

Oracle Formsをアップグレードした後のアップグレード後のステップ

アップグレード・アシスタントを使用してOracle Formsをアップグレードした後、一連のアップグレード後のタスクを実行します。

次のタスクを完了する必要があります。

  • 11g Formsからアップグレードする際には、Oracle Forms Services 12.2.1.4.0で実行するFormsのアプリケーション・ファイル(fmx、mmxおよびplx)を再生成します。これは、Oracle Forms 12.2.1.3.0からアップグレードする際には必要ありません

  • コンテキスト・ルートまたはFormsのサーブレットの別名をオーバーライドするために、Oracle Forms Services J2EEカスタム・アプリケーションのEARファイル(formsapp.ear)をデプロイする場合は、12.2.1.4.0 Oracle WebLogic Serverドメインで同様のステップを実行する必要があります。Forms Java EEアプリケーションのカスタム・デプロイメントに関する項を参照してください。詳細は、『Oracle Formsの操作』ガイドのOracle Forms構成ヘルパー・スクリプトに関する項を参照してください。

  • 必要に応じて、指定したシェル・スクリプトに対して行ったカスタマイズを新しい環境に手動でコピーします。

  • Oracle Fusion Middleware 12c (12.2.1.4.0)は、Java Runtime Environment (JRE) 1.7以降をサポートしていません。必要な場合、クライアントJREをJava 8の動作保証済バージョンにアップグレードします。動作保証済バージョンのリストについては、製品動作保証マトリックスを参照してください。