この章では、非クラスタ・インストールのUNIXを実行しているコンピュータにOracle Identity Managerをインストールする方法について説明します。
関連項目:
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Oracle Identity Managerは、アプリケーション・サーバーを実行しているシステムにインストールする必要があります。Remote ManagerなどのOracle Identity Managerコンポーネントは別のシステムにインストールすることができます。コンポーネントごとに独自のインストーラがあります。
この章では次の項目について説明します。
注意: Oracle Identity ManagerをインストールするときはOracle WebLogic Serverを実行しておいてください。 |
次に、Oracle Identity ManagerをUNIXにインストールする場合の前提条件を記載します。
Oracle Identity Managerインストーラ・プログラムでは、Oracle Identity Managerをインストールするユーザーのホーム・ディレクトリに、少なくとも200MBの空き領域を必要とします。ホーム・ディレクトリの確認には、/etc/passwd
ファイルを使用します。$HOME変数の値の変更によってこの要件を回避することはできないことに注意してください。
/var/tmp/
ディレクトリに、少なくとも200MBの空き領域が必要です。
Oracle WebLogic ServerにOracle Identity Managerを非ルート・ユーザー・アカウントとしてインストールする場合は、インストールの前に、そのユーザー・アカウントに次の権限があることを確認してください。
該当するWebLogicドメイン・ディレクトリに対する書込み権限および実行権限
(オプション)WebLogic
およびlib/mbeantypes
ディレクトリに対する書込み権限
Oracle Identity Managerをインストールする前に、JAVA_HOMEシステム変数が適切なSun JDKに設定されていることを確認します。次に例を示します。
export JAVA_HOME=/opt/jdk160_10
動作保証されているJava JDKバージョンについては、『Oracle Identity Manager Readme』を参照してください。
Oracle Identity Managerをインストールする前に、Javaコマンドの実行時に適切なSun JVMが使用されていることを確認します。これには、PATH変数で、Sun JVM binディレクトリをその他のパス・エントリの前に含めます。次に例を示します。
export PATH=/opt/jdk160_10/bin:$PATH
Microsoft SQL Serverをデータベースとして使用する場合は、Oracle Identity Managerをインストールする前に、sqljdbc.jarファイルがBEA_HOME
/user_projects/domains/
DOMAIN_NAME
/lib
ディレクトリに存在することを確認し、ドライバの場所をCLASSPATH環境変数に追加してください。次に例を示します。
export CLASSPATH=/opt/sql_driver_location/sqljdbc.jar
Oracle Identity Managerを既存のOracle Identity Managerインストールに上書きインストールしないでください。別のOracle Identity Managerホーム・ディレクトリを使用します。Oracle Identity Managerホーム・ディレクトリと同じディレクトリ名を再利用する場合は、元のディレクトリ名を変更して、以前のOracle Identity Managerホームのバックアップを作成します。
また、すべてのOracle Identity Managerコンポーネントは、異なるホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。たとえば、Remote ManagerをOracle Identity Managerのインストールと同じディレクトリにインストールすることはできません。
Oracle Identity Managerまたは他のアプリケーションがすでにデプロイされているWebLogicドメインには、Oracle Identity Managerをインストールすることはできません。Oracle Identity Managerをインストールするために新しいドメインを使用する必要があります。
インストールの際に、Oracle Identity Managerインストーラによってスキーマがデータベースにロードされます。これは、Oracle Identity Managerインストーラを最初に実行したときにインストールされます。その後、その他のOracle Identity Managerコンポーネントをデプロイするためにインストーラを実行する際は、そのつどデータベース接続の情報を入力して同じスキーマに対してコンポーネントを構成します。必要な場合は、データベース管理者(DBA)に問い合せてください。
注意: スキーマのインストール中、OIM_HOME /logs ディレクトリにログ・ファイルが作成されます。 |
Oracle Identity ManagerのドキュメントはOIM_HOME
ディレクトリに自動的にインストールされます。各Oracle Identity Managerコンポーネントごとに完全なドキュメント・セットがインストールされます。
