Oracle Application Server Portal 構成ガイド 10gリリース2(10.1.4) B25450-02 |
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この章では、拡張構成に必要な構成について説明します。次のような構成を実行するには、第4.1項「OracleAS Portalの管理の開始」で説明している管理ツールに精通しておく必要があります。
この章の内容:
Oracle Application Server内でポートを変更する方法の詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。
OracleAS Portalでは、多くの様々なコンポーネント(Parallel Page Engine、Oracle HTTP Server、OracleAS Web Cacheなど)を使用しますが、それらの各コンポーネントはHTTP通信でクライアントまたはサーバーの役目を果たすことがあります。このため、OracleAS Portalの中間層にある各コンポーネントを、HTTPではなくHTTPSプロトコルやSecure Sockets Layer(SSL)を使用するように個別に構成する必要があります。
OracleAS Portalで使用できるSSL構成オプションは、第6章「OracleAS Portalの保護」で説明されています。次の項を参照してください。
この項では、同じOracle Application Server Metadata Repositoryにアクセスするためにフロントエンドとしてロード・バランス・ルーター(LBR)が設定された複数の中間層環境で、OracleAS Portalを設定する方法を説明します。
LBRの目的は、クライアント層に公開アドレスを1つだけ提供し、LBRによって行われるリクエストの配信に基づいて、実際にリクエストを処理するサーバーのファームをフロントエンドに設定することです。LBRそのものは、非常に高速のネットワーク・デバイスであり、Webリクエストを膨大な数の物理サーバーに配信できます。
ここで、図5-1に示すような複数の中間層構成を構成すると想定します。この例では、OracleAS PortalとOracleAS Wirelessの中間層として、同じコンピュータ上にOracleAS Web Cacheが示されています。理論的には、これらは別のコンピュータ上にあってもかまいません。
注意
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正常な処理に必要なLBRの追加構成は次のとおりです。
OracleAS PortalのParallel Page Engine(PPE)は、ページ・メタデータの情報を取得します。この通信は、ループバック接続と呼ばれます。デフォルトの構成では、OracleAS Web CacheとOracleAS Portalは同じコンピュータ上にあり、ループバック接続はローカルです。
LBRがOracle Application Serverのフロントエンドに設定されており、OracleAS Web Cacheが同じサブネット上にある場合は、追加構成が必要となります。このことをよく理解するために、この追加構成がないループバック接続の様々な部分を確認します。
通常の場合、LBRはすべてのリクエストをOracleAS Web Cacheに転送するようにプログラミングされているため、その動作に問題はありません。ただし、ループバック・リクエストが内部ネットワークから流入する場合、好ましくない結果が発生します。
このような問題を回避するには、LBR上でNetwork Address Translation(NAT)のバウンス・バック・ルールを設定する必要があります。このルールによって、ファイアウォールの内側から流入するリクエストのプロキシとして、LBRが構成されます。この設定で内部リクエストが正しく転送されることが確認されます。また、レスポンスがLBRに到達したときに、レスポンスは正しく変換され、ネットワーク上の正しいソース・アドレス(この場合、PPE)に送信されます。
この設定に必要な手順については、後で説明します。NATバウンス・バックは、個々のLBRで様々に設定されます。詳細は、LBRの構成ガイドを参照してください。
OracleAS Portalを利用して、OracleAS Web Cacheがそのコンテンツの多くをキャッシュすることができます。OracleAS Web Cache内でキャッシュされたコンテンツが変更されると、OracleAS Portalによって、無効化メッセージがデータベースからOracleAS Web Cacheへ送信されます。OracleAS Portalでは、OracleAS Web Cacheクラスタ内の1つのWeb Cacheノードにのみ、無効化メッセージを送信できます。OracleAS Portalは、そのOracleAS Web Cacheメンバーに依存して、クラスタの他のメンバーのコンテンツを無効化します。Oracle Application ServerのフロントエンドとしてLBRが設定されている場合、LBRは、データベースからの無効化リクエストを受け入れてクラスタのメンバー間で負荷を均衡させるように構成されている必要があります。ルーティングの設定方法によっては、NATを設定し、データ層上で適切な送信ポートを開く必要もあります。この設定に必要な手順については、後で説明します。
注意 図5-1に示すように、インフラストラクチャはLBRの内側にあります。インフラストラクチャは、1台のホスト上に構成することも、複数のホストに分散させることも可能です。インフラストラクチャを適切に構成するには、『Oracle Application Server Single Sign-On管理者ガイド』の拡張構成に関する情報を参照してください。 |
LBRをフロントエンドに設定した複数の中間層環境でOracleAS Portalを構成するには、次の手順を実行します。
単一のPortal and Wirelessアプリケーション・サーバー中間層をインストールし、インストールを確認します。これを行うには、次の手順を実行します。
http://m1.abc.com:7777/portal/pls/portal
設定した構成は図5-2のようになります。詳細は表5-1に示されています。
MID_TIER_ORACLE_HOME
/portal/conf
内にあるiasconfig.xml
ファイルにアクセスして、例5-1のような内容であることを確認します。<IASConfig XSDVersion="1.0">
<IASInstance Name="iAS-1.m1.abc.com" Host="m1.abc.com">
<WebCacheComponent ListenPort="7777" InvalidationPort="4001" InvalidationUsername="invalidator" InvalidationPassword="@Bd4D+TnIEqRc3/kleybcc70A==" SSLEnabled="false"/>
<EMComponent ConsoleHTTPPort="1814" SSLEnabled="false"/>
</IASInstance>
<IASInstance Name="iAS.infra.abc.com" Host="infra.abc.com">
<OIDComponent AdminPassword="@BVs2KPJEWC5a0l4n8lbTxUY=" PortSSLEnabled="true" LDAPPort="3060" AdminDN="cn=orcladmin"/>
</IASInstance>
<PortalInstance DADLocation="/pls/portal" SchemaUsername="portal" SchemaPassword="@Beyh8p2bOWELQCsA5zRtuYc=" ConnectString="cn=iasdb,cn=oraclecontext">
<WebCacheDependency ContainerType="IASInstance" Name="iAS-1.m1.abc.com"/>
<OIDDependency ContainerType="IASInstance" Name="iAS.infra.abc.com"/>
<EMDependency ContainerType="IASInstance" Name="iAS-1.m1.abc.com"/>
</PortalInstance>
</IASConfig>
ここで、LBRを通じてアクセスされるOracleAS Portalを構成するために、次の手順に進みます。
ロード・バランス・ルーター(LBR)を通じてアクセスされるようにOracleAS Portalを構成するには、次の手順を実行します。
80
でリクエストを受け取り、これらのリクエストをコンピュータ(m1.abc.com
)上で実行中のOracleAS Web Cacheのポート7777
へ転送するように、LBR(lbr.abc.com
)を構成します。これを行うには、次の手順を実行します。
lbr.abc.com
)とLBRのポート番号(80
)に基づくURLを作成できるように、M1でOracleAS Portal中間層を構成して、OracleAS Portalページに描画される自己参照型URLがブラウザで有効になるようにします。これを行うには、次の手順を実行します。
