チュートリアル
チュートリアル 3. 融資申し込みの検証
この節では、クライアントからビジネス サービスに渡すメッセージを検証するために、BEA AquaLogic Service Bus プロキシ サービスをコンフィグレーションする方法について説明します。フローのどのステージでも検証を実行できますが、無効な結果が発生した場合にメッセージの処理が無駄にならないように、通常はできるだけ早く実行します。
検証は以下のいずれかの方法で実行できます。
XPath 式により選択される要素を、最上位 XML スキーマ要素または WSDL リソースに基づいて検証する。検証アクションの詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : アクション」で「アクションの追加」を参照してください。
メッセージを検証し、エラーを発生させる。詳細については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : エラー ハンドラ」で「アクションの追加」を参照してください。
BEA AquaLogic Service Bus では、送信または受信したメッセージを、サービス インタフェース定義 (WSDL 定義であるかメッセージング インタフェース定義であるかにかかわらず) に基づいて自動的に検証することはありません。ただし、メッセージ フローで検証アクションをコンフィグレーションして XQuery 条件式を使用することで、明示的に検証チェックを行うことができます。検証により、無効なコンフィグレーションが原因となる実行時エラーが発生する可能性が低くなります。
この節の内容は以下のとおりです。
前提条件
「チュートリアル 1. 融資申し込みのルーティング」と「チュートリアル 2. 融資申し込みの変換」を完了していることが前提です。
チュートリアルの目的
チュートリアルの目的は、AquaLogic Service Bus Console のグラフィカル環境を使用したメッセージ検証とエラー処理の実行方法を学習するために、BEA AquaLogic Service Bus をコンフィグレーションおよびテストする手順を示すことです。これには、以下のものが含まれます。
AquaLogic Service Bus プロキシ サービスを使用した一般的なメッセージ検証とエラー処理のパターンを示す。
WSDL のスキーマ タイプ定義に基づいて要求パイプライン メッセージを検証する。
重要な機能
このチュートリアルの開発を通じて、AquaLogic Service Bus の次の機能について学習できます。
要求/応答パイプラインのコンフィグレーション
検証例外を発生させる検証アクションの使用
ステージ エラー ハンドラでエラーを捕捉して、カスタマイズしたエラー メッセージを返す方法
シナリオの定義
主要な金融会社が、BEA AquaLogic Service Bus のプロキシ サービスを使用して融資申し込みをルーティングし、メッセージを検証します。融資申し込みが不完全な場合、その申し込みはエラー ディレクトリに書き込まれ、エラー メッセージがクライアントに返されます。融資申し込みに問題がない場合、ビジネス サービスにルーティングされて確認されます。確認が完了すると、対象のサービスはその融資申し込みを承認するか拒否するかを示す応答を返します。
次の図は、このシナリオをサポートする論理アーキテクチャの概要です。これは、AquaLogic Service Bus が企業でクライアントとビジネス サービスの間のメッセージングを仲介する様子を示しています。
図 5-1 AquaLogic Service Bus を使用した融資申し込みの検証
AquaLogic Service Bus の処理の概要
このシナリオでは、WSDL リソースのスキーマ定義に基づいてメッセージ フローの着信メッセージを検証するように、AquaLogic Service Bus をコンフィグレーションします。各フィールドのコンテンツがチェックされます。申し込みが有効となるには、すべての要素にコンテンツが含まれている必要があります。ただし、この例では、融資期間のフィールドの値が整数でないと、検証アクションでエラーが発生します。コンテキスト変数 $fault
にエラーが入力されます。エラーはステージ エラー ハンドラで捕捉され、body
コンテキスト変数の <Notes>
フィールド値が $fault <reason>
要素のテキストで置換されます。後でコンソールで表示および検索できるように、レポート アクションでエラー コードとメッセージ本体 (コンテキスト用) を保存します。返信アクションで body コンテキスト変数をクライアントに返します。
このシナリオでは、次のいずれかのアクションが実行されます。
メッセージが、応答パイプラインで検証エラー メッセージとともにクライアントに返される。
メッセージがビジネス サービス NormalLoanApprovalService
