1 Oracle GoldenGate Veridataの概要
Oracle GoldenGate Veridataでは、データ・セットを相互に比較して非同期のデータを識別し、そのデータを修復できます。
この章の内容は次のとおりです。
1.1 Oracle GoldenGate Veridataのアーキテクチャ
Oracle GoldenGate Veridataは、あるデータのセットと別のデータのセットを比較して、同期していないデータを特定し、非同期のデータを修復できるようにします。Oracle GoldenGate Veridataは、大規模でデータ・セットを比較するためのダウンタイムが許容されない常時稼働の異種レプリケーション環境をサポートしています。比較を実行中にレプリケートされるデータを把握することで、Oracle GoldenGate Veridataはデータ・トランザクションおよびレプリケーションと同時に実行でき、さらに正確な比較レポートを生成できます。
Oracle GoldenGate Veridataは、異なるタイプのデータベース間で自動的に列データ型をマップします。Oracle GoldenGate VeridataWebユーザー・インタフェースのこの機能の詳細は、オンライン・ヘルプを参照してください。あるいは、異機種間の環境で自動マッピングが異なる形式に対応していない場合は、手動で列をマップできます。XMLファイルを手動でアップロードするには、veridata_import
ユーティリティを使用します。詳細は、「Veridataインポート・ユーティリティとエクスポート・ユーティリティの使用方法」を参照してください。
Oracle GoldenGate Veridata Server
Oracle GoldenGate Veridataサーバーは、次の機能を実行します。
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Oracle GoldenGate Veridataタスクの実行の調整
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行のソート
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データの比較
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非同期データの確認
-
確認用レポートの生成
Oracle GoldenGate Veridata Webユーザー・インタフェース
Oracle GoldenGate Veridata Webユーザー・インタフェースは、次のアクティビティに対するブラウザベースのグラフィカル・ユーザー・インタフェースです。
-
比較オブジェクトおよびルールの構成
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比較の開始
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比較のステータスおよび出力の確認
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非同期データの修復
-
非同期データの確認
Oracle GoldenGate Veridataリポジトリ
Oracle GoldenGate Veridataリポジトリは、構成情報をディスクに保持し、ユーザー環境として永久的に保存するデータベース・オブジェクトの集まりです。
ノート:
非同期データは、リポジトリには格納されません。このデータは、サーバーのファイル・システムに格納されます。
Oracle GoldenGate Veridataエージェント
Oracle GoldenGate Veridataエージェント(エージェント)は、Oracle GoldenGate Veridataサーバーにかわって次のデータベース関連リクエストを実行します。
-
初回比較のハッシュ行
-
行をフェッチおよび更新して、非同期データを修復します。
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非同期行の列レベル詳細の戻し
Oracle GoldenGate Veridata Manager
Oracle GoldenGate Veridataマネージャは、NonStopプラットフォームに必要なCコード・エージェントの一部です。これは、エージェント・プロセスを制御します。
Managerは、Oracle GoldenGate Veridataによってサポートされている他のデータベースで使用されるJavaエージェントでは使用されません。
Oracle GoldenGate Veridataコマンドライン・ユーティリティ
Oracle GoldenGate Veridataには、次のコマンドライン・ユーティリティが含まれています。
表1-1 コマンドライン・ユーティリティ
名前 | 説明 |
---|---|
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自動化されたプログラムを使用して、比較を実行できるようにします。「アイデンティティの管理とデータの比較」を参照してください。 |
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XMLファイルの比較オブジェクトおよびルールをマップし、リポジトリにインポートします。Veridataインポート・ユーティリティとエクスポート・ユーティリティの使用方法を参照してください。 |
