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Oracle Application Server 高可用性ガイド
10g リリース2(10.1.2)
B15817-04
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8
OracleAS Infrastructure: Oracle Identity Managementの高可用性

Oracle Identity Managementは、次のコンポーネントで構成されています。

必要な決定事項

これらのコンポーネントを高可用性構成で実行するには、次の2点を決定する必要があります。

表8-1は、この2つの質問の答えとして選択できる構成を示しています。たとえば、すべてのOracle Identity Managementコンポーネントをアクティブ/アクティブ・モードで実行することができます。

表8-1    Oracle Identity Managementコンポーネントの高可用性構成 
  アクティブ/アクティブ構成  アクティブ/パッシブ構成 

非分散モデル: 

 

 

すべてのOracle Identity Managementコンポーネントを同じOracleホームに配置 

第8.5項「アクティブ/アクティブ構成にすべてのOracle Identity Managementコンポーネントを配置する」 

第8.6項「アクティブ/パッシブ構成にすべてのOracle Identity Managementコンポーネントを配置する」 

分散モデル: 

 

 

Oracle Internet Directory および Oracle Directory Integration and Provisioning 

第8.7項「アクティブ/アクティブ構成にOracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningを配置する」 

第8.8項「アクティブ/パッシブ構成にOracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningを配置する」 

OracleAS Single Sign-On および Oracle Delegated Administration Services 

第8.9項「アクティブ/アクティブ構成にOracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesを配置する」 

第8.10項「アクティブ/パッシブ構成にOracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesを配置する」 

8.1 概要: すべてのOracle Identity Managementコンポーネントを一括で実行する

このモデルでは、すべてのOracle Identity Managementコンポーネントを同じOracleホームにインストールして実行します。

アクティブ/アクティブ構成(OracleAS Cluster構成ともいいます)では、各ノードのローカル記憶域にコンポーネントをインストールします。これらのノードの前面には、ロード・バランサも必要です。これらのコンポーネントに対するリクエストはロード・バランサに送られ、ノード間でロード・バランシングされます。

アクティブ/パッシブ構成(OracleAS Cold Failover Cluster構成ともいいます)は、ハードウェア・クラスタに配置された2つのノードと、これらのノードが共有するストレージ・デバイスで構成されます。コンポーネントはこの共有ストレージ・デバイスにインストールします。アクティブなノードは常に1つのノードのみです。もう1つのノード、すなわちパッシブ・ノードまたはスタンバイ・ノードは、アクティブ・ノードに障害が発生した場合にアクティブになります。パッシブ・ノードは、新しくアクティブ・ノードになった時点で、共有ストレージ・デバイスをマウントして、Oracle Identity Managementコンポーネントを実行します。

すべてのOracle Identity Managementコンポーネントを同じOracleホームにインストールして管理する方法は、分散型のインストールよりも容易です。

増設ファイアウォールの内側に配置されたより安全なノードに一部のコンポーネントをインストールして実行する必要がある場合は、Oracle Identity Managementコンポーネントを分散する必要があります。

8.2 概要: Oracle Identity Managementコンポーネントの分散

Oracle Identity Managementコンポーネントは、個別のノードにインストールして実行することもできます。一般的な分散モデルは次のとおりです。

通常、OracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesはクライアントや他のコンポーネントから直接アクセスされる最初のコンポーネントとなるため、コンポーネントはこのような方法で分散されます。これらのコンポーネントは、DMZ内のコンピュータで実行できます。

Oracle Internet Directoryとデータベース(OracleAS Metadata Repositoryなど)は、保護が必要なデータが含まれているため、通常は増設ファイアウォールの内側にあるコンピュータで実行します。

Oracle Identity Managementコンポーネントの分散型のアクティブ/アクティブ構成およびアクティブ/パッシブ構成は、非分散モデルの場合と類似しています。唯一の違いは、各構成でどのコンポーネントが実行されるかということです。たとえば、アクティブ/アクティブ構成で、すべてのOracle Identity Managementコンポーネントではなく、Oracle Internet Directoryコンポーネントのみを実行することができます。

Oracle Identity Managementコンポーネントを分散するメリット

Oracle Identity Managementコンポーネントを分散することには、次のような理由があります。

デメリット

複数のインストールが必要: 各ノードでインストールを実行する必要があります。

また、各ノードの管理、構成およびパッチの適用も個別に行う必要があります。

8.3 概要: アクティブ/アクティブ構成でのOracle Identity Managementコンポーネントの実行

アクティブ/アクティブ構成では、複数のノードにOracle Identity Managementコンポーネントをインストールして実行します。各ノードで実行するコンポーネントは、他のノードと同じものです。

ノードの前面には外部ロード・バランサが必要です。これらのノードに送られたリクエストはロード・バランサに転送され、そこからいずれかのノードに送られて処理されます。ロード・バランサは独自のアルゴリズムを使用して、リクエストの送信先となるノードを決定します。ロード・バランサの詳細は、第2.2.4.2項「外部ロード・バランサ」を参照してください。

ロード・バランサは、仮想サーバー名とポートで構成します。この仮想サーバー名とポートは、ノードで実行されているOracle Identity Managementコンポーネントにクライアントがアクセスする必要があるときに使用されます。

8.4 概要: アクティブ/パッシブ構成でのOracle Identity Managementコンポーネントの実行

アクティブ/パッシブ構成は、ハードウェア・クラスタ内に配置された2つのノードと、そのノードのどちらかによってマウントされる共有記憶域で構成されます。Oracle Identity Managementコンポーネント用のOracleホームは、この共有記憶域にインストールします。

ハードウェア・クラスタ内のどちらかのノードがアクティブ・ノードになります。アクティブ・ノードは共有記憶域をマウントし、Oracle Identity Managementコンポーネントを実行します。もう1つのノードはパッシブ、すなわちスタンバイ・ノードです。このノードは、アクティブ・ノードに障害が発生した場合のみ実行されます。フェイルオーバー・イベントが実行されると、パッシブ・ノードが共有記憶域をマウントし、Oracle Identity Managementコンポーネントを実行します。

このほかに、ハードウェア・クラスタ内のノードに関連付ける仮想ホスト名と仮想IPアドレスも必要です。クライアントは、この仮想ホスト名を使用してOracle Identity Managementコンポーネントにアクセスします。通常の運用時は、仮想ホスト名と仮想IPアドレスはアクティブ・ノードに関連付けられます。フェイルオーバー時は、仮想ホスト名と仮想IPアドレスがパッシブ・ノードに関連付けられるようにスイッチを行います。

8.5 アクティブ/アクティブ構成にすべてのOracle Identity Managementコンポーネントを配置する

この構成では、各ノードのローカル記憶域にOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。これらのノードの前面にはロード・バランサも必要です。ロード・バランサでは、HTTP、HTTPS、LDAPおよびLDAPSのトラフィックの仮想ホスト名を構成する必要があります。

図8-1    アクティブ/アクティブ構成のOracle Identity Managementコンポーネント


画像の説明

Oracle Identity Managementコンポーネントにアクセスするために、クライアントは適切なロード・バランサの仮想ホスト名を使用して、リクエストをロード・バランサに送信します。たとえば、OracleAS Single Sign-OnまたはOracle Delegated Administration Servicesにアクセスする必要があるWebクライアントは、HTTP仮想ホスト名を使用してリクエストを送信します。これに対して、Oracle Internet Directoryクライアントは、LDAP仮想ホスト名を使用する必要があります。

