Oracle Application Server 概要 10gリリース2(10.1.2) B15619-02 |
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Oracle Business Intelligenceは、統合型で直感的な対話型のビジネス・インテリジェンス・ソリューションで、多次元のOLAPやリレーショナル・データ・ソースに対して、データの準備から最終表示まで、レポートの総合的な作成機能および配信機能を実現します。
この章では、Oracle Business Intelligenceの機能およびその利点の概要について説明します。この章の項目は次のとおりです。
OracleBI Discovererは、データを分析するためのビジネス・ツールです。これは、統合型のビジネス・インテリジェンス・ソリューションで、直感的な非定型のクエリー、レポート作成、分析およびWebパブリッシングの各機能があります。OracleBI Discovererを使用すると、技術に精通していないユーザーでも、多次元のOLAPデータ・ソース、データ・マート、データ・ウェアハウスまたはオンライン・トランザクション処理システムの情報へ、直接アクセスできるようになります。
図5-1に、ビジネス・インテリジェンス・ダッシュボードの例を示します。ここでは、Oracle Application Server Portalを介してOracleBI Discovererのレポートを使用しています。
OracleBI Discovererの各種コンポーネントを使用すると、次のことができます。
OracleBI Discovererによって、組織のあらゆるレベルのビジネス・ユーザーが、標準的なWebブラウザだけで、様々なデータ・ソースの情報へ、セキュアな状態で直接アクセスできるようになります。
Oracle Business Intelligence Discovererを構成するコンポーネントは次のとおりです。
Oracle Business Intelligence Discoverer Plus OLAPを使用すると、技術に精通していないユーザーでも、Oracleデータベースが持つ強力なOLAP分析機能を活用したレポートを作成できます。
OLAPのクエリー・モデルは、業務に関してユーザー間で共通する用語や定義を処理できます。これにより、ユーザーは一連のステップで複雑なクエリーを作成できます。OLAPのモデルはこのように柔軟性に富んでいるため、格納された尺度とルック、フィールおよび動作が似ている新たな分析用ユーザー定義アイテムをレポート環境に追加し、データベースで直接実行できます。
レポートを作成したら、Oracle Business Intelligence Discoverer Plus OLAPによって、レポートに関係なく、レポートの定義とユーザー定義アイテムを保存できるため、将来レポートを作成する際に時間を節約できます。
Oracle Business Intelligence Discoverer Plus Relationalは、技術に精通していないユーザー向けに設計されているWebベースのレポート・オーサリング・ツールです。これには、効率的で対話型のレポートのレイアウト機能およびフォーマット機能、データ分析ツール、および組込みのユーザー定義アイテム・ウィザードが用意されています。
Discoverer Plus Relationalは、データ・ウェアハウスやデータ・マートからオンライン・トランザクション処理システムまで、あらゆるリレーショナル・データ・ソースを扱います。
作成したレポートは、直接共有することも、Excel、PDF、HTMLの各ファイルとしてエクスポートすることもできます。
Oracle Business Intelligence Discoverer Viewerを使用すると、ビジネス・ユーザーは純然たるHTMLインタフェースを使用する標準的なWebブラウザで、レポートへのアクセスおよびデータの分析を行うことが可能になります。これに際して、ソフトウェアを別途インストールまたはダウンロードする必要はありません。Discoverer Viewerでは、Discoverer Plus OLAPまたはDiscoverer Plus Relationalで作成したレポートを開けます。
データ分析が済んだら、変更を保存して将来表示可能にできます。また、Microsoft Excel、HTML、PDFなど、各種のファイル・フォーマットにレポートをエクスポートすることもできます。エクスポートしたファイルを電子メールに添付して、Discoverer Viewerから直接送信することもできます。
Oracle Business Intelligence DiscovererとOracle Application Server Portalが統合されたことにより、セキュアで利便性のよいダッシュボードを作成して、業務に不可欠なパフォーマンス測定を追跡できます。
OracleBI Discoverer Portlet Providerでは、ウィザードによるインタフェースを介して、Discovererの既存レポートをOracleAS Portalのページにパブリッシュできます。この際、コードの作成は不要です。レポート・データは、レポートに応じて、ゲージ、グラフ、テーブルまたはクロス集計として表示できます。
