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Oracle Application Server Portal 構成ガイド
10gリリース2(10.1.4)
B25450-02
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A
Portal依存性設定ツールおよびファイルの使用

OracleAS Portalは、OracleAS Web CacheやOracle Internet Directoryなどの他のOracle Application Serverコンポーネントに依存しており、ロード・バランス・ルーターやリバース・プロキシ・サーバーと連携して動作するように構成できます。OracleAS PortalのPortal依存性設定ファイル(iasconfig.xml)には、依存するコンポーネントに関する構成データが集中的に格納されます。iasconfig.xmlを使用して、OracleAS Portalインスタンスが使用する設定を確認および編集できます。iasconfig.xmlファイルの内容を変更する場合は、Portal依存性設定ツール(ptlconfig)を使用してOracle Application Server Metadata RepositoryのOracleAS Portalスキーマ内で更新する必要があります。


注意

ptlasstコマンドライン・ユーティリティは、今回のリリースで削除されました。以前のリリースにおいてptlasstで提供されていたすべての機能は、Portal依存性設定ツールおよびファイル(ptlconfigiasconfig.xml)に移行しました。 


この付録では、次の項でPortal依存性設定ツールおよびPortal依存性設定ファイルについて説明します。

A.1 Portal依存性設定ツール

変更した構成でOracleAS Metadata Repositoryを更新するには、次の2つの方法があります。

ptlconfigスクリプトでは、次のことを実行できます。

構成スクリプト・ファイルの名前は、ptlconfig(UNIX)およびptlconfig.bat(Windows)です。このファイルは、ORACLE_HOME/portal/confにあります。このORACLE_HOMEは、OracleAS PortalおよびOracleAS Wirelessの中間層のホームです。

このスクリプトは、次のように使用できます。

ptlconfig -dad <dad> -pw <portal schema password or Oracle Internet Directory password> [-em] [-oid]
[-site] [-wc] [-dipreg] [-dipunreg] [-sso [-host <host name> -port <port number> [-ssl]] ]| -encrypt |
-load -schema <schema username> -pw <schema password> -conn <connect string> [-lp ldap_ssl_port]|

ptlconfigを実行すると、ログ・ファイルptlconfig.logORACLE_HOME/portal/logsディレクトリに作成されます。ptlconfigの実行中にエラーが表示された場合は、ログ・ファイルの完全なメッセージ・テキストを確認してエラーを解決してください。

ptlconfigは、次の3つのモードで実行できます。

A.1.1 構成モード

Portal依存性設定ファイルから特定のOracleAS Portalインスタンスを更新します。

表A-1    構成モード 
パラメータ  説明   

-dad 

Portal依存性設定ファイルから特定のOracleAS Portalインスタンスを更新します。これは、PortalのDAD名です。 

ptlconfig -dad portal 

-pw 

OracleAS PortalスキーマのパスワードまたはOracle Internet Directory管理者のパスワード。

注意:

認証用としてポータル・スキーマのパスワードまたはOracle Internet Directory管理者のパスワードを指定できます。 

ptlconfig -dad portal -pw welcome1 

-em 

Portal依存性設定ファイルに定義されたとおりにOracle Enterprise Manager 10gデータを更新します。 

ptlconfig -dad portal -em 

-oid 

Portal依存性設定ファイルに定義されたとおりにOracle Internet Directoryデータを更新します。 

ptlconfig -dad portal -oid 

-site 

Oracle HTTP Serverコンポーネントの変更が原因でOracleAS Portalの構成変更が必要となった場合に、OracleAS PortalをOracle HTTP Serverと連携して動作するように構成します。たとえば、HTTP Serverホスト、ポートまたはプロトコルへの変更が行われた場合です。Portal依存性設定ファイルに定義されたとおりにOracleAS PortalをOracleAS Single Sign-Onのためのパートナ・アプリケーションとして構成します。