lbr.abc.com
)に対応させるサイトを次のように定義します。
lbr.abc.com
、「Port」に80
を指定します。その他のフィールドはデフォルト値のままにします。
lbr.abc.com
が表示されます。
lbr.abc.com
を中間層のm1.abc.com
にマップします。
lbr.abc.com
)を選択します。
m1.abc.com
)を選択します。
サイトが正しくマップされたことを確認するために、「Site-to-Server Mapping」ページに移動して、M1がサイトのlbr.abc.com
にマップされているかどうかを調べます。
m1.abc.com
のコンピュータを構成して、LBRのホスト名が解決されて正しいIPアドレスが設定されるようにします。DNSの解決に委ねることも、次のようなエントリを/etc/hosts
ファイル内に作成することもできます。
L1.L1.L1.L1 lbr.abc.com
ここでのL1.L1.L1.L1
は、LBRのIPアドレスです。これらの変更を行った後にシステムを再起動する必要はありません。
m1.abc.com
で実行中のPPEから流入するループバック・リクエストに対して、LBRがNATバウンス・バックを実行するように構成します。このように構成しておくと、PPEがOracleAS Web Cacheへループバック・リクエストを行うときに、エラーがないことが保証されます。4001
)上のOracleAS Metadata Repositoryから無効化リクエストを受け取って、ポート4001
のコンピュータm1.abc.com
で実行中のOracleAS Web Cacheへそのリクエストが転送されるように、LBR(lbr.abc.com
)を構成します。
MID_TIER_ORACLE_HOME
/portal/conf
内にあるiasconfig.xml
ファイルは、手動で編集する必要があります。ファイルをバックアップしてから編集することをお薦めします。このファイルは、OracleAS Portalにアクセスし、OracleAS Web Cacheの無効化を実行するために、正しいファーム名、ホスト名およびポート情報が含まれるように更新する必要があります。例5-2を参照してください(すべての変更部分は下に太字で示しています)。<IASConfig XSDVersion="1.0"> <IASFarm Name="Farm-1.lbr.abc.com" Host="lbr.abc.com"> <WebCacheComponent ListenPort="80" InvalidationPort="4001" InvalidationUsername="invalidator" InvalidationPassword="welcome1" SSLEnabled="false"/> </IASFarm> <IASInstance Name="iAS.infra.abc.com" Host="infra.abc.com"> <OIDComponent AdminPassword="@BVs2KPJEWC5a0l4n8lbTxUY=" PortSSLEnabled="true" LDAPPort="3060" AdminDN="cn=orcladmin"/> </IASInstance> <IASInstance Name="iAS-1.m1.abc.com" Host="m1.abc.com"> <EMComponent ConsoleHTTPPort="1814" SSLEnabled="false"/> </IASInstance> <PortalInstance DADLocation="/pls/portal" SchemaUsername="portal" SchemaPassword="@Beyh8p2bOWELQCsA5zRtuYc=" ConnectString="cn=iasdb,cn=oraclecontext"> <WebCacheDependency ContainerType="IASFarm" Name="Farm-1.lbr.abc.com"/> <OIDDependency ContainerType="IASInstance" Name="iAS.infra.abc.com"/> <EMDependency ContainerType="IASInstance" Name="iAS-1.m1.abc.com"/> </PortalInstance> </IASConfig>
iasconfig.xml
構成ファイル内の任意の平文のパスワードを暗号化します。これを行うには、MID_TIER_ORACLE_HOME
/portal/conf
に移動して、次のコマンドを実行します。
ptlconfig -encrypt
MID_TIER_ORACLE_HOME
/portal/conf
に移動して、次のコマンドを実行します。
ptlconfig -dad <portal_dadname> -wc -site
たとえば、次のようになります。
ptlconfig -dad portal -wc -site
ssoreg
を実行して、仮想ホストを登録します。これはmod_ossoのシングル・サインオンに役立ちます。このサイト内でパートナ・アプリケーションとして定義する特定のアプリケーションURLは、osso.conf
ファイルで定義されます。ssoreg
は、MID_TIER_ORACLE_HOME
/sso/bin
の中間層にあります。次の例は、UNIX上でのssoreg
の使用方法を示しています。
MID_TIER_ORACLE_HOME/sso/bin/ssoreg.sh -site_name lbr.abc.com -mod_osso_url http://lbr.abc.com -config_mod_osso TRUE -oracle_home_path MID_TIER_ORACLE_HOME -config_file MID_TIER_ORACLE_HOME/Apache/Apache/conf/osso/osso.conf -admin_info cn=orcladmin -virtualhost
Windowsでは、かわりにssoreg.bat
を実行する必要があります。詳細は、『Oracle Application Server Single Sign-On管理者ガイド』のmod_ossoの登録に関する項を参照してください。
targets.xml
(MID_TIER_ORACLE_HOME
/sysman/emd
/にある)を編集する必要があります。
targets.xml
を開きます。
TYPE="oracle_portal"
)を検索します。
PortalListeningHostPort
プロパティを編集して、LBRを指すようにします。たとえば、次のようになります。
<Property NAME="PortalListeningHostPort" VALUE=http://lbr.abc.com:80/>
targets.xml
に保存します。
SolarisとLinuxの場合、次のように入力します。
MID_TIER_ORACLE_HOME
/bin/emctl reload
Windowsの場合、次のように入力します。
MID_TIER_ORACLE_HOME
¥bin¥emctl reload
これらの手順の終了後は、設定した構成は図5-3のようになります。詳細は表5-1に示されています。
次のテストを指定された順序で実行して、OracleAS Portalが起動し、実行中であることを確認します。1つのテストに失敗した場合は、問題点の処置を行ってから次のテストに進んでください。OracleAS Web Cache、Oracle HTTP ServerおよびLBRの構成とログを診断するには、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。
http://lbr.abc.com/index.html
http://lbr.abc.com/portal/pls/portal/htp.p?cbuf=test
レスポンスはtestになります。このテストに成功することは、Oracle Application Server中間層がOracleAS Metadata Repositoryに接続できるということです。失敗した場合は、OC4J_Portalインスタンスのapplication.log
ファイルでリクエストの失敗に関する詳細を調べ、適切な処理を行います。
http://lbr.abc.com/portal/pls/portal
にあるOracleAS Portalのホーム・ページにアクセスします。アクセスできなかった場合は、OC4J_Portalインスタンスのapplication.log
ファイルを調べ、エラーを探します。このエラーの最も一般的な原因は、PPEがループバック接続を行えないことです。これが機能するように、次のことを行います。
「Monitoring」で「Popular Requests」をクリックします。「Filter Objects」ドロップダウン・リストから「Cached」を選択し、「Update」をクリックします。OracleAS Portalにアクセスできた場合は、ポータルのコンテンツが表示されます(たとえば、/portal/pls/portal
