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Oracle VM Serverユーザーズ・ガイド
リリース2.2
B57076-01
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10 ホストおよびOracle VM以外の仮想マシンの変換

この章では、LinuxまたはWindowsが稼働している既存の物理コンピュータからハードウェア仮想化ゲスト・イメージを作成する方法、およびOracle VM以外の仮想マシンをOracle VMゲスト・イメージに変換する方法について説明します。 この章の構成は次のとおりです。

ゲスト・イメージは、Oracle VM Managerにインポートして管理できます。 Oracle VM Managerにゲスト・イメージをインポートして管理する方法の詳細は、『Oracle VM Managerユーザーズ・ガイド』を参照してください。

10.1 LinuxホストまたはWindowsホストの変換

物理マシンから仮想マシンへの変換(P2V)ユーティリティを使用すると、LinuxまたはWindowsのコンピュータをOracle VMハードウェア仮想化ゲスト・イメージに変換できます。 P2Vユーティリティは、Oracle VM ServerのCDに含まれています。 オペレーティング・システムは、Oracle VMがサポートされているゲスト・オペレーティング・システムのいずれかである必要があります。 サポートされているゲスト・オペレーティング・システムのリストについては、『Oracle VM Serverリリース・ノート』を参照してください。 ホスト・コンピュータには、PAE(物理アドレス拡張)をサポートするCPUも必要です。

P2V変換プロセスによって、仮想マシン構成ファイル(vm.cfg)が作成され、仮想マシン・ハードウェアのサイズ設定に関する修正が可能になります。その後、物理イメージがレプリケートされ、Oracle VM Managerによってネットワークを介してサーバー・プールのリポジトリに転送されます。 物理コンピュータ上のイメージに変更が加えられることはありません。

P2Vユーティリティは、コンピュータ上のディスクを仮想ディスク・イメージに変換します。 最初の4つの仮想ディスク・イメージは、元のディスク名を使用して、ゲスト上にIDEディスク(hda、hdb、hdcおよびhdd)として作成されます。 最大で7つの追加ディスク(sda、sdb、sdcなど)がSCSIデバイスとして作成されます。 vm.cfgファイルのディスク・エントリは、次のようになります。

disk = ['file:System-sda.img,hda,w',
'file:System-sdb.img,hdb,w',
'file:System-sdc.img,hdc,w',
'file:System-sdd.img,hdd,w',
'file:System-sde.img,sda,w',
'file:System-sdf.img,sdb,w',
'file:System-sdg.img,sdc,w',
'file:System-sdh.img,sdd,w',
'file:System-sdi.img,sde,w',
'file:System-sdj.img,sdf,w',
'file:System-sdk.img,sdg,w',
]

P2Vユーティリティで作成したハードウェア仮想化ゲストには、専用のネットワーク構成を使用する必要があります。 元のコンピュータと同じネットワーク構成を使用すると、そのネットワーク上で2つのコンピュータが同じIPアドレスおよびMACアドレスを使用するため、ネットワークがクラッシュすることがあります。 ゲストの起動時に、Kudzuによってネットワーク・デバイスが検出されて、新しいネットワーク・デバイスが構成されることを確認してください。

P2Vユーティリティは、対話形式で実行するか、kickstart構成ファイルを使用して自動化プロセスとして実行することができます。 kickstartファイルを使用してP2Vユーティリティを実行すると、ユーザーが介入する必要はありません。

10.1.1 対話形式でのP2Vユーティリティの使用

P2Vユーティリティを対話形式で使用すると、すべての必要な情報を要求するプロンプトが表示されます。 P2Vユーティリティを対話形式で使用してOracle VMゲスト・イメージを作成するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle VM ServerのCD-ROMをCD-ROMドライブに挿入します。

  2. Oracle VM ServerのCD-ROMが挿入されているコンピュータを起動します。

  3. 「Oracle VM Server」画面が表示されます。

    図10-1 Oracle VM Serverのインストール画面

    図10-1の説明が続きます。
    「図10-1 Oracle VM Serverのインストールの画面」の説明

    boot:プロンプトで、次を入力します。

    linux p2v
    

    [Enter]を押します。

  4. 「CDが見つかりました」画面が表示されます。

    図10-2 「CDが見つかりました」画面

    図10-2の説明が続く
    「図10-2「CDが見つかりました」画面」の説明

    CD-ROMにエラーがないことを確認するには、インストーラを使用してエラー・テストを実行します。 CD-ROMをテストするには、「OK」を選択し、[Enter]を押します。 CD-ROMがテストされ、エラーが通知されます。