各ノードではOPMNも実行されます。OPMN管理対象コンポーネントに障害が発生すると、OPMNは再起動を試みます。管理対象のコンポーネントとOPMNの詳細は、第2.2.1.1.1項「OPMNを使用した自動化されたプロセス管理」を参照してください。

サポートされないOracleAS Certificate Authority

アクティブ/アクティブ構成では、OracleAS Certificate Authorityがサポートされないことに注意してください。OracleAS Certificate Authorityは個別にインストールして実行することができます。

この構成を使用するトポロジ

8.5.1 コンポーネントとノードの障害の処理

各ノードのOPMNは、OC4J_SECURITYインスタンス、Oracle HTTP Serverおよびoidmonプロセスに対するプロセス管理、監視および通知サービスを提供します(oidmonはOracle Internet Directoryプロセスを管理します)。これらのプロセスのいずれかに障害が発生した場合、OPMNは障害を検出し、再起動を試みます。再起動が失敗した場合、ロード・バランサが(通常は非レスポンス・タイムアウトによって)障害を検出し、他のノードで実行しているアクティブ・プロセスにリクエストを送ります。

Oracle Internet Directoryコンポーネントの場合、OPMNはoidmonを監視し、次にoidldapdoidrepldおよびodisrvのOracle Internet Directoryプロセスを監視します。oidldapdoidrepldまたはodisrvに障害が発生すると、oidmonがこれをローカルに再起動します。同様に、oidmonに障害が発生すると、OPMNがローカルに再起動を試みます。

OracleAS Cluster(Identity Management)では、常に1つのodisrvプロセスと1つのoidrepldプロセスのみがアクティブになります。一方、複数のoidldapdプロセスを同じクラスタ内で実行できます。詳細は、『Oracle Internet Directory管理者ガイド』を参照してください。

ノードに障害が発生した場合、ロード・バランサが障害を検出し、アクティブ・ノードにリクエストをリダイレクトします。各ノードで他のノードと同じサービスを提供しているため、すべてのリクエストは残りのノードで実行できます。

8.5.2 Oracle Identity Managementコンポーネントの起動

Oracle Identity Managementコンポーネントを次の順序で起動します。

  1. OracleAS Metadata Repositoryデータベースが稼動していることを確認します。

  2. 各ノードで、次の手順を実行します。

    1. ORACLE_HOME環境変数にOracle Identity ManagementのOracleホームを設定します。

    2. OPMNを実行し、Oracle Identity Managementコンポーネントを起動します。

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
      
      
    3. Application Server Controlを起動します。

      ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
      
      

8.5.3 Oracle Identity Managementコンポーネントの停止

Oracle Identity Managementコンポーネントを停止するには、各ノードで次の手順を実行します。

  1. ORACLE_HOME環境変数にOracle Identity ManagementのOracleホームを設定します。

  2. OPMNを実行して、Oracle Identity Managementコンポーネントを停止します。

    ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
    
    
  3. Application Server Controlを停止します。

    ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
    
    

8.5.4 Application Server Controlの使用方法

各ノードのOracle Identity Managementコンポーネントの管理には、Application Server Controlを使用できます。

Application Server Control URLでは、物理ホスト名を使用します。たとえば、http://im1.mydomain.com:1156(Application Server Controlがポート1156で実行している場合)とします。

8.5.5 Oracle Identity Managementコンポーネントのバックアップとリカバリ

OracleAS Backup and Recovery Toolを使用して、Oracle Identity Managementコンポーネントのファイルをバックアップします。このツールの詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

8.6 アクティブ/パッシブ構成にすべてのOracle Identity Managementコンポーネントを配置する

アクティブ/パッシブ構成(コールド・フェイルオーバー・クラスタ構成ともいいます)は、図8-2に示すように、ハードウェア・クラスタに2つのノードを配置します。Oracle Identity Managementコンポーネントは、これらのノードが共有する記憶域にインストールします。

図8-2    アクティブ/パッシブ構成のOracle Identity Managementコンポーネント


画像の説明

この構成では、常にアクティブなノードは1つのみです。このアクティブ・ノードは、すべてのプロセスを実行します。他のノードはパッシブ・ノードまたはスタンバイ・ノードと呼ばれ、アクティブ・ノードで障害が発生した場合またはアクティブ・ノードのコンポーネントの実行で障害が発生した場合にのみ実行します。

ハードウェア・クラスタのこれらのノードに対して仮想サーバー名と仮想IPアドレスを構成する必要があります。仮想サーバー名と仮想IPアドレスは、アクティブ・ノードであるノードを指し示します。

ハードウェア・クラスタ内のノードでは、ハードウェア・ベンダーによって提供されたクラスタウェアも実行されます。クラスタウェアでは、アクティブ・ノードが実行されていることを確認するために監視が行われます。

Oracle Identity Managementコンポーネントにアクセスするために、クライアントは仮想サーバー名を使用してリクエストを送信します。

アクティブ・ノードではOPMNも実行されます。OPMN管理対象コンポーネントに障害が発生すると、OPMNは再起動を試みます。管理対象のコンポーネントとOPMNの詳細は、第2.2.1.1.1項「OPMNを使用した自動化されたプロセス管理」を参照してください。

この構成を使用するトポロジ

8.6.1 コンポーネントとノードの障害の処理

アクティブ・ノードのOPMNは、OC4J_SECURITYインスタンス、Oracle HTTP Serverおよびoidmonプロセスに対するプロセス管理、監視および通知サービスを提供します(oidmonはOracle Internet Directoryプロセスを管理します)。これらのプロセスのいずれかに障害が発生した場合、OPMNは障害を検出し、再起動を試みます。再起動が失敗した場合、クラスタウェアが障害を検出し、すべてのプロセスをパッシブ・ノードにフェイルオーバーします。

Oracle Internet Directoryコンポーネントの場合、OPMNはoidmonを監視し、次にoidldapdoidrepldおよびodisrvのOracle Internet Directoryプロセスを監視します。oidldapdoidrepldまたはodisrvに障害が発生すると、oidmonがこれをローカルに再起動します。同様に、oidmonに障害が発生すると、OPMNがローカルに再起動を試みます。

OracleAS Cluster(Identity Management)では、常に1つのodisrvプロセスと1つのoidrepldプロセスのみがアクティブになります。一方、複数のoidldapdプロセスを同じクラスタ内で実行できます。詳細は、『Oracle Internet Directory管理者ガイド』を参照してください。

ノードに障害が発生すると、クラスタウェアが障害を検出し、すべてのプロセスをパッシブ・ノードにフェイルオーバーします。


注意

ハードウェア・クラスタ・フレームワークでは、OracleAS Infrastructureプロセスの起動、監視またはフェイルオーバーを行うことができますが、これらの操作は自動的には実行されません。手動で実行するか、自動化するスクリプトを作成するか、クラスタ・ベンダーによって提供されたOracleAS Cold Failover Cluster用スクリプトを使用してください。 