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リポジトリの比較オブジェクトおよびルールをマップし、XMLファイルにエクスポートします。Veridataインポート・ユーティリティとエクスポート・ユーティリティの使用方法を参照してください。 |
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Oracle GoldenGateのパラメータ・ファイルを使用するのに役立ちます。Oracle GoldenGate Veridataの概要を参照してください。 |
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暗号化されたレポート・ファイルおよび非同期データの表示をサポートします。 |
1.2 Oracle GoldenGate Veridataのシングル・サインオンの構成
Oracle GoldenGate Veridata 12c (12.2.1)では、認証のシングル・サインオン(SSO)をサポートしています。SSOを構成するとき、サーバーのSSOプロパティを設定し、SSOセッションのサインアウトURLを構成します。
Oracle GoldenGate Veridataサーバー用にSSOを構成するには:
configureVeridata
スクリプトを実行します:DOMAIN_HOME/veridata/bin/configureVeridata.sh -pUweb.singleSignOutUrl=Single sign out URL
。
ドメインですでにSSOを使用していない場合は、SSOログアウト構成を削除します: DOMAIN_HOME/veridata/bin/configureVeridata.sh -pUweb.singleSignOutUrl=default
。
パラメータの使用方法は、veridata.cfg
ファイルに説明されています。
# (web.singleSignOutUrl) as # web.singleSignOutUrl - Specify the Single Sign Out URL here: # Formats: /oamsso/logout.html?end_url=/veridata # http://myoamserverhost:port/oam/server/logout?end_url=http://my.veridata.site.com:veridata-port/veridata # http://myoamserverhost:port/oamsso/logout.html?end_url==http://my.veridata.site.com:veridata-port/veridata # This URL must conform to the grammar in RFC 2396, except the few deviations mentioned in the java documentation for construction of a URI by parsing the given string. web.singleSignOutUrl default
1.3 Oracle GoldenGate Veridataを使用したデータの比較
この項では、比較対象のオブジェクトの構成方法およびOracle GoldenGate Veridataプロセスによる比較方法について説明します。
1.3.1 Oracle GoldenGate Veridata比較オブジェクト
Oracle GoldenGate Veridataの使用を開始するには、作業を管理し、比較するデータを識別する際に役立つ次のオブジェクトを作成します。
-
データソース接続
-
グループ
-
比較ペア
-
プロファイル
-
ジョブ
比較用に行を順序付けるために、Oracle GoldenGate Veridataは一意の識別子(主キー、一意キー、ユーザー定義キー)を利用します。
1.3.1.1 サポートされているデータ型 - Oracle
Oracle GoldenGate Veridataでは、Oracleデータベースの次にリストされたデータ型がサポートされています。
- CHAR
- NCHAR
- VARCHAR2
- VARCHAR
- NVARCHAR2
- NUMBER
- DATE
- BLOB
- CLOB
- NCLOB
- LONG
- RAW
- LONG RAW
- ROWID
- BINARY_FLOAT
- BINARY_DOUBLE
- DATE
- TIMESTAMP
- TIMESTAMP WITH TIMEZONE
- TIMESTAMPWITHLOCALTIMEZONE
- UROWID
- XML
- INTERVAL YEAR [(year_precision)] TO MONTH
- INTERVAL DAY [(day_precision)] TO SECOND [(fractional_seconds_precision)]
- FLOAT
- UDT
制限事項および説明:
オブジェクト型とコレクション型の両方のUDTがサポートされています
1.3.1.2 サポートされているデータ型 - SQL Server
Oracle GoldenGate Veridataでは、SQL Serverデータベースの次にリストされたデータ型がサポートされています。
- BIGINT
- BIT
- INT
- SMALLINT
- TINYINT
- DECIMAL
- MONEY
- SMALLMONEY
- NUMERIC
- FLOAT
- REAL
- CHAR
- NCHAR
- VARCHAR
- NVARCHAR
- TEXT
- NTEXT
- BINARY
- VARBINARY
- IMAGE
- DATE
- DATETIME
- DATETIME2
- SMALLDATETIME
