Distributed Configuration Management 管理者ガイド 10gリリース2(10.1.2) B15732-03 |
|
この章では、Oracle Application Server File-Based Farm、DCM-Managed Oracle Application Server Cluster、Oracle Application Serverインスタンス、コンポーネント・インスタンスなどの管理対象構成要素を、dcmctl
ユーティリティを使用して作成および管理する方法について説明します。データベースベース・リポジトリの作成タスクとメンテナンス・タスクは、dcmctl
ユーティリティ以外のツール、すなわちOracle Universal InstallerとRepository Creation Assistantを使用して行うため、ここでは説明しません。これらの使用方法は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。
この章は次の項で構成されています。
管理対象の構成要素間には、図2-1に示すような関係があります。管理するとは、リポジトリ(ファイルベースまたはデータベース)を管理に関連付けることを意味します。DCM-Managed OracleAS Cluster構成の作成と同期は、個別に手動ベースで実行できますが、その方法についてはここでは説明しません。
DCMで管理する構成の最も広範な管理スコープはOracle Application Server Farmで、この中に、Oracle Application ServerインスタンスのDCM-Managed OracleAS Cluster、およびクラスタリングされていない、つまりスタンドアロンのOracle Application Serverインスタンスが配置されます。OracleAS Farmはインストール時に作成するか、dcmctlユーティリティを使用して作成できます。図2-1に、OracleAS Farm内の各要素、要素間の関係およびそれらのカーディナリティを示します。
OracleAS Farmは、同一のDCMメタデータ・リポジトリを共有するOracleAS ClusterとOracle Application Serverインスタンスの集合として定義されます。Oracle Application Server Farmは、リポジトリを共有するOracleAS ClusterとOracle Application Serverインスタンスに対して適用される管理スコープです。
この項では、OracleAS File-Based FarmをセットアップしてOracle Application Serverインスタンスをそれに追加する方法、Oracle Application ServerインスタンスのDCM-Managed OracleAS Clusterを作成およびメンテナンスする方法および他のシステム管理タスクを実行する方法について説明します。この項では次のトピックについて説明します。
OracleAS File-Based Farmのリポジトリ・ホストとなるOracle Application Serverインスタンスを指定する必要があります。指定するOracle Application Serverインスタンスは、スタンドアロンのOracle Application Serverインスタンス(つまり、どのOracleAS Farmにも関連付けられていないインスタンス)である必要があります。OracleAS File-Based Farmのリポジトリ・ホストを指定するには、次の手順を実行します。
dcmctl whichFarm
dcmctl
によってOracleAS File-Based Farmの名前が返された場合は、そのOracle Application ServerインスタンスはOracleAS File-Based Farmの構成要素で、既存のリポジトリに関連付けられています。Oracle Application Serverインスタンスをスタンドアロン状態にする手順は次のとおりです。
dcmctl getRepositoryID
dcmctl
によって、リポジトリIDがhostname:port
の形式で返されます。
dcmctl joinFarm -r repository ID
このコマンドで、repository IDは、getRepositoryID
コマンドによって返されたhostname:port
の値です。
現行のOracle Application Serverインスタンスが、OracleAS File-Based Farmのリポジトリ・ホスト・インスタンスとして構築されます。OracleAS File-Based Farmの構成情報は、リポジトリ・ホストになったOracle Application Serverインスタンスのファイルベース・リポジトリに格納されます。
図2-1に示されているように、Oracle Application ServerインスタンスはスタンドアロンのOracle Application Serverインスタンスとして(DCM-Managed OracleAS Clusterのメンバーになることなく)、OracleAS Farmの構成要素になれます。これによって、UNIX、WindowsおよびLinux上のOracle Application Serverインスタンスの各集合を、1つの単位として管理できます(同種のオペレーティング・システム上のインスタンスはクラスタ化されますが、Oracle Application ServerインスタンスをDCM-Managed OracleAS Clusterに結合する前に、OracleAS Farmに配置する必要があります)。OracleAS File-Based FarmにOracle Application Serverインスタンスを追加するには、次の手順を実行します。
dcmctl getRepositoryID
dcmctl
によって、リポジトリIDがhostname:port
の形式で返されます。
dcmctl joinFarm -r repository ID