8.6.2 Solarisシステムにおけるフェイルオーバーの手動手順

Veritas Volume Managerを使用するSolarisシステムで、アクティブ・ノードからスタンバイ・ノードにフェイルオーバーするには、次の手順を実行します。

障害ノード上で実行する手順
  1. 必要に応じて、このノードのすべてのOracle Application Serverプロセスを停止または中断します。

  2. ファイル・システムがビジーではないことを確認します。ファイル・システムがビジーである場合、ファイル・システムを使用しているプロセスを調べ、必要に応じて停止します。

  3. 次のコマンドを使用して、ファイル・システムをアンマウントします。

    # umount <mount_point>
    
    
  4. rootとして、ディスク・グループをデポートします。たとえば、Veritas Volume Managerを使用したSun Clusterでは、次のコマンドを使用してディスク・グループをデポートします。

    # vxdg deport <disk_group_name>
    
    
  5. 障害が発生したノードが使用可能な場合、次のコマンドを実行して仮想IPアドレスを解放します。

    # ifconfig <interface_name> removeif <virtual_IP>
    
    
新しいアクティブ・ノード上で実行する手順
  1. rootとして、次のコマンドを実行して、このノードに仮想IPを割り当てます。

    # ifconfig <interface_name> addif <virtual_IP> up
    
    
  2. rootとして、ディスク・グループをインポートします。たとえば、Veritas Volume Managerを使用したSun Clusterでは、次のコマンドを使用します。

    # vxdg import <disk_group_name>
    # vxvol -g <disk_group_name> startall
    
    
  3. rootとして、次のコマンドを使用して、ファイル・システムをマウントします。

    # mount /dev/vx/dsk/<disk_group_name>/<volume_name> <mount_point>
    
    
  4. この新しいアクティブ・ノードですべてのOracle Application Serverプロセスを起動します。第8.6.5項「Oracle Identity Managementコンポーネントの起動」を参照してください。

8.6.3 Windowsシステムにおけるフェイルオーバーの手動手順

図8-3図8-4および図8-5は、Oracle Fail Safe Managerの画面で実行されている、Windows上のアクティブ・ノードからスタンバイ・ノードへのフェイルオーバー操作を示しています。

図8-3    画面1 アクティブ/パッシブ構成でのOracle Identity Managementのフェイルオーバーの実行


画像の説明

図8-4    画面2 アクティブ/パッシブ構成でのOracle Identity Managementのフェイルオーバーの実行


画像の説明

図8-5    画面3 アクティブ/パッシブ構成でのOracle Identity Managementのフェイルオーバーの実行


画像の説明

8.6.4 Linuxシステムにおけるフェイルオーバーの手動手順

Linuxシステムで、アクティブ・ノードからスタンバイ・ノードにフェイルオーバーする手順を次に示します。

障害ノード上で実行する手順
  1. 障害が発生したノードで、すべてのOracle Identity Managementプロセスが停止していることを確認します。

  2. rootとしてログインします。

  3. 次のコマンドを使用して、ファイル・システムをアンマウントします。

    # umount <mount_point>
    
    

    ファイル・システムがビジーである場合、次のコマンドを使用して、ファイル・システムを使用しているプロセスを調べます。

    # fuser -muv <Shared Storage Partition>
    
    

    必要に応じて、次のコマンドを使用してプロセスを停止します。

    # fuser -k <Shared Storage Partition>
    
    
  4. 障害が発生したノードが使用可能な場合、次のコマンドを実行して仮想IPアドレスを解放します。

    # ifconfig <interface_name> down
    
    

    たとえば、次のように入力します。

    # ifconfig eth1:1 down
    
    
新しいアクティブ・ノード上で実行する手順
  1. rootとしてログインします。

  2. 次のコマンドを実行して、このノード(新しいアクティブ・ノード)に仮想IPアドレスを割り当てます。

    # ifconfig <interface_name> netmask <subnet_mask> up
    
    

    たとえば、次のように入力します。

    # ifconfig 144.88.27.125 netmask 255.255.252.0 up
    
    
  3. 異なるホストからtelnetを使用して、仮想IPが有効で動作していることを確認します(サブネット/ドメイン)。

  4. 次のコマンドを使用して、ファイル・システムをマウントします。

    # mount <Shared Storage Partition> <mount_point>
    
    

    たとえば、次のように使用します。

    # mount /dev/sdc1 /oracle
    
    
  5. この新しいアクティブ・ノードでOracle Application Serverプロセスを起動します。第8.6.5項「Oracle Identity Managementコンポーネントの起動」を参照してください。

8.6.5 Oracle Identity Managementコンポーネントの起動

Oracle Identity Managementコンポーネントを次の順序で起動します。

  1. OracleAS Metadata Repositoryデータベースが稼動していることを確認します。

  2. アクティブ・ノード上で次を実行します。

    1. ORACLE_HOME環境変数にOracle Identity ManagementのOracleホームを設定します。

    2. OPMNを実行し、Oracle Identity Managementコンポーネントを起動します。

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
      
      
    3. Application Server Controlを起動します。

      ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
      
      

8.6.6 Oracle Identity Managementコンポーネントの停止

プロセスを停止するには、次の手順をアクティブ・ノード上で実行します。

  1. ORACLE_HOME環境変数にOracle Identity ManagementのOracleホームを設定します。

  2. OPMNを実行して、Oracle Identity Managementコンポーネントを停止します。

    ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
    
    
  3. Application Server Controlを停止します。

    ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
    
    

8.6.7 Application Server Controlの使用方法

アクティブ・ノードのOracle Identity Managementコンポーネントの管理には、Application Server Controlを使用できます。

Application Server Control URLでは、アクティブ・ノードの物理ホスト名を使用します。たとえば、http://im1.mydomain.com:1156(Application Server Controlがポート1156で実行している場合)とします。

8.6.8 Oracle Identity Managementコンポーネントのバックアップとリカバリ

OracleAS Backup and Recovery Toolを使用して、Oracle Identity Managementコンポーネントのファイルをバックアップします。このツールの詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

8.7 アクティブ/アクティブ構成にOracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningを配置する

この構成では、各ノードのローカル記憶域にOracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration and Provisioningコンポーネントをインストールします。これらのノードの前面にはロード・バランサも必要です。ロード・バランサでは、HTTP、HTTPS、LDAPおよびLDAPSのトラフィックの仮想ホスト名を構成する必要があります。

図8-6    アクティブ/アクティブ構成のOracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioning


画像の説明

Oracle Internet Directoryにアクセスするために、クライアントはロード・バランサのLDAP仮想ホスト名を使用して、リクエストをロード・バランサに送信します。

各ノードではOPMNも実行されます。Oracle Internet DirectoryまたはOracle Directory Integration and Provisioningに障害が発生すると、OPMNは再起動を試みます。OPMNおよびOPMNで管理されるコンポーネントについては、第2.2.1.1.1項「OPMNを使用した自動化されたプロセス管理」を参照してください。