注意:

iasconfig.xmlファイルでは、OracleAS Single Sign-Onコンポーネントをモデル化しません。ptlconfigツールでは、Single Sign-Onの詳細(スキーマ名やパスワードなど)を、ポータル・インスタンスが使用する構成になっているOracle Internet Directoryインスタンスから取得します。 

ptlconfig -dad portal -site 

-wc 

Portal依存性設定ファイルで定義されたとおりに、特定のポータル・インスタンスに対してOracleAS Web Cacheデータを更新します。 

ptlconfig -dad portal -wc 

-dipreg 

Oracle Internet Directoryでプロビジョニング・プロファイルを作成する際に使用します。

注意:

今回のリリースでは、DIPREGを実行してプロビジョニング・プロファイルを登録すると、既存のプロファイルが実際に更新されます。

以前のリリースでは、最初にDIPUNREGを実行してからDIPREGを再度実行する必要があったため、変更内容の一部が失われることがありました。今回の新しい動作では、変更内容が失われることはありません。 

ptlconfig -dad portal -dipreg 

-dipunreg 

OracleAS PortalインスタンスのOracle Internet Directoryでプロビジョニング・プロファイルを削除する際に使用します。 

ptlconfig -dad portal -dipunreg 

-sso 

OracleAS Single Sign-Onにパートナ・アプリケーションのエントリを作成します。

追加パラメータなしで実行すると、パートナ・アプリケーションの詳細は、iasconfig.xmlの詳細を使用して更新されます。

このパラメータの使用方法の詳細は、第5.4.3項「OracleAS Single Sign-OnへのOracleAS Portalの登録」を参照してください。 

ptlconfig -dad portal -sso 

-host 

パートナ・アプリケーションとしてOracleAS Single Sign-Onに登録するホスト名。

このパラメータは、-ssoパラメータとともに使用します。 

ptlconfig -dad portal -sso -host abc.company.com -port 7778 

-port 

登録に使用するポート。

このパラメータは、-ssoパラメータとともに使用します。 

ptlconfig -dad portal -sso -host abc.company.com -port 7778 

-ssl 

ポートがHTTPSであることを示します。

-sso-hostおよび-portプロパティとともに使用します。-hostおよび-portとともに指定しない場合は、HTTPポートであるとみなされます。 

ptlconfig -dad portal -sso -host abc.company.com -port 7778 -ssl 


注意

-ssoおよび-siteモードでptlconfigを実行すると、OracleAS Single Sign-Onの問合せパスのURLが、OracleAS Single Sign-OnのURL接頭辞で更新されます。このURLでHTTPSプロトコルを使用している場合、かわりにHTTPプロトコルを使用するようにURLを更新する必要があります。OracleAS Single Sign-Onの問合せパスのURLを更新する方法の詳細は、第6.3.2.1.2項「OracleAS Single Sign-OnとのSSL接続」「OracleAS Single Sign-Onの問合せパスのURLの設定(HTTP)」を参照してください。 


A.1.2 暗号化モード

Portal依存性設定ファイル内の任意の平文のパスワードを暗号化します。たとえば、次のようになります。

ptlconfig -encrypt

A.1.3 ロード・モード

特定のポータル・スキーマの構成設定により、iasconfig.xmlでエントリを作成および更新します。

表A-2    ロード・モード 
パラメータ  説明   

-schema 

ポータル・スキーマの名前。 

ptlconfig -load -schema portal30 -pw welcome1 -conn abc.company.com:1521:s901dev3 

-pw 

ポータル・スキーマのパスワード。 

ptlconfig -load -schema portal30 -pw welcome1 -conn abc.company.com:1521:s901dev3 

-conn 

ポータル・リポジトリへの接続文字列。

有効な接続文字列のフォーマットについては、表7-3「DAD設定」を参照してください。 

ptlconfig -load -schema portal30 -pw welcome1 -conn abc.company.com:1521:s901dev3 

-lp 

OracleAS Single Sign-Onの情報を取得するためにOracle Internet Directoryに接続する際に使用します。これは、Oracle Internet DirectoryのLDAP SSLポートです。

このパラメータの使用方法の詳細は、第B.1項「OracleAS Portalインスタンスの構成と管理」「iasconfig.xmlの更新」を参照してください。 

ptlconfig -load -schema portal30 -pw welcome1 -conn abc.company.com:1521:s901dev3 -lp 4889 


注意

名前は、iasconfig.xmlでの要素の参照にのみ使用されます。たとえば、中間層の名前midtier.abc.company.comは、iAS1.abc.company.comに変更されます。 