に転送され、このビジネス サービスによって返信「融資申し込み処理サービスにより承認されました
」が返される。
必要なリソース
プロジェクト フォルダ MortgageBroker
と前のチュートリアルで作成したディレクトリ構造を使用して、プロジェクトのアーティファクトを保持します。このシナリオに必要なリソースを次の表に示します。
表 5-1 「融資申し込みの変換」チュートリアルのリソース
リソース名
|
説明
|
normalLoan
|
WSDL リソース
|
NormalLoan Web サービス
|
AquaLogic Service Bus で使用する外部ビジネス サービス
|
LoanGateway3
|
AquaLogic Service Bus のプロキシ サービス
|
このチュートリアルの手順
このチュートリアルでは、BEA AquaLogic Service Bus を使用し、金融会社の融資申し込みを対象 Web サービスにルーティングします。融資申し込みを処理するには、申し込みがすべて適切に入力されている必要があります。申し込みにエラーがあると、検証例外が送出され、エラー メッセージがクライアントに返されます。
プロキシ サービス LoanGateway3
を作成し、メッセージを normalLoan
ビジネス サービスにルーティングするようにコンフィグレーションします。プロキシ サービスの動作は、以下のようにコンフィグレーションします。
プロキシ サービスを作成し、要求パイプラインを編集して検証アクションを組み込む
エラーを保持するためにコンテキスト変数 $fault を使用する
ステージ エラー ハンドラを使用してエラーを捕捉し、コンテキスト変数の要素 $fault<reason>
を body コンテキスト変数の <Notes>
フィールドの値として書き込む
以下の手順に従ってプロキシ サービスおよび関連するリソースを AquaLogic Service Bus で設計およびコンフィグレーションし、このユーザ事例シナリオを解決します。
手順 1 : 環境の準備
このチュートリアル用に作成したドメインで AquaLogic Service Bus が動作していること、および「チュートリアル 1. 融資申し込みのルーティング」の説明どおりに手順が完了していることを確認します。
手順 2 : セッションの作成とプロジェクトの設定
このチュートリアルでは、プロジェクト フォルダ MortgageBroker
と「チュートリアル 1. 融資申し込みのルーティング」で作成したディレクトリ構造を使用して、プロジェクトのアーティファクトを保持します。
Change Center で [作成] をクリックして新しいセッションを作成します。
AquaLogic Service Bus Console のナビゲーション パネルで [プロジェクト エクスプローラ] を選択します。
ナビゲーション パネルに [プロジェクト エクスプローラ] ペインが開き、コンソールにプロジェクト ページが表示されます。
[プロジェクト エクスプローラ] で [MortgageBroker
] プロジェクト ツリーを展開して、プロジェクトのアーティファクトが格納されている以下のサブフォルダを表示します。
ProxyServices
BusinessServices
WSDL
手順 3 : リソースの作成
この手順では、プロキシ サービス LoanGateway3 を作成します。メッセージのコンテンツを検証するための基盤として、既存の normalLoan
サービスの WSDL リソースを使用します。この WSDL リソースは、「チュートリアル 1. 融資申し込みのルーティング」の節「NormalLoan サービスの WSDL リソースの作成」で作成したものです。融資申し込みが有効な場合、つまり、想定されている基準を満たす場合は、既存の normalLoan
ビジネス サービスにルーティングされます。このビジネス サービスは、「チュートリアル 1. 融資申し込みのルーティング」の「NormalLoan ビジネス サービスを作成するには」で作成したものです。
プロキシ サービスの作成
この手順では、プロキシ サービスを作成します。プロキシ サービスを使用して融資申し込みを適切なビジネス サービスにルーティングします。前にチュートリアル 1 で作成したプロキシ サービスに基づいてこのプロキシ サービスを作成します。
新しいプロキシ サービスを作成するには、「プロキシ サービスを作成するには」の手順を実行します。ただし、使用するプロキシ サービス名とエンドポント URI は次の表に従います。
表 5-2 プロキシ サービス コンフィグレーションの設定
プロキシ サービス名
|
LoanGateway3
|
サービスの種類
|
normalLoan WSDL を選択
|
エンドポイント URI
|
/loan/gateway3
|