この構成を使用するトポロジ

8.7.1 コンポーネントとノードの障害の処理

各ノードのOPMNは、oidmonプロセスに対するプロセス管理、監視および通知サービスを提供します。

Oracle Internet Directoryコンポーネントの場合、OPMNはoidmonを監視し、次にoidldapdoidrepldおよびodisrvのOracle Internet Directoryプロセスを監視します。oidldapdoidrepldまたはodisrvに障害が発生すると、oidmonがこれをローカルに再起動します。同様に、oidmonに障害が発生すると、OPMNがローカルに再起動を試みます。

OracleAS Cluster(Identity Management)では、常に1つのodisrvプロセスと1つのoidrepldプロセスのみがアクティブになります。一方、複数のoidldapdプロセスを同じクラスタ内で実行できます。詳細は、『Oracle Internet Directory管理者ガイド』を参照してください。

OPMNがoidmonの再起動に失敗した場合、またはoidmonがOracle Internet Directoryプロセスの再起動に失敗した場合は、ロード・バランサが(通常は非レスポンス・タイムアウトによって)障害を検出し、別のノードで実行されているアクティブなプロセスにリクエストを送ります。

ノードに障害が発生した場合、ロード・バランサが障害を検出し、アクティブ・ノードにリクエストをリダイレクトします。各ノードで他のノードと同じサービスを提供しているため、すべてのリクエストは残りのノードで実行できます。

8.7.2 OracleAS Cluster(Identity Management)内のメタデータの同期化

OracleAS Cluster(Identity Management)では、すべてのディレクトリ・サーバー・ノードで、オブジェクト・クラスの定義、属性、一致規則、ACP、パスワード・ポリシーなどのOracle Internet Directoryメタデータを同期化する必要があります。図8-7とその後に続くテキストは、OracleAS Cluster(Identity Management)環境内のホストA、ホストBという2つのディレクトリ・サーバー・ノード間で、ディレクトリ・サーバーのメタデータを同期化するプロセスの例を示しています。

図8-7    OracleAS Cluster(Identity Management)環境でのメタデータの同期プロセス


図8-7の例では、OracleAS Cluster(Identity Management)環境のディレクトリ・サーバーのメタデータが、次のように同期化されます。

  1. ホストAでは、ディレクトリ・サーバーが、同じホストにある共有メモリーにメタデータの変更を書き込みます。

  2. ホストAのOIDモニターが、同じホストの共有メモリーをポーリングします。OIDモニターはメタデータ内の変更を検出すると、その変更を取得します。

  3. OIDモニターが、Oracle Databaseに変更を送ります。Oracle Databaseは、OracleAS Cluster(Identity Management)環境におけるディレクトリ・サーバーのメタデータのリポジトリです。

  4. ホストBのOIDモニターが、Oracle Databaseをポーリングしてディレクトリ・サーバーのメタデータの変更を検出し、その変更を取得します。

  5. ホストBのOIDモニターが、同じホストの共有メモリーに変更を送ります。

  6. ホストBのディレクトリ・サーバーが、同じホストの共有メモリーをポーリングして、メタデータの変更を検出します。その後、変更を取得して、適用します。

8.7.3 OracleAS Cluster(Identity Management)環境のOIDモニター

OracleAS Cluster(Identity Management)環境では、各ノードのOIDモニターが、そのノードが実行中であることを他のノードに報告します。これは、10秒ごとにOracle Databaseにメッセージを送信することによって行われます。OIDモニターはその際にデータベース・サーバーもポーリングして、他のすべてのディレクトリ・サーバー・ノードも実行中であることを確認します。250秒経過しても、いずれかのノードのOIDモニターから実行中であるという報告がない場合、他のディレクトリ・サーバー・ノードはそのノードに障害が発生したと判断します。この時点で、実行中の他のノードでは、次のことが起こります。

  1. そのノードのOIDモニターが、障害が発生したノードで実行されていたプロセスを起動します。

  2. そのノードのディレクトリ・サーバーが、障害が発生したノードでそれまで進行中であった操作の処理を継続します。

  3. そのノードのOIDモニターが、障害が発生したノードでそれまで実行されていたプロセスを起動したことをログに記録します。

図8-8とその後に続くテキストは、ノードA、ノードBという2つの架空のノードにおけるこのプロセスの例を示しています。

図8-8    OracleAS Cluster(Identity Management)環境のフェイルオーバーの例


図8-8に示すように、OracleAS Cluster(Identity Management)環境のフェイルオーバー・プロセスは、次のように実行されます。

  1. ノードAのOIDモニターが、10秒ごとにデータベースにメッセージを送信して、ノードAが実行中であることを報告します。

  2. ノードBのOIDモニターが、データベースをポーリングして、もう一方のノードに障害が発生していないかどうかを確認します。

  3. ノードBのOIDモニターが、250秒間ノードAからレスポンスがなかったことを確認すると、ノードAに障害が発生したものと判断します。その後、ノードAで実行されていたOracle Internet Directoryサーバーに関する必要情報をデータベースから取得します。この例では、ノードAでディレクトリ・レプリケーション・サーバーが実行されていたことを確認します。

  4. ノードBではディレクトリ・レプリケーション・サーバーがまだ実行されていなかったため、ノードBのOIDモニターが、ノードAでそれまで実行されていたディレクトリ・レプリケーション・サーバーに対応するディレクトリ・レプリケーション・サーバーを起動します。


    注意

    ディレクトリ・レプリケーション・サーバー(oidrepld)とOracle Directory Integration and Provisioning(odisrv)のいずれか、またはその両方を実行しているノードAで障害が発生した場合、ノードBのOIDモニターは、5分後にノードBでこれらのプロセスを起動します。ノードAが再起動されると、ノードAのOIDMONがサーバーを自動的に起動して、ノードBのOIDMONに、ノードAに対して起動されていたサーバーを停止するよう要求します。

    OIDMONが2つのノード間に250秒以上の時間差があることを検出した場合、遅れているほうのノードのOIDMONによってすべてのサーバーが停止されます。進んでいるほうのノードのOIDMONは、サーバーを自動的に起動します。この問題を回避するために、時間の同期をとってから、遅れていたほうのノードのサーバーを再起動してください。 


    関連項目

    Oracle Internet Directoryディレクトリ・サーバー・ノード、ディレクトリ・サーバー・インスタンスおよびデータベースに格納されているディレクトリ・メタデータの種類の詳細は、『Oracle Internet Directory管理者ガイド』の「ディレクトリの概念およびアーキテクチャ」、「Oracle Internet Directoryのアーキテクチャ」を参照してください。

    『Oracle Internet Directory管理者ガイド』の「ディレクトリ管理ツール」、プロセス制御に関する項 


    注意

    正常な停止はフェイルオーバーとして扱われません。つまり、ノードAが正常に停止した後、ノードBのOIDモニターは、5分後にノードBのこれらのプロセスを起動することはありません。 


8.7.4 OracleAS Cluster(Identity Management)環境の管理

OracleAS Cluster(Identity Management)環境を管理するときは、次の規則に従います。

8.7.5 Oracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningの起動

Oracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningを次の順序で起動します。

  1. OracleAS Metadata Repositoryデータベースが稼動していることを確認します。

  2. 各ノード上で次を実行します。

    1. ORACLE_HOME環境変数に、Oracle Internet Directoryをインストールしたディレクトリを設定します。

    2. OPMNを実行し、Oracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningを起動します。

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
      
      
    3. Application Server Controlを起動します。

      ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
      
      