- DATTIMEOFFSET
- TIME
- GEOGRAPHY
- GEOMETRY
- UNIQUEIDENTIFIER
- XML
SQL Serverデータ型からOracleデータ型への変換の詳細は、Database Gateway for SQL Serverユーザー・ガイドのデータ型変換を参照してください。
1.3.1.3 サポートされているデータ型 - PostgreSQL
Oracle GoldenGate Veridataは、リストされているPostgreSQLのデータ型をサポートしています。
- Bit(n)
- Bit Varying(n)
- Boolean
- Char
- citext
- Varchar(n)
- Time with/without timezone
- Date
- Interval
- Bigint
- Serial
- Smallserial
- Bigserial
- Numeric
- Decimal
- Money
- Real
- Double precision
- cidr
- inet
- macaddr
- macaddr8
- uuid
- text
- bytea (binary)
- xml
- smallint
- integer
- json
- jsonb
サポートされていないPostgreSQLデータ型
- arrays
- box
- circle
- composite型
- line
- lseq
- object識別子
- OID
- pg_lsn
- pseduo型
- Point
- path
- polygon
- range型
- tsvector
- tsquery
- enum
- domain
サポートの制限
- Bit(n)/Bit Varying(n):
- 異種: ソース側として、Bit(n)/Bit Varying(n)はPostgreSQL以外のターゲット・データベースのcharacter型にしかマップできません。これは、ソース・データの先頭の"0"が修復中にターゲット・データベースで切り捨てられるためです(たとえば、ターゲットはnumber型)。
- 同種: なし。
- ネットワーク・データ型(inet、cidr、uuid):
- 異種: ソース側のchar/nchar/varcharなどのstringデータ型と、PostgreSQLターゲット側のinet/cidr/uuidなどのネットワーク・データ型は、すべて、ハッシュ列としかみなされません。
- 同種: なし。
- MAC/MAC8データ型:
- 異種: ソース側のchar/nchar/varcharなどのstringデータ型と、PostgreSQLターゲット側のmac/mac8などのデータ型はすべて、修復操作中は成功しますが、許容される形式が複数あっても常に1つの形式
xx:xx:xx:xx:xx:xx
(xxx:xxx:xxx:xxx or xx-xx-xx-xx-xx-xx
)で保存されます。したがって、ソース側とは異なる形式がある場合は、修復後に必ずOOSが示されます。 - 同種: なし。
- 異種: ソース側のchar/nchar/varcharなどのstringデータ型と、PostgreSQLターゲット側のmac/mac8などのデータ型はすべて、修復操作中は成功しますが、許容される形式が複数あっても常に1つの形式
- JSONBデータ型:
- 異種: ソース側のchar/nchar/varcharなどと、PostgreSQLターゲット側のjsonbなどのstringデータ型はすべて、jsonキー/値の順序を修復した後、元の順序で格納されません。したがって、次の比較ペア実行ではOOSになります。
- 同種: なし。
- Timestamp with timezone:
- 異種: PostgreSQLはタイムゾーン値をデータベースに保存していません。タイムゾーン値を持つタイムスタンプを挿入するときは常に、PostgreSQLはタイムスタンプをUTCに変換して挿入します。取得中、実際のタイムゾーンは不明です。これをoracleやsqlserverのように、完全なタイムスタンプをタイムゾーンとともに保存するDBと比較すると、常にOOSという結果になります。
- Time/Time with Timezone:
- 同種: PostgreSQL- PostgreSQL Time/Time with Timezoneデータ型の比較と修復は、time列が主キーである場合に矛盾が発生します。一部の行が比較と修復用に選択できない場合があります。
- Real:
- 異種: Oracle GoldenGate for Veridataは、FLOAT (Oracle)とREAL (PostgreSQL)の比較ペアをサポートできません。データベース内でのデータ型の内部表現が原因で、修復後に常にOOSになるデータがあります。代替ペアは、binary float (Oracle)とreal (PostgreSQL)およびfloat (Oracle)とnumeric (PostgreSQL)です。
- Realは、値を正確な数値としてデータベースに保存しませんたとえば、0.8は0.800000011920929として格納されます。比較すると、常に追加の値が示されますが、修復機能には影響しません。
- Interval:
- 異種: 修復中に、Veridataが00を列に挿入/更新する場合があります。
Oracle GoldenGate Veridataは、現在CAST (?AS INTERVAL)を挿入および更新問合せの一部として使用しています。このキャストのデフォルトはINTERVAL SECONDです。したがって、'05'、'57'または'98'のような値をキャストとして使用すると、次のような値になります。
- 5 --> 00:00:05
- 57 --> 00:00:57