さらに、他のユーザーは、このレポートを介してデータを表示し、データにアクセスできるため、Oracle Application ServerのOracle Identity Management、およびOracle Databaseの緻密なアクセス制御を利用できます。「分析」をクリックすると、のレポートにアクセスできます。Discoverer Viewerの対話型分析環境では、レポートに対してパーソナライズしたカスタマイズを実行し、ユーザーの独自ニーズに適合するように情報を調整できます。
図5-2に、Oracle Business Intelligenceの各コンポーネントの関係を示します。
Oracle Business Intelligence Discovererのアーキテクチャは複数層になっているため、分散というWeb環境の特性を利用しています。OracleBI Discovererのコンポーネントは、次の層にインストールされています。
Discoverer Plusの場合、クライアント・マシンに要求されるのは、Java対応のWebブラウザを実行することのみです。初めてマシンを使用してDiscovererに接続したときは、Discoverer PlusのアプレットがDiscovererサービス層からダウンロードされ、クライアント・マシンにキャッシュされます。アプレットにより、ワークブックの作成およびデータの分析を行うためのユーザー・インタフェースと機能が提供されます。
ポータル・ページ上のDiscoverer ViewerとDiscovererのポートレットの場合、クライアント・マシンに要求されるのは、JavaScript対応のWebブラウザを実行することのみです。
データベース層には、複数のデータベースが含まれる場合もあります。
データ・ソースによっては、Oracle Business Intelligenceメタデータを作成および保持するために、次のものが1つ以上必要になる場合もあります。
ビジネス・インテリジェンス環境では、データは複数のソースから、様々なフォーマットで生成されます。ビジネス・インテリジェンス・データの公開方法は、何段階にもわたる複雑な手順を踏んで単一フォーマットにデータを操作および統一する必要のない、迅速かつ簡単なものである必要があります。
Oracle Application Server Reports Servicesは、スケーラブルかつセキュアな環境で、品質の高いエンドユーザー・レポートを動的に生成する堅牢な配置プラットフォームです。高度なレポートを任意のデータ・ソースから任意のフォーマットに構築および公開して、Oracle Application Serverを使用して任意の場所に配置できます。
OracleAS Reports Servicesは、Oracle Reportsの一部です。Oracle Application Serverには、Oracle Developer SuiteのコンポーネントであるOracle Reports Developerも含まれています。Oracle Reports Developerを使用すると、サーブレットおよびJSPテクノロジを使用して複雑なデータ・モデルを構築し、既存の高品質なペーパー・レイアウトと向上した高品質なWebレイアウト間で共有できます。
Oracle Application Serverで開発者は、高度で高品質なレポートを任意のデータ・ソースから任意のデータ・フォーマットで公開して任意の場所に配置できます。OracleAS Reports Servicesでは、Oracleデータベース、XMLフィード、JDBC対応のデータ・ソースなど、複数のデータ・ソースのデータを1つのレポートに統合できます。カスタム・データ・ソースでさえも、プラッガブル・データ・ソース用のオープンなAPIを使用して追加できます。
レポートは、必要に応じて生成することも、時間または間隔を指定してスケジュールすることもできます。フォーマットされたレポートは、標準のWebブラウザ、電子メール、プリンタまたはOracle Application Server Portalに配布したり、すばやく取得できるように中間層に格納したり、Pluggable Destinations APIを使用して独自の宛先に格納できます。
OracleAS Reports Servicesでは次のことが可能です。
図5-3に、Oracleレポートの例を示します。
図5-4は、Oracle Application Server Reports Servicesがどのようにクライアント・リクエストを処理するかを示しています。OracleAS Reports Servicesは、すべてのリクエストをジョブのキューに入れることにより、レポートを実行します。サーバーのランタイム・エンジンのいずれかが使用可能になると、キュー内の次のジョブがディスパッチされて実行されます。
キュー内のジョブ数が増加すると、サーバーは、サーバー構成に指定されている上限値に達するまで、起動するランタイム・エンジンを増やすことができます。OracleAS Reports Servicesのランタイム・エンジンは、指定された時間アイドル状態を継続すると、自動的にシャットダウンされます。
OracleAS Reports Servicesでは、サーバーで発行されたすべてのジョブが追跡されます。これには、実行中のジョブ、実行予定のジョブ、実行済のジョブを含みます。Reports Queue Manager(Windows)、Reports Queue Viewer(UNIX)またはshow jobs