このコマンドで、repository IDは、手順1のコマンドによって返されたリポジトリIDです。
dcmctl whichfarm -v
dcmctl
によって、ファーム名、ホスト・インスタンス名、ホスト名およびリポジトリ・タイプが返されます。
図2-1に示されているように、DCM-Managed OracleAS ClusterはOracle Application Server Farmのメンバーとして作成されます。DCM-Managed OracleAS Clusterを作成するには、次の手順を実行します。
dcmctl createCluster -cl nameOfCluster
このコマンドで、nameOfClusterはDCM-Managed OracleAS Clusterの識別子です。
dcmctl
によって、次のようなDCM-Managed OracleAS Clusterの一覧が表示されます。
1 cluster2 2 cluster1
DCM-Managed OracleAS Clusterの作成時には、Oracle Application Serverのメンバー・インスタンスはいっさい配置されていません。Oracle Application ServerインスタンスをDCM-Managed OracleAS Clusterに追加するには、joinClusterコマンドを使用します。
DCM-Managed OracleAS Clusterを作成したら、それにOracle Application Serverインスタンスを追加できます。Oracle Application ServerインスタンスをDCM-Managed OracleAS Clusterに追加する前に、DCM-Managed OracleAS Cluster構成とクラスタリング可能なOracle Application Serverインスタンスの特性に関する次のガイドラインを参照し、理解してください。
Oracle Application ServerインスタンスをDCM-Managed OracleAS Clusterに追加する順序は重要な意味を持ちます。DCM-Managed OracleAS Cluster間でレプリケートされる共通構成は、最初にクラスタに追加するOracle Application Serverインスタンスによって構築されます。最初に追加するOracle Application Serverインスタンスの構成が、それ以降にDCM-Managed OracleAS Clusterに加わるすべてのOracle Application Serverインスタンスによって継承されます。
共通構成には、クラスタ全体のすべての構成情報、すなわち構成済のコンポーネントなどの、DCM-Managed OracleAS ClusterとOracle Application Serverインスタンスの属性情報が保持されます。たとえば、最初にクラスタに結合したOracle Application Serverインスタンスに4つのOC4Jインスタンスがあれば、共通構成には、それら4つのOC4JインスタンスとOC4Jインスタンスにデプロイされているアプリケーションが含まれます。それ以降にDCM-Managed OracleAS Clusterに加わるインスタンスには、それらのOC4Jインスタンスとデプロイされているアプリケーションがレプリケートされます(また、Oracle Application ServerインスタンスをDCM-Managed OracleAS Clusterに結合するときには、DCMでは共通構成と一致しないOC4Jコンポーネントがすべて削除されます)。さらには、新しいOC4Jインスタンスを追加したり、既存のOC4Jインスタンスを削除するなど、DCM-Managed OracleAS Cluster内の1つのOracle Application Serverインスタンスを変更すると、その変更内容がDCM-Managed OracleAS Cluster間でレプリケートされ、構成されたコンポーネントが、レプリケートされたクラスタ全体の共通構成の一部となります。
最後のOracle Application ServerインスタンスをDCM-Managed OracleAS Clusterから結合解除すると、DCM-Managed OracleAS Clusterが空のDCM-Managed OracleAS Clusterになり、次にDCM-Managed OracleAS Clusterに加えるOracle Application ServerインスタンスによってDCM-Managed OracleAS Clusterの新しい共通構成が構築されます。
一部のパラメータは特定のOracle Application Serverインスタンスまたはコンピュータにのみ適用されるため、DCM-Managed OracleAS Cluster内のすべてのOracleASインスタンスには自動的に伝播されません。そのため、これらのパラメータを変更するときは、適切なOracle Application Serverインスタンスに変更を適用する必要があります。
opmn.xmlファイルのパラメータ | 説明 |
---|---|
opmn/notification-server |
コンピュータ固有。 |
|
Oracle Application Serverインスタンス固有。 |
|
Oracle Application Serverインスタンス固有。 |
|
Oracle Application Serverインスタンス固有。これらの要素と属性はインスタンス固有ですが、デフォルト構成を持ちます(構成は伝播されませんが、リポジトリから取得されます)。
|
|
一般的には次のことが該当します。
|
DCM-Managed OracleAS Clusterに追加するインスタンスには、次の制約が適用されます。