を含むURL)。ポータルのコンテンツが何も表示されない場合は、別のブラウザを開き、OracleAS Portalにログインします。「Popular Requests」ページに戻り、「Update」をクリックして最新のページ・コンテンツを表示します。これで、検証用には十分なコンテンツが提供されます。
M2(m2.abc.com
)上で新しいPortal and Wireless中間層をインストールするには、次の手順を実行します。
IASCONFIG_LOC
が、コンピュータm1.abc.com
上でIASCONFIG_LOC
が指しているのと同じ場所を指すように設定します。iasconfig.xml
ファイルによって、Webサイトのトポロジに含まれる任意のホストからポータルを構成できるようになります。環境変数は、理想的には共有ファイル・システム間でアクセス可能な場所を指す必要があります。これにより、別のコンピュータにインストールされていても、同じファイルを参照し、更新することができます。インストールを開始する前に、2番目の中間層で環境変数を設定する必要があります。構成ファイルのデフォルトの場所を上書きする場合は、たとえば次のようにして、環境変数IASCONFIG_LOC
を、ファイルが格納されたディレクトリに設定する必要があります。
set IASCONFIG_LOC=/usr/local/as101202
注意
デフォルトでは、 |
警告 「構成オプションの選択」画面でOracleAS Portalを選択すると、OracleAS Portal内の以前の構成エントリが上書きされます。詳細は、第3.3項「インストール時とインストール後のOracleAS Portalの構成」を参照してください。 |
既存のポータルを実行するには、次の手順をこの順序で実行してM2を構成します。
lbr.abc.com
)とLBRのポート番号(80
)に基づくURLを作成できるように、新しいOracleAS Portal中間層を構成します。これを行うには、M2上でApplication Server Controlコンソールを使用して、次の手順を実行します。
MID_TIER_ORACLE_HOME
/Apache/modplsql/conf/dads.conf
をM1からM2へコピーします。
MID_TIER_ORACLE_HOME
/Apache/oradav/conf/oradav.conf
をM1からM2へコピーします。
MID_TIER_ORACLE_HOME
/Apache/modplsql/conf/cache.conf
をM1からM2へコピーします。
MID_TIER_ORACLE_HOME
/j2ee/OC4J_Portal/applications/portal/portal/WEB-INF/web.xml
をM1からM2へコピーします。
IASCONFIG_LOC
を定義しなかった場合は、iasconfig.xml
ファイルをM1からM2へコピーする必要があります。
MID-TIER_ORACLE_HOME
/dcm/bin/
ディレクトリから次のコマンドを実行して、M2で行われた手動による構成の変更を同期化します。
dcmctl updateConfig
dads.conf
ファイルをコピーした後、必要なmod_rewriteディレクティブとmod_oc4jディレクティブを、httpd.conf
とmod_oc4j.conf
のファイルにそれぞれ追加する必要があります。これを行うには、Application Server Controlコンソールを使用して、第E.2項「DAD構成ファイル(dads.conf)」で説明した手順を実行します。
MID_TIER_ORACLE_HOME/dcm/bin/dcmctl updateConfig -ct ohs MID_TIER_ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl restartproc process-type=HTTP_Server MID_TIER_ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl restartproc process-type=OC4J_Portal
m2.abc.com
のコンピュータを構成して、LBRのホスト名が解決されて正しいIPアドレスが設定されるようにします。DNSの解決に委ねることも、次のようなエントリを/etc/hosts
ファイル内に作成することもできます。
L1.L1.L1.L1 lbr.abc.com
プロパティ | 値 |
---|---|
Host Name |
|
Admin Port |
|
Protocol for Admin Port |
|
Cache Name |
|
Capacity |
|
m2.abc.com
があるかどうかを調べます。キャッシュ・クラスタの構成の詳細は、『Oracle Application Server Web Cache管理者ガイド』を参照してください。
プロパティ | 値 |
---|---|
Hostname |
|
Port |
|
Routing |
|
Capacity |
|
Failover Threshold |
|
Ping URL |
|
Ping Interval |
|
Protocol |
|
m2.abc.com
があるかどうかを調べます。
詳細は、『Oracle Application Server Web Cache管理者ガイド』のサイトとオリジナル・サーバーのマップに関する項を参照してください。
lbr.abc.com
サイトを2つのオリジナル・サーバーのm1.abc.com
とm2.abc.com
にマップします。
m2.abc.com
)を選択します。
lbr.abc.com
のサイトに対応付けられているかどうかを調べます。
詳細は、『Oracle Application Server Web Cache管理者ガイド』のサイトとオリジナル・サーバーのマップに関する項を参照してください。
m1.abc.com
で前に行った構成と同様に、無効化用ポート上のリクエストを2番目の中間層m2.abc.com
上で実行中のOracleAS Web Cacheのポート4001
へ転送するように、LBR(lbr.abc.com
)を構成します。m1.abc.com
で前に行った構成と同様に、ポート80
上のリクエストをコンピュータm2.abc.com
上で実行中のOracleAS Web Cacheのポート7777
へ転送するように、LBR(lbr.abc.com
)を構成します。m2.abc.com
で実行中のOracle HTTP Serverから流入するループバック・リクエストのためにNATバウンス・バックを実行するように、LBRを構成します。詳細は、第5.3.2項「手順2: LBRを通じてアクセスされるM1でのOracleAS Portalの構成」の手順6を参照してください。これらの手順の終了後は、設定した構成は図5-1のようになります。
注意 中間層の追加は第5.3.4項「手順4: 新しいPortal and Wireless中間層(M2)のインストール」に概略を示した手順に従い、各中間層については、第5.3.5項「手順5: 既存のポータルを実行するための新しい中間層(M2)の構成」を参照してください。 |
targets.xml
(MID_TIER_ORACLE_HOME
/sysman/emd
/にある)を編集する必要があります。
targets.xml
を開きます。
TYPE="oracle_portal"
)を検索します。
PortalListeningHostPort
プロパティを編集して、LBRを指すようにします。たとえば、次のようになります。
<Property NAME="PortalListeningHostPort" VALUE=http://lbr.abc.com:80/>
targets.xml
に保存します。
SolarisとLinuxの場合、次のように入力します。
MID_TIER_ORACLE_HOME
/bin/emctl reload
Windowsの場合、次のように入力します。
MID_TIER_ORACLE_HOME
¥bin¥emctl reload
Portalツール(OmniPortletおよびWebクリッピング)プロバイダ、およびローカルで構築されたWebプロバイダとカスタムで構築されたWebプロバイダが正常に機能していることを確認するには、中間層環境にさらに構成を追加する必要があります。OmniPortletやその他のWebプロバイダによってファイル・システムがすでにパーソナライズされている場合、PDK-Javaのプリファレンス・ストア移行/アップグレード・ユーティリティを使用して、既存のパーソナライズをデータベースに移行し、以前のリリースからのパーソナライズをアップグレードすることができます。このユーティリティの詳細は、第C.11項「PDK-Javaのプリファレンス・ストア移行/アップグレード・ユーティリティの使用」を参照してください。
WSRPプロデューサの場合は、OracleAS Metadata Repositoryがデフォルトのポートレット・プリファレンス・ストアとして使用されます。別のプリファレンス・ストアを使用する場合は、『Oracle Application Server Portal開発者ガイド』を参照してください。
複数の中間層環境でPortalツール(OmniPortletおよびWebクリッピング)プロバイダを正常に機能させるには、次の手順を実行します。