コマンド(Web)では、ジョブの出力とレポートの最終ステータス以外に、ジョブがスケジュールされた時間、キューに入れられた時間、起動された時間および終了した時間を表示できます。
OracleAS Reports Servicesのジョブ・オブジェクトは永続します。つまり、サーバーがシャットダウン後に再起動されると、スケジュールされているジョブのみでなく、すべてのジョブがリカバリされます。
Oracle Reports Developerでは、既存のより大きなWebページにレポートを埋め込むことができます。このテクノロジを使用すると、レポート定義が含まれるHTML、JSPおよびXMLファイルを開いて保存することができます。レポートをJSPファイルとして保存すると、データ・モデルはXMLタグを使用して埋め込まれます。レポート全体をXMLタグで定義して、XMLファイルとして保存することもできます。
Oracle Reports Developerを使用すると、取得したデータを、データ・モデルを使用して既存のWebページに埋め込むこともできます。この方法では、複数のソースからの情報を1つのWebページに完全に統合して、ビジネス要件を満たすレポートを非常に柔軟に作成できます。独自のJSPを作成する場合は、Oracle Reports Developerに用意されているテンプレートを使用して、レポートを構築できます。
レポート・ブロック・ウィザードを使用すると、開発者はOracle Reports Developerで必要なJSPタグを生成してJSPレイアウトを簡単に作成できます。これ以外の方法として、より正確に制御するために、開発者自身が手動でタグを追加することもできます。
Oracle Application Server Reports Servicesには、次の機能があります。
OracleAS Reports Servicesでは、データベース・イベントによってトリガーされるレポートを実行できます。レポートの実行には、データベース・トリガーからコールされる一連のPL/SQLストアド・プロシージャを使用します。トリガーによってOracleAS Reports Servicesが起動され、イベント・データがサーバーに送信されます。たとえば、従業員が経費レポートを送信すると、データベースに新しいデータが挿入されます。この挿入イベントによりデータベース・トリガーが起動され、このトリガーにより、経費レポートの承認を求めるレポートが、ポータル・ページまたは電子メール・メッセージを通じて従業員のマネージャに送信されます。
データベース・イベント以外にも、Reports Webサービスを使用するJavaアプリケーション、またはOracle WorkflowおよびReports Workflowアクティビティを使用するビジネス・プロセスからレポートをトリガーできます。
OracleAS Reports Servicesでは、データ・ソースへのアクセス、ランタイム・エンジン、セキュリティ、通知、配布およびキャッシュを、次のようにカスタマイズできます。
Oracle Application Server Reports Servicesの強化された一括処理および配布機能を使用すると、ペーパー、電子メール・メッセージ、Webページなどのメディアだけでなく、スプレッドシートなどのデリミタ付き出力にまでもレポートを配布できます。
レポート内の繰り返しデータを一括処理することもできます。一括処理を使用すると、1つのレポート・モデルからパーソナライズした複数のレポートを作成できます。たとえば、部門ベースのレポートを、該当部門に所属する従業員にのみ配布できます。これにより、各ユーザーは、関係のある適切な情報のみを受け取るようになります。たとえば、給与レポートの場合、営業部門のマネージャは、営業部門の従業員の給与情報のみが含まれる電子メールを受け取り、購買部門のマネージャは、購買部門の従業員の給与情報のみが含まれる電子メールを受け取ります。その企業のCEOは、各部門の情報が要約された出力を受け取ります。
レポートは1回のみ実行され、レポートの出力は、それを必要とする様々なユーザー・セットに送信されます。レポートを配布するためにフェッチおよびフォーマットする必要があるのは、1つのデータ・セットのみです。
今日のE-Businessは、Web上の顧客と1対1の関係を維持することで競い合っています。Web上の顧客とは、登録されている顧客と匿名のWebビジターの両方です。企業は、顧客の関心事項およびプロファイルに基づいて、推奨する製品をカスタマイズし、顧客がそれを気に入る可能性を評価して、サイト・ナビゲーションを強化する必要があります。
Oracle Application Server Personalizationでは、Webストア、アプリケーション・ホスト環境およびビジネス・コール・センターを対象に、リアルタイム分析とリコメンデーションを提供します。Oracle Application Server Personalizationには、Oracle Application Serverとともに配置される統合リアルタイム・リコメンデーション・エンジンが含まれています。
Oracle Application Server Personalizationでは、リアルタイムのパーソナライズ機能を提供することで、顧客の関心分野を強力かつスケーラブルにリアルタイムでパーソナライズできます。これにより、E-Businessでは、顧客の関心事項およびプロファイルに基づいて、推奨する製品をカスタマイズし、顧客がそれを気に入る可能性を評価して、サイト・ナビゲーションを強化できます。
