4 ライフサイクル管理情報
この章では、Oracle Formsに関連するインストール、構成、アップグレードおよび移行の問題について説明します。
この節の内容は以下のとおりです。
Oracle Formsのインストールおよび構成の問題
この項では、インストールと構成変更に関する問題およびその回避策について説明します。
次のトピックが含まれています:
ユーザー・リクエストの処理中にIBM AIX上のOracle Forms 12.2.1.4.0サーバーがクラッシュすることがある
IBM AIXにFormsサーバー12.2.1.4.0をインストールして構成した後、ユーザー・リクエストの処理中にFormsサーバーがクラッシュすることがあります。次のエラー・テキストが表示されることもあります。
exec(): 0509-036 Cannot load program frmweb because of the following errors: rtld: 0712-001 Symbol CreateIoCompletionPort was referenced from module $ORACLE_HOME/lib/libclntsh.so(), but a runtime definition of the symbol was not found.
Forms 12.2.1.4.0は、IBM AIX Databaseクライアントのバージョン12.1.0.2.0にバンドルされています。この問題は、Database 12.1.0.2クライアント・ライブラリのIOCP APIシンボル依存性に関連しています。
このIBM AIXの問題を解決するには、Formsサーバーのインストール・マシンでIOCPモジュールを有効にする必要があります。
POWER Systems (64ビット)のIBM AIXで、インストール・プロセスを開始する前に、I/O完了ポート(IOCP)を使用可能にします。
IOCPモジュールが有効かどうかをチェックするには、lsdevコマンド$ lsdev | grep iocp
を実行します
次のサンプル出力は、IOCPステータスがDefinedに設定されているので、有効ではないことを示しています: iocp0 Defined I/O Completion Ports
デフォルトでは、IOCPはDefined
に設定されています。
IOCPを使用可能にするには、次のプロシージャを使用してIOCPステータスをAvailable
にします。
-
rootとしてログインし、次のコマンドを実行します:
# smitty iocp
。 -
I/O完了ポートの特性の変更/表示を選択します。
-
システム再起動時に構成された状態を
「定義済」
から「使用可能」
に変更します。 -
lsdevコマンドを実行して、IOCPステータスが
Available
に設定されていることを確認します。$ lsdev | grep iocp iocp0 Available I/O Completion Ports
システムの再起動を実行して変更を確定します。
One-Button-Runの使用時におけるInternet Explorer以外のブラウザのプロキシ設定
Internet Explorer以外のサポートされる任意のブラウザでOne-Button-Runを使用している際にFORBIDDENエラーが発生した場合、127.0.0.1 (localhost)がブラウザのプロキシ・設定に存在するかどうかを確認してください。127.0.0.1が例外リストに存在しない場合は、追加します。これにより、ブラウザはプロキシ・サーバーを迂回できます。
Internet Explorer 11は埋込みアプレットを含むJavaプラグインをサポートする唯一のブラウザであるため、他のブラウザを使用するには、Form BuilderでJava Web Startを使用するようにOne-Button-Runを構成する必要があります。この設定は、Builderの「プリファレンス」ダイアログの「ランタイム」タブで構成されます。アプリケーション・サーバーURL設定に、必要な構成名を追加します。次に例を示します。
http://localhost:9001/forms/frmservlet?config=webstart
Oracle Forms 12.2.1.4.0アプリケーションでのJACOBバージョン1.18以降のサポート
Oracle Forms 12.2.1.4.0では、JACOBバージョン1.18以降をサポートします。ただし、インストール中、JACOB 1.18 M2は実行時にWebutilを使用して構成され、クライアント側のOLE統合を実行します。JACOB 1.18を使用するには、webutil.cfg
を更新する必要があります。より新しいJACOBバージョンを使用できますが、それを行うには、JACOBライブラリが参照されるWebUtil構成の更新が必要です。
JACOBは、JavaからのCOMオートメーション・コンポーネントの呼出しを可能にするJAVA-COMブリッジです。これは、JNIを使用してCOMライブラリにネイティブ・コールを行います。JACOBは、32ビットおよび64ビットのJVMをサポートするx86およびx64環境で動作します。
12.1.0.2.0データベース・クライアントを使用するForms
次にデータベース・クライアントを使用するFormsの問題を示します。
-
このFormsのインストールはOracle Database 12.1.0.2.0に基づいています。 そのため、すべてのアプリケーション・モジュールは実行前に再生成しておく必要があります。 アプリケーション・モジュールが新しいバージョンで再生成されると、(ソースも実行ファイルも)前のバージョンへの後方互換性がなくなります。Forms Builderで再生成または開く前に、アプリケーション・モジュールのバックアップ・コピーを作成する必要があります。 このプロセスを元に戻すことはできません。
-
バージョン12.1.0.2.0プリコンパイラを使用してユーザー出口を再生成する必要があります。
SqlDeveloperバージョンの更新
作成中(または拡張中)のドメインにForms Application Deployment Service (FADS)を含める場合、関連付けられたOracleホームにインストールされているSqlDeveloperバージョンをバージョン18.2以降にアップグレードする必要があります。FADSを含めるようにWLSドメインを構成する前に、この更新を完了する必要があります。
詳細は、『Oracle Formsの操作』ガイドのOracle Forms Application Deployment Servicesに関する項を参照してください。
Java ScriptおよびJava Webの起動に必要なEclipse/Jettyバージョンの統合
Forms Java Script Integration (WebSocketJSI)にはEclipse/Jettyバージョン9.4.5以降が必要です。 このjarファイルは信頼されている既知の証明書で署名されている必要があります。 jarファイルの署名方法については、Javaドキュメントを参照してください。 デプロイメントにJava Web Startを使用している場合、extensions.jnlpにJettyのjar参照を追加してください。 必要なファイルは次の場所からダウンロードできます。
インストール後のタスク