A.2 Portal依存性設定ファイル

次の各項でPortal依存性設定ファイルの詳細を説明します。

A.2.1 名前と場所

Portal依存性設定ファイルの名前は、iasconfig.xmlで、デフォルトでORACLE_HOME/portal/confにあります。このORACLE_HOMEは、OracleAS PortalおよびOracle Application Server Wirelessの中間層のホームです。

Portal依存性設定ファイルにアクセスするツールを使用するときには、環境変数IASCONFIG_LOCに、たとえば次のような、ファイルが格納されているディレクトリを設定して、デフォルトの場所を上書きすることができます。

set IASCONFIG_LOC=/usr/local/as101202

A.2.2 構成要素

Portal依存性設定ファイルはXMLファイルであり、Oracle Application Serverの特定のコンポーネントの設定およびポータル・インスタンスのそれらのコンポーネントに対する依存性を記述する多くの要素から構成されます。図A-1は、Portal依存性設定ファイルでモデル化できるすべての要素を示しています。Portal依存性設定ファイルの定義は、ORACLE_HOME/portal/confにあるスキーマ・ファイルのiasconfig.xsdでモデル化されています。

図A-1    Portal依存性設定ファイルの要素


画像の説明

個々の要素を次に示します。

IASFarm

IASFarm要素は、Oracle Application Serverインスタンスの論理ファームを表しており、通常は、フロントエンドとしてロード・バランス・ルーター(LBR)が設定された複数の中間層環境をモデル化する際に使用します。詳細は、第5.3項「ロード・バランス・ルーターを使用する複数の中間層の構成」を参照してください。

表A-3    要素IASFarm 
属性名  タイプ  説明 

Name 

文字列 

一意のファーム名。 

Host 

文字列 

OracleAS PortalにアクセスするためにユーザーがWebブラウザに入力する公開されたホスト名。 

IASInstance

IASInstance要素は、通常はOracleホームにマップされる特定のOracle Application Serverインスタンスを表します。

表A-4    要素IASInstance 
属性名  タイプ  説明 

Name 

文字列 

Oracle Application Serverインスタンス名(as101202.host.domainなど)。 

Host 

文字列 

ホスト・コンピュータ。 

PortalInstance

これらは、OracleAS Portalインスタンスの設定です。

表A-5    要素PortalInstance 
属性名  タイプ  説明 

DADLocation 

文字列 

OracleAS Portal DADの名前と場所(/pls/portalなど)。 

ConnectString 

文字列 

OracleAS Metadata Repository接続文字列。 

SchemaUsername 

文字列 

OracleAS Portalスキーマのユーザー名。 

SchemaPassword 

文字列 

OracleAS Portalスキーマのパスワード。 

WalletPath 

文字列 

SSOQueryPathで指定されたOracleAS Single Sign-On URLへのSSLアクセスのトラスト・ポイントが含まれる、Oracle Walletのディレクトリへのパス。

次の例に示すように、file:に続いてWalletを含むディレクトリへのフルパスを指定します。

Windowsの場合:

WalletPath="file:C:¥Oracle¥Wallets"

UNIXの場合:

WalletPath="file:/export/home/oracle/wallets" 

WalletPassword 

文字列 

WalletPathで指定されたOracle Walletのパスワード。 

SSOQueryPath 

文字列 

ポータル・リポジトリからOracleAS Single Sign-OnへのHTTP/HTTPSアクセス用のURL。SSOQueryPathがHTTPSのURLの場合、WalletPathWalletPasswordが必要です。SSOQueryPathを指定しない場合は、OracleAS Single Sign-OnログインURLに基づいて生成されます。 


注意

WalletPathWalletPasswordおよびSSOQueryPathはオプション属性です。ただし、SSOQueryPathがHTTPS URLの場合、それがiasconfig.xmlで明示的に指定されたか、またはOracleAS Single Sign-OnログインURLに基づいて生成されたかどうかに関係なく、Wallet情報が必要になります。 