アプリケーション、OC4Jインスタンス、Oracle Application ServerインスタンスまたはJ2EEアプリケーションにネーミングするときは、Oracle Application Serverインストールがあるコンピュータのホスト名を使用しないでください。特に、クラスタ化された環境では、DCM-Managed OracleAS Cluster内のどのOracle Application Serverインストールのホスト名、OracleホームおよびIPアドレスも使用しないでください。
たとえば、コンピュータのホスト名がabc.comである場合、文字列abc.comからなる、つまり文字列abc.comを含む新しいOC4JインスタンスやJ2EEアプリケーションは作成できません。このルールは、そのコンピュータのOracleホーム・ディレクトリ・パスまたはIPアドレスにも適用されます。
この制約が適用される理由は、DCMのクラスタリング、アーカイブおよびクローニング機能と関係しています。構成パラメータをアーカイブまたは取得するとき、DCMはホスト名、OracleホームおよびIPアドレスの文字列を検出するために、すべての構成ファイルをスキャンします。これらの値に一致する文字列が検出された場合、これらの値はシンボリック・マクロに置き換えられ、DCMリポジトリに格納されます。
DCMによってこれらの構成が他のインストールに適用されるときは、ホスト名、OracleホームおよびIPアドレスに一致する文字列は、その構成が適用されるインストールの値に置換されます。したがって、OC4Jインスタンス名またはJ2EEアプリケーション名にホスト名、Oracleホーム名またはIPアドレスが含まれている場合、構成が他のインストールに適用されたときに不適切に置き換えられてしまいます。
DCM-Managed OracleAS ClusterにOracle Application Serverインスタンスを追加するには、次の手順を実行します。
dcmctl listClusters
dcmctl
によって、ローカルのOracle Application Serverインスタンスが関連付けられているOracleAS Farmに属するDCM-Managed OracleAS Cluster名の一覧が返されます。
dcmctl isClusterable
dcmctl
によってtrue
が返された場合は、手順4に進みます。
dcmctl joinCluster -cl nameOfCluster
このコマンドで、nameOfClusterは、Oracle Application Serverインスタンスを結合するDCM-Managed OracleAS Clusterの識別子です。
ヒント
非ローカルなOracle Application ServerインスタンスをDCM-Managed OracleAS Clusterに結合する方法の説明は「joinCluster」を参照するか、コマンド |
Oracle Application ServerインスタンスがDCM-Managed OracleAS Clusterに結合され、停止されます。dcmctl
joincluster
コマンドによって、DCM-Managed OracleAS Cluster内のOracle Application Serverインスタンスの一覧が次の形式で表示されます。
1 10g01.my.pc.mycompany.com 2 10g02.my.pc.mycompany.com
opmnctl startall
DCM-Managed OracleAS ClusterからOracle Application Serverインスタンスを削除するには、次の手順を実行します。
dcmctl listInstances -cl nameOfCluster
dcmctl
によって、DCM-Managed OracleAS Cluster内のOracle Application Serverインスタンス名の一覧が返されます。
dcmctl leaveCluster
ヒント
非ローカルなOracle Application ServerインスタンスをDCM-Managed OracleAS Clusterから削除する方法の説明は「leaveCluster」を参照するか、コマンド |
DCMで構成を管理することの1つの利点は、構成情報がOracle Application Serverインスタンス間で移植可能になるということです。この項では、リポジトリを保存およびリストアする方法について説明します。
Oracle Application Serverにはファイルベース・リポジトリを保存するコマンドが用意されているため、リポジトリ・ホストのOracle Application Serverインスタンスが動作を停止したり、そのファイル・システムが破損した場合でも、リポジトリをリストアできます。exportRepository
コマンドによって、ファイルベース・リポジトリを保存します。次に、importRepository
コマンドを使用して、保存した構成情報をリポジトリ・ホストのOracle Application ServerインスタンスまたはOracleAS File-Based Farm内の別のOracle Application Serverインスタンスにリストアできます。
リポジトリ・ホストのOracle Application Serverインスタンスからリポジトリをエクスポートするには、次のコマンドを発行します。
dcmctl exportRepository -file file name
このコマンドで、file nameは構成情報の保存先となるファイルの名前です。
保存したファイルベース・リポジトリをインポートするには、次の手順を実行します。
dcmctl
を使用するインスタンス)を除いて、OracleAS File-Based Farmの各Oracle Application ServerインスタンスのDCMデーモンを停止します。OracleAS File-Based Farmの各Oracle Application Serverインスタンスで次のコマンドを発行します。
ORACLE HOME/opmn/bin/opmnctl stopproc ias-component=dcm-daemon
dcmctl importRepository -file file name