Oracle Formsをインストールして構成した後、管理者は、最終的な有効期限に備えるために、提供されたJARに埋め込まれている関連有効期限を識別する必要があります。
提供されたJARの一部(frmall.jar
など)には、いくつかの署名が埋め込まれています。各署名には一意の目的と有効期限があります。デジタル署名の仕組みの詳細は、Oracle Javaのドキュメントを参照してください。
署名付きJARファイルは、ORACLE_HOME/forms/java
ディレクトリ内にあります。
インストールに含まれるJDKのjarsigner実行可能ファイルを使用して、目的のJARをテストできます。例:
- Windowsの場合: jarsigner -verify -verbose frmall.jar | find "expire"
- Unix/Linuxの場合: jarsigner -verify -verbose frmall.jar | grep "expire"
提供されたファイル内の関連有効期限は次のとおりです:
- 署名者証明書: 01-FEB-2020
- タイムスタンプ: 17-JAN-2028
署名者証明書の日付は、新規のJARファイルの署名にその証明書を使用できる最終日を表します。提供されたJARはその日付より前に署名されているため、この有効期限はほぼ無関係であり、無視してかまいません。ただし、タイムスタンプを検証できず、インターネット接続が必要になる場合には、これを使用することもできます。
タイムスタンプは、JARが有効期間中に署名されたことを確認するために使用されます。この検証テストは、タイムスタンプの有効期限まで続行できます。前述のように、タイムスタンプを検証できない場合、署名者証明書の有効期限が、JARを使用できる最後の有効日であると想定されます。
タイムスタンプの有効期限が近づいているJARファイルがある場合は、更新されたファイルを入手するためにOracleサポートに連絡してください。
アップグレードおよび移行の問題
この項では、Oracle Formsのアップグレードと移行プロセスに関連する問題について説明します。
次のトピックが含まれています:
アップグレード・ガイダンス
Oracle Formsの変更された機能または廃止された機能のリストを表示するには、「アップグレードの準備」を参照してください。
Oracle Forms 10gまたはOracle Forms Services 11g (11.1.x)からアップグレードするには、次を参照してください。
formsweb.cfg
ファイルのセキュリティ処理の向上
12.2.1.4.0リリースでは、formsweb.cfg
ファイルのセキュリティ処理が拡張されています。ファイル内のすべてのuserid
エントリは、サーバーの起動時に自動的に暗号化されます。この機能は、新規インストール時にデフォルトで有効になっています。アップグレード時には、管理者はこの機能を手動で有効にする必要があります。
userid
パラメータの自動暗号化を有効にします。ZDTアップグレードを実行する場合、3つのステップをすべて実行します。非ZDTのアップグレードを実行する場合は、ステップ1をスキップして、ステップ2および3を実行してください。
- 管理サーバーとForms管理対象サーバーで、
forms.userid.encryption.enabled
サーバー・パラメータをtrueに設定します。『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』ガイドのドメイン全体のサーバー・パラメータのカスタマイズに関する項を参照し、
setUserOverridesLate.sh
ファイル(Windowsの場合はsetUserOverridesLate.cmd
)を使用してforms.userid.encryption.enabled
パラメータを設定します。 - WLST (オンライン・モード)を使用して次のコマンドを実行し、FormsアプリケーションのキーストアにアクセスするためのFormsアプリケーション/MBeanへの権限を付与します。
- 停止時間なし(ZDT)のアップグレード用のコマンド
grantPermission(codeBaseURL="file:${common.components.home}/../forms/provision/ forms-config-mbeans.jar",permClass="oracle.security.jps.service.keystore.KeyStoreAccessPermission", permTarget="stripeName=formsapp,keystoreName=formsks,alias=*", permActions="*")
grantPermission(codeBaseURL="file:${domain.home}/servers/${weblogic.Name}/tmp/_WL_user/ formsapp_12.2.1/-",permClass="oracle.security.jps.service.keystore.KeyStoreAccessPermission", permTarget="stripeName=formsapp,keystoreName=formsks,alias=*",permActions="*")
- 非ZDTアップグレード用のコマンド
grantPermission(codeBaseURL="file:${common.components.home}/../forms/provision/ forms-config-mbeans.jar",permClass="oracle.security.jps.service.keystore.KeyStoreAccessPermission", permTarget="stripeName=formsapp,keystoreName=formsks,alias=*", permActions="*")
grantPermission(codeBaseURL="file:${domain.home}/servers/${weblogic.Name}/ tmp/_WL_user/formsapp_12.2.1/-",permClass="oracle.security.jps.service.keystore.KeyStoreAccessPermission", permTarget="stripeName=formsapp,keystoreName=formsks,alias=*",permActions="*")
- 停止時間なし(ZDT)のアップグレード用のコマンド
- 管理サーバーとForms管理対象サーバーを再起動します。
Forms Webutilファイル転送の高速化
このリリースでは、WebUtilMaxTransferSize
の最大許容値を24573に増やすことで、Forms Webutilファイルのアップロードおよびダウンロードの転送速度が30%まで向上しました。
ノート:
アップグレード時に、12.2.1.4インストールに含まれているcreate_webutil_db.sql
スクリプトを実行すると、向上したファイル転送速度を利用できることを確認します。12.2.1.4インストールに含まれているwebutil.pll
ファイルを生成して使用してください。このファイルを以前のバージョンからコピーしないでください。