DBPreferenceStore
)などの共有のプリファレンス・ストアを使用する必要があります。Portalツール・プロバイダでDBPreferenceStore
を使用するように構成するには、次の手順を実行します。
ORACLE_HOME
/j2ee/OC4J_Portal/applications/jpdk/jpdk/doc/dbPreferenceStore
ディレクトリに移動します。たとえば、次のようになります。
cd ORACLE_HOME/j2ee/OC4J_Portal/applications/jpdk/jpdk/doc/dbPreferenceStore
create user
コマンドとgrant connect
コマンドを使用して、PORTALスキーマのあるデータベース上でユーザーを作成し、リソース作成権限と接続権限を付与します。次のコマンドで、実際のパスワードに置き換えます。デフォルトのパスワードwelcome
は、セキュリティ上のリスクがあるため使用しないでください。たとえば、次のようになります。
create user prefstore identified by password; grant connect, resource to prefstore;
prefstore
として接続し、SQL*Plusでjpdk_preference_store2.sql
スクリプトを次のように実行します。
@jpdk_preference_store2
data-sources.xml
に追加します。このファイルは、ORACLE_HOME
/j2ee/OC4J_Portal/config
ディレクトリにあります。
<data-source class="com.evermind.sql.DriverManagerDataSource" name="omniPortletprefStore" location="jdbc/UnPooledConnection" xa-location="jdbc/xa/XAConnection" ejb-location="jdbc/PooledConnection" connection-driver="oracle.jdbc.driver.OracleDriver" username="prefstore" password="password" url="jdbc:oracle:thin:@infra.host.com:1521:orcl" inactivity-timeout="30" />
ORACLE_HOME
/j2ee/OC4J_Portal/applications/portalTools/omniPortlet/WEB-INF/providers/omniPortlet
ディレクトリにあるファイルprovider.xml
を編集します。編集するのは、太字で示されているpreferenceStore
タグです。
<provider class="oracle.webdb.reformlet.ReformletProvider"> <vaultId>0</vaultId> <session>true</session> <preferenceStore class="oracle.portal.provider.v2.preference.DBPreferenceStore"> <name>omniPortletprefStore</name> <connection>jdbc/PooledConnection</connection> </preferenceStore>
データベース・プリファレンス・ストアの構成の詳細は、次を参照してください。
PDKプリファレンス・ストア移行ユーティリティの詳細は、第C.11項「PDK-Javaのプリファレンス・ストア移行/アップグレード・ユーティリティの使用」を参照してください。
cd ORACLE_HOME
FilePreferenceStore
)からデータベースのプリファレンス・ストア(DBPreferenceStore
)に、OmniPortletデータを移行します。
java -classpath portal/jlib/pdkjava.jar oracle.portal.provider.v2.preference.MigrationTool -mode filetodb -pref1UseHashing true -pref1RootDirectory j2ee/OC4J_ Portal/applications/portalTools/omniPortlet/WEB-INF /providers/omniPortlet -pref2User prefstore -pref2Password password -pref2URL jdbc:oracle:thin:@infra.host.com:1521:orcl
provider.xml
ファイルに格納されています。1つの中間層(たとえば、M1)で構成を直接更新し、LBRですべての中間層フロントエンドに伝播する必要があります。これを行う前に、M1以外の中間層をすべて停止する必要があります。
http://lbr.abc.com/portalTools/omniPortlet/providers/omniPortlet
http://lbr.abc.com/portalTools/webClipping/providers/webClipping
詳細は、第I.1.3項「HTTPまたはHTTPSのプロキシ設定の構成」を参照してください。
provider.xml
ファイルに対して行われた変更を中間層のM2に伝播します。
ORACLE_HOME
/j2ee/OC4J_Portal/config/data-sources.xml
をM1からM2へコピーします。
ORACLE_HOME
/j2ee/OC4J_Portal/config/jazn-data.xml
をM1からM2へコピーします。
http://m1.abc.com:7777/
からhttp://lbr.abc.com/
に変更します。
http://m1.abc.com:7777/
からhttp://lbr.abc.com/
に変更します。
http://lbr.abc.com/portalTools/omniPortlet/providers/omniPortlet
OmniPortletプロバイダのテスト・ページで、「ポートレット情報」セクションに「使用可能なポートレットはありません」というメッセージが表示された場合、手順1でOmniPortletを正しく構成していない可能性があります。OmniPortletが正しく構成されている場合、「OmniPortlet」と「シンプル・パラメータ・フォーム」のポートレットがテスト・ページで利用できます。
http://lbr.abc.com/portalTools/webClipping/providers/webClipping
Webクリッピング・プロバイダまたはOmniPortletのWebページ・データソースを使用する場合は、OracleAS Web Cacheでセッション・バインドを有効にする必要もあります。詳細は、「手順7: OracleAS Web Cacheでのセッション・バインドの有効化」を参照してください。
注意
ローカルで構築されたプロバイダとは、OracleAS Portalのインスタンス内部に定義されているプロバイダのことです。通常、LBRを構成する前に、これらのプロバイダを作成または編集します。LBRの構成後にこれを行うには、次の手順を実行します。
provider.xml
ファイルに保持されています。1つの中間層(たとえば、M1)で構成を直接更新し、LBRですべての中間層フロントエンドに伝播する必要があります。これを行う前に、M1以外の中間層をすべて停止する必要があります。
provider.xml
ファイルが作成されます。
ORACLE_HOME
/j2ee/OC4J_Portal/applications/portalTools/providerBuilder/WEB-INF/providers/<providerName>
ディレクトリをM1からM2へコピーします。
ORACLE_HOME
/j2ee/OC4J_Portal/applications/portalTools/providerBuilder/WEB-INF/deployment/<providerName>.properties
ファイルをM1からM2へコピーします。
ORACLE_HOME
/j2ee/OC4J_Portal/applications/portalTools/providerBuilder/WEB-INF/deployment_providerui/provideruiacls.xml
ファイルをM1からM2へコピーします。
ORACLE_HOME
/j2ee/OC4J_Portal/applications/portalTools/providerBuilder/WEB-INF/deployment_providerui/providerstore.xml
内の<providerMap>
のエントリをM1からM2へコピーし、<warDir>
要素をM2のORACLE_HOME
に適した値に変更します(太字の部分)。
