15 Webへのクライアント/サーバー・アプリケーションのアップグレード
この章では、クライアント/サーバー・アプリケーションをWebにアップグレードする場合のガイドラインについて説明します。
この節の内容は以下のとおりです。
Formsのホワイト・ペーパーおよびその他のリソースについては、https://www.oracle.com/application-development/technologies/forms/forms.html#documentationを参照してください。
Webへのクライアント/サーバー・アプリケーションのアップグレードのガイドライン
クライアント/サーバー・アプリケーションをWebにアップグレードする場合のガイドラインに精通します。
アプリケーションをクライアント/サーバー・デプロイからWebにアップグレードするときは、Webベースのアプリケーションについて、次の点に留意してください。
-
サポートされるイメージ・タイプがJPEGとGIFのみであるため、既存のイメージをこれらの形式に変換してください。
-
イメージ・アイテムのイメージの回転機能はサポートしていません。イメージのスクロールおよびズームはサポートされていますが、プログラム上サポートされているだけです。
-
ファイル転送には、圧縮されたJAR(Java Archive)ファイルの使用がサポートされます。ファイル転送に使用するPJCまたはJavaBeansは必ずJARにしてください。アプリケーション機能の一部としてクライアントからFormsサーバーにファイルを転送する場合は、ファイルをJARにする必要はありません。
-
ActiveX、OCX、OLE、VBXの各コントロールはユーザー・インタフェースでサポートされません。かわりに、JavaBeansを使用して、機能をユーザー・インタフェースに複製してください。Microsoft Windowsのユーザー・インタフェースに依存する他の機能も、JavaBeansで置換する必要があります。これらの機能の中には、WebUtilを使用してリストアできるものもあります。
-
MouseMoveトリガー(When-Mouse-Enter、When-Mouse-Leave、When-Mouse-Moveなど)はサポートされません。
-
クライアント・ハード・ドライブへの書込み権限が自動的にはサポートされません。この権限は、Oracle Forms Webutilライブラリを使用して取得できます。
-
サポートされるフォントがJavaフォントのみであるため、アプリケーションで使用されているフォント・タイプのチェックが必要です。必要に応じてJavaフォントに切り替えてください。Javaでは、Registry.datファイルにあるフォント・エイリアス・リストが使用されます。次の表に示されているフォント・エイリアスがサポートされます。
https://docs.oracle.com/javase/tutorial/2d/text/fonts.htmlを参照してください
表15-1 Webベースのアプリケーションでサポートされるフォント
Javaフォント Windowsフォント XWindowsフォント Macintoshフォント Courier
Courier New
adobe-courier
Courier
ダイアログ
MS San Serif
b&h-lucida
Geneva
DialogInput
MS San Serif
b&h-lucidatypewriter
Geneva
Helvetica
Arial
adobe-helvetica
Helvetica
Times Roman
Times New Roman
adobe-times
Times Roman
-
次のビルトインおよびパッケージは、アプリケーション・サーバーでのみ実行され、クライアント・ブラウザでは実行されません。
-
TEXT_IO
-
HOST
-
ORA_FFI
-
GET_FILE_NAME*
-
READ_IMAGE_FILE
-
WRITE_IMAGE_FILE
-
ノート:
GET_FILE_NAMEビルトインを使用するモジュールは正常にコンパイルおよび生成されますが、このビルトインへのコールでは何も実行されません(NULLが返されます)。これらのビルトインおよびパッケージの機能がクライアントに必要な場合は、WebUtilを使用してください。Formsのクライアント/サーバー・ベース・アーキテクチャにインストールされたコンポーネントの場所
Formsのクライアント/サーバー・ベース・アーキテクチャの各コンポーネントの場所を学習します。
クライアント/サーバーベースの実装では、Forms Serverランタイム・エンジンとすべてのアプリケーション・ロジックがユーザーのデスクトップ・マシンにインストールされます。ユーザー・インタフェースとトリガーの処理は、一部のアプリケーションに含まれるデータベースサーバー側のトリガーとロジックを除いて、すべてそのクライアントで発生します。
クライアント/サーバー・ベース・アーキテクチャでは、次の図15-1に示されているように、各コンポーネントのインストール場所を参照します。
FormsのWebベース・アーキテクチャのアプリケーション・サーバーおよびクライアント・マシンの概要
Webベースの実装では、FormsServicesランタイム・エンジンとすべてのアプリケーション・ロジックが、クライアント・マシンではなく、アプリケーション・サーバーにインストールされます。
トリガー処理はいずれもデータベース・サーバーとアプリケーション・サーバーで発生しますが、ユーザー・インタフェース処理はユーザーのシステム上にあるFormsクライアントで発生します。
次の図15-2に、Oracle Forms Webベース・アーキテクチャのアプリケーション・サーバーおよびクライアント・マシンの概要を示します。