このコマンドで、file nameは、exportRepository
コマンドで指定したファイルの名前です。
dcmctl repositoryRelocated
特定のOracleAS File-Based Farmに属するOracle Application Serverインスタンスを別のOracleAS File-Based Farmに移動できます。別のリポジトリに移動するには、leaveFarm
コマンドとjoinFarm
コマンドを使用します。
OracleAS File-Based FarmからOracle Application Serverインスタンスを結合解除すると、そのOracle Application Serverインスタンスはスタンドアロンになります。これは次のことを意味します。
あるリポジトリから別のリポジトリにOracle Application Serverインスタンスを移動するには、次の手順を実行します。
dcmctl whichFarm
dcmctl
によってOracleAS File-Based Farmの名前が返された場合は、そのOracle Application ServerインスタンスはOracleAS File-Based Farmの構成要素で、既存のリポジトリに関連付けられています。
dcmctl leaveFarm
Oracle Application Serverインスタンスがスタンドアロン状態になります。
dcmctl createArchive -arch myArchive
dcmctl getRepositoryId
dcmctl
によって、リポジトリIDがhostname:port
の形式で返されます。
dcmctl joinFarm -r repository ID
dcmctlユーティリティを使用して、OracleAS File-Based Farmに属しているOracle Application ServerインスタンスをOracleAS Database-Based Farmに移動できます。
インスタンスをOracleAS File-Based FarmからOracleAS Database-Based Farmに移動するには、最初にそのインスタンスをOracleAS File-Based Farmから結合解除することで、現行リポジトリとの関連付けを解除します。これによってインスタンスがスタンドアロン状態になり、OracleAS Database-Based Farmに結合可能になります。
インスタンスを移動するには、次の手順を実行します。
dcmctl whichFarm
dcmctl leaveFarm
dcmctl joinFarm
この手順に失敗した場合、そのインスタンスは以前にOracleAS Database-Based Farmのメンバーでなかったことになります。したがって、その構成メタデータはDCMリポジトリになく、このことはOracleAS Database-Based Farmへの結合にはApplication Server Controlコンソールを使用する必要があることを意味します。
インスタンス間での構成情報の送受信にSecure Sockets Layer(SSL)プロトコルを使用するように、DCMを構成できます。この機能によって、OracleAS File-Based Farm内の全インスタンス間で送受信されるメッセージのセキュリティが保証され、許可されてないインスタンスがOracleAS File-Based Farmに結合されるのを防止できます。
この項では、OracleAS File-Based Farm内のインスタンスにSSLと証明書ベースのセキュリティをセットアップする手順について説明します。この手順の全体は、次のタスクからなります。
次のドキュメントの説明に従って、JDK keytool
コマンドを使用して、証明書を生成しキーストアを作成します。
http://java.sun.com/j2se/1.4.1/docs/tooldocs/solaris/keytool.html
鍵のペアが生成済でOC4J用の証明書を取得済の場合は、以前に取得したキーストアを使用できます。
SSL証明書ベースのセキュリティを使用するには、OracleAS File-Based Farm内の各インスタンスにJavaキーストアを作成する必要があります。このキーストアは他のJavaアプリケーションで使用するものと同じであっても、OracleAS File-Based Farm構成に固有のものであってもかまいません。OracleAS File-Based Farm内の各インスタンスに対するそれぞれのキーストアの場所へのパスを書き留めます。
OracleAS File-Based Farmの各インスタンスで、次のコマンドを発行して、Oracle Application Serverプロセスを停止します。
ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole ORACLE_HOME/dcm/bin/opmnctl stopall
キーストアと証明書情報を取得したら、OracleAS File-Based Farm内の各Oracle Application Serverインスタンスにキーストア情報を保持するファイルを作成する必要があります。
キーストア情報ファイルをセットアップするには、まずOracleAS File-Based Farmのリポジトリ・ホスト・インスタンスに次の手順を実行します。残りのインスタンスについては、任意の順番で実行できます。
configRepositorySSL
コマンドを次のように使用します。
dcmctl configRepositorySSL -keystore path_to_keystore -storepass password
生成されたファイル.ssl.conf
がORACLE_HOME
/dcm/config
ディレクトリに格納されます。
SSLの使用を有効化または無効化するには、ORACLE_HOME
/dcm/config/dcmCache.xml
ファイルの<useSSL>