プロキシ サービスを登録する前にコンフィグレーションの設定を確認します。
この手順を完了すると、MortgageBroker/ProxyService
フォルダにこのチュートリアルおよび「チュートリアル 1. 融資申し込みのルーティング」で作成した以下のプロキシ サービスが格納されます。
LoanGateway1
LoanGateway2
LoanGateway3
手順 4 : LoanGateway3 プロキシ サービスのコンフィグレーション
このプロキシ サービスを、AquaLogic Service Bus で要求パイプラインと応答パイプラインを使用するメッセージ フローとして実装します。AquaLogic Service Bus のメッセージ フローは、プロキシ サービスの実装を定義します。メッセージ フローには、プロキシ サービス (の操作) の要求/応答パイプライン ペアと、ステージ、パイプライン、およびプロキシ サービスに対して定義できるエラー ハンドラ パイプラインをゼロ個以上入れることができます。パイプラインには、1 つまたは複数のステージを入れることができ、ステージにはアクションを入れることができます。LoanGateway3
プロキシ サービスの動作をコンフィグレーションするには、メッセージ フローに対して次の操作を行います。
パイプライン ペアの作成
AquaLogic Service Bus Console のナビゲーション パネルで [プロジェクト エクスプローラ] を選択します。
ナビゲーション パネルに [プロジェクト エクスプローラ] ペインが開きます。
注意 : リソースの編集はセッション内で行う必要があります。セッションを開始していない場合は、Change Center で [作成] をクリックしてセッションを開始し、プロキシ サービスのコンフィグレーションやメッセージ フローの編集ができるようにします。
LoanGateway3
プロキシ サービスに対応する [アクション] カラムで、[メッセージ フローの編集] アイコン をクリックします。
プロキシ サービス LoanGateway3
の[メッセージ フローの編集] ページが表示されます。
LoanGateway3 ノードをクリックして、[パイプライン ペアの追加] を選択します。
[PipelinePairNode1
] が作成され、メッセージ フローに配置されます。このノードの要求および応答パイプラインは次の図のように表示されます。
図 5-2 パイプライン ペアの追加
LoanGateway3 プロキシ サービスの要求アクションのコンフィグレーション
ここでは、プロキシ サービスの要求アクションをコンフィグレーションする必要があります。
要求パイプライン をクリックして、[ステージの追加] を選択します。
デフォルトの名前 Stage 1 を受け入れます。
[Stage1] をクリックし、[編集|名前と説明] を選択します。
validate loan application と入力し、[保存] をクリックします。
次の図のような画面が表示されます。
図 5-3 要求パイプラインへのステージの追加
メッセージ検証を実行するアクションのコンフィグレーション
ステージを編集するには、[validate loan application] をクリックし、[編集|ステージ] を選択します。[ステージ コンフィグレーションの編集] ページが表示されます。
[アクションの追加
] リンクをクリックし、ドロップダウン リストから [検証する] を選択します。検証アクションがステージに追加されます。
[検証する] という文の [XPath] リンクをクリックして XPath 式を編集します。
[XPath 式エディタ] ページが表示されます。
[変数の構造] をクリックします。[変数の構造] ペインが表示されます。
[変数の構造] ペインの [構造の選択] ドロップダウン リストで [body
] を選択します。
body
要素の構造が [変数の構造] ペインに表示されます。
processLoanApp 要素の横の [+] をクリックして、要素を展開します。
processLoanApp 要素は、$body - processLoanApp (request) 要素内にあります。
[+] をクリックして、loanRequest 要素を展開します。
融資要求ドキュメントの構造がグラフィカル表示されます。
loanRequest
要素に対応する円形アイコン を選択し、XQuery 式のテキスト ボックスにドラッグ アンド ドロップします。XQuery 式がテキスト ボックスに書き込まれます。
./exam:processLoanApp/loanRequest
注意 : ドラッグ アンド ドロップ機能を使用できるのは Internet Explorer (IE) ブラウザのみです。IE 以外のブラウザを使用している場合は、[変数の構造] ペインで loanRequest