8.7.6 Oracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningの停止

Oracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningを停止するには、各ノードで次の手順を実行します。

  1. ORACLE_HOME環境変数に、Oracle Internet Directoryをインストールしたディレクトリを設定します。

  2. OPMNを実行して、Oracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningを停止します。

    ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
    
    
  3. Application Server Controlを停止します。

    ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
    
    

8.7.7 Application Server Controlの使用方法

各ノードのOracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration and Provisioningの管理には、Application Server Controlを使用できます。

Application Server Control URLでは、物理ホスト名を使用します。たとえば、http://im1.mydomain.com:1156(Application Server Controlがポート1156で実行している場合)とします。

8.7.8 Oracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningのバックアップとリカバリ

OracleAS Backup and Recovery Toolを使用して、Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration and Provisioningのファイルをバックアップします。このツールの詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

8.8 アクティブ/パッシブ構成にOracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningを配置する

アクティブ/パッシブ構成(コールド・フェイルオーバー・クラスタ構成ともいいます)では、図8-9に示すように、ハードウェア・クラスタに2つのノードを配置します。Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration and Provisioningは、これらのノードが共有する記憶域にインストールします。

図8-9    アクティブ/パッシブ構成のOracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioning


画像の説明

この構成では、常にアクティブなノードは1つのみです。このアクティブ・ノードは、すべてのプロセスを実行します。他のノードはパッシブ・ノードまたはスタンバイ・ノードと呼ばれ、アクティブ・ノードで障害が発生した場合またはアクティブ・ノードのコンポーネントの実行で障害が発生した場合にのみ実行します。

ハードウェア・クラスタのこれらのノードに対して仮想サーバー名と仮想IPアドレスを構成する必要があります。仮想サーバー名と仮想IPアドレスは、アクティブ・ノードであるノードを指し示します。

ハードウェア・クラスタ内のノードでは、ハードウェア・ベンダーによって提供されたクラスタウェアも実行されます。クラスタウェアでは、アクティブ・ノードが実行されていることを確認するために監視が行われます。

Oracle Internet DirectoryまたはOracle Directory Integration and Provisioningにアクセスするために、クライアントは仮想サーバー名を使用してリクエストを送信します。

アクティブ・ノードではOPMNも実行されます。Oracle Internet DirectoryまたはOracle Directory Integration and Provisioningに障害が発生すると、OPMNは再起動を試みます。OPMNおよびOPMNで管理されるコンポーネントについては、第2.2.1.1.1項「OPMNを使用した自動化されたプロセス管理」を参照してください。

この構成を使用するトポロジ

8.8.1 コンポーネントとノードの障害の処理

アクティブ・ノードのOPMNは、oidmonプロセスに対するプロセス管理、監視および通知サービスを提供します。

Oracle Internet Directoryコンポーネントの場合、OPMNはoidmonを監視し、次にoidldapdoidrepldおよびodisrvのOracle Internet Directoryプロセスを監視します。oidldapdoidrepldまたはodisrvに障害が発生すると、oidmonがこれをローカルに再起動します。同様に、oidmonに障害が発生すると、OPMNがローカルに再起動を試みます。

OracleAS Cluster(Identity Management)では、常に1つのodisrvプロセスと1つのoidrepldプロセスのみがアクティブになります。一方、複数のoidldapdプロセスを同じクラスタ内で実行できます。詳細は、『Oracle Internet Directory管理者ガイド』を参照してください。

OPMNまたはoidmonが監視中のプロセスの再起動に失敗すると、クラスタウェアは障害を検出して、すべてのプロセスをパッシブ・ノードにフェイルオーバーします。

ノードに障害が発生すると、クラスタウェアが障害を検出し、すべてのプロセスをパッシブ・ノードにフェイルオーバーします。


注意

ハードウェア・クラスタ・フレームワークでは、プロセスの起動、監視またはフェイルオーバーを行うことができますが、これらの操作は自動的には実行されません。手動で実行するか、自動化するスクリプトを作成するか、クラスタ・ベンダーによって提供されたOracleAS Cold Failover Cluster用スクリプトを使用してください。 


8.8.2 Solarisシステムにおけるフェイルオーバーの手動手順

Veritas Volume Managerを使用するSolarisシステムで、アクティブ・ノードからスタンバイ・ノードにフェイルオーバーするには、次の手順を実行します。

障害が発生したノード上では、次の手順を実行します。

  1. 必要に応じて、このノードのすべてのOracle Internet Directoryプロセスを停止または中断します。

  2. ファイル・システムがビジーではないことを確認します。ファイル・システムがビジーである場合、ファイル・システムを使用しているプロセスを調べ、必要に応じて停止します。

  3. 次のコマンドを使用して、ファイル・システムをアンマウントします。

    # umount <mount_point>
    
    
  4. rootとして、ディスク・グループをデポートします。たとえば、Veritas Volume Managerを使用したSun Clusterでは、次のコマンドを使用してディスク・グループをデポートします。

    # vxdg deport <disk_group_name>
    
    
  5. 障害が発生したノードが使用可能な場合、次のコマンドを実行して仮想IPアドレスを解放します。

    # ifconfig <interface_name> removeif <virtual_IP>
    
    

新しいアクティブ・ノード上では、次の手順を実行します。

  1. rootとして、次のコマンドを実行して、このノードに仮想IPを割り当てます。

    # ifconfig <interface_name> addif <virtual_IP> up
    
    
  2. rootとして、ディスク・グループをインポートします。たとえば、Veritas Volume Managerを使用したSun Clusterでは、次のコマンドを使用します。

    # vxdg import <disk_group_name>
    # vxvol -g <disk_group_name> startall
    
    
  3. rootとして、次のコマンドを使用して、ファイル・システムをマウントします。

    # mount /dev/vx/dsk/<disk_group_name>/<volume_name> <mount_point>
    
    
  4. 新しいアクティブ・ノード上でOracle Internet Directoryプロセスを起動します。第8.8.6項「Oracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningの起動」を参照してください。

8.8.3 Windowsシステムにおけるフェイルオーバーの手動手順

Windowsシステムでは、Oracle Fail Safeを使用してフェイルオーバーを行います。詳細は、第8.6.3項「Windowsシステムにおけるフェイルオーバーの手動手順」を参照してください。

8.8.4 Linuxシステムにおけるフェイルオーバーの手動手順

Linuxシステムで、アクティブ・ノードからスタンバイ・ノードにフェイルオーバーする手順を次に示します。

障害が発生したノード上では、次の手順を実行します。

  1. 障害が発生したノードで、すべてのOracle Internet Directoryプロセスが停止していることを確認します。

  2. rootとしてログインします。

  3. 次のコマンドを使用して、ファイル・システムをアンマウントします。

    # umount <mount_point>
    
    

    ファイル・システムがビジーである場合、次のコマンドを使用して、ファイル・システムを使用しているプロセスを調べます。

    # fuser -muv <Shared Storage Partition>
    
    

    必要に応じて、次のコマンドを使用してプロセスを停止します。

    # fuser -k <Shared Storage Partition>
    
    
  4. 障害が発生したノードが使用可能な場合、次のコマンドを実行して仮想IPアドレスを解放します。

    # ifconfig <interface_name> down
    
    