属性を変更します。表2-4に、SSLの有効化に使用する構成パラメータを示します。
オプションとして、<sslConfigFile>
要素の値を変更することで、configRepositorySSL
を使用して生成したファイルの場所を指定できます。この値を変更する場合は、configRepositorySSL
で生成した.ssl.conf
ファイルを、<sslConfigFile>
要素で指定する新規ファイルにコピーする必要があります。
要素 | 説明 |
---|---|
<useSSL> |
DCM通信でSSLを使用する場合は
有効値: |
<sslConfigFile> |
ほとんどのインストールで、この要素のデフォルト値の変更は必要ありません。 |
OracleAS File-Based Farmの各インスタンスで次のコマンドを実行して、構成変更が適用されていることを確認します。この手順もリポジトリ・ホスト・インスタンスから開始します。
dcmctl getstate
これによって、OracleAS File-Based Farm内のローカル・インスタンスの同期状態が示されます。
OracleAS File-Based Farm内のすべてのインスタンスでセキュリティ構成が同一になったら、リポジトリ・ホスト・インスタンスを先頭に次のコマンドを使用して、各インスタンスを再起動します。
ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
SSLを使用するOracleAS File-Based Farmにスタンドアロン・インスタンスを追加できます。スタンドアロン・マシンで次の手順を実行します。
configRepositorySSL
を次のように使用して、キーストア情報ファイルを作成します。
dcmctl configRepositorySSL -keystore path_to_keystore -storepass password
生成されたファイル.ssl.conf
がORACLE_HOME
/dcm/config
に格納されます。
ORACLE_HOME
/dcm/config/dcmCache.xml
ファイルのパラメータをチューニングすることによって、大規模なOracleAS File-Based Farmのパフォーマンスを向上することができます。表2-5に、12のOracle Application Serverインスタンスを持つOracleAS File-Based Farmで、パフォーマンスの強化に使用したパラメータとそのサンプル値を示します。
ORACLE_HOME
/dcm/config/dcmCache.xml
を変更した後は、次を再起動する必要があります。
ORACLE_HOME
/opmn/bin
で次のコマンドを発行します。
opmnctl stopproc ias-component=dcm-daemon opmnctl startproc ias-component=dcm-daemon
dcmctl
シェル。ORACLE_HOME
/dcm/bin
で次のコマンドを発行します。
dcmctl shell
exit
ORACLE_HOME
/bin
で次のコマンドを発行します。
emctl stop iasconsole
emctl start iasconsole
ファイアウォールを経由したインスタンス間の通信が必要な環境では、Distributed Configuration Managementの通信に使用されるポートのデフォルトの割当てについて理解しておく必要があります。
インスタンスがインストールされると、表2-6の説明にあるように、Oracle Universal Installerによってポートがデフォルトで割り当てられます。
インストールする前に、7100〜7179の範囲のポートがファイアウォール上ですでに開いていた場合、ファーム内のインスタンスはインストール後ただちに通信可能になります。次の点に注意してください。
staticports.ini
ファイルを使用してDCM Discoveryポートを割り当て、インストール時に「手動」オプションを選択する必要があります(詳細は、Oracle Application Serverのインストレーション・ガイドの第4章、「カスタムのポート番号の使用(「静的ポート」機能)」の項を参照)。これにより、表2-6で示すように、指定したポートの範囲が割り当てられるようになります。
leaveFarmコマンドを使用するとOracle Application Server FarmからOracle Application Serverインスタンスが削除されますが、OracleAS Database-based Farmの場合、Oracle Application ServerインスタンスはIdentity Management構成に残ったままになります。Identity Management構成からのOracle Application Serverインスタンスの削除が必要になる場合があります。
変更が必要な構成ファイルとエントリは、OracleAS Database-based Farmから削除されたOracle Application Serverインスタンスのインストール・タイプによって異なります。該当するインストール・タイプの項に説明されている手順に従ってください。各手順の完了後は、Oracle Application ServerインスタンスがスタンドアロンのOracle Application Serverインスタンスになります。
Identity Management構成からOracle Application Serverインスタンスを削除するには、次の手順を実行します。
oidadmin
ツールを使用して削除します。削除するエントリの1つを、次にイタリックの太字で示します。
"orclApplciationCommonName=instance name
,cn=IAS Instances, cn=IAS, cn=Products,
cn=OracleContext
削除するもう1つのエントリは、次のエントリのuniquemember
属性です。