要素を選択します。式が [プロパティ インスペクタ] パレットに表示されます。XQuery 式のテキスト ボックスにカーソルを置いて、[プロパティのコピー] をクリックします。式がテキスト ボックスにコピーされます。パレットの式をコピーし、XQuery 式のテキスト ボックスに貼り付けることもできます。
[検証] をクリックして、XQuery を検証します。
式を送信する前に検証することをお勧めします。式の構文が検証されます。式にエラーがある場合は、[検証] ボタンのすぐ上に表示されます。この例では、式は有効です。
[ステージ コンフィグレーションの編集] ページに戻ります。<XPath>
が XQuery 式で置換されます。
[変数] テキスト フィールドに body
と入力します。
[リソース
] を選択して、リストから [WSDL] を選択します。[WSDL の選択] ブラウザ ウィンドウが表示されます。
プロキシ サービスは最初に作成した WSDL リソースをベースにしているので、そのリソースに基づいてメッセージを検証する必要があります。
[WSDL の選択] ウィンドウで normalLoan
WSDL を選択します。
[WSDL 定義の選択] パネルに WSDL のコンテンツ カテゴリが表示されます。
[WSDL 定義の選択] パネルの [種類] カテゴリから、この WSDL のタイプ (loanStruct
) を選択します。
[検証の失敗時にエラーを発生させる] オプションを選択します。
次の図のように検証アクションが表示されます。
図 5-4 メッセージ検証アクションのコンフィグレーション
注意 : メッセージの検証は、メッセージ フロー内でできるだけ早く実行する必要があります。こうすることで、メッセージのコンテンツが無効な場合に、メッセージの処理が無駄になることを防ぎます。例外が発生すると、その後の処理は停止され、応答がすぐにクライアントに返されます。
メッセージは、ルート ノードで検証するか、(このチュートリアルのように) 別の検証アクションを使用して検証することができます。検証ステージを作成することで、メッセージの処理のモジュール化が進み、メッセージ フロー内のアクションが論理的に分割されます。複数の検証を 1 つのメッセージに対して実行する場合は、検証アクションの論理的な拡張が可能です。
コンフィグレーションが保存されます。
置換アクションを使用したステージ エラー ハンドラの追加
置換アクションをステージに追加し、このアクションで Notes
要素の値を fault
コンテキスト変数の reason
テキストで置換するようにコンフィグレーションします。これにより、fault
の説明がクライアントに返されます。
[validate loan application] をクリックし、[追加|ステージ エラー ハンドラ] を選択します。[エラー ハンドラの編集] ページが表示されます。
[エラー ハンドラ] をクリックし、[ステージの追加] を選択します。[stage1
] ノードが表示されます。
[stage1
] をクリックし、[編集|名前と説明] を選択します。
このステージの名前として Reply
と入力し、[保存] をクリックします。reply ステージがページに表示されます。
図 5-5 ステージの名前と説明の編集
このステージを編集するには、[reply] をクリックし、[編集|ステージ] を選択します。[ステージ コンフィグレーションの編集] ページが次の図のように表示されます。
図 5-6 [エラー ハンドラの編集] ページ
[アクションの追加
] をクリックし、[置換する] を選択します。
[置換する] という文の [XPath] リンクをクリックして XPath 式を編集します。[XPath 式エディタ] ページが表示されます。
[変数の構造] ペインの [構造の選択] ドロップダウン リストで [body
] を選択します。
body
要素の構造が [変数の構造] ペインに表示されます。
processLoanApp 要素の横の [+] をクリックして、要素を展開します。
processLoanApp 要素は、$body - processLoanApp (request) 要素内にあります。
[+] をクリックして、loanRequest 要素を展開します。
$body
の Notes
要素に対応する円形アイコン を選択し、XPath 式のテキスト ボックスにドラッグ アンド ドロップします。次の XPath 式がテキスト ボックスに書き込まれます。
./exam:processLoanApp/loanRequest/java:Notes
注意 : ドラッグ アンド ドロップ機能を使用できるのは Internet Explorer (IE) ブラウザのみです。IE 以外のブラウザを使用する場合は、[変数の構造] ペインで Notes