WebCacheComponent

これらは、OracleAS Web Cacheの設定です。

表A-6    要素WebCacheComponent 
属性名  タイプ  説明 

ListenPort 

整数 

リスニング・ポート。 

InvalidationPort 

整数 

無効化ポート。 

InvalidationUsername 

文字列 

無効化ユーザー名。 

InvalidationPassword 

文字列 

無効化パスワード。 

SSLEnabled 

文字列 

リスニング・ポートがSSL対応かどうかを示すフラグ。この値は、TRUEまたはFALSEのいずれかになります。 

OIDComponent

これらは、Oracle Internet Directoryの設定です。

表A-7    要素OIDComponent 
属性名  タイプ  説明 

AdminPassword 

文字列 

Oracle Internet Directory管理者のパスワード。 

PortSSLEnabled 

文字列 

LDAPポートがSSL対応かどうかを示すフラグ。この値は、TRUEまたはFALSEのいずれかになります。 

LDAPPort 

整数 

Oracle Internet Directoryが稼働しているLDAPポート。 

AdminDN 

文字列 

Oracle Internet Directory管理者の識別名。 


注意

Oracle Internet Directoryサーバーのルート・ノードにあるorclSizeLimit属性は、検索によって返されるエントリの最大数を指定するためのシステム操作属性です。この属性の値は、OracleAS PortalをOracle Internet Directoryサーバーで構成した場合に有効になります。ID管理レルムに属しているすべてのグループは、OracleAS Portalスキーマでそのプロファイルを同期化するためにOracle Internet Directoryサーバーで検索されます。

orclSizeLimit属性の値は、Oracle Internet Directoryサーバーの単一のID管理レルムにおけるグループの最大数を格納できるのに十分なほど大きく構成する必要があります。この変更は、Oracle Internet Directoryサーバーを構成する場合にのみ必要です。構成後に、この属性の値は、適切な値に戻すことができます。

Oracle Directory Managerを使用して接続するOracle Directoryサーバーごとに、一部の操作属性を表示および設定できます。詳細は、『Oracle Internet Directory管理者ガイド』の「Oracle Directory Managerを使用したシステム操作属性の設定」を参照してください。 


EMComponent

これらは、Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlコンソールの設定です。

表A-8    要素EMComponent 
属性名  タイプ  説明 

ConsoleHTTPPort 

整数 

リスニング・ポート。 

SSLEnabled 

文字列 

リスニング・ポートがSSL対応かどうかを示すフラグ。この値は、TRUEまたはFALSEのいずれかになります。 

WebCacheDependency

これは、使用しているOracleAS Web CacheへのOracleAS Portalインスタンスの参照です。

表A-9    要素WebCacheDependency 
属性名  タイプ  説明 

ContainerType 

文字列 

OracleAS Web Cacheコンポーネントが稼働しているコンテナのタイプ。これは、IASInstanceまたはIASFarmのいずれかです。 

Name 

文字列 

ContainerTypeに応じたIASInstance名または一意のIASFarm名。 

InvalidationHost 

文字列 

OracleAS Web CacheホストがOracleAS Portalにアクセスするためにユーザーが入力する公開されたホストと異なる場合、この属性を設定する必要があります。

注意:

この属性はオプションです。この属性の使用例は、この付録で後述する「OracleAS Portalの公開アドレスとプロトコルの指定」を参照してください。 

OIDDependency

これは、使用しているOracle Internet DirectoryへのOracleAS Portalインスタンスの参照です。

表A-10    要素OIDDependency 
属性名  タイプ  説明 

ContainerType 

文字列 

Oracle Internet Directoryコンポーネントが稼働しているコンテナのタイプ。これは、IASInstanceまたはIASFarmのいずれかです。 

Name 

文字列 

ContainerTypeに応じたIASInstance名または一意のIASFarm名。 

LDAPSSLPort 

文字列 

LDAP SSLポート値。アップグレードされたOracleAS PortalインスタンスのOracleAS Single Sign-Onの詳細を構成する際に使用します。詳細は、第B.1項「OracleAS Portalインスタンスの構成と管理」「iasconfig.xmlの更新」を参照してください。 

EMDependency

このOracleAS Portalインスタンスを管理するOracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlコンソールです。

表A-11    要素EMDependency 
属性名  タイプ  説明 

ContainerType 

文字列 

Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlコンソールのコンポーネントを管理しているコンテナのタイプ。これは、IASInstanceに設定する必要があります。 

