1.1.1.11 リリース19.1.0.0.0 - 2019年8月

この項では、OSA 19.1.0.0.0リリースに追加された新機能を示します。

1.1.1.11.1 高度なパイプライン

パイプラインとは、パイプライン・ロジックを定義する、一連のデータ処理ステージのことです。ステージは、問合せ、パターン、ルール、問合せグループ、カスタムおよびスコアリングのいずれかのタイプになります。パイプラインはストリーム・ステージで始まり、問合せやルール・パターンなど、任意のタイプの子を1つ以上持つことができます。

Oracle Stream Analytics 19.1では、アプリケーション・ロジックに応じて、任意のステージでパイプラインを複数のブランチに分割するなど、高度なパイプライン機能が導入されています。各ブランチは、1つ以上のターゲットで終了できます。これにより、中間ステージを編集すると、それに伴う変更がダウンストリーム・ステージに伝播されるなど、編集機能が強化されています。これで、任意のパイプラインですでに使用されているソースも編集できるようになりました。パイプラインを使用すると、ソースのストリームを切り替えることができ、ソースの変更に対応するために必要な修正処理が通知されます。既存のステージの出力を、パイプラインの別のステージのソースの1つとして使用することもできるようになりました。

1.1.1.11.2 サポートされるウィンドウ・タイプ

Oracle Stream Analytics 19.1のウィンドウ・サポートは、次の新しいタイプを追加して強化されています:

  • 現在の年
  • 現在の月
  • 現在の日
  • 現在の時間
  • 現在の期間
  • 定数値
  • 可変範囲
  • パーティション・ウィンドウ・タイプ

1.1.1.11.3 インポート/エクスポート

エクスポートおよびインポート機能を使用すると、数回のクリックにより、異なるOracle Stream Analyticsシステム間(開発システムと本番システムなど)でパイプラインとその内容を移行できます。

Oracle Stream Analytics 19.1では、ビジュアライゼーション、キューブ、ダッシュボード、スコアリング・ステージ、カスタム・ステージなど、あらゆるタイプのアーティファクトの操作がサポートされるようになりました。インポートおよびエクスポートでは、パイプラインで使用するカスタムjarも操作時に処理されます。これにより、エクスポート時に、エクスポート・バンドルの確認、アーティファクトの名前と説明の編集、およびタグの管理を行うことができます。インポート時には、インポート・バンドルの検査、インポートするアイテムの選択、およびタグの管理を行うことができます。

1.1.1.11.4 LDAP統合

Lightweight Directory Access Protocol (LDAP)は、様々な業界で使用されているオープン・ソース・アプリケーションです。このアプリケーション・プロトコルは、インターネット・プロトコル(IP)を使用し、分散ディレクトリ情報サービスをネットワーク経由で取得および保持するために使用されます。

Oracle Stream Analyticsでは、Jetty OSAでLDAPサポートを使用します。この機能では、認証/ユーザー管理にディレクトリ情報サービスを使用できます。認証/ユーザー管理は、内部LDAPまたは外部LDAPを介して行うことができます。

1.1.1.11.5 Coherence POJO

Oracle Stream Analytics 19.1を使用すると、キャッシュ値がPOJOとして格納されているCoherenceキャッシュの参照がサポートされます。現行のサポートでは、キャッシュ値はMap<String, Object>として含まれます。Oracle Stream Analyticsアプリケーションでは、ストリーム・データをPOJOデータでエンリッチできます。

1.1.1.11.6 フィルタでのIN演算子のサポート

IN演算子は、Oracle Stream Analyticsのアプリケーションの様々なステージで、フィルタに使用できます。このオプションは、任意のフィルタを適用するドロップダウン・リストで演算子として使用できます。

1.1.1.11.7 マルチホスト型Coherence

Oracle Stream Analyticsでは、Coherence接続の作成時に複数のホストを構成できるようになりました。Coherence接続アプリケーションでは、複数のサーバーURLを指定できるようになりました。

Oracle Stream Analyticsでは、CoherenceキャッシュでPOJOおよびMapをサポートします。

1.1.1.11.8 Web層のHA

Oracle Stream Analytics 19.1は、そのWeb層の高可用性をサポートしています。Oracle Stream Analytics 19.1 We層の予想される負荷に基づいて、Web層を実行する複数のホストを構成し、NGNIXをロード・バランサとして使用してOSA Web層の高可用性を構成できるようになりました。

1.1.1.11.9 Googleタイル・レイヤー

Oracle Stream Analyticsでは、空間パターンやビジュアライゼーションにGoogleマップを表示するGoogleタイル・レイヤーのサポートが追加されています。Googleタイル・レイヤーは、「マップ」タブの「ユーザー・プリファレンス」で構成できます。

ノート:

Googleマップ・タイル・レイヤーを使用するには、マップの使用方法が、Googleによって定義されているサービス条件(http://code.google.com/apis/maps/faq.html#tos)に適合する必要があります。