要素を選択します。式が [プロパティ インスペクタ] パレットに表示されます。XPath 式のテキスト ボックスにカーソルを置いて、[プロパティのコピー] をクリックします。式がテキスト ボックスにコピーされます。パレットの式をコピーし、XPath 式のテキスト ボックスに貼り付けることもできます。
[検証] をクリックして式を検証し、[保存] をクリックします。
[変数] テキスト フィールドに body
と入力します。
[<式>
] リンクをクリックして [XQuery 式エディタ] ページを表示し、このページでデフォルトで [XQuery テキスト] が選択されるのでそのままにします。
XQuery 式のテキスト ボックスに次のように入力します。
$fault/ctx:reason/text()
[検証] をクリックし、[保存] をクリックします。
[ノードのコンテンツを置換] オプションを選択します。ノード全体を置換する必要はありません。
次の図のように置換アクションが表示されます。
図 5-7 置換アクションを使用したエラー ハンドラの追加
エラーをレポートするレポート アクションの追加
レポート アクションを追加し、詳細なコンテキストとして body
コンテキスト変数をレポートし、キー名 errorCode
とキー値に fault
コンテキスト変数で検出した実際のエラー コードを設定するように、レポート アクションをコンフィグレーションします。
置換アクション をクリックし、[アクションの追加|レポート] を選択します。レポート アクションがページに追加されます。
[レポート] という文の [<式>
] リンクをクリックします。[XQuery 式エディタ] ページが表示されます。
このページのデフォルトである [XQuery テキスト] をそのまま使用します。
[変数の構造] ペインの [構造の選択] ドロップダウン リストで body - processLoanApp
を選択します。
$body
要素に対応するアイコン を選択し、XQuery 式のテキスト ボックスにドラッグ アンド ドロップします。
XQuery 式 $body
がテキスト ボックスに書き込まれます。
注意 : ドラッグ アンド ドロップ機能を使用できるのは Internet Explorer (IE) ブラウザのみです。IE 以外のブラウザを使用する場合は、[変数の構造] ペインで body
要素を選択します。式が [プロパティ インスペクタ] パレットに表示されます。XQuery 式のテキスト ボックスにカーソルを置いて、[プロパティのコピー] をクリックします。式がテキスト ボックスにコピーされます。パレットの式をコピーし、XQuery 式のテキスト ボックスに貼り付けることもできます。
[検証] をクリックし、[保存] をクリックします。
[ステージ コンフィグレーションの編集] ページに戻ります。
キー値ペアのテーブルで、[キーの追加
] リンクを選択します。
キーの名前を入力します。ここでは errorCode
と入力します。
[キー値] フィールドで [XPath] をクリックします。
[変数の構造] ペインの [構造の選択] ドロップダウン リストで [fault
] を選択します。
errorCode
に対応するアイコン を選択し、XPath 式のテキスト ボックスにドラッグ アンド ドロップします。
式 ./ctx:errorCode
がテキスト ボックスに書き込まれます。
注意 : ドラッグ アンド ドロップ機能を使用できるのは Internet Explorer (IE) ブラウザのみです。IE 以外のブラウザを使用する場合は、[変数の構造] ペインで errorCode
要素を選択します。式が [プロパティ インスペクタ] パレットに表示されます。XPath 式のテキスト ボックスにカーソルを置いて、[プロパティのコピー] をクリックします。式がテキスト ボックスにコピーされます。パレットの式をコピーし、XPath 式のテキスト ボックスに貼り付けることもできます。
この手順では、レポート データにエラー コードでインデックスを付けることができます。キーは、メッセージを識別する便利な手段となります。エラー コードを使用して、レポート モジュールでレポート エントリを検索することができます。
[検証] をクリックして XQuery を検証し、[保存] をクリックします。
[変数] テキスト フィールドに fault
と入力します。
注意 : ページにアクションを追加するには、新しいアクションを追加する位置の前にあるアクションをクリックし、そこで追加するアクションを選択します。アクションが順序どおりに追加されます。
次の図のようにレポート アクションが表示されます。
図 5-8 レポート アクションの追加
エラー コードを返信する返信アクションの追加
レポート アクションをクリックし、[アクションの追加|返信する] を選択します。返信アクションがページに追加されます。
次の図のように [失敗時] オプションを選択します。
図 5-9 エラー コードを返信する返信アクション