Oracle WebLogic Serverがデフォルト(wlserver_10.3)以外のディレクトリにインストールされている場合、Oracle WebLogic Serverがインストールされているデフォルト以外のディレクトリに対してwlserver_10.3のシンボリック・リンクを作成しないかぎり、Oracle Identity Managerインストーラが失敗します。シンボリック・リンクをUNIXで作成するには、ln
内部コマンドを使用します。
UNIX用のOracle Identity Managerは、コンソール・モード・インストーラでインストールします。このインストーラでは次の入力方法が可能です。
オプション・リストからの選択
各オプションには番号と角カッコ([ ])が付いています。オプションを選択するときは番号を入力します。選択すると、対応する角カッコの中にXが表示されます([X])。
プロンプトでの情報の入力
プロンプトで情報を入力し、[Enter]を押します。デフォルト値がプロンプトの後の角カッコ内に示されます。デフォルト値を受け入れるには、[Enter]を押します。
インストーラは論理的なセクション(パネル)で構成されています。パネルでは、次の操作が可能です。
オプションのリストから項目を選択した場合は、0を入力して必要な項目を選択したことを示します。
次のインストール・パネルに移動するには、1を入力します。
前のパネルに戻るには、2を入力します。
インストールを取り消すには、3を入力します。
現在のパネルを再表示するには、5を入力します。
Oracle Identity ManagerをUNIXにインストールするには、次の手順を実行します。
Oracle Identity ManagerインストールCDをCD-ROMドライブにセットします。
コンソールで、ディレクトリをインストールCDのinstallServerディレクトリに変更します(cd
)。
次のコマンドを使用してinstall_server.shファイルを実行します。
sh install_server.sh
インストーラがコンソール・モードで起動します。
注意: 配布メディア(CD)からOracle Identity Managerをインストールしていない場合は、すべてのシェル・スクリプトの実行ビットをinstallServerディレクトリに設定します。すべてのシェル・スクリプトの実行ビットを再帰的に設定するには、installServerディレクトリに移動して、次のコマンドを実行します。find . -name "*.sh" -exec chmod u+x {} \; |
言語リストの番号を入力して言語を指定します。
0を入力して、言語の選択を適用します。「ようこそメッセージ」パネルが表示されます。
「ようこそメッセージ」パネルで1を入力して、次のパネルを表示します。
「管理ユーザー情報」パネルが表示されます。
Oracle Identity Managerの管理者用パスワードを入力し、確認のためにパスワードを再入力します。そして、1を入力して次のパネルを表示します。
「OIMアプリケーション・オプション」パネルが表示されます。
「OIMアプリケーション・オプション」パネルで1を入力して、次のパネルを表示します。
「インストールするOracle Identity Managerアプリケーションを選択します」パネルが表示されます。
インストールするアプリケーションを選択します。
Oracle Identity Managerの場合は1を入力します。
監査およびコンプライアンス・モジュールを使用するOracle Identity Managerの場合は2を入力します。
準備ができたら、0を入力して次のパネルに進みます。「ターゲット・ディレクトリ」パネルが表示されます。
「ターゲット・ディレクトリ」パネルで、次のいずれかの手順を実行します。
Oracle Identity Managerをインストールするディレクトリのパスを入力します。たとえば、/opt/oracle/
と入力します。
1を入力して次のパネルに進みます。
ディレクトリが存在しない場合は、ディレクトリの作成を求められます。yes(はい)を表すyを入力します。
「データベース・サーバーの選択」パネルが表示されます。
注意: 既存のデータベースに対してインストールするには、インストールするOracle Identity Managerのバージョンの動作が既存のデータベースのバージョンで保証されていることを確認します。動作保証されている構成を確認するには、『Oracle Identity Manager Readme』を参照してください。Oracle Identity Managerを既存のデータベースにインストールすると、警告メッセージが表示されます。このメッセージによって、データベース・スキーマがすでに存在していることが通知され、インストール・プロセスを終了してから、.xldatabasekeyファイルを既存のOracle Identity Managerインストールから新しい
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「データベース・サーバーの選択」パネルで、使用するデータベースのタイプを指定します。
Oracle Databaseを選択するには1を入力します。
Microsoft SQL Serverを選択するには2を入力します。
データベースを選択した後で0を入力します。
1を入力して次のパネルに進みます。
「データベース情報」パネルが表示されます。
データベースの情報を入力します。
データベースのホスト名またはIPアドレスを入力します。
ポート番号を入力するか、デフォルトを受け入れます。
データベース名のSIDを入力します。
