Oracle Application Server インストレーション・ガイド 10gリリース2(10.1.2) for HP-UX PA-RISC(64-bit) and Linux x86 B15838-02 |
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この章では、Oracle Application Serverでサポートされている高可用性構成の概要を説明します。詳細は、後続の章で説明します。また、この章では共通の要件についても説明します。
この章の内容は次のとおりです。
この章では、Oracle Application Serverでの高可用性構成の概要のみを説明します。構成の詳細は、『Oracle Application Server高可用性ガイド』を参照してください。
Oracle Application Serverがサポートする高可用性構成のタイプは次のとおりです。
高可用性構成の比較一覧は、10.1.4項「相違の概要」を参照してください。
OracleAS Cold Failover Cluster構成には、次の特性があります。
OracleAS Cold Failover Cluster構成に、OracleAS Infrastructureおよび中間層をインストールできます。詳細は、第11章「高可用性環境へのインストール: OracleAS Cold Failover Cluster」を参照してください。
OracleAS Cluster(Identity Management)構成には、次の特性があります。
OracleAS Cluster(Identity Management)は、高可用性構成でのIdentity Managementコンポーネントのインストールに使用されます。中間層では使用されません。OracleAS Cluster(Identity Management)の詳細は、第12章「高可用性環境へのインストール: OracleAS Cluster(Identity Management)」を参照してください。
OracleAS Disaster Recovery構成には、次の特性があります。
OracleAS Disaster Recoveryには、OracleAS Infrastructureおよび中間層が含まれます。詳細は、第13章「高可用性環境へのインストール: OracleAS Disaster Recovery」を参照してください。
表10-1に、高可用性構成間の相違の概要を示します。
高可用性構成では、コンポーネントは次の順序でインストールします。
Identity Managementのコンポーネントを分散する場合は、それらのコンポーネントを次の順序でインストールします。
この項では、すべての高可用性構成に共通の要件を説明します。これらの共通の要件に加えて、各構成には固有の要件があります。詳細は、それぞれの章を参照してください。
共通の要件は次のとおりです。
高可用性構成には、2つ以上のノードが必要です。なんらかの理由でノードに障害が発生した場合、2番目のノードが引き継ぎます。
クラスタ内のすべてのノードの/etc/group
ファイルに、使用するオペレーティング・システム・グループが含まれていることを確認します。oraInventoryディレクトリ用に1つのグループ、データベース管理用に1つまたは2つのグループが必要です。グループ名およびグループIDは、すべてのノードで同じである必要があります。
詳細は、4.5項「オペレーティング・システム・グループ」を参照してください。
Oracle Application Serverをインストールするためのログインに使用するoracle
オペレーティング・システム・ユーザーに次のプロパティがあることを確認します。
oinstall
グループおよびosdba
グループに属している。oinstall
グループはoraInventoryディレクトリ用で、osdba
グループはデータベース管理グループです。詳細は、4.5項「オペレーティング・システム・グループ」を参照してください。
高可用性構成でインストールするすべてのノードに、既存のoraInventoryディレクトリがないことを確認します。
すべてのOracleソフトウェアのインストールの詳細は、Oracle Installer Inventoryディレクトリに記録されます。通常、このディレクトリはノードに対して一意であり、oraInventory
という名前が付けられています。Oracle Installer Inventoryディレクトリのディレクトリ・パスは、oraInst.loc
ファイルに格納されています。
このファイルがノードに存在することにより、ノードになんらかのOracleソフトウェアのインストールが含まれることが確認できます。高可用性構成では、他のノードではアクセスできない可能性のあるファイル・システムのOracle Installer Inventoryディレクトリを含む複数のノードへのインストールが必要であるため、この章以降のインストール手順では、この高可用性構成で使用されるすべてのノードに、Oracleソフトウェアの以前のインストールはまったくなかったものとします。oraInst.loc
ファイルとOracle Installer Inventoryディレクトリは、高可用性環境をインストールする前にこれらのノードに存在していてはいけません。
インストーラによって検出される可能性があるoraInventoryディレクトリがノードにあるかどうかを確認するには、次の手順を実行します。
oraInst.loc
ファイルが存在するかどうかを確認します。このファイルは、Linuxでは/etc
ディレクトリに、HP-UXでは/var/opt/oracle
ディレクトリに格納されています。ノードにこのファイルがない場合、インストーラによって使用されるoraInventoryディレクトリはありません。次のノードを確認できます。
oraInst.loc
ファイルが存在する場合は、このファイルおよびoraInventoryディレクトリの名前を変更します。その結果、インストーラによって新しいoraInventoryディレクトリの場所を入力するように要求されます。たとえば、HP-UXでrootとして次のコマンドを入力します。
# cat /var/opt/oracle/oraInst.loc inventory_loc=/localfs/app/oracle/oraInventory inst_group=dba # mv /var/opt/oracle/oraInst.loc /var/opt/oracle/oraInst.loc.orig # mv /localfs/app/oracle/oraInventory /localfs/app/oracle/oraInventory.orig
oraInst.loc
ファイルとOracle Installer InventoryディレクトリはOracleソフトウェアのインストール時にのみ必要であり、実行時には必要ないため、後でこれらの名前の変更やリストアを実行しても、ノードにインストールされたOracleソフトウェアの動作には影響はありません。Oracle Universal Installerを開始する前に、適切なoraInst.loc
ファイルとOracle Installer Inventoryディレクトリが正しく配置されていることを確認してください。
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