    メディア・テストをスキップしてインストールを続行するには、「スキップ」を選択し、[Enter]を押します。

  5. 「P2Vネットワーク構成」画面が表示されます。

    図10-3 「P2Vネットワーク構成」画面

    図10-3の説明が続きます。
    「図10-3「P2Vネットワーク構成」画面」の説明

    表示されたリストからEthernetドライバを選択します。

    コンピュータでDHCPを使用してIPアドレスを割り当てる場合は、「DHCPを介して自動的に取得」を選択します。

    コンピュータで静的IPアドレスを使用する場合は、「手動で構成」を選択して、IPアドレス、ネットマスク、ゲートウェイ、ドメインおよびネームサーバーを入力します。

    「OK」を選択し、[Enter]を押します。

  6. ディスクの選択画面が表示されます。

    図10-4 「ディスクの選択」画面

    図10-4の説明が続きます。
    「図10-4「ディスクの選択」画面」の説明

    コンピュータ上で、ゲスト・イメージに含めるディスク・パーティションを選択します。 「OK」を選択し、[Enter]を押します。

  7. 「VMのその他のパラメータ」画面が表示されます。

    図10-5 「VMのその他のパラメータ」画面

    図10-5の説明が続きます。
    「図10-5「VMのその他のパラメータ」画面」の説明

    ゲスト・イメージについて、次の情報を入力します。

    • VM(ゲスト)名

    • VM(ゲスト)メモリー

    • 仮想CPUの数

    • コンソールのパスワード

    「OK」を選択し、[Enter]を押します。

  8. セキュアなWebサーバー(HTTPS)が起動されます。 コンピュータのIPアドレス、およびWebサーバーを使用できるポート番号が表示されます。

    図10-6 「Webサーバー」画面

    図10-6の説明が続きます。
    「図10-6「Webサーバー」画面」の説明

    Oracle VM Managerにログインし、P2V機能を使用してゲストをインポートします。 P2Vゲスト・イメージのインポートの詳細は、『Oracle VM Managerユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  9. ゲスト・イメージが作成されて、サーバー・プールのリポジトリに転送されます。 [Control] + [C]を入力すると、いつでも転送を取り消せます。 ファイルの転送が完了すると、Oracle VM Managerでは、インポートされたゲスト・テンプレートのステータスが「保留中」に設定されます。

    [Control] + [Alt] + [Delete]を押して、P2Vユーティリティを終了します。 Oracle VM ServerのCD-ROMをCD-ROMドライブから取り出します。 コンピュータを再起動します。

ゲスト・イメージが作成されて、ハードウェア仮想化ゲスト・テンプレートとしてサーバー・プールのリポジトリに転送されます。

10.1.2 kickstartファイルによるP2Vユーティリティの使用

kickstartファイルを使用すると、P2Vユーティリティによる物理コンピュータのゲスト・イメージの作成を自動化できます。 kickstartファイルを使用してP2Vユーティリティを実行すると、ユーザーが介入する必要はありません。 kickstartファイルにパラメータが不足している場合は、入力を求めるプロンプトが表示されます。

P2V kickstartファイルを使用するには、P2Vの構成オプションおよびパラメータを使用してファイルを作成し、そのファイルをkickstartサーバーに配置する必要があります。 kickstartサーバーを使用可能にするには、NFS、FTPまたはHTTPを使用します。 kickstartサーバーの設定方法は、標準のOracle Enterprise LinuxまたはRed Hat kickstartサーバーと同じです。

次に示すP2V kickstartファイルの例では、このファイルが起動されると、DHCPを使用してIPアドレスを取得したネットワーク・デバイスeth0を介して、ゲスト・イメージがOracle VM Managerのインスタンスに送信されます。

p2v
cdrom
lang en_US.UTF-8
keyboard us
target --ovmmanager
network --device eth0 --bootproto dhcp
diskimage --device /dev/sda --type IDE
vm_options --name myGuest --mem 1024 --vcpus 1 --consolepasswd mypassword

P2V kickstartファイル・オプションおよびパラメータの詳細は、付録A「コマンドライン・ツール」「P2V」の項を参照してください。

kickstartファイルを使用したP2Vユーティリティの実行によってコンピュータのOracle VMゲスト・イメージを作成するには、次の手順を実行します。

  1. P2V kickstartファイルを作成し、kickstartサーバーにコピーします。

  2. Oracle VM ServerのCD-ROMをCD-ROMドライブに挿入します。

  3. Oracle VM ServerのCD-ROMが挿入されたコンピュータを起動します。

  4. 「Oracle VM Server」画面が表示されます。 boot:プロンプトで、linux p2vと入力し、kickstartファイルのプロトコルおよび場所を入力します。 たとえば、http://example.comというHTTPサーバーでkickstartファイルks.cfgを使用するには、次を入力します。

    linux p2v ks=http://example.com/mypath/ks.cfg
    

    [Enter]を押します。

  5. kickstartファイルにパラメータが不足している場合は、入力を求めるプロンプトが表示されます。

  6. kickstartファイルに、ゲスト・イメージをOracle VM Managerにインポートするディレクティブが含まれている場合は、セキュアなWebサーバー(HTTPS)が起動されます。 画面にコンピュータのIPアドレス、およびWebサーバーを使用できるポート番号が表示されます。 Oracle VM Managerにログインし、P2V機能を使用してゲストをインポートします。 P2Vゲスト・イメージのインポートの詳細は、『Oracle VM Managerユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  7. Oracle VM ServerのCD-ROMをCD-ROMドライブから取り出します。 コンピュータを再起動します。

ゲスト・イメージが作成されて、ハードウェア仮想化ゲスト・テンプレートとしてサーバー・プールのリポジトリに転送されます。

10.2 Oracle VM以外の仮想マシンの変換

Oracle VM ManagerにVMWare仮想マシンをインポートすると、Oracle VM ManagerによってVMWare仮想マシンがOracle VMゲスト・イメージに自動的に変換されます。 仮想マシンは、VHD(仮想ハード・ディスク)形式でインポートすることもできます。 Oracle VM以外のゲスト仮想マシンのインポートの詳細は、『Oracle VM Managerユーザーズ・ガイド』を参照してください。