"cn=Associated Mid-tiers, OrclReferenceName=repository name, cm=IAS Infrastructure Databases,cn=Products,cn=OracleContext
ORACLE_HOME
/config/ias.properties
ファイルを編集して、Oracle Internet Directoryのホスト、ポート、データベース名およびインスタンスのパスワードを削除します。InfrastructureUse
フラグをfalse
に変更します。
ORACLE_HOME
/j2ee/home/config/jazn.xml
ファイルの次のエントリを編集します。
orclApplicationCommonName=jaznadmin1,cn=JAZNContext,cn=products,cn=OracleContext
次のエントリで置き換えます。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone='yes'?> <!DOCTYPE jazn PUBLIC "JAZN Config" "http://xmlns.oracle.com/ias/dtds/jazn-9_ 04.dtd"> <jazn provider="XML" location="./jazn-data.xml"> </jazn>
対応するOracle Internet Directoryのエントリも削除します。
J2EE and Web CacheインストールのIdentity Management構成からOracle Application Serverインスタンスを削除する手順は次のとおりです。
ORACLE_HOME
/config/iasschema.xml
ファイルを編集して、DCMリポジトリ関連のエントリを次のように変更します。
変更するエントリ:
<SchemaConfigData> <ComponentName>DCM</ComponentName> <BaseName>DCM</BaseName> <Override>true</Override> <SchemaName>DCM</SchemaName> <DBConnect>iasdb.us.oracle.com</DBConnect> <Password></Password> <SvcPassword></SvcPassword> </SchemaConfigData>
変更後のエントリ:
<SchemaConfigData> <ComponentName>DCM</ComponentName> <BaseName>DCM</BaseName> <Override>false</Override> <SchemaName/> <DBConnect/DBConnect> <Password/> <SvcPassword/> </SchemaConfigData>
Identity Management構成からOracle Application Serverインスタンスを削除するには、次の手順を実行します。
oidadmin
ツールを使用して削除します。削除するエントリの1つを、次にイタリックの太字で示します。
"orclApplciationCommonName=instance name
,cn=IAS Instances, cn=IAS, cn=Products,
cn=OracleContext
別のエントリをイタリックの太字で示します(このエントリのuniquename属性)。
"cn=Associated Mid-tiers, OrclReferenceName=repository name, cm=IAS Infrastructure Databases,cn=Products,cn=OracleContext
ORACLE_HOME
/config/ias.properties
ファイルを編集して、Oracle Internet Directoryのホスト、ポート、データベース名およびインスタンスのパスワードを削除します。InfrastructureUse
フラグをfalse
に変更します。
ORACLE_HOME
/config/iasschema.xml
ファイルを編集して、DCMリポジトリ関連のエントリを次のように変更します。変更するエントリ:
<SchemaConfigData> <ComponentName>DCM</ComponentName> <BaseName>DCM</BaseName> <Override>true</Override> <SchemaName>DCM</SchemaName> <DBConnect>iasdb.us.oracle.com</DBConnect> <Password></Password> <SvcPassword></SvcPassword> </SchemaConfigData>
変更後のエントリ:
<SchemaConfigData> <ComponentName>DCM</ComponentName> <BaseName>DCM</BaseName> <Override>false</Override> <SchemaName/> <DBConnect/DBConnect> <Password/> <SvcPassword/> </SchemaConfigData>
ORACLE_HOME
/j2ee/home/config/jazn.xml
ファイルの次のエントリを編集します。
orclApplicationCommonName=jaznadmin1,cn=JAZNContext,cn=products,cn=OracleContext
次のエントリで置き換えます。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone='yes'?> <!DOCTYPE jazn PUBLIC "JAZN Config" "http://xmlns.oracle.com/ias/dtds/ jazn-9_04.dtd"> <jazn provider="XML" location="./jazn-data.xml"> </jazn>
