7 Oracle GoldenGate Veridataサーバー構成パラメータ

サーバー側のソートを使用する場合のソート・メモリー構成の様々な点を調整するパラメータについて学習します。

この章の内容は次のとおりです。

7.1 サーバー・メモリーの概要

ソート・プロセスで使用できるメモリーの量は、次より大きくできません。

  • メモリー・マップ・ファイルのサイズ(veridata.cfgファイルでserver.mapped_sort_buffersパラメータをtrueに設定してメモリー・マップ・ファイルをソートに使用する場合)
  • java -Xmxメモリー設定(veridata.cfgファイルでserver.mapped_sort_buffersパラメータをfalseに設定してjavaヒープをソートに使用する場合)

7.2 メモリー使用量の見積り

Oracle GoldenGate Veridataで使用可能なメモリーの最大量は、Javaブート・オプション-Xmxで指定されます。サーバー側のソートを使用する場合、このメモリーの大部分が比較時のソート用に確保されます。

veridata.cfgファイルのサーバー・パラメータのserver.max_sort_memoryは、ソートの最大メモリー使用量を計算するために使用されます。したがって、構成されたJava -Xmx値がソート・メモリー使用量より大きいことを確認してください。

7.3 パラメータの設定方法

パラメータを設定するには、veridata.cfgファイルにあるエンティティを編集します。このファイルは、Oracle GoldenGate Veridataサーバーのインストール・ディレクトリ内のDOMAIN_HOME/config/veridataディレクトリに格納されています。

Oracleサービス・リクエストを開いてから、これらのパラメータを変更します。

7.4 パラメータの説明

この項では、veridata.cfgファイルで設定されるパラメータについて説明します。これらのパラメータは、次のカテゴリにグループ化されています。

7.4.1 サーバー・パラメータ

この項では、Oracle GoldenGate Veridataサーバーの構成可能な次のパラメータについて定義します。

7.4.1.1 database.hash

データベースでデータ・ハッシュを実行するかどうかを定義します。データ・フェッチのパフォーマンスを向上させるために使用できます。

サポートされている値

true | false

デフォルト

false

ノート:

このパラメータは、現在Oracleデータベースでのみサポートされています。
7.4.1.2 max_lob_key_len

このパラメータでは、Oracle GoldenGate Veridataでキー列として使用できるLOBデータ型の最大長を設定します。正の整数を使用すると、LOBデータ型をキー列として使用できます。この機能は現在、Postgresのcitextデータ型でのみサポートされています。値をゼロに設定すると、この機能が無効になります。パラメータ値はバイト単位で測定され、1から8000の範囲内である必要があります。表内のデータのサイズが定義された値を超えると、Oracle GoldenGate Veridataは例外をスローし、ジョブは失敗します。

構文

max_lob_key_len = 0

デフォルト値

0
7.4.1.3 server.concurrent.readers

このパラメータでは、サーバー全体のリーダー・スレッドの数を指定します。

構文

server.concurent.readers number

server.concurent.readers number

デフォルト値

デフォルト値は4または使用可能なCPU数の4分の1のどちらか大きい値です。

7.4.1.4 server.concurrent.writers

このパラメータでは、ソート・ディレクトリごとのライター・スレッドの数を指定します。

構文

server.concurent.writers number

server.concurent.writers number

デフォルト値

デフォルト値は4または使用可能なCPU数の4分の1のどちらか大きい値です。

7.4.1.5 server.convert_empty_to_null

server.convert_empty_to_null = falseの場合、Oracle GoldenGate for Veridataは、空(ゼロバイト文字列)とNULL(スペース処理なし)の比較の暗黙的な動作を非同期とは見なしません。

server.convert_empty_to_null = trueの場合、Oracle GoldenGate Veridataは、空(ゼロバイト文字列)とNULL(スペース処理なし)を比較して非同期であるとします。これは比較形式に依存しないので、片側はOracleと、Oracleのchar、varchar、nchar、nvarchar、raw、clob、nclobおよびblobデータ型である必要があり、このパラメータは暗黙的です。

