Oracle Application Server クイック管理者ガイド 10g リリース2(10.1.2) B15815-02 |
|
この章では、Oracle Application Serverインストールのクローニングについて説明します。この章は、次の項で構成されています。
クローニングとは、既存のインストールを元の構成のまま別の場所へコピーするプロセスです。クローニングを実行すると、すべてのパッチが適用された新しいインストールを1回のステップで作成できます。これは、Oracle Application Serverへのパッチのインストール、構成、適用を個別に行うこととはまったく異なる方法です。クローニングは、次のような場合に役立ちます。
クローン・インストールは、ソース・インストールと同様に動作します。たとえば、クローン・インスタンスは、Oracle Universal Installerを使用して削除またはパッチを適用できます。また、クローン・インストールから別のクローンを作成することもできます。
クローニング・プロセスでは、ソースOracleホームにあるすべてのファイルをクローニング先Oracleホームにコピーします。したがって、ソース・インスタンスによって使用されているファイルの中に、ソースOracleホームのディレクトリ構造の外部に置かれているものがある場合、それはクローニング先にコピーされません。
ファイルをコピーした後は、一連のスクリプトを使用して、主要な構成ファイルの情報を更新します。たとえば、httpd.confファイルとwebcache.xmlファイル内のホスト名とOracleホームへの参照はすべて、新しい値に更新されます。
ソース・インスタンスにデプロイされたアプリケーションのうち、ソースOracleホームのディレクトリ構造内にあるものは、クローン・インスタンスにコピーされ、自動的にデプロイされます。
このリリースでは、次のタイプの中間層インストールをクローニングできます。
次の事項に注意してください。
このリリースでは、次のものはクローニングできません。
クローニングについては、これ以外にも次の点に注意してください。
staticports.ini
ファイルを使用できます。UNIXで1024未満のポートを指定した場合は、クローニング処理中にクローン・インスタンスが起動することはありません。クローニング処理の完了後、root権限でroot.sh
スクリプトを実行してから、このプロセスを開始する必要があります。
個々のコンポーネントのクローニングに関する重要な検討事項については、『Oracle Application Server管理者ガイド』の第10章「Application Serverインスタンスのクローニング」を参照してください。
Oracle Application Serverインスタンスをクローニングするには、最初にソースOracleホームを準備します。次に、相手先をクローニングします。
クローニングを実行するには、Perl 5.6.1以降をシステムにインストールしておく必要があります。クローニングを行うPerlスクリプトを実行する前に、PERL5LIB環境変数に、OracleホームのPerlディレクトリへのパスを設定する必要があります。このパスは、変数定義の最初に示されているパスと一致する必要があります。たとえば、次のように指定します。
setenv PERL5LIB $Oracle_Home/perl/lib/5.6.1:$Oracle_Home/perl/lib/site_perl/5.6.1:$PERL5LIB
Windowsの場合
set PERL5LIB=%Oracle_Home%¥perl¥5.6.1¥lib;%OH%¥perl¥
5.6.1¥lib¥MsWin32-x86;%Oracle_Home%¥perl¥site¥5.6.1¥lib;%PERL5LIB%
ソースOracleホームのクローニングを準備するには、ソース・インスタンスで次の手順に従います。
prepare_clone.pl
を実行します。このスクリプトによって、ソースをクローニングする準備ができます。このスクリプトのコマンドラインは、次のような形式になります。
perl prepare_clone.pl [ORACLE_HOME=OH_dir] [-oid_password OIDPassword] [-oid_admin OIDadmin] [-silent] [-debug] [-help]
表8-1に、prepare_clone.pl
スクリプトのパラメータとオプションを示します。
cd Source_Oracle_Home tar cf - * | gzip > oracleas.tar.gz
Oracleホームのアーカイブおよび圧縮には、jar
ユーティリティを使用しないようにしてください。
相手先でソース・インスタンスをクローニングするには、次の手順に従います。
mkdir -p Destination_Oracle_Home gunzip < Dir_Containing_Tar/oracleas.tar.gz | tar xf -
clone.pl
スクリプトを実行します。Oracleインベントリ・ファイルが含まれたディレクトリには、書込み権限が必要です(Oracleインベントリ・ディレクトリの場所の詳細は、第8.2.4項を参照してください)。このスクリプトのコマンドラインは、次のような形式になります。
perl clone.pl ORACLE_HOME=OH_dir ORACLE_HOME_NAME=OH_Name -instance Instance_Name [-ias_admin_old_pwd Old_Ias_Admin_Password] [-ias_admin_new_pwd New_Ias_Admin_Password] [-oid_password OIDPassword] [-dcm_schema_pwd DCMPassword] [-lbr {true|false}] [-O string] [-silent] [-debug] [-help]
表8-2に、clone.pl
スクリプトのパラメータとオプションを示します。
次に例を示します。
perl clone.pl ORACLE_HOME=/opt/oracle/Ora_1012_B ORACLE_HOME_NAME=OH_1012_B -instance Portal_B -ias_admin_old_pwd my_old_ias_pass -ias_admin_new_pwd my_new_ias_pass -oid_password my_oidpwd -dcm_schema_pwd my_DCM_pass] -lbr true '-O-paramFile /var/opt/oracle/oui/oraparam.ini' -silent
root.sh
スクリプトを実行します。このスクリプトは、クローン・インスタンスのOracleホーム・ディレクトリにあります。たとえば、次のように指定します。
$ORACLE_HOME/root.sh
これで、クローン・インスタンスは、ソース・インスタンスと同じ構成になります。OC4Jカスタム・インスタンスなど、クローン・インスタンスのプロセスはすべて、Application Server ControlコンソールとOPMNで起動および停止できます。デプロイされたアプリケーションはすべて表示され、正しく実行できます。
クローニング・スクリプトは複数のツールを呼び出しますが、これらのツールは個別にログ・ファイルを生成します。ただし、次に示すログ・ファイルは、Oracle Universal Installerおよびクローニングを行うスクリプトによって生成されるもので、診断を目的とした主要なログ・ファイルです。
Oracle_inventory
/logs/cloneActions
timestamp
.log
: ここには、クローニングのOracle Universal Installer部分で発生したアクションの詳細なログが記録されます。
Oracle_inventory
/logs/oraInstall
timestamp
.err
: ここには、Oracle Universal Installerの実行中に発生したエラーに関する情報が記録されます。
Oracle_inventory
/logs/oraInstall
timestamp
.out
: ここには、Oracle Universal Installerで生成された他の様々なメッセージが記録されます。
Oracle_Home
/clone/logs/clone
timestamp
.log
: ここには、プリクローニングおよびクローニングの処理中に発生したアクションの詳細なログが記録されます。
Oracle_Home
/clone/logs/error
timestamp
.log
: ここには、プリクローニングおよびクローニングの処理中に発生したエラーに関する情報が記録されます。また、クローニング・スクリプトによって起動される複数のツールによって書き込まれた標準エラー(STDERR)メッセージがすべて含まれます。ツールに応じて、メッセージの一部は参考メッセージになったり、エラー・メッセージになったりします。
ここでのパスの形式は、UNIX形式で示されています。Windowsでは、スラッシュが円記号になります。
clone.pl
スクリプトの実行後にこれらのログ・ファイルを開いて、クローニング・プロセスの詳細を調べてください。Application Server Controlコンソールでログ・ファイルを表示する手順は次のとおりです。
|
![]() Copyright © 2003, 2005 Oracle Corporation. All Rights Reserved. |
|