OracleAS Personalizationは、B2C取引を行う顧客、Business-to-Business取引を行う顧客、およびビジネスクリティカルな操作をサポートするために顧客との窓口をパーソナライズして競争力を高める必要があるアプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)によって使用されています。
Oracle Application Server Personalizationは、次のような問いに対するリコメンデーションおよび回答を提供します。
図5-5は、データがどのように流れ、どのようにOracle Application Server Personalizationによって処理されるかを示しています。
OracleAS Personalizationは、Web、モバイル、コール・センターおよびキャンペーン・アプリケーションを経由したビジターのアクティビティをリコメンデーションに組み込みます。このアクティビティ・データは、そのビジターのものとしてOracleデータベースに保存され、OracleAS Personalizationによって予測モデルの構築に使用されます。それ以降にWebサイトを訪問すると、それが顧客のデータ・セットに追加されます。予測の精度は新しいデータの追加により高まります。
OracleAS Personalizationは、リアルタイムまたはバッチ・モードで実行が可能なSQLクエリーを使用してスコアを取得します。リコメンデーション・エンジンは、企業全体のWebサイトにOracleAS Personalizationのリコメンデーションを提供します。
OracleAS Personalization予測モデルは、たとえば日次、週次、月次で定期的に再構築して、構築が完了した時点でリコメンデーション・エンジンに配布できます。OracleAS Personalizationを使用すると、ユーザーは、カスタマイズされたリコメンデーションをWebサイトに提供する多数のリコメンデーション・エンジンから成る、リコメンデーション・エンジン・ファームを作成できます。
このアーキテクチャは、トラフィックの多いサイトにとって非常にスケーラブルです。OracleAS Personalizationは、E-Commerceサイトにつきものの高トラフィックおよび要求される処理能力に対応するために予測モデルをメモリに格納します。パーソナライズされたリコメンデーションの元となる隠れたパターンや顧客のプロファイルは、データ・マイニング・アルゴリズムによって検出されます。
OracleAS Personalizationは、Oracle Application Server Personalization Administratorを使用して、予測モデルの構築に必要な情報を含むパッケージを定義します。これには、データベースのデータ・マイニング・テクノロジとデータベースの接続に関する情報が使用されます。OracleAS Personalization Administratorでは、パッケージの構築スケジュール、およびリコメンデーションを生成するリコメンデーション・エンジンへのパッケージの配布スケジュールが作成および管理されます。同じパッケージが含まれるリコメンデーション・エンジンは、リコメンデーション・エンジン・ファームとしてグループ化されます。
Oracle Application Server Personalizationには、次の機能があります。
OracleAS Personalizationは、登録されている顧客または匿名ビジターの明示的な入力(トランザクション、購入物、評価、人口統計データ)と暗黙的な情報(マウス・クリック、訪問したページ、表示したバナー)に基づいて、商品、コンテンツ、ナビゲーション時のリンクなどのパーソナライズされたリコメンデーションをリアルタイムで動的に提供します。
Oracle Database Serverに組み込まれた強力なデータ・マイニング・テクノロジは、個人の行動パターンを自動的に検出し、精度の高いパーソナライズされたリコメンデーションをリアルタイムで生成します。OracleAS Personalizationでは、データ・マイニングを使用してデータ・マイニング・モデルが構築されます。このモデルは、Webサイトのビジターが何を気に入り、何を購入するのかを予測します。予測は、これまでのセッションと現在のセッションでそのWebサイトのビジターに関して収集されたデータに加え、人口統計情報、購入情報および評価情報に基づいて生成されます。
OracleAS Personalizationは、既存のWebアプリケーション、およびJava APIをコールするその他のアプリケーションと連動します。これらのアプリケーションは、ナビゲーション時のクリック、ショッピング・カートへの商品の追加、人口統計情報の提供など、特定のビジターまたは顧客のアクティビティを取得するようOracleAS Personalizationに要求します。これらのデータはいずれもOracleAS Personalizationによってキャッシュされ、Oracleデータベース・スキーマに保存されます。ユーザーがスケジュールした時間になると、OracleAS Personalizationは収集されたデータを採掘し、ルールに基づいてリコメンデーションを作成するための予測モデルを構築し、リコメンデーション・エンジンにそれを移入します。コール元アプリケーションは、次に、各ビジターまたは顧客に表示するリアルタイムの個別化されたリコメンデーションを生成するようOracleAS Personalizationに要求します。OracleAS Personalizationは、ルールを使用して、ビジターが最も関心を示しそうな商品のリストを取得します。