構文

server.convert_empty_to_null = false

デフォルト

true

7.4.1.6 server.mapped_sort_buffers

ソート・バッファをメモリー・マップ・ファイルとして割り当てるか、JVMヒープに割り当てるかを指定します。

構文

server.mapped_sort_buffers [true|false]

server.mapped_sort_buffers true

デフォルト値

デフォルトはtrueです。初期化中にエラーが発生すると、Oracle GoldenGate VeridataではJVMヒープを使用します。

7.4.1.7 server.max_concurrent_comparison_threads

実行可能な最大同時比較数が設定されます。この数を減らしてシステム上のサーバーの影響を減らせます。この上限に達すると、アクティブな比較が完了するまで新たな比較は開始されません。

構文

server.max_concurrent_comparison_threads {default | number}
  • default : 100スレッド

server.max_concurrent_comparison_threads 100

デフォルト値

デフォルト値は4または使用可能なCPU数のどちらか大きい値です。

7.4.1.8 server.max_concurrent_jobs

このパラメータでは、同時に実行可能なジョブの最大数を指定します。

構文

server.max_concurrent_jobs number_of_jobs

server.max_concurrent_jobs 200

デフォルト値

100

7.4.1.9 server.max_sort_memory

サーバー側ソートを使用する実行中のすべての比較に使用できるソート仮想メモリーの最大量が設定されます。このパラメータの値は、server.mapped_sort_buffersの値によって異なります。

構文

server.max_sort_memory {default | number{M | m}}
defaultの説明は次のとおりです。
  • server.mapped_sort_bufferstrueに設定されている場合、デフォルト値は2 GBです。入力する最大サイズは、メモリー・マップ・ファイルの最大サイズです。
  • server.mapped_sort_buffersfalseに設定されている場合、デフォルト値は、JVMの使用可能なヒープ・サイズから200 MBを引いた値となり、これが基本タスクに割り当てられます。入力する最大数は、java -Xmxの値です。

server.max_sort_memory 1000M

デフォルト値

デフォルトのサイズは、使用可能な仮想メモリーに基づいて計算されます。

7.4.1.10 server.memory_mapped_sort_directory

このパラメータは、.mapファイルが生成されるディレクトリ・パスを指定します。デフォルトでは、オペレーティング・システムの一時ディレクトリが使用されます。

構文

server.memory_mapped_sort_directory directorypath

server.memory_mapped_sort_directory directorypath/tmp2
7.4.1.11 server.meta_session_handle_timeout

このパラメータでは、メタセッション・ハンドルのタイムアウトを秒単位で定義します。

構文

server.meta_session_handle_timeout seconds

server.meta_session_handle_timeout 600

デフォルト値

900

7.4.1.12 server.persistence_db_type

このパラメータでは、永続データベース・タイプを定義します。

構文

server.veridata_data database_type

database_typeは、永続データベース・タイプです。オプションは次のとおりです。

  • ORACLE_OCI

  • MS_SQL

デフォルト値

ORACLE_OCI

7.4.1.13 server.veridata_data

Oracle GoldenGate Veridataレポートが含まれるディレクトリ。

構文

server.veridata_data path

pathは、Veridataレポートが格納されるディレクトリの相対または絶対パスです。

ノート:

データ・ディレクトリに相対パスを指定する場合は、スラッシュ(/)またはバックスラッシュ(\)で開始する必要がありません。パスは、Veridataドメイン・ホーム・ディレクトリの相対パスになります。

デフォルト値

veridata/reports

つまり、デフォルトのデータ・ディレクトリはVERIDATA_DOMAIN_HOME/veridata/reportsになります。

7.4.1.14 socket.timeout.mins
これは、非アクティブなソケットのタイムアウト(分)を設定するために使用されます。

デフォルト値

0

7.4.1.15 truncate_spaces_len

truncate_spaces_lenパラメータは、String列またはBinary列の末尾のスペースの長さを制御する場合に使用します。スペース(U+0020)および表意文字スペース(U+3000)が切捨てターゲットです。

接続構成のOracle GoldenGate Veridata UIにある「接続設定」タブの「値の比較時に末尾のスペースを切捨て」パラメータを使用して、切捨て機能を無効にできます。