    たとえば、次のように入力します。

    # ifconfig eth1:1 down
    
    

新しいアクティブ・ノード上では、次の手順を実行します。

  1. rootとしてログインします。

  2. 次のコマンドを実行して、このノード(新しいアクティブ・ノード)に仮想IPアドレスを割り当てます。

    # ifconfig <interface_name> netmask <subnet_mask> up
    
    

    たとえば、次のように入力します。

    # ifconfig 144.88.27.125 netmask 255.255.252.0 up
    
    
  3. 異なるホストからtelnetを使用して、仮想IPが有効で動作していることを確認します(サブネット/ドメイン)。

  4. 次のコマンドを使用して、ファイル・システムをマウントします。

    # mount <Shared Storage Partition> <mount_point>
    
    

    たとえば、次のように入力します。

    # mount /dev/sdc1 /oracle
    
    
  5. 新しいアクティブ・ノード上でOracle Internet Directoryプロセスを起動します。第8.8.6項「Oracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningの起動」を参照してください。

8.8.5 Oracle Internet DirectoryレプリケーションとOracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)の使用

さらに高い可用性とスケーラビリティを提供するには、Oracle Internet Directoryレプリケーションとコールド・フェイルオーバー技術を組み合せて使用できます。図8-10は、この構成を示しています。

図8-10    ディレクトリ・レプリケーションとコールド・フェイルオーバーを組み合せた構成


図8-10に示すように、2つのノード・クラスタは次のように構成されています。

このような形式でコールド・フェイルオーバーを使用すると、コールド・フェイルオーバーのみの構成より効果が増大します。Oracle Internet Directoryノードは2つありますが、この2つはマルチマスター・レプリケーションです。Oracle Internet Directoryは両方のクラスタ・ノードでアクティブであるため、アクティブ/アクティブ構成になります。アクティブ/パッシブ構成であるコールド・フェイルオーバーのみの構成とは対照的に、Oracle Internet Directoryサービスは常に両方のクラスタ・ノードでアクティブに利用できます。

図8-11は、Oracleディレクトリ・レプリケーションとコールド・フェイルオーバー・プロセスの組合せを示しています。

図8-11    OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)とOracleディレクトリ・レプリケーションの組合せ


図8-11が示すように、物理ホストAに障害が発生した場合、またはメンテナンスにより物理ホストAが使用できなくなった場合、クラスタ・ソフトウェアは仮想ホストVHAを物理ホストBにフェイルオーバーします。それまで物理ホストAで実行されていたOracle Internet Directoryプロセスは、仮想ホストVHAで再起動され、レプリケーションが再開されます。

ホスト名VHAを使用してOracle Internet Directoryノード1と直接通信しているLDAPアプリケーションは、瞬間的にサービスが停止します。フェイルオーバーが完了したら、これらのアプリケーションは同じホスト名、すなわちVHAを使用して再接続される必要があります。この瞬間的なLDAPのサービス停止は、2つのOracle Internet Directoryノードのフロントエンドにロード・バランシング用のLANリダイレクタを配置することで、完璧に回避できます。

8.8.6 Oracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningの起動

Oracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningを次の順序で起動します。

  1. OracleAS Metadata Repositoryデータベースが稼動していることを確認します。

  2. アクティブ・ノード上で次を実行します。

    1. ORACLE_HOME環境変数に、Oracle Internet Directoryをインストールしたディレクトリを設定します。

    2. OPMNを実行し、Oracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningを起動します。

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
      
      
    3. Application Server Controlを起動します。

      ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
      
      

8.8.7 Oracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningの停止

プロセスを停止するには、次の手順をアクティブ・ノード上で実行します。

  1. ORACLE_HOME環境変数に、Oracle Internet Directoryをインストールしたディレクトリを設定します。

  2. OPMNを実行して、Oracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningを停止します。

    ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
    
    
  3. Application Server Controlを停止します。

    ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
    
    

8.8.8 Application Server Controlの使用方法

アクティブ・ノードのOracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration and Provisioningコンポーネントの管理には、Application Server Controlを使用できます。

Application Server Control URLでは、アクティブ・ノードの物理ホスト名を使用します。たとえば、http://im1.mydomain.com:1156(Application Server Controlがポート1156で実行している場合)とします。

8.8.9 Oracle Identity Managementコンポーネントのバックアップとリカバリ

OracleAS Backup and Recovery Toolを使用して、Oracle Identity Managementコンポーネントのファイルをバックアップします。このツールの詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

8.9 アクティブ/アクティブ構成にOracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesを配置する

この構成では、OracleAS Cluster構成内の複数のノードでOracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesを実行します。OracleAS Cluster内のノードはすべてアクティブ(すなわち、アクティブ/パッシブではなく、アクティブ/アクティブ)です。また、ノード間のロード・バランシングとフェイルオーバーを可能にするために、これらのノードのフロントエンドにハードウェア・ロード・バランサを配置します。

Oracleホーム・ディレクトリは各ノードのローカル記憶域にインストールします。これらのノードはハードウェア・クラスタに配置する必要はありません。

ロード・バランサ上のHTTP、HTTPS、LDAPおよびLDAPSトラフィックに使用する仮想ホスト名も構成する必要があります。

図8-12    アクティブ/アクティブ構成のOracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Services


画像の説明

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesは、OracleAS Cluster内の各ノードの同じOC4J_SECURITYインスタンスにデプロイされます。

OPMNも、この層の各ノードで実行されます。OPMNは、OC4JおよびOracle HTTP Serverプロセスを管理します。

OracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesへのアクセス

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesにアクセスするために、クライアントはロード・バランサのHTTP仮想ホスト名(図9-5に示すsso.mydomain.comなど)を使用して、リクエストをロード・バランサに送信します。

OPMNの実行

OPMNは、各ノードで実行されて、プロセスを監視します。OPMN管理対象コンポーネントに障害が発生すると、OPMNは再起動を試みます。OPMNおよびOPMNで管理されるコンポーネントについては、第2.2.1.1.1項「OPMNを使用した自動化されたプロセス管理」を参照してください。

OracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesの構成

OracleAS ClusterにおけるOracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesの構成は、クラスタ内のすべてのノード間で同じになります。これにより、ロード・バランサはリクエストをどのインスタンスにも転送できるようになります。

たとえば、2つのノードがある場合、両方のノードで実行されるOracleAS Single Sign-Onインスタンスは同じ構成になり、Oracle Delegated Administration Servicesインスタンスも同じ構成になります。ロード・バランサは、どちらのノードにもリクエストを送信できます。

同じ層での中間層の実行

Oracle Application Server中間層は、同じ層の異なるノードで実行できます(図9-5を参照)。中間層とOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesを分けるファイアウォールがない場合、同じロード・バランサで中間層もロード・バランシングすることができます。ロード・バランサは、sso.mydomain.commt.mydomain.comという2つの仮想サーバー名で構成します。

この構成を使用するトポロジ

8.9.1 OracleAS Cluster内のコンポーネント構成の変更

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesインスタンスには共通の構成ファイルを格納する必要があります。1つのインスタンスの構成を変更する必要がある場合は、OracleAS Clusterの他のインスタンスの構成も更新する必要があります。

