Oracle Tuxedo アプリケーションの設定

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IPv6 の有効化

ここでは、以下の内容について説明します。

 


概要

IPv6 は次世代のインターネット プロトコルであり、利用可能なアドレス数の不足などの IPv4 が抱える多くの問題を解決しています。また、ルーティングやネットワーク自動コンフィグレーションなどにおいて IPv4 に多くの改良が加えられています。IPv6 は、モバイル デバイスを強力にサポートし、QoS やセキュリティなど、ISP や通信会社に対して魅力的な機能を提供します。移行期間の数年間は IPv6 と IPv4 の共存が続きますが、現在徐々に IPv4 から IPv6 に移行しつつあります。

注意 : Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) では、IPv6 の基本的な機能のみがサポートされます。IPv6 の高度な機能 (QoS やフロー制御など) はサポートされていません。

 


IPv6 の有効化

1 つの Tuxedo プロセスで同時に複数の IP バージョンをサポートすることはできません。IPv4 と IPv6 を切り替えるには、TMUSEIPV6 環境変数を使用する必要があります。詳細については、Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) マニュアルの『Oracle Tuxedo のファイル形式とデータ記述方法』の「tuxenv(5)」を参照してください。

デフォルト値は n|N (IPv4) です。TMUSEIPV6y|Y に設定すると、ネットワーク プロトコルとして IPv6 が使用されます。

TMUSEIPV6 は、UBBCONFIG ファイルのセクション *MACHINES*GROUPS*SERVERS で設定できます。つまり、Tuxedo の起動前に設定できます。

IPv6 のアドレス形式

有効な IPv6 の形式は次のとおりです。

Tuxedo では、V6 アドレスについて次の 2 つの形式がサポートされます。

//[IPv6 address]:port

//hostname:port

URL に含まれる IPv6 アドレスは角括弧で囲みます。ホスト名の場合は、角括弧で囲む必要はありません。たとえば、//[fe80::202:55ff:fecf:50b]:9010//bjaix5:9010 のようになります。

IPv6 のワイルドカード アドレスとして [::] または [0:0:0:0:0:0:0:0] を使用できます。以下に例を示します。

bjaix5 (デュアル スタック マシン) 上で起動されたサーバの場合、ワイルドカード アドレスは //[::]:60120

または //[0:0:0:0:0:0:0:0]:60120 のようになります。

サーバは、bjaix5 のすべてのインタフェース (172.22.34.45 および fe80::202:55ff:fecf:50b) の 60120 でリスンします。サーバは IPv6 と IPv4 のプロトコルを受け付けることができます。

Tuxedo コンポーネントの IPv6 サポート

IPv6 をサポートする Tuxedo コンポーネントは以下のとおりです。

注意 : Tuxedo では、データベースを操作する場合、データベース XA コールバックを呼び出します。XA での IPv6 サポートは、データベース ベンダに依存します。
注意 : WEBGUI では IPv6 はサポートされません。

 


IPv4 と IPv6 の相互運用性

Tuxedo では、以下の TCP/IP アドレス形式がサポートされます。

注意 : Windows 2000、2003、および XP プラットフォームでは、デュアル スタックはサポートされません。

表 7-1 は、IPv4 と IPv6 の相互運用性を示しています。

表 7-1 IPv4 と IPv6 の相互運用性
 
IPv4 サーバ
IPv4 ホストのみ
IPv6 サーバ
IPv6 ホストのみ
IPv4 サーバ
デュアル ホスト スタック
IPv6 サーバ
デュアル ホスト スタック
IPv4 クライアント、IPv4 のみのホスト
IPv4
不可
IPv4
IPv4(1)
IPv6 クライアント、IPv6 のみのホスト
不可
IPv6
不可
IPv6
IPv4 クライアント、デュアル スタック ホスト
IPv4
不可
IPv4
IPv4(1)
IPv6 クライアント、デュアル スタック ホスト
IPv4
IPv6
IPv4(2)
IPv6

  1. Linux および UNIX プラットフォームでは、サーバは IPv6 ワイルドカード アドレス ( :: ) を使用してリスンする必要があります。
  2. IPv6 クライアントがデュアル スタック ホストの IPv4 サーバに接続する場合、V4 IP アドレスのみが使用できます (例 : //10.130.5.144:10002)。

 


Oracle Tuxedo の MP モードでの相互運用性

マスタが IPv6 を使用し、NADDR および NLSADDR が //[IPv6 address]:port としてコンフィグレーションされている場合、すべてのスレーブ ノードで同様に IPv6 を使用する必要があります。IPv4 を使用しているスレーブ ノードは起動しません。

マスタが IPv4 を使用している場合は、すべてのスレーブ ノードで同様に IPv4 を使用する必要があります。IPv6 を使用しているスレーブ ノードは起動しません。

注意 : UBBCONFIG で Oracle Tuxedo の MP モードをコンフィグレーションする場合、ワイルドカード アドレス ([::]) を使用することはできません。MP モードにワイルドカード アドレスを使用すると、tmloadcf が失敗し、ULOG にエラー メッセージが送信されます。

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