<providerMap name="MyProvider" baseLanguage="en"> <displayName language="en" translation="myprovider"></displayName> <timeout>20</timeout> <timeoutMessage language="en" translation="Timed Out"></timeoutMessage> <loginFrequency>Never</loginFrequency> <httpURL>http://lbr.abc.com:80/portalTools/builder/providers/MYPROVIDER</httpUR L> <cookieDomain>abc.com</cookieDomain> <serviceId>MYPROVIDER</serviceId> <requireSessionData>false</requireSessionData> <httpAppType>Portal</httpAppType> <warDir>ORACLE_HOME/j2ee/OC4J_ Portal/applications/portalTools/providerBuilder/WEB-INF</warDir> <warFile>providerBuilder</warFile> </providerMap>
http://lbr.abc.com:80/portalTools/builder/providers/
<providerName>
にあるテスト・ページにアクセスして、WebプロバイダがLBRを通じて正常に動作することを確認します。
カスタムで構築されたプロバイダとは、OracleAS Portalのインストールによってあらかじめ生成されたプロバイダ、およびOracleAS Portalを使用して作成されたプロバイダを除く、任意に作成したWebプロバイダのことです。カスタムで構築されたプロバイダを構成するには、それを最初の中間層に配置し、M1のURL(http://m1.abc.com:7777/<webApp>/providers/<providerName>
)を使用してOracleAS Portalに登録する必要があります。複数の中間層環境で機能するように構成するには、次の手順を実行します。
データベース・プリファレンス・ストアの構成の詳細は、Portal Center(http://portalcenter.oracle.com)に掲載されている「Installing the DBPreferenceStore Sample (V2)」という記事を参照してください。
ORACLE_HOME
/j2ee/OC4J_Portal/applications/<
webApp
>/WEB-INF/providers/<
providerName
>/provider.xml
をM1からM2へコピーします。
http://m1.abc.com:7777/
からhttp://lbr.abc.com
に変更します。
http://lbr.abc.com:80/<webApp>/providers/<providerName>
デフォルトでは、WSRPプロデューサはポートレット・プリファレンス・データをOracleAS Metadata Repositoryに保存することで、複数の中間層環境で正常に機能します。この情報をカスタム・データベースを使用して保存する場合は、『Oracle Application Server Portal開発者ガイド』を参照してください。
フロントエンドとしてロード・バランス・ルーター(LBR)が設定されたセッションベースのWebプロバイダを構成するには、プロバイダの情報ページでログインの頻度を「ユーザー・セッションごとに1回」に設定し、LBRをCookieベースのルーティングを行うように構成する必要があります。ログインの頻度を設定するには、次の手順を実行します。
LBRをCookieベースのルーティングを行うように構成する方法の詳細は、LBR固有のドキュメントを参照してください。
外部アプリケーションが中間層でホスティングされている場合、外部アプリケーション・ログインURLをOracleAS Single Sign-On Serverで更新する必要があります。これを実行するには、『Oracle Application Server Single Sign-On管理者ガイド』の「外部アプリケーションの編集」に記載されている手順に従ってください。ログインURLの最初の部分をhttp://m1.abc.com:7777/
からhttp://lbr.abc.com/
に変更します。
OracleAS Web Cacheのセッション・バインド機能は、ユーザー・セッションを特定のオリジナル・サーバーにバインドして、状態を一定の期間保持するために使用されます。デフォルトのOracleAS Portal中間層で実行されるほとんどすべてのコンポーネントはステートレスですが、セッション・バインドは次の2つの理由で必要になります。
OracleAS Web Cacheでポータル・ユーザー・セッションをOracleAS Portal中間層にバインドするには、次の手順を実行します。
lbr.abc.com:80
)を選択し、「Edit Selected」をクリックします。
lbr.abc.com:80
に適用します。
完了した構成が正常に機能していることを確認するには、次の手順を実行します。
http://m1.abc.com:1810
詳細は、第7.2.1項「Application Server Controlコンソールへのアクセス」を参照してください。
http://lbr.abc.com/portal/pls/portal
にあるOracleAS Portalのホーム・ページにアクセスします。
「Monitoring」で「Popular Requests」をクリックします。「Filter Objects」ドロップダウン・リストから「Cached」を選択し、「Update」をクリックします。OracleAS Portalにアクセスできた場合は、ポータルのコンテンツが表示されます(たとえば、/portal/pls/portal
を含むURL)。
OracleAS Portalで、ポートレットをページに追加するなどの基本的なページ編集を行って、新しいコンテンツが表示されることを確認します。新しいコンテンツが正しく表示されない場合やエラーが発生する場合は、OracleAS Web Cacheの無効化の構成に誤りがあります。
Oracle HTTP Serverは、仮想ホストの構成をサポートしています。仮想ホストによって、1台のコンピュータを任意の数の異なるサイトとして表すことができます。たとえば、1台のコンピュータを、www.abc.com
とwww.xyz.com
の両方で表すように構成できます。1台のコンピュータをmy.oracle.com
とoraclepartnernetwork.oracle.com
の両方で表すように構成することもできます。OracleAS Portalを使用して仮想ホストを構成するには、Oracle HTTP Server上で仮想ホストを設定する必要があります。そのほかにOracle Application Server Web CacheとOracle Application Server Single Sign-Onの構成も必要です。
ポータル・ページは、最初にアクセスするホストのホスト名でOracleAS Web Cacheにキャッシュされます。同じページに対する後続のリクエストには必ず、アクセスするホストに関係なく、そのホスト名のあるリンクが含まれます。
たとえば、仮想ホストwww.abc.com
を使用してページAにアクセスする場合、ページAのすべてのリンクは、www.abc.com
の相対で表示されます。別のユーザーが仮想ホストwww.xyz.com
を使用して、同じページAにアクセスする場合、OracleAS Web Cacheにおいて別名処理が行われるため、このページ用に作成されたすべてのリンクは、www.abc.com
を参照し、これらのリンクをクリックすると、www.abc.com
から提供されるポータル・ページになります。
両方の仮想ホストから提供されるページが相互に排他的(つまり、サイトwww.abc.com
から提供されるポータル・ページが、www.xyz.com
から提供されていない)でないかぎり、ユーザーは2つの仮想ホストの間を往復します。これが望ましくない場合は、『Oracle Application Serverエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』で説明しているように、OracleAS Portal用に専用のイントラネットとインターネットを設定できます。
サーバー名をwww.abc.com
とし、http://www.abc.com:7779/portal/pls/portal
のOracleAS Portalに接続することを想定します。中間層がインストールされるコンピュータのIPアドレスは、196.12.67.8
です。
実際のサーバー名を使用してhttp://www.abc.com:7779/portal/pls/portal
にあるOracleAS Portalにアクセスするだけでなく、仮想ホスト名を使用してhttp://www.xyz.com:7779/portal/pls/portal
にもアクセスすると想定します。この場合の両方のURLが、同じIPアドレスを指します。
この例では、ポート7779
がOracleAS Web Cacheのリスニング・ポート、ポート7778
がOracle HTTP Serverのリスニング・ポートです。