OracleAS Cluster内で同一の構成ファイルが保持されるようにするには、次の手順を実行します。

8.9.2 OracleAS Cluster(Identity Management)のフェイルオーバー

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration ServicesのOracleAS Cluster(Identity Management)では、他のOracleAS Cluster(Identity Management)と同様に、クラスタ内のノードで障害が発生すると、クラスタ内の他のノードが障害の発生したノードを引き継ぎます。このフェイルオーバーには、障害を検出してリクエストを残りの実行中のノードに再ルーティングするロード・バランサが必要です。

OPMNは、Oracle Application Serverプロセスを管理し、可能な場合はクラッシュしたプロセスを再起動します。

Windowsシステムでは、クラスタ・ノードの1つが停止した場合、Oracle Fail Safeが障害を検出し、管理対象のOracleサービスのフェイルオーバーをただちに開始します。

ノードでOC4J_SECURITYが停止した場合、アクティブなOracle HTTP Serverが有効なOC4J_SECURITYインスタンスにトラフィックを送ります(これがクラスタの利点です)。1つのノードでOracle HTTP Serverが停止した場合、他のノードの有効なOracle HTTP Serverでリクエストが処理されます。Oracle HTTP Serverでリクエストを処理する際に、Oracle Internet DirectoryモニターがOracle Databaseサーバーをポーリングし、他のすべてのOracle Internet Directoryノードが実行されていることを確認します。1つのノードのOracle Internet Directoryモニターから5分間報告がない場合、他のOracle Internet Directoryノードはそのノードに障害が発生したと判断します。この時点で、実行中の他のノードでは、次のことが起こります。

  1. そのノードのOracle Internet Directoryモニターが、障害が発生したノードで実行されていたプロセスを起動します。

  2. そのノードのOracle Internet Directoryが、障害が発生したノードでそれまで進行中であった操作の処理を継続します。

  3. そのノードのOracle Internet Directoryモニターが、障害が発生したノードでそれまで実行されていたプロセスを起動したことをログに記録します。


    注意1

    計画されたメンテナンス操作によってノードが停止する場合またはノードのプロセスが停止する場合は、このノードにトラフィックが送られないよう、ロード・バランサを再構成する必要があります。 



    注意2

    ディレクトリ・レプリケーション・サーバー(oidrepld)またはOracle Directory Integration and Provisioningサーバー(odisrv)のいずれか、またはその両方を実行している1次ノードで障害が発生した場合は、2次ノードのOracle Internet Directoryモニターが5分後に2次ノードにあるこれらのプロセスを起動します。

    正常な停止はフェイルオーバーとして扱われません。つまり、正常な停止後は、2次ノードのOracle Internet Directoryモニターは、5分後も2次ノードにあるこれらのプロセスを起動しません。 


8.9.3 コンポーネントとノードの障害の処理

OracleAS Cluster内の各ノードのOPMNは、OC4J_SECURITYインスタンスおよびOracle HTTP Serverプロセスに対するプロセス管理、監視および通知サービスを提供します。これらのプロセスのいずれかに障害が発生した場合、OPMNは障害を検出し、再起動を試みます。再起動が失敗した場合、ロード・バランサが(通常は非レスポンス・タイムアウトによって)障害を検出し、他のノードで実行しているアクティブ・プロセスにリクエストを送ります。

ノードに障害が発生した場合、ロード・バランサが障害を検出し、OracleAS Clusterのアクティブ・ノードにリクエストをリダイレクトします。各ノードで他のノードと同じサービスを提供しているため、すべてのリクエストは残りのノードで実行できます。

8.9.4 OracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesの起動

OracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesを次の順序で起動します。

  1. OracleAS Metadata Repositoryデータベースが稼動していることを確認します。

  2. Oracle Internet Directoryが稼動していることを確認します。

  3. 各ノード上で次を実行します。

    1. ORACLE_HOME環境変数にOracleAS Single Sign-On/Oracle Delegated Administration ServicesのOracleホームを設定します。

    2. OPMNを実行し、コンポーネントを起動します。

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
      
      
    3. Application Server Controlを起動します。

      ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
      
      

8.9.5 OracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesの停止

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesを停止するには、各ノードで次の手順を実行します。

  1. ORACLE_HOME環境変数にOracleAS Single Sign-On/Oracle Delegated Administration ServicesのOracleホームを設定します。

  2. OPMNを実行し、コンポーネントを停止します。

    ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
    
    
  3. Application Server Controlを停止します。

    ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
    
    

8.9.6 Application Server Controlの使用方法

各ノードのOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesコンポーネントの管理には、Application Server Controlを使用できます。

Application Server Control URLでは、物理ホスト名を使用します。たとえば、http://im1.mydomain.com:1156(Application Server Controlがポート1156で実行している場合)とします。

8.9.7 OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesコンポーネントのバックアップとリカバリ

OracleAS Backup and Recovery Toolを使用して、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesコンポーネントのファイルをバックアップします。このツールの詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

8.10 アクティブ/パッシブ構成にOracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesを配置する

アクティブ/パッシブ構成(コールド・フェイルオーバー・クラスタ構成ともいいます)では、ハードウェア・クラスタに2つのノードを配置します。OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesコンポーネントは、これらのノードが共有する記憶域にインストールします。

図8-13    アクティブ/パッシブ構成のOracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Services


画像の説明

この構成では、常にアクティブなノードは1つのみです。このアクティブ・ノードは、すべてのプロセスを実行します。他のノードはパッシブ・ノードまたはスタンバイ・ノードと呼ばれ、アクティブ・ノードで障害が発生した場合またはアクティブ・ノードのコンポーネントの実行で障害が発生した場合にのみ実行します。

ハードウェア・クラスタのこれらのノードに対して仮想サーバー名と仮想IPアドレスを構成する必要があります。仮想サーバー名と仮想IPアドレスは、アクティブ・ノードであるノードを指し示します。

ハードウェア・クラスタ内のノードでは、ハードウェア・ベンダーによって提供されたクラスタウェアも実行されます。クラスタウェアでは、アクティブ・ノードが実行されていることを確認するために監視が行われます。

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesにアクセスするために、クライアントは仮想サーバー名を使用してリクエストを送信します。

各ノードではOPMNも実行されます。OPMN管理対象コンポーネントに障害が発生すると、OPMNは再起動を試みます。OPMNおよびOPMNで管理されるコンポーネントについては、第2.2.1.1.1項「OPMNを使用した自動化されたプロセス管理」を参照してください。

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesは、OC4J_SECURITYインスタンスにデプロイされるアプリケーションです。

この構成を使用するトポロジ

8.10.1 コンポーネントとノードの障害の処理

アクティブ・ノードのOPMNは、OC4J_SECURITYおよびOracle HTTP Serverプロセスに対するプロセス管理、監視および通知サービスを提供します。これらのプロセスのいずれかに障害が発生した場合、OPMNは障害を検出し、再起動を試みます。再起動が失敗した場合、クラスタウェアが障害を検出し、すべてのプロセスをパッシブ・ノードにフェイルオーバーします。