このパラメータは、パディング文字がターゲット・スペースの1つである場合、列のパディング文字も切り捨てます。

値が0の場合、すべてのスペースが切り捨てられます。たとえば、data = ""です。

値が1の場合、少なくとも1つのスペースが保持されます。たとえば、data = " "です。

デフォルト

1

7.4.2 SSL通信の構成のパラメータ

この項では、Oracle GoldenGate VeridataサーバーとVeridataエージェント間のSSL通信の構成に使用可能なパラメータについて定義します。

7.4.2.1 server.useSsl

このパラメータでは、VeridataサーバーとすべてのVeridataエージェント間の通信にSSLが有効化されているかどうかを指定します。

構文

server.useSsl [true|false]

server.useSsl true

デフォルト値

デフォルト値はfalseです。

7.4.2.2 server.ssl.client.allowTrustedExpiredCertificates

このパラメータの値がtrueに設定されている場合、Veridataサーバーは、信頼できる証明書の有効期限が切れるまで、エージェントとサーバー間のSSL通信を可能にします。

ノート:

このパラメータは、IBMのJVMを実行中の場合は適用できません。

構文

server.ssl.client.allowTrustedExpiredCertificates [true|false]

server.ssl.client.allowTrustedExpiredCertificates false

デフォルト値

デフォルト値はtrueです。

7.4.2.3 server.ssl.client.identitystore.keyfactory.alg.name

このパラメータでは、SSL通信に使用されるアイデンティティ・ストア・キー・ファクトリ・アルゴリズムの名前を指定します。

構文

server.ssl.client.identitystore.keyfactory.alg.name=algorithm_name

server.ssl.client.identitystore.keyfactory.alg.name=IbmX509

IBMのJVMで実行している場合は、値をIbmX509に設定します。

デフォルト値

デフォルト値はSunX509です。

7.4.2.4 server.ssl.client.truststore.keyfactory.alg.name

このパラメータでは、SSL通信に使用されるトラストストア・キー・ファクトリ・アルゴリズムの名前を指定します。

構文

server.ssl.client.truststore.keyfactory.alg.name=algorithm_name

server.ssl.client.truststore.keyfactory.alg.name=IbmX509

IBMのJVMで実行している場合は、値をIbmX509に設定します。

デフォルト値

デフォルト値はSunX509です。

7.4.2.5 server.ssl.algorithm.name

このパラメータでは、SSL通信に使用されるアルゴリズムを指定します。

構文

server.ssl.algorithm.name=algorithm_name

server.ssl.algorithm.name=TLS

デフォルト値

デフォルト値はTLSです。

7.4.3 Veridataコマンドライン・ユーティリティのパラメータ

この項では、Oracle GoldenGate Veridataサーバーの構成可能な次のパラメータについて定義します。

7.4.3.1 veridata.cli.run_from_managed_server

Veridata管理対象サーバーからVeridataコマンドライン・ユーティリティを実行するには、このパラメータ値をtrueに設定します。

構文

veridata.cli.run_from_managed_server [true|false]

veridata.cli.run_from_managed_server false

デフォルト値

デフォルト値はtrueです。

7.4.3.2 veridata.cli.server.listenAddress

このパラメータでは、Veridata管理対象サーバーのホスト・マシンのリスニング・アドレスを指定します。

構文

veridata.cli.server.listenAddress host

veridata.cli.server.listenAddress host.example.com

デフォルト値

管理対象サーバーのデフォルト名はlocalhostです。

7.4.3.3 veridata.cli.managed_server_name

このパラメータでは、Veridata管理対象サーバーの名前を指定します。

構文

veridata.cli.managed_server_name server

veridata.cli.managed_server_name VERIDATA_server2

デフォルト値

管理対象サーバーのデフォルト名はVERIDATA_server1です。

7.4.3.4 veridata.cli.server.timeout.seconds

このパラメータでは、JMXサーバーがCLIリクエストに応答するまでVeridata CLIが待機する時間(秒)を指定します。

構文

veridata.cli.server.timeout.seconds seconds

veridata.cli.server.timeout.seconds 90

デフォルト値

デフォルトのタイムアウトは60秒です。

7.4.4 レポート・ファイルの暗号化のパラメータ

この項では、レポート・ファイルの暗号化に使用される構成可能なパラメータについて定義します。

7.4.4.1 server.encryption

このパラメータがtrueに設定されている場合、比較レポート・アーティファクトが暗号化されます。それ以外の場合、レポートの内容はクリア・テキストになります。

構文

server.encryption=[true|false]