また、OracleAS Single Sign-Onは、IPアドレスが123.45.67.8
の別のコンピュータにインストールされていて、http://www.login.com:7777/pls/orasso
というURLでアクセスされると想定します。
図5-5では、OracleAS Web CacheとOracle Application Serverが同じ中間層のコンピュータにありますが、この2つは別々のコンピュータにあってもかまいません。
仮想ホストを構成するには、次の手順を示された順序で実行します。
仮想ホスト名www.xyz.com
および実際のサーバー名www.abc.com
用に、httpd.conf
ファイル内に仮想ホストのエントリを作成する必要があります。仮想ホストを定義するには、Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlコンソールを使用して、次の手順を実行します。
この手順を終了した後に、次のことを実行します。
www.xyz.com
の仮想ホストを作成するには、次の手順を実行します。
詳細は、第7.2.1項「Application Server Controlコンソールへのアクセス」を参照してください。
仮想ホスト情報 | 値 |
---|---|
ドキュメント・ルート・ディレクトリ |
|
ディレクトリの索引 |
空白も可 |
サーバー管理者の電子メール |
有効な電子メール・アドレス |
仮想ホスト・タイプ |
名前ベース |
www.xyz.com
7778
)を選択します。
www.xyz.com
が、表内に表示されることを確認します。
Port
およびRewrite
ディレクティブを追加します(太字の部分)。
NameVirtualHost *:7778 <VirtualHost *:7778> ServerName www.xyz.com Port 7779 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit </VirtualHost>
www.abc.com
の仮想ホストを作成するには、次の手順を実行します。
www.abc.com
www.abc.com
とwww.xyz.com
の仮想ホストを構成したら、次のようにApplication Server Controlコンソールを使用して、httpd.conf
ファイルを確認します。
httpd.conf
ファイルに次のような新しいセクションがあることを確認します。
NameVirtualHost *:7778 <VirtualHost *:7778> ServerName www.xyz.com Port 7779 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit </VirtualHost> <VirtualHost *:7778> ServerName www.abc.com Port 7779 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit </VirtualHost>
仮想ホストのエントリはhttpd.conf
ファイルの既存の内容によって様々に異なることがありますが、www.abc.com
とwww.xyz.com
の両方の仮想ホストに対応する仮想ホストのエントリは必須です。
次のURLにアクセスして、サーバー名と仮想ホストの両方が機能していることを確認します。
www.abc.com
サイトは、すでにOracleAS Web Cache内に定義されています。これに加えて、複数の仮想ホストがOracleAS Metadata Repositoryに対して透過的になるように、OracleAS Web Cache内にサイトの別名を作成する必要があります。www.abc.com
はサイトとして設定されていますが、www.xyz.com
はサイトの別名として定義しなければならないことに注意してください。このようにして、両方のサイト用にキャッシュされたコンテンツが、OracleAS Web Cacheに送信される無効化メッセージによって無効化されます。
Oracle Application Server Single Sign-Onが正常に機能するためには、URLに同じホスト名が指定されているパートナ・アプリケーションによって、SSO Serverが必ず参照される必要があります。これは、Cookieがそれらを生成したホストのみに返されるからです。このため、前例では、OracleAS Single Sign-Onは常にhttp://www.login.com
として参照される必要があります。つまり、www.abc.com
とwww.xyz.com
をパートナ・アプリケーションとして登録する必要があります。これを行うには、次の手順を実行します。
ptlconfig
を実行することによって、www.abc.com
のパートナ・アプリケーション・エントリを追加します。
ptlconfig -dad portal -sso -host www.abc.com -port 7779
ptlconfig
を実行することによって、www.xyz.com
のパートナ・アプリケーション・エントリを追加します。
ptlconfig -dad portal -sso -host www.xyz.com -port 7779
ssoreg
を実行して、仮想ホストwww.abc.com
を登録します。これはmod_ossoのシングル・サインオンに役立ちます。このサイト内でパートナ・アプリケーションとして定義する特定のアプリケーションURLは、osso.conf
ファイルで定義されます。ssoreg
は、MID_TIER_ORACLE_HOME
/sso/bin
の中間層にあります。次の例は、UNIX上でのssoreg
の使用方法を示しています。
MID_TIER_ORACLE_HOME/sso/bin/ssoreg.sh -site_name www.abc.com -mod_osso_url http://www.abc.com:7779 -config_mod_osso TRUE -oracle_home_path MID_TIER_ORACLE_HOME -config_file MID_TIER_ORACLE_HOME/Apache/Apache/conf/osso/osso.conf -admin_info cn=orcladmin
Windowsでは、かわりにssoreg.bat
を実行する必要があります。詳細は、『Oracle Application Server Single Sign-On管理者ガイド』を参照してください。
ssoreg
を実行して、仮想ホストwww.xyz.com
を登録します。これはmod_ossoのシングル・サインオンに役立ちます。このサイト内のパートナ・アプリケーションとして定義されるアプリケーションのURLは、osso.conf
ファイルで定義されます。次の例は、UNIX上でのssoreg
の使用方法を示しています。
MID_TIER_ORACLE_HOME/sso/bin/ssoreg.sh -site_name www.xyz.com -mod_osso_url http://www.xyz.com:7779 -config_mod_osso TRUE -oracle_home_path MID_TIER_ORACLE_HOME -config_file MID_TIER_ORACLE_HOME/Apache/Apache/conf/osso/osso_xyz.conf -admin_info cn=orcladmin -virtualhost
-config_file
パラメータがosso_xyz.conf
ファイルを参照していることに注意してください。
www.xyz.com
の仮想ホスト・コンテナを次のように編集する必要があります(太字の部分)。
<VirtualHost *:7778> ServerName www.xyz.com Port 7779 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit OssoConfigFile MID_TIER_ORACLE_HOME/Apache/Apache/conf/osso/osso_xyz.conf OssoIpCheck off </VirtualHost>
詳細は、『Oracle Application Server Single Sign-On管理者ガイド』のmod_ossoの登録に関する項を参照してください。
仮想ホストが正しく設定されたことを確認するには、次のいずれかのURLを使用してOracleAS Portalに接続します。
最初のログイン時にhttp://www.login.com
のログイン画面が表示され、ログインに成功することを確認してください。他の仮想ホストからのこれ以降のログインでは、シングル・サインオンが機能してログイン証明書の入力が求められないはずです。
ファイアウォールの外側のプロバイダおよびWebサイトへ接続するために、OracleAS Portalを構成してプロキシ・サーバーを使用することができます。
注意
|
プロキシ・サーバーを指定するには、次の手順を実行します。
「サービス」ポートレットは「ビルダー」ページの「管理」タブにあります。
myproxy.mycompany.com
のように、ファイアウォールの外側のアプリケーションにアクセスするために使用する、HTTPプロキシ・サーバーのアドレスを入力します。プロキシ・サーバー名に接頭辞http://