ノードに障害が発生すると、クラスタウェアが障害を検出し、すべてのプロセスをパッシブ・ノードにフェイルオーバーします。


注意

ハードウェア・クラスタ・フレームワークでは、OracleAS Infrastructureプロセスの起動、監視またはフェイルオーバーを行うことができますが、次の操作は自動的には実行されません。手動で実行するか、自動化するためのスクリプトを作成してください。 


8.10.2 手動によるフェイルオーバーの手順(Solarisシステムの場合)

Veritas Volume Managerを使用するSolarisシステムで、アクティブ・ノードからスタンバイ・ノードにフェイルオーバーするには、次の手順を実行します。

障害が発生したノード上では、次の手順を実行します。

  1. 必要に応じて、このノードのすべてのOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesプロセスを停止または中断します。

  2. ファイル・システムがビジーではないことを確認します。ファイル・システムがビジーである場合、ファイル・システムを使用しているプロセスを調べ、必要に応じて停止します。

  3. 次のコマンドを使用して、ファイル・システムをアンマウントします。

    # umount <mount_point>
    
    
  4. rootとして、ディスク・グループをデポートします。たとえば、Veritas Volume Managerを使用したSun Clusterでは、次のコマンドを使用してディスク・グループをデポートします。

    # vxdg deport <disk_group_name>
    
    
  5. 障害が発生したノードが使用可能な場合、次のコマンドを実行して仮想IPアドレスを解放します。

    # ifconfig <interface_name> removeif <virtual_IP>
    
    

新しいアクティブ・ノード上では、次の手順を実行します。

  1. rootとして、次のコマンドを実行して、このノードに仮想IPを割り当てます。

    # ifconfig <interface_name> addif <virtual_IP> up
    
    
  2. rootとして、ディスク・グループをインポートします。たとえば、Veritas Volume Managerを使用したSun Clusterでは、次のコマンドを使用します。

    # vxdg import <disk_group_name>
    # vxvol -g <disk_group_name> startall
    
    
  3. rootとして、次のコマンドを使用して、ファイル・システムをマウントします。

    # mount /dev/vx/dsk/<disk_group_name>/<volume_name> <mount_point>
    
    
  4. この新しいアクティブ・ノードですべてのOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesプロセスを起動します。第8.10.5項「OracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesの起動」を参照してください。

8.10.3 手動によるフェイルオーバーの手順(Windowsシステムの場合)

Windowsシステムでは、Oracle Fail Safeを使用してフェイルオーバーを行います。詳細は、第8.6.3項「Windowsシステムにおけるフェイルオーバーの手動手順」を参照してください。

8.10.4 手動によるフェイルオーバーの手順(Linuxシステムの場合)

Linuxシステムで、アクティブ・ノードからスタンバイ・ノードにフェイルオーバーする手順を次に示します。

障害が発生したノード上では、次の手順を実行します。

  1. 障害が発生したノードで、すべてのOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesプロセスが停止していることを確認します。

  2. rootとしてログインします。

  3. 次のコマンドを使用して、ファイル・システムをアンマウントします。

    # umount <mount_point>
    
    

    ファイル・システムがビジーである場合、次のコマンドを使用して、ファイル・システムを使用しているプロセスを調べます。

    # fuser -muv <Shared Storage Partition>
    
    

    必要に応じて、次のコマンドを使用してプロセスを停止します。

    # fuser -k <Shared Storage Partition>
    
    
  4. 障害が発生したノードが使用可能な場合、次のコマンドを実行して仮想IPアドレスを解放します。

    # ifconfig <interface_name> down
    
    

    たとえば、次のように入力します。

    # ifconfig eth1:1 down
    
    

新しいアクティブ・ノード上では、次の手順を実行します。

  1. rootとしてログインします。

  2. 次のコマンドを実行して、このノード(新しいアクティブ・ノード)に仮想IPアドレスを割り当てます。

    # ifconfig <interface_name> netmask <subnet_mask> up
    
    

    たとえば、次のように入力します。

    # ifconfig 144.88.27.125 netmask 255.255.252.0 up
    
    
  3. 異なるホストからtelnetを使用して、仮想IPが有効で動作していることを確認します(サブネット/ドメイン)。

  4. 次のコマンドを使用して、ファイル・システムをマウントします。

    # mount <Shared Storage Partition> <mount_point>
    
    

    たとえば、次のように入力します。

    # mount /dev/sdc1 /oracle
    
    
  5. この新しいアクティブ・ノードでOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesプロセスを起動します。第8.10.5項「OracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesの起動」を参照してください。

8.10.5 OracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesの起動

OracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesを次の順序で起動します。

  1. OracleAS Metadata Repositoryデータベースが稼動していることを確認します。

  2. Oracle Internet Directoryが稼動していることを確認します。

  3. アクティブ・ノード上で次を実行します。

    1. ORACLE_HOME環境変数にOracleAS Single Sign-On/Oracle Delegated Administration ServicesのOracleホームを設定します。

    2. OPMNを実行し、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesを起動します。

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
      
      
    3. Application Server Controlを起動します。

      ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
      
      

8.10.6 OracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesの停止

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesを停止するには、アクティブ・ノードで次の手順を実行します。

  1. ORACLE_HOME環境変数にOracleAS Single Sign-On/Oracle Delegated Administration ServicesのOracleホームを設定します。

  2. OPMNを実行し、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesを停止します。

    ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
    
    
  3. Application Server Controlを停止します。

    ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
    
    

8.10.7 Application Server Controlの使用方法

アクティブ・ノード上のコンポーネントの管理には、Application Server Controlを使用できます。

Application Server Control URLでは、アクティブ・ノードの物理ホスト名を使用します。たとえば、http://im1.mydomain.com:1156(Application Server Controlがポート1156で実行している場合)とします。

8.10.8 OracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesのバックアップとリカバリ

OracleAS Backup and Recovery Toolを使用して、OracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesのファイルをバックアップします。このツールの詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

8.11 Oracle Identity Managementコンポーネントのステータスのチェック

次の手順を使用して、Oracle Identity Managementコンポーネントのステータスをチェックします。

  1. OPMNおよびOPMN管理対象プロセスのステータスをチェックします。

    ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl status
    
    
  2. Application Server Controlのステータスをチェックします。

    ORACLE_HOME/bin/emctl status iasconsole
    
    
  3. Oracle Internet Directoryのステータスをチェックします。

    ORACLE_HOME/ldap/bin/ldapcheck
    
    

    Oracle Internet Directoryにログインできることを確認します。

    ORACLE_HOME/bin/oidadmin
    
    

    次のログインおよびパスワードを使用します。

    ログイン: orcladmin

    パスワード: <orcladmin_password>

    インストール後、orcladmin_passwordはias_adminパスワードと同じになります。

  4. OracleAS Single Sign-Onにログインできることを確認します。

    http://host:HTTP_port/pls/orasso
    
    

    hostでは、仮想ホスト名を指定します。

    ログイン: orcladmin

    パスワード: orcladmin_password

  5. Oracle Delegated Administration Servicesにログインできることを確認します。

    http://host:HTTP_port/oiddas
    
    

    hostでは、仮想ホスト名を指定します。

    ログイン: orcladmin

    パスワード: orcladmin_password


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