[保存] をクリックして、ステージのコンフィグレーションを保存します。
エラー ハンドラのコンフィグレーションを保存します。
[ステージ コンフィグレーションの編集] ページが次の図のように表示されます。
図 5-10 LoanGateway3 プロキシ サービスの要求アクション
手順 5 : ルーティングのデフォルト ケースの追加
ルート ノードのコンフィグレーション
パイプライン ペアにルート ノードを追加し、normalLoan
ビジネス サービスにルーティングするようにルート ノードをコンフィグレーションします。
[PipelinePairNode1] をクリックし、[ルート ノードの追加] を選択します。
[RouteNode1] をクリックし、[編集|ルート ノード] を選択します。[ステージ コンフィグレーションの編集] ページが表示されます。
[アクションの追加] をクリックし、[ルーティング] を選択します。
ルート アクションがページに表示されます。
[ルーティング] という文の [サービス
] リンクをクリックし、メッセージのルーティング先のサービスを定義します。[サービスの選択] ページが表示されます。
NormalLoan
ビジネス サービスを選択します。
[ステージ コンフィグレーションの編集] ページに戻ります。
[操作] ドロップダウン リストで [processLoanApp
] を選択します。
これは、実行時に呼び出される NormalLoan
ビジネス サービスの操作です。
これで、NormalLoan
ビジネス サービスへの融資申し込みのルーティング ケースが定義されました。
次の図のような画面が表示されます。
図 5-11 LoanGateway3 プロキシ サービスのメッセージ フローのコンフィグレーション
[保存] をクリックし、[保存] をクリックしてコンフィグレーションを保存します。[MortgageBroker/ProxyService] ページに戻ります。
[アクティブ化] をクリックし、[送信] をクリックします。
次の図に示すように、プロキシ サービスのメッセージ フローのマップを確認できます。
図 5-12 LoanGateway3 プロキシ サービスのメッセージ フローのマップ
手順 6 : 融資申し込みのルーティング コンフィグレーションのテスト
BEA AquaLogic Service Bus でクライアントと対象ビジネス サービスを使用するためのコンフィグレーションが完了したので、コンフィグレーションをテストできます。テストはコマンドラインで行います。build.xml
ファイルの融資期間 (年) フィールドの値を変更し、ant
を実行します。このシナリオのプロキシ サービスの動作は、融資期間に正しい値が入力されているかどうかによって異なります。融資について整数以外の値が入力されていると、エラーがトリガされエラー メッセージが返されます。
値が整数以外の場合は、エラーが発生し、メッセージのメモ フィールドにエラー メッセージが返される。
値が整数の場合は、メッセージが NormalLoanApprovalService
ビジネス サービスにルーティングされる。
この節では、これらの 2 つのケースのプロキシ サービスをテストする方法を説明します。テストを実行した後でコマンド ウィンドウに返されるメッセージによって、検証例外が発生したか、メッセージが適切なビジネス サービスにルーティングされたかがわかります。
注意 : この節で少なくとも 5 回はテストを実行して、「手順 7 : レポートとモニタの使用」で説明するレポートとモニタの機能を調べるためのデータを生成してください。
この節のテスト シナリオは以下のとおりです。
テストを正しく実行するため、WebLogic Server が BEA AquaLogic Service Bus 2.1 (ServiceBusTutorial) ドメインで起動していることを確認します。
検証例外をテストするには
setEnv.cmd
を実行して環境を設定する作業が済んでいない場合は、ここで実行します。
BEA_HOME
\weblogic91\samples\servicebus\examples\src\
このディレクトリで、コマンドラインから次のコマンドを実行します。
setEnv.cmd
注意 : UNIX システムでコンフィグレーションをテストする場合は、コマンドライン プロンプトで setEnv.sh
スクリプトを実行します。
BEA_HOME
\weblogic91\samples\servicebus\examples\src\examples\webservices\jws_basic\normal
このケースのプロキシ サービスのルーティング動作をテストするには、build.xml
ファイルで、run ターゲットを次のように編集する必要があります。
build.xml
ファイルの最後までスクロールして次の文字列を探します。
<arg line="http://$...