- 98 --> 00:01:38
- 異種: 修復中に、Veridataが00を列に挿入/更新する場合があります。
- citext
Oracle GoldenGate Veridataは、citextデータ型をキー列として使用することをサポートしていません
1.3.1.4 サポートされているデータ型 - MySQL、MariaDB
Oracle GoldenGate Veridataは、MySQLデータベース、MariaDBデータベースのリストにある次のデータ型をサポートしています:
- BIGINT
- BINARY
- BIT
- BLOB
- CHAR
- DATE
- DATETIME
- DECIMAL
- DOUBLE
- ENUM
- FLOAT
- INT
- INTEGER
- LONGBLOB
- LONGTEXT
- MEDIUMBLOB
- MEDIUMINT
- NUMERIC
- REAL
- SET
- SMALLINT
- TEXT
- TIME
- TIMESTAMP
- TINYBLOB
- TINYINT
- TINYTEXT
- VARCHAR
- VARBINARY
- YEAR
- 無効な値または欠落値が検出されたときにOracle GoldenGate Veridataの修復でエラーが正しくスローされるようにするには、ユーザーはSQLモードをstrictに設定する必要があります。これは、MySQLの起動時にグローバル・レベルで設定するか、agent.propertiesの接続文字列を介してセッション・レベルで設定できます(たとえば:
database.url=jdbc:mysql://host:3306?sessionVariables=sql_mode=(select concat(@@SESSION.sql_mode,',STRICT_TRANS_TABLES'))
) REAL
を主キーとして使用していて、MySQLクライアントおよびVeridataが特定の行を取得できない場合があると(WHERE `PKCOL` = '-99.9999'
など)、Oracle GoldenGate Veridataは比較および修復中にこれらの行をスキップします。- 非標準の
FLOAT(M,D)
およびDOUBLE(M,D)
を使用する場合、DDLの(M,D)
は格納されている実際の精度およびスケールと一致する必要があり、ソースとターゲットの両方がMySQLである必要があります。
1.3.1.5 サポートされているデータ型 - Teradata
Oracle GoldenGate Veridataでは、Teradataデータベースの次にリストされたデータ型がサポートされています。
- ARRAY
- BIGINT
- BLOB
- BYTE
- BYTEINT
- CHAR
- CLOB
- DATE
- DECIMAL
- DISTINCT
- FLOAT
- GRAPHIC
- INTEGER
- INTERVAL DAY
- INTERVAL DAY TO HOUR
- INTERVAL DAY TO MINUTE
- INTERVALDAYTOSECOND
- INTERVAL HOUR
- INTERVAL HOUR TO MINUTE
- INTERVAL HOUR TO SECOND
- INTERVAL MINUTE
- INTERVAL MINUTE TO SECOND
- INTERVAL MONTH
- INTERVAL SECOND
- INTERVAL YEAR
- INTERVALYEARTOMONTH
- LONG VARCHAR
- LONG VARGRAPHIC
- NUMBER
- SMALLINT
- STRUCT
- TIME
- TIMEWITHTIMEZONE
- TIMESTAMP
- TIMESTAMPWITHTIMEZONE
- VARBYTE
- VARCHAR
- VARGRAPHIC
1.3.1.6 サポートされているデータ型 - DB2 LUW
Oracle GoldenGate Veridataでは、DB2 LUWデータベースの次にリストされたデータ型がサポートされています。
- BIGINT
- BLOB
- CHAR
- CHAR FOR BIT DATA
- CLOB
- DATE
- DBCLOB
- DECFLOAT
- DECIMAL
- DOUBLE
- FLOAT
- GRAPHIC
- INTEGER
- LONG VARCHAR
- LONG VARCHAR FOR BIT DATA
- LONG VARGRAPHIC
- NUMERIC
- REAL
- SMALLINT
- TIME
- TIMESTAMP
- VARCHAR
- VARCHAR FOR BIT DATA
- VARGRAPHIC
- XML
1.3.1.7 サポートされているデータ型 - DB2 for i
Oracle GoldenGate Veridataでは、DB2 for iの次にリストされたデータ型がサポートされています。
- BIGINT
- BLOB
- CHAR
- CHAR FOR BIT DATA
- CLOB
- DATE
- DBCLOB
- DECFLOAT
- DECIMAL
- DOUBLE
- FLOAT
- GRAPHIC
- INTEGER
- LONG VARCHAR
- LONG VARCHAR FOR BIT DATA
- LONG VARGRAPHIC
- NUMERIC
- REAL
- ROWID
- SMALLINT
- TIME
- TIMESTAMP
- VARCHAR
- VARCHAR FOR BIT DATA
- VARGRAPHIC
- XML
- wldb2 JDBCドライバのREAL値の小数部分は、常に16桁の精度で格納されます。たとえば、0.8は