server.encryption=false

デフォルト値

デフォルト値はfalseです。

7.4.4.2 server.encryption.bits

このパラメータでは、暗号化アルゴリズムの強度を指定します。有効な値は128、192および256です。128より大きい値に設定されている場合は、Java Cryptography Extension (JCE) Unlimited Strength Jurisdiction Policy Filesをインストールする必要があります。

構文

server.encryption.bits=[128|192|256]

server.encryption.bits=128

デフォルト値

デフォルト値は128です。

7.4.5 電子メール通知およびアラートのパラメータ

電子メール通知を送信するために、Oracle GoldenGate Veridataは送信Simple Mail Transfer Protocol (SMTP)サーバーに接続できます。SMTPサーバーは、パスワード資格証明を必要としないように構成する必要があります。

パスワードが必要な場合は、mail.fromを参照してください。

このトピックでは、電子メール通知およびアラートに必要なパラメータについて説明します。

7.4.5.1 mail.enabled

このパラメータをfalseに設定すると、電子メール通知はオフになります。

構文

mail.enabled=[true|false]

mail.enabled=false

デフォルト値

デフォルト値はfalseです。

7.4.5.2 mail.alert.only

このパラメータをfalseに設定すると、Oracle GoldenGate Veridataはジョブの完了時に通知電子メールを送信します。trueに設定すると、Veridataは、同期していないか障害が発生した場合にのみアラート電子メールを送信します。

構文

mail.alert.only=[true | false]

mail.alert.only=true

デフォルト値

デフォルト値はtrue

7.4.5.3 mail.smtp.server

構文

mail.smtp.server=<server_address>

mail.smtp.server=smtp.host.com
7.4.5.4 mail.smtp.port

構文

mail.smtp.port=<port_number>

mail.smtp.port=25
7.4.5.5 mail.smtp.connection.ssl.tls

mail.smtp.connection.ssl.tlsパラメータは、SSLまたはTLS接続を介してメール・サーバーにアクセスするために使用されます。

構文

mail.smtp.connection.ssl.tls=false

デフォルト値

デフォルト値はfalseです。

7.4.5.6 mail.from

このパラメータは、パスワード認証を必要としないSMTPサーバー上に作成されたユーザー名です。パスワードが必要な場合は、デフォルト・パスワードVer! data1234 (大/小文字を区別)で汎用ユーザーを作成します。

構文

mail.from=<email_address>

mail.from=john@mail.com 
7.4.5.7 mail.to

mail.toパラメータは、1人または複数のユーザーに電子メールを送信するために使用されます。電子メールID間の区切り文字としてカンマを使用します。

構文

mail.to=<email_address(es)>

mail.to=john@mail.com,mary@mail.com,ross@mail.com

7.4.6 Oracle Streamsタグ付けのサーバー・パラメータ

Oracle GoldenGate Veridataは、Oracle Stream APIを使用して修復トランザクションにタグを付けます。タグの動作をカスタマイズするために、次のプロパティがサーバー・パラメータとして追加されます。

7.4.6.1 repair.oracle.tag.enable

このパラメータを使用すると、REDOログのRepairセッションのタグ付けが有効になります。

Oracle Databaseでのみ有効です。

構文

repair.oracle.tag.enable = false
値には、trueまたはfalseを指定できます。

デフォルト値

true
7.4.6.2 repair.oracle.tag

このパラメータは、REDOログのRepairセッションのタグ値です。

Oracle Databaseでのみ有効です。

構文

repair.oracle.tag = 00

値は、最大2000の16進数(0-9A-F)またはプラス記号(+)を指定できます。

デフォルト値

00