<arg line="http://${wls.hostname}:${wls.port}/loan/gateway3 steve 555 2500 20.5 4.9 notes" />
これで、チュートリアル ドメインで実行されているプロキシ サービスの URI が変更され、融資期間の値に 20.5
(整数でない値) が指定されます。
arg line
で指定されるその他の入力パラメータの内容を次の表に示します。
表 5-3 入力パラメータ
入力パラメータ
|
説明
|
steve
|
クライアント名を示す文字列
|
555
|
クライアント ID
|
2500
|
要求融資額
|
20.5
|
融資期間
|
4.9
|
要求金利
|
notes
|
その他の備考を示す文字列
|
ビジネス サービスがデプロイされていることを確認します。
コマンド ウィンドウで、次のディレクトリに移動します。
BEA_HOME
\weblogic91\samples\servicebus\examples\src\examples\webservices\jws_basic\normal
テストを実行するには、コマンドラインで次のように入力します。
ant
run
これで、プロキシ サービスのルーティング ロジックがテストされます。Web サービスからの応答メッセージがコマンド ラインに出力されます。
[java] Loan Application Response: ALSB 検証アクションで検証に失敗しました
[java] Rate: 4.9
BUILD SUCCESSFUL
この応答メッセージは、融資期間のフィールドに入力された値が整数ではないために検証例外が発生したことを示します。
NormalLoanApprovalService ビジネス サービスをテストするには
BEA_HOME
\weblogic91\samples\servicebus\examples\src\examples\webservices\jws_basic\normal
注意 : このケースでは、NormalLoanApprovalServic
ビジネス サービスをテストするため、build.xml
ファイルの融資期間の値を 20 に設定し (表 5-3 を参照)、変更を保存します。
ビジネス サービスをまだデプロイしていない場合は、デプロイします。
コマンド ウィンドウで、次のディレクトリに移動します。
BEA_HOME
\weblogic91\samples\servicebus\examples\src\examples\webservices\jws_basic\normal
プロキシ サービスのルーティング ロジックをテストするため、コマンドラインで次のように入力します。
ant run
Web サービスからの応答メッセージがコマンド ラインに出力されます。
[java] Loan Application Response: <i><b>標準</b></i>融資申し込み処理サービスにより承認されました
[java] Rate: 4.9
BUILD SUCCESSFUL
この応答メッセージは、NormalLoan
ビジネス サービスが要求を処理したことを示します。要求された融資期間が整数値の 20 であるためです。
手順 7 : レポートとモニタの使用
プロキシ サービスのテストが終了し、次は、AquaLogic Service Bus Console のレポートおよびモニタの機能について学習します。
注意 : 「手順 6 : 融資申し込みのルーティング コンフィグレーションのテスト」のテストを少なくとも 5 回は実行して、レポートとモニタの機能を調べるためのデータを生成してください。
レポート
AquaLogic Service Bus には、メッセージ レポート用の JMS レポート プロバイダが含まれます。AquaLogic Service Bus Console の [レポート] モジュールには、このレポート プロバイダから取り込まれた情報が表示されます。用意されているレポート プロバイダを使用しない場合は、レポート サービス プロバイダ インタフェース (SPI) を使用して独自のレポート プロバイダを作成できます。
レポートは、AquaLogic Service Bus Console に自動的に表示されます。レポート機能はダッシュボードで使用できます。表示された情報からさらに詳細を調べることができます。表示されるリンクをたどることで、より多くの情報を入手することができます。
詳細については、以下を参照してください。
モニタ
BEA AquaLogic Service Bus では、システム処理とビジネスの監査のために実行時情報をモニタし、収集できます。AquaLogic Service Bus で集約された実行時統計は、カスタマイズ可能なダッシュボードに表示できます。ダッシュボードでは、システムのヘルス状態をモニタし、メッセージング サービスの問題があった場合にアラートを受けることができます。この情報を使用すると、時間をかけずに簡単に、発生した問題を特定し、診断できます。
詳細については、以下を参照してください。