0.800000011920929
に変換され、小数値が存在する場合、比較は常に失敗します。
1.3.1.8 サポートされているデータ型 - DB2 z/OS
Oracle GoldenGate Veridataでは、DB2 z/OSデータベースの次にリストされたデータ型がサポートされています。
- BIGINT
- BINARY
- BLOB
- CHAR
- CHAR FOR BIT DATA
- CLOB
- DATE
- DBCLOB
- DECFLOAT
- DECIMAL
- DOUBLE
- FLOAT
- GRAPHIC
- INTEGER
- LONG VARCHAR
- LONG VARCHAR FOR BIT DATA
- LONG VARGRAPHIC
- NUMERIC
- REAL
- ROWID
- SMALLINT
- TIME
- TIMESTAMP
- TIMESTAMPWITHTIMEZONE
- VARBINARY
- VARCHAR
- VARCHAR FOR BIT DATA
- VARGRAPHIC
- XML
1.3.1.9 サポートされているデータ型 - Sybase
Oracle GoldenGate Veridataでは、Sybaseデータベースの次にリストされたデータ型がサポートされています。
- bigdatetime
- bigint
- bigtime
- binary
- bit
- char
- date
- datetime
- decimal
- float
- image
- 整数
- money
- numeric
- real
- smalldatetime
- smallint
- smallmoney
- sysname
- text
- time
- timestamp
- tinyint
- unichar
- unitext
- univarchar
- unsigned bigint
- unsigned int
- unsigned smallint
- varbinary
- varchar
1.3.1.10 サポートされているデータ型 - Informix
Oracle GoldenGate Veridataでは、Informixデータベースの次にリストされたデータ型がサポートされています。
- bigint
- bigserial
- blob
- ブール
- byte
- char
- clob
- date
- datetime hour to second
- datetime year to day
- datetime year to fraction(5)
- datetime year to second
- decimal
- float
- html
- int8
- integer
- interval
- lvarchar
- money
- nchar
- nvarchar
- serial
- serial8
- smallfloat
- smallint
- text
- varchar
1.3.2 一意性要件
Oracle GoldenGate Veridataは、一意な識別子を使用して比較用に行を順序付けます。
-
主キー: デフォルトでは、主キーが使用可能な場合、Oracle GoldenGate Veridataは主キーを使用します。
-
一意キー: 主キーが定義されていない場合、Oracle GoldenGate Veridataは最小の一意索引を使用します。
-
ユーザー定義キー: 表に主キーまたは一意キーがない場合は、比較のためにすべての列がマップされます。その後、比較ペアを定義するときに、比較のために既存の索引または列セットを定義できます。ただし、主キーまたは一意キーは自動的にマップされますが、ユーザー定義キーは手動でマップする必要があります。別の順序付け方法を使用する場合は、ユーザー定義のキーを使用して、既存のキーまたは索引を上書きすることもできます。
1.3.3 Oracle GoldenGate Veridataによるデータの比較方法
比較アクティビティは、初回比較ステップと確認ステップで構成されます。段階ごとの観点を変更するには、Oracle GoldenGate VeridataWebユーザー・インタフェースでパラメータを変更します。
1.3.3.1 初回比較ステップ
初回比較(または行ハッシュ)ステップで、行は問合せによってソース表およびターゲット表から取得されます。ソース・データベースとターゲット・データベースの型が異なる場合、列は正確に比較するために標準データ型形式に変換されます。デフォルトでは、Oracle GoldenGate Veridataは主キーのすべての列を逐語的(値対値)に比較し、すべての非キー列についてはハッシュ値を使用して行を比較します。ハッシュ値の計算に使用する一意のデジタル署名によって、比較用にネットワーク上で転送されるデータを縮小します。2つの行に含まれる列値が同じか異なるかを決定するために、署名は依然として信頼が高く(絶対的ではない)効率的なメカニズムです。
同期していない行を間違いなく検出するために、非キー行を列ごとに比較するようOracle GoldenGate Veridataを構成できます。全列比較は列数に比例して処理パフォーマンスが下がり、ネットワーク使用量は増えます。
サポート対象のすべてのデータベースについて、サーバー側ソートを使用する場合、デルタ処理機能を使用できます。この処理のために、Oracle GoldenGate Veridataは前の比較以降に変更されたデータ・ブロックを検出し、そのブロックの行のみを比較します。変更されていないブロックの行はスキップされます。デフォルトでは、すべての行が比較されます。
デルタ処理は、2つのステップで構成されます。
-
後続デルタ比較の前回実行の基準変更時間の収集。比較ペアのデルタ処理を有効化すると、常にこのステップが含まれています。