対応するOracle Internet Directoryのエントリも削除します。
dcmctl
ユーティリティには、OracleAS ClusterでのOC4Jインスタンスの作成または削除に使用するコマンドが用意されています。さらには、OC4Jアプリケーションのデプロイに使用するコマンド(validateEarFile、deployApplicationおよびredeployApplication)も用意されていますが、本番環境でのアプリケーションのデプロイには、一般的にOracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlコンソールのユーザー・インタフェースを使用することをお薦めします。Application Server Controlコンソールには、デプロイ・プロセスの一環として、構成変更、監視およびステータスの各機能が組み込まれています。たとえば、Application Server Controlコンソールでは、一部の構成変更はOC4Jインスタンスの再起動後にのみ適用されることを知らせるメッセージが表示されます。
OC4Jインスタンスを作成するには、次の手順を実行します。
dcmctl createComponent -ct oc4j -co nameOfOC4JInstance
このコマンドで、nameOfOC4JInstanceは新しいOC4Jインスタンスの識別子です。OC4Jインスタンスの名前には、Oracle Application Serverインストールがあるコンピュータのホスト名、OracleホームまたはIPアドレスを使用しないでください。
OC4Jインスタンスがインストール後に作成されている場合は、dcmctl
ユーティリティを使用して、ローカルなアプリケーション・サーバー・インスタンスからOC4Jインスタンスを削除できます。Oracle Application Serverのインストール・プロセスで作成されたOC4Jインスタンス(OC4J_SECURITY
など)は削除できません。OC4Jインスタンスを削除するには、次の手順を実行します。
dcmctl removeComponent -co nameOfOC4JInstance
このコマンドで、nameOfOC4JInstanceは削除するOC4Jインスタンスの識別子です。
DCMは、dcmctl
ユーティリティ、DCMデーモン、Enterprise Managerデーモンおよびビジネス・ルール機能の操作で生じたアクティビティとエラーを、ログ・ファイルを作成して追跡します。maxFileSize
およびmaxLogSize
パラメータを設定することで、個々のログ・ファイルのサイズとログ全体のサイズを指定できます。
ログ・ファイルはORACLE_HOME
/dcm/logs
ディレクトリのサブディレクトリに作成されます。サブディレクトリには、DCMコンポーネントや機能に応じて、dcmctl_logs
、daemon_logs
、busrule_logs
、emd_logs
などの名前が付けられます。各ディレクトリ内のログ・ファイル名は次のようになります。
log.xml
、log1.xml
、log2.xml ... log
N
.xml
log.xml
ファイルが最も新しいログ・ファイルで、log1.xml
が最も古いログ・ファイルです。log.xml
ファイルのサイズがmaxFileSizeパラメータで指定されたバイト数とほぼ同じになると、log.xml
ファイルの名前がlog
1+N
.xml
に変更され、新しいlog.xml
ファイルが作成されます。
maxLogSize
パラメータはすべてのファイル(log.xml
からlog
N
.xml
まで)の最大バイト数を指定し、最も古いログ・ファイルを削除するときを決定します。実際のログ・サイズは、ローテーションの発生時に、maxLogSize
の値よりも少しだけ大きくなったり小さくなったりすることがあります。
Oracle Diagnostic Loggingのネーミング規則の詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』の第5.6.2.2項「ODLログ・ファイルのネーミング」を参照してください。
maxFileSize
またはmaxLogSize
パラメータを変更するには、次の手順を実行します。
dcmctl
などのDCMデーモン・プロセスとDCMクライアント・プロセスおよびOracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlコンソールが停止されていることを確認します。
ORACLE_HOME
/dcm/config/sysmgmtProperties.xml
ファイルを編集して、maxFileSize
およびmaxLogSize
パラメータ値を適切なサイズに変更します。例2-1に、このファイルに記載されているこれらのパラメータを示します。<Section> <Component name="DMSLogging"> <Property name="maxFileSize" value="200000"/> <Property name="maxLogSize" value="1000000"/> </Component> </Section>
ここで推奨するベスト・プラクティスを理解して順守することは、DCMの機能を最大限に活用し、システム構成を保護することの助けとなります。次のOracleAS Cluster管理プラクティスを十分に理解してください。
dcmctl
を使用して管理できます。特定のOracle Application ServerインスタンスをDCM-Managed OracleAS Cluster全体の管理拠点として使用することをお薦めします。
dcmctl
によって自動検出でき、管理操作を実行する前にDCM-Managed OracleAS Cluster構成の自動アーカイブを作成できます。表3-1「アーカイブの自動操作」に、自動アーカイブのトリガーとなる操作を示します。
|
![]() Copyright © 2006 Oracle. All Rights Reserved. |
|