Oracle Identity Managerがデータベースに接続するために使用するアカウントのデータベース・ユーザー名を入力します。
Oracle Identity Managerがデータベースに接続するために使用するデータベース・アカウントのパスワードを入力します。
1を入力して次のパネルに進みます。
「認証情報」パネルが表示されます。
Oracle Identity Manager Webアプリケーションの認証モードを選択します。
Oracle Identity Managerのデフォルト認証の場合は1を入力します。
SSO認証の場合は2を入力します。
準備ができたら、0を入力して次のパネルに進みます。
SSO認証を選択した場合は、プロンプトが表示されたときに、シングル・サインオン・システムで使用されるヘッダー変数を指定する必要があります。
1を入力して次のパネルに進みます。
アプリケーション・サーバーの選択パネルが表示されます。
アプリケーション・サーバーのタイプを指定します。
Oracle WebLogic Serverの場合は1を入力します。
準備ができたら、0を入力して次のパネルに進みます。
1を入力して次のパネルに進みます。
「クラスタ情報」パネルが表示されます。
アプリケーション・サーバーがクラスタ化されているかどうかを指定します。
アプリケーション・サーバーがクラスタ化されていると指定するには、「1」と入力します。その後、表示されるプロンプトでクラスタ名とクラスタ詳細を入力します。
アプリケーション・サーバーがクラスタ化されていないと指定するには、「2」と入力します。
準備ができたら、0を入力して次のパネルに進みます。
1を入力して次のセクションに進みます。
「アプリケーション・サーバーの情報」パネルが表示されます。
プロンプトでアプリケーション・サーバーの情報を入力します。
アプリケーション・サーバーのパスを入力するか、[Enter]を押してデフォルトを受け入れます。
アプリケーション・サーバーのドメインJDKディレクトリのパスを入力するか、[Enter]を押してデフォルトを受け入れます。
1を入力して次のパネルに進みます。
「アプリケーション・サーバーの情報」パネルが表示されます。
アプリケーション・サーバーのログイン情報を入力します。
注意: 入力する情報はクラスタ・インストールか非クラスタ・インストールかによって異なります。 |
非クラスタ・インストールの場合:
アプリケーション・サーバー・コンピュータのホスト名またはIPアドレスを入力します。
注意: ホスト名では大文字と小文字が区別されます。 |
管理ポートを入力します。
これは、WebLogicサーバーの管理ポートです。デフォルトは、7001です。
WebLogicサーバー名を入力します。デフォルトの名前はAdminServerです。
WebLogicサーバー・ポートを入力します。
これは、WebLogicサーバーのサービス・ポートです。デフォルトは、7001です。
注意: 非クラスタ・インストールの場合、管理ポートとWebLogicサーバー・ポートは同じです。デフォルト・ポートは、7001です。 |
WebLogicドメイン管理者の管理コンソール・ユーザー名を入力します。これは、WebLogic構成ウィザードで構成した管理者アカウントです。
ドメイン管理者のパスワードを入力し、確認のために再入力します。
1を入力して次のセクションに進みます。
クラスタ・インストールの場合:
アプリケーション・サーバーのホスト・コンピュータのホスト名またはIPアドレスを入力します。
注意: ホスト名では大文字と小文字が区別されます。 |
管理ポートを入力します。
これは、WebLogic管理サーバーのポート番号です。デフォルトは、7001です。
WebLogicサーバー名を入力します。
これは、管理対象サーバー名です。デフォルトは、OIM_SERVER1です。
WebLogicサーバー・ポートを入力します。
注意: デフォルト・ポートは、7001です。7051などの管理対象サーバーのポート番号に変更します。 |
WebLogicドメイン管理者のログイン名を入力します。これは、WebLogicの構成ウィザードで構成した管理者アカウントです。
管理者のパスワードを入力し、確認のために再入力します。
1を入力して次のセクションに進みます。
「アプリケーション・サーバーの情報」パネルの2枚目が表示されます。
ドメインの情報を入力します。
ドメインの場所を入力します。これは、ドメイン・ディレクトリを含むOracle WebLogic Serverディレクトリです。WebLogicの構成またはターゲットの場所と呼ばれることもあります。
ドメイン名を入力します。これは、Oracle Identity Managerをインストールしているドメインの名前です。
1を入力して次のセクションに進みます。
情報のサマリー・ページが表示されたら、表示された情報を確認し、次のいずれかの手順を実行します。
2を入力し、前のパネルに戻って変更します。
1を入力し、インストールを開始します。
Oracle Identity Managerがインストールされ、「完了」パネルが表示されます。
3を入力し、手順を終了します。
注意: インストールの際に、WebLogicサーバーは自動的に再起動されます。インストールが正常に終了するとサーバーは自動的に停止します。このため、サーバーを停止する必要はありません。 |
サーバーを起動します。この手順の詳細は、「Oracle Identity Managerの起動」を参照してください。
Oracle Identity Managerのインストールが終了したら、第9章「Oracle Identity ManagerおよびOracle WebLogic Serverのインストール後の構成」の手順に進んでください。