-
最初のステップで収集された情報を使用した基準比較以降変更されたデータの比較。このステップを有効にするには、Oracle GoldenGate VeridataWebユーザー・インタフェースで、「比較ペア構成」ページと実行/ジョブの実行ページで「デルタ処理の有効化」をクリックします。表の再編成などの変更によって、収集したデルタ・ベースの情報を無効が無効になる場合、デルタ比較を無効にします。
初回比較後、同期していないとみなされた行はメモリー内のmaybe out-of-sync (MOOS)キューに格納されます。これは、比較結果が出ていないためです。レプリケーションが比較と同時に稼働している場合、特にレプリケーション・レイテンシがあると、行は同期しない可能性があります。ただし、現在のデータは途上(レプリケーション・フローのどこか)にあり、レプリケーションによってそれらが再同期化されます。
1.3.3.2 確認ステップ
確認または非同期確認(COOS)ステップは、変わりつつある環境内の行ステータスを確認して正確な結果が得られるようにします。このステップでは、MOOSキューから抽出された行を使用したソースまたはターゲット・データベースでの問合せを前提とします。ステータスは次のいずれかとして評価されます。
-
処理中: 行は初回比較ステップでは非同期でしたが、その後更新されました。レプリケーションまたは別のメカニズムが変更を適用したが、Oracle GoldenGate Veridataは行が同期していたことを確認できなかったとみなされます。
-
同期: ソース行の値はレプリケーションまたは別の方法でターゲット行に適用されました。基礎となる表が継続して変更されている場合、同期ステータスは常に行が同期されていることを保証しませんが、レプリケーションが進行中であることを示しています。
-
永続的非同期: 行は初回比較を実施以降更新されておらず、非同期と考えられます。
デフォルトでは、確認処理は初回比較ステップと並行するスレッドで行われますが、各行の確認は指定したレプリケーション・レイテンシのしきい値を過ぎるまで待機します。たとえば、レイテンシが60秒で、初回比較ステップで9:30に非同期行であることが公開された場合、その行の確認ステップは処理中であった変更を適用できるように9:31まで実行されません。レイテンシの計算が済んだら行は永続的非同期として確認でき、1つ以上の非同期レポートに格納されます。
1.4 比較結果の表示
ジョブが完了すると、Oracle GoldenGate Veridata Webユーザー・インタフェースを使用するか、ファイル自体を表示して、非同期レポートと比較結果を表示できます。
レポートの暗号化がサーバーで有効化されている場合は、reportutilツールを使用してレポート・ファイルを表示できます。レポート・ファイルの暗号化を参照してください。Oracle GoldenGate Veridata Webユーザー・インタフェースでは、ファイルを表示する前に自動的に復号化します。
-
OOSファイル: バイナリ形式で格納すると、OOSレポートには、Oracle GoldenGate Veridata Webユーザー・インタフェースを使用して、行の差異の表示に使用される非同期比較結果が含まれます。また、レポートを使用して、後で非同期の行を再比較することもできます。行を再比較するには、実行オプションを選択して別の確認ステップを実行します。このステップでは、その行だけの現在の状態を比較し、レプリケーション後または別の修復プロシージャの適用後に非同期のままである行が報告されます。
-
OOSXMLファイル: XMLとして格納する場合、OOSレポートはOOSXMLファイルに書き込まれ、内部XMLスキーマに適合するように格納されます。XMLの多くの利点のうち、最も重要なのは、多くのツールで簡単に操作できるという点です。XML形式の場合、ファイルには、メタデータなど、外部プログラムで再同期化する場合に行を選択する必要があるすべての情報が含まれます。
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使用した比較パラメータ
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比較した行数および非同期行数
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比較のタイミング
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パフォーマンス統計
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ソース・データ値およびターゲット・データ値
veridata.cfg
ファイルのserver.veridata_data
プロパティに別のパスを指定することで、デフォルトの場所を変更できます。
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OOSファイル:
VERIDATA_DOMAIN_HOME/veridata/reports/oos
-
OOSXMLファイル:
VERIDATA_DOMAIN_HOME/veridata/reports/oosxml
これらのサブディレクトリは、さらに実行ID、ジョブ名、グループ名および比較ペア別に編成されます。OOSXMLディレクトリでは、.oosxml
ファイルが制御ファイルです。順次ファイル拡張子が付いたファイルはJSONチャンクです。JSONデータは、パフォーマンス上の理由で「チャンク」と呼ばれる複数のファイルにまたがっています。比較レポートを暗号化できます。詳細は、「レポート・ファイルの暗号化」を参照してください。