は付けません。
80
です。これで、ポータルとWebプロバイダまたはWSRPプロデューサ間の接続のためにプロキシ・サーバーを使用することができます。また、このプロキシは、たとえばURLアイテムに指定されたURLに接続するためなど、他の接続にも使用することができます。
プロキシ・サーバーの設定方法に関連する詳細は、Oracle Technology Network(OTN)(http://www.oracle.com/technology/)のホワイト・ペーパー「A Primer on Proxy Servers」を参照してください。
OracleAS PortalとOracleAS Single Sign-Onのリバース・プロキシ・サーバーの構成の詳細は、『Oracle Application Serverエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』を参照してください。
OracleAS Portalは、企業ネットワーク内および外部クライアントからアクセスできるように構成できます。この構成の重要な特徴とOracleAS Portalの構成方法については、次のドキュメントを参照してください。
Oracle Application Server Web Cacheには、キャッシュ、ページ・アセンブリおよび圧縮の機能が用意されています。OracleAS Web Cacheは、静的および動的なWebコンテンツを迅速に配信し、Oracle Application Serverにロード・バランスおよびフェイルオーバーの機能を提供します。OracleAS Portalでのキャッシュの機能の概要は、第1.3項「OracleAS Portalのキャッシュについて」を参照してください。
この項では、OracleAS Web Cacheを使用できるようにOracleAS Portalを構成する方法について説明します。
この項には次の項目が含まれています。
以前のリリースでは、OracleAS Web Cacheを構成するために、OracleAS Web Cache Managerを使用する必要がありました。このリリースでは、次の2つの方法があります。
これらのインタフェースを使用すると、OracleAS Web Cache構成ファイルのwebcache.xml
を更新できます。
ホスト名や無効化用ポート番号など、OracleAS Portalで使用するOracleAS Web Cache設定を変更するには、Application Server Controlコンソールを使用します。これらの設定は、「PortalのWebキャッシュ設定」ページで構成できます。
「PortalのWebキャッシュ設定」ページでOracleAS Web Cacheのプロパティを変更する場合、そのプロパティはwebcache.xml
ファイルではなくiasconfig.xml
に保存されます。Application Server Controlコンソールの「Webキャッシュ管理」ページに戻り、変更を適切に加える必要があります。
OracleAS Portalのユーザー・インタフェースから、OracleAS Web Cacheにキャッシュされたポータル・コンテンツを管理する様々なタスクを実行できます。OracleAS Web Cacheにキャッシュされたポータル・コンテンツ全体を消去したり、各ポータル・ユーザーのコンテンツを消去したりすることもできます。
ユーザーのグループ・メンバーシップが変更された場合は、そのユーザーのキャッシュ・エントリを削除して新しい権限を持てるようにするため、キャッシュを消去することができます。同様に、あるオブジェクトに対するユーザーまたはグループの権限を変更する場合も、そのオブジェクトのキャッシュ・エントリを消去することができます。
キャッシュ全体を消去したり、特定のユーザーのキャッシュを消去するには、ポータル管理者であることが必要です。特定のポータル・オブジェクトのキャッシュを消去するには、そのオブジェクトに対して、少なくとも「管理」権限を持っている必要があります。
次の各項で、OracleAS Portalを使用して実行できる処理について詳細に説明します。
Web Cache全体を消去するには、次の手順を実行します。
デフォルトでは、「サービス」ポートレットは、「Portalビルダー」ページの「管理」タブの「ポータル」サブタブにあります。
特定のユーザーのためのキャッシュを消去するには、次の手順を実行します。
デフォルトでは、「サービス」ポートレットは、「Portalビルダー」ページの「管理」タブの「ポータル」サブタブにあります。
無効化ベースのキャッシュでは、アイテムの編集などによりオブジェクトが変更されたことをOracleAS Web Cacheに通知するメッセージをポータルまたはプロバイダが送信すると、キャッシュ・エントリがパージされます。ただし、キャッシュ・エントリに対する有効期間を設定することもできます。キャッシュ・エントリは、OracleAS Web Cacheが無効化メッセージを受け取らない場合でも、この有効期間の最後に達するとパージされます。
無効化ベースのキャッシュのエントリに有効期間を設定するには、次の手順を実行します。
デフォルトでは、「サービス」ポートレットは、「Portalビルダー」ページの「管理」タブの「ポータル」サブタブにあります。
ページ・グループ、ページ、ページ用のPortalテンプレート、ポートレット・リポジトリ内のポートレット、Portal DBプロバイダおよびPortal DBプロバイダのコンポーネントに対応するキャッシュ・エントリを消去するには、次の手順を実行します。
ユーザーが操作を行った結果、キャッシュ無効化キューが大きくなりすぎる場合があります。たとえば、大量のメンバーが属するグループへページに対するセキュリティ権限を繰り返し付与すると、付与するたびに、ユーザーごとにキュー内に弱い無効化が発生します。
弱い無効化は必要ではないこともありますが、OracleAS Portalがその必要性を判断できない場合があります。たとえば、ページに対するグループ権限が「表示」から「パーソナライズ(フル)」にアップグレードされても、グループのメンバーが誰もページを表示しない場合、無効化は不要です。ただし、誰がページを表示したかの記録は、Portalにありません。したがって、セキュリティの変更を使用するように構成された弱い無効化が続行します。
ポータル管理者は、ポータル・スキーマの所有者としてSQL*Plusで次の問合せを実行し、キュー内の弱い無効化の回数を確認することができます。
select count(1) from wwutl_cache_inval_msg$ where process_type=2;
ポータル管理者は、ポータル・スキーマの所有者としてSQL*Plusで次の問合せを実行し、キュー内の弱いまたは強い無効化の合計回数を確認することができます。
select count(1) from wwutl_cache_inval_msg$;
この大きくなりすぎている可能性のあるwwutl_cache_inval_msg$表内の行数は、ある程度までは、データベースを実行しているインフラストラクチャの速度に依存します。OracleAS PortalはOracleAS Web Cacheの無効化用ポートと通信するので、通常は50000個のメッセージによって弱い無効化ジョブの速度が低下し、50000個のメッセージをOracleAS Web Cacheへ送信するとネットワークに負荷がかかります。
弱い無効化が不要であることが判明した場合、ポータル管理者はポータル・スキーマの所有者として、SQL*Plusで次の問合せを実行することができます。
delete from wwutl_cache_inval_msg$ where process_type=2;
この問合せによって、弱い無効化がキューから削除されます。
弱い無効化が必要であってもそれが多すぎる場合、ポータル管理者は、次のコマンドを使用してキャッシュ無効化キューを消去することができます。
truncate table wwutl_cache_inval_msg$;
次にポータル管理者は、OracleAS Portalのユーザー・インタフェースを通じてキャッシュ全体を消去する必要があります。この作業の詳細は、第5.8.3.1項「Web Cache全体の消去」を参照してください。
OracleAS Portalは、無効化メッセージを使用してキャッシュ内のオブジェクトを期限切れにします。cachjsub.sql
スクリプトを使用すると、無効化ジョブの実行頻度を構成できます。cachjsub.sql
の実行方法の詳細は、第C.1項「cachjsub.sqlを使用した無効化メッセージの処理ジョブの管理」を参照してください。
OracleAS Web Cacheは、1つ以上のOracleAS Portal中間層サーバーのフロントエンドに位置する専用サーバーに配置できます。OracleAS Web Cacheは一般的なハードウェアで十分に機能するため、専用の配置は、ハードウェアの費用の点では負担になりません。一般的には、1 GBのメモリを持つコンピュータを使用することをお薦めします。キャッシュ・サーバーと中間層サーバーのどちらも、高速のネットワーク・カードを使用してサイトのパフォーマンスを確保する必要があります。OracleAS Portalでのキャッシュの機能の概要は、第1.3項「OracleAS Portalのキャッシュについて」を参照してください。
