Oracle Application Server 高可用性ガイド 10g リリース2(10.1.2) B15817-04 |
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この章では、非高可用性のOracleAS Infrastructureトポロジから高可用性トポロジへの変換の概要について説明します。
このセクションの各章では、OracleAS Infrastructureの変換のみについて説明します。通常、OracleAS Infrastructureの高可用性はインストール中に構成します。高可用性を構成せずにOracleAS Infrastructureをインストールした場合は、インストール後に変換手順を使用して、非高可用性のOracleAS Infrastructureを高可用性に変換できます。
変換は、中間層には適用されません。OracleAS Infrastructureとは異なり、インストール中は中間層の高可用性は構成しないためです。中間層を高可用性にするには、インストール後に構成します。詳細は、第II部「中間層の高可用性」の各章を参照してください。
この章に含まれている項は次のとおりです。
Oracle Application Serverでは各種の構成をサポートしていますが、変換手順は次の項目で構成される非高可用性構成(ソース構成)用に設計されています。
ソース構成は、選択したターゲット構成にかかわりなく常に同じになります。
ソース構成は、表19-1に示す高可用性構成のいずれにも変換できます。
変換プロセスでは、OracleAS Metadata RepositoryとOracle Identity Managementのコンポーネントを変換します。表19-1は、変換後のこれらのコンポーネントを示しています。データベースとOracle Application Serverのバージョンは変更されません。
高可用性構成を作成するために、追加のハードウェア(追加のノードやロード・バランサなど)およびソフトウェア(ベンダー・クラスタウェアなど)が必要になる場合があることに注意してください。
図19-1に、OracleAS Cluster(Identity Management)への変換を示します。この変換では、シングル・インスタンスのOracleAS Metadata RepositoryデータベースをReal Application Clustersデータベースに変換し、Oracle Identity ManagementをOracleAS Cluster(Identity Management)に変換します。
それによって、アクティブ/アクティブ・トポロジが形成されます。このトポロジの詳細は、第9.6項「OracleAS Cluster(Identity Management) トポロジ」を参照してください。
Real Application Clustersデータベース用の2つ以上のノードおよびOracleAS Cluster(Identity Management)用の追加のノードを含むハードウェア・クラスタが必要です。また、OracleAS Cluster(Identity Management)用のノードの前にはロード・バランサが必要です。
この変換の詳細は、第20章「OracleAS Cluster(Identity Management)トポロジへの変換」を参照してください。
これはOracleAS Cluster(Identity Management)への変換と似ていますが、1つのノードのセットでOracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesを実行し、別のノードのセットでOracle Internet DirectoryとOracle Directory Integration and Provisioningを実行する点が異なります。図19-2に、この変換を示します。
分散型OracleAS Cluster(Identity Management)トポロジの詳細は、第9.7項「分散型OracleAS Cluster(Identity Management)トポロジ」を参照してください。
この変換の詳細は、第20章「OracleAS Cluster(Identity Management)トポロジへの変換」を参照してください。
この変換(図19-3)では、データベースをコールド・フェイルオーバー・クラスタ・データベースに変換し、Oracle Identity ManagementをOracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)に変換します。
それによって、アクティブ/パッシブ・トポロジが形成されます。このトポロジでは、ハードウェア・クラスタに2つのノードが存在し、一度に1つのみのノードがアクティブになります。パッシブ・ノードは、現在アクティブなノードに障害が発生したときにアクティブになります。このトポロジの詳細は、第9.4項「OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management) トポロジ」を参照してください。コールド・フェイルオーバー・データベースの詳細は、第7.1項「コールド・フェイルオーバー・クラスタ・データベース」を参照してください。
ハードウェア・クラスタ内のノードは、共有記憶域にアクセスできます。
UNIXプラットフォームの共有記憶域で実行している場合は、データベースおよびOracle Identity Management用にOracleホームをインストールします(図19-3を参照)。
Windowsで実行している場合は、共有記憶域ではなく、各ノードのローカル記憶域にデータベース用のOracleホームをインストールしますが、データ・ファイルは共有記憶域に配置します(図21-7を参照)。
この変換の詳細は、第21章「OracleAS Cold Failover Clusterトポロジへの変換」を参照してください。
この変換(図19-4)はOracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)への変換と似ていますが、OracleAS Single Sign-OnとOracle Delegated Administration Servicesのコンポーネントはアクティブ/アクティブ構成で実行される点が異なります。
このハードウェア・クラスタには仮想ホスト名とIPが必要です。
UNIXでは、データベース用のOracleホームとデータ・ファイルを共有記憶域にインストールします。図19-4にUNIXバージョンの変換を示します。
Windowsでは、データベース用のOracleホームを各ノードのローカル記憶域にインストールしますが、データ・ファイルは共有記憶域に配置します。
このアクティブ/パッシブ構成用に2つのノードを含むハードウェア・クラスタと、ハードウェア・クラスタ用の仮想ホスト名およびIPが必要です。コールド・フェイルオーバー・クラスタ・データベース用に使用しているものと同じハードウェア・クラスタを使用ことも、別のハードウェア・クラスタを使用することもできます。
分散型OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)トポロジの詳細は、第9.5項「分散型OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)トポロジ」を参照してください。
この変換の詳細は、第21章「OracleAS Cold Failover Clusterトポロジへの変換」を参照してください。
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