OracleAS Personalizationでは、1つの管理インタフェースから、企業全体の複数のリコメンデーション・エンジンを構築、構成、管理および配置できます。
また、管理インタフェースでは、様々なキャンペーンや期間(祝日など)に応じて、複数のリコメンデーション戦略を配布できます。イベント・スケジューラを使用して、特定のイベントのモデル動作を取得することもできます。
Oracle Business Intelligence Discovererは、Oracle Developer Suiteに含まれるエンタープライズ・レポート作成ツールであるOracle Reports Builderとシームレスに統合されています。OracleBI Discovererのユーザーは、ワークブックを完全な形でエクスポートできます。レイアウト、フォーマット、例外、パラメータなどの情報はXMLを通じて渡されるので、OracleBI DiscovererワークブックはOracle Reports Builderの全能力を使用して拡張されます。また、ユーザーは、これによってバッチのスケジュールやPDFのサポートなど、OracleAS Reports Servicesの公開機能の全スイートにアクセスできます。詳細は、Oracle Developer Suite Reports Builderのオンライン・ヘルプを参照してください。
Oracle Application Server、Oracle Developer SuiteおよびOracle Databaseが緊密に統合されることで、パフォーマンスとスケーラビリティが向上します。Oracle Business Intelligence Discovererに備わるテクノロジにより、企業のあらゆる部分でデータを活用できます。
次の項では、他のOracle Application ServerコンポーネントとOracleBI Discovererとの関係について説明します。
シングル・サインオン・サービスは、1つに統合された認証メカニズムを提供するものです。これにより、ユーザーは1回の認証ステップを行うだけで、自らのIDを複数のアプリケーションに認証させることができます。WebベースのE-Businessでは、シングル・サインオン機能を使用して、ビジネス・インテリジェンス・アプリケーションを従業員、顧客、パートナ向けに配置することができます。
Oracle Application Server Single Sign-Onを使用すると、ユーザーは1つのユーザー名とパスワードを使用して、経費レポート、電子メール、福利厚生情報などの複数のWebベースのアプリケーションにログインできます。OracleAS Single Sign-Onは、あらゆるOracleBI Discoverer機能のセキュリティ・ゲートウェイとしての役割も果たします。
OracleAS Single Sign-Onでは、各ユーザーは、アクセス可能なすべてのアプリケーションに対し1つのユーザーIDとパスワードを保持します。
OracleBI Discovererでは、OracleAS Single Sign-On機能を利用して、すべてのDiscovererユーザーへのセキュアなアクセス・ポイントを提供します。
Oracle Application Server Business IntelligenceとOracle Enterprise Managerの統合により、集中的な構成管理ツールが提供され、システム管理者は中間層でOracle Application Serverのサービスを確認し、構成することができます。Application Server Controlコンソールには、Oracle Business Intelligenceのサービスを管理するための使いやすいグラフィカル・インタフェースが用意されています。Application Server Controlコンソールを使用すると、次のことができます。
図5-6に、Oracle Enterprise ManagerでカスタマイズできるOracleBI Discovererのオプションをいくつか示します。
Application Server Controlコンソールでは、アラートを表示し、OracleBI Discovererサービスの履歴データを分析できます。さらに、Application Server Controlコンソールを使用すると、OC4Jなどの関連コンポーネントや、そうしたサービスをサポートするデータベースを管理できます。
インターネットやエクストラネット上でのパフォーマンスを高めるために、OracleBI DiscovererではOracle Application Server Web Cacheを利用します。Oracle Business Intelligence Discovererでは、最も一般的なリクエストに対するレスポンス時間を短縮するためにもOracleAS Web Cacheを利用します。さらに、すべての使用可能なアプリケーション・サーバー間の負荷を均衡させるルーターとして、OracleAS Web Cacheを利用することもできます。
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