Webサイトの管理者は、このトポロジを設定するために、OracleAS Portal中間層と同じコンピュータにインストールされたOracleAS Web Cacheを無効にし、専用サーバーに新しいOracleAS Web Cacheインスタンスを設定する必要があります。図5-6には、OracleAS Portalが専用のOracleAS Web Cacheインスタンスを使用するトポロジを示します。
次のURLからOracleAS Web Cacheのスタンドアロン版をインストールすることもできます。http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/web_cache/index.html
Oracle Universal Installerは、OracleAS Portal and Wireless中間層のインストール時に、同じコンピュータ上にOracleAS Portal中間層とOracleAS Web Cacheを自動的に構成し起動します。未使用のOracleAS Portal中間層コンピュータにインストールされているOracleAS Web Cacheを無効にし、別のコンピュータにインストールされている専用のOracleAS Web Cacheを、OracleAS Portal中間層と通信するように構成する必要があります。
Webサイトwww.company.com
、ポート番号7777
用の専用OracleAS Web Cacheを構成するには、次の6つのタスクを実行します。
OracleAS Web Cacheを専用サーバー上に正しく構成するには、OracleAS Web Cacheが起動され、稼働中であることが必要です。Application Server Controlコンソールのホーム・ページ上でのOracleAS Web Cacheの起動、停止、再起動、およびそのステータスの表示方法の詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。
専用サーバー上のOracleAS Web Cacheを手動で構成して、コンテンツが別のコンピュータ上のOracleAS Portal中間層に正しく配信されるようにする必要があります。OracleAS Web Cache Managerから「Origin Servers」ページ(「Origin Servers, Sites, and Load Balancing」→「Origin Servers」)および「Listen Ports」ページ(「Ports」→「Listen Ports」)に移動して、適切な変更を行う必要があります。
専用サーバーにインストールされているOracleAS Web Cacheを正しく構成するには、OracleAS Portal中間層と同じコンピュータにインストールされているOracleAS Web Cacheのオリジナル・サーバー情報が必要となります。
専用のOracleAS Web Cacheインスタンスからオリジナル・サーバーのプロパティ設定を変更するには、次の手順を実行します。
ORACLE_HOME
/webcache
ディレクトリにある、webcache.xml
ファイルのバックアップ・コピーを作成します。
専用サーバー上のOracleAS Web Cacheを手動で構成して、ホスト名www.company.com
、およびリスニング・ポート番号7777
を含むサイト定義を作成する必要があります。OracleAS Web Cache Managerから「Site Definitions」ページ(「Origin Servers, Sites, and Load Balancing」→「Site Definitions」)に移動して、適切な変更を行う必要があります。
このタスクはオプションです。OracleAS Portal中間層サーバーのリソースを節約するには、『Oracle Application Server管理者ガイド』の指示に従って、中間層サーバーの未使用のキャッシュを停止します。このキャッシュ・インスタンスは、この配置オプションでは使用されません。
OracleAS Portal中間層は、OracleAS Web Cacheのリスニング・ポート、invalidatorユーザー名、invalidatorパスワード設定などを認識している必要があります。「PortalのWebキャッシュ設定」ページでこれらの設定を変更して、専用のOracleAS Web Cacheの新しいホスト名とポート番号をOracleAS Portal中間層に適用する必要があります。
www.company.com
で変更し、「リスニング・ポート」フィールドを正しいポート番号7777
で変更します。
専用のOracleAS Web Cache設定を使用して、仮想ホストのエントリをOracleAS Portal中間層の一部であるOracle HTTP Serverのhttpd.conf
ファイル内に作成する必要があります。この例では、仮想ホスト名としてwww.company.com
、ポート番号として7777
(専用のOracleAS Web Cacheリスニング・ポートと同じ)を設定しています。仮想ホスト名とポート番号は、OracleAS Web Cacheで定義されているサイト定義の値と一貫している必要があります。これを行うには、次のタスクを実行します。
HTTP Serverのホーム・ページが表示されます。
www.company.com
と入力します。
7778
)を選択します。
Port
およびRewrite
ディレクティブを追加します(太字の部分)。
NameVirtualHost *:7778 <VirtualHost *:7778> ServerName www.company.com Port 7777 RewriteEngine On RewriteOptions inherit </VirtualHost>
Webサイトの移動、ポートレットの削除などの基本的なテストを実行すると、構成を確認できます。
Oracle Application Server 10gでは、中間層で使用されるOracleAS Infrastructureサービス(Oracle Identity ManagementまたはOracleAS Metadata Repository)を変更することができます。この機能を使用すると、たとえば、中間層およびそのアプリケーションをテスト段階から本稼働用に移行することができます。OracleAS Portalで使用されるOracleAS Metadata Repositoryを変更する場合は、テスト段階のOracleAS Metadata Repositoryに格納されたアプリケーション固有のデータを、本稼働環境のOracleAS Metadata Repositoryにも移動する必要があります。本稼働環境で追加のコンピュータが必要な場合は、インフラストラクチャ・サービスの変更が便利です。単一の手順で、中間層および配置済アプリケーションがすでにあるコンピュータを追加します。中間層インスタンスに使用されるインフラストラクチャ・サービスの変更方法は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。
中間層のインストール中にOracleAS Portalと一緒にOracle Application Server Wirelessが構成された場合、中間層インストールにより、OracleAS Wirelessサービスにポータルが登録されます。
注意 インストール中にOracleAS Wirelessを構成しなかった場合、Application Server Controlコンソールを使用してOracleAS Wirelessを中間層に配置できます。OracleAS Portalの構成に使用される類似の手順は、第7.2.2項「Application Server Controlコンソールを使用したOracleAS Portalの構成」を参照してください。 |
複数の中間層インストールが実行される場合は、最初に設定されたOracleAS WirelessサービスのURLがOracleAS Portalインスタンスに格納されます。cfgiasw.pl
スクリプトを実行することにより、このURLを任意のOracleAS WirelessサービスのURLに変更できます。詳細は、第C.8項「cfgiaswスクリプトを使用したモバイルの構成」を参照してください。
この項では、OracleAS Portalのデフォルトおよびデフォルト以外のスキーマ・パスワードの変更について説明します。
OracleAS Portalのデフォルトのインスタンス用OracleAS Portalスキーマ・パスワードの変更方法の詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』のOracleAS Metadata Repositoryスキーマ・パスワードの変更に関する項を参照してください。
デフォルト以外のOracleAS Portalインスタンス用OracleAS Portalスキーマ・パスワードの変更方法の詳細は、第B.1.1項「OracleAS Portalスキーマのパスワードの変更」を参照してください。
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