Name 

文字列 

IASInstance名。 

A.2.3 Portal依存性設定ファイルのサンプル

例A-1のXMLは、サンプルのPortal依存性設定ファイルの内容を表しています。

例A-1    Portal依存性設定ファイルのサンプル


<IASConfig XSDVersion="1.0">

   <IASInstance Name="iAS-1.abc.company.com" Host="abc.company.com">
      <WebCacheComponent ListenPort="3002" InvalidationPort="3003" 
InvalidationUsername="invalidator" InvalidationPassword="welcome1" SSLEnabled="false"/>
   </IASInstance>

   <IASInstance Name="iAS-2.abc.company.com" Host="xyz.company.com">
      <OIDComponent AdminPassword="welcome1" PortSSLEnabled="false" LDAPPort="3002" 
AdminDN="cn=orcladmin"/>
      <EMComponent ConsoleHTTPPort="1814" SSLEnabled="false"/>
   </IASInstance>

   <PortalInstance DADLocation="/pls/portal" SchemaUsername="portal" 
SchemaPassword="welcome1" ConnectString="xyz.company.com:1521:s901dev3">
      <WebCacheDependency ContainerType="IASInstance" Name="iAS-1.abc.company.com"/>
      <OIDDependency ContainerType="IASInstance" Name="iAS-2.abc.company.com"/>
      <EMDependency ContainerType="IASInstance" Name="iAS-1.abc.company.com"/>
   </PortalInstance>

</IASConfig>

この例では、OracleAS Portalインスタンスは、次のようになります。

A.2.4 Portal依存性設定ファイルの更新

ネットワーク・ファイル・システムを介してPortal依存性設定ファイルにアクセスできる場合は、複数のホスト間でファイルを共有できるので、ファイルを変更するたびに手動でレプリケートする必要はありません。シンボリック・リンクをサポートするオペレーティング・システムでインストールを実行する場合は、環境変数IASCONFIG_LOCを設定するのではなく、共有ファイルを参照するこのメカニズムを使用することをお薦めします。

ただし、ネットワークを介してPortal依存性設定ファイルにアクセスできない場合は、サイトのトポロジの変更を反映してファイルを最新の状態に保つ必要があります。Portal依存性設定ファイルは、使用するOracleAS Web Cache、Oracle Internet DirectoryおよびOracle Enterprise Manager 10gの詳細でOracleAS Portalスキーマを構成するのに使用します。このファイルをサイトの個々の中間層にコピーする必要はありませんが、このファイルでモデル化されたOracleAS Portalの構成に影響するコンポーネントへの変更は、ファイルにも反映されている必要があります。

Portal依存性設定ファイルを最新の状態に保つには、第5.3項「ロード・バランス・ルーターを使用する複数の中間層の構成」に定義された構成を使用します。

  1. Portal依存性設定ファイルは、インストール時の第5.3.1項「手順1: 単一のPortal and Wireless中間層(M1)のインストール」で最初に作成されます。例5-1「最初の中間層インストール後のiasconfig.xml」のようになります。

    このファイルは、コンピュータm1.abc.com上の、通常、インストールされた中間層のORACLE_HOME/portal/confに置かれます。

  2. 第5.3.1項「手順1: 単一のPortal and Wireless中間層(M1)のインストール」で、Portal依存性設定ファイルは例5-2「ファーム要素を含むように編集されたiasconfig.xmlファイル」に示すように手動で変更されます。

    このファイルは、コンピュータm1.abc.com上の、通常、手順1でインストールした中間層のORACLE_HOME/portal/confに置かれます。このファイルを変更した後は、第A.1項「Portal依存性設定ツール」に示すようにptlconfigツールを使用します。たとえば、次のようになります。

    ptlconfig -dad <portal_dadname> -wc -site
    
    

    iasconfig.xmlのOracleAS Web Cache、Oracle Internet DirectoryまたはOracle Enterprise Manager 10gの設定を今後変更する場合は、Application Server Controlコンソールを使用するか、m1.abc.com上で手動で行う必要があります。iasconfig.xmlを手動で編集する場合は、変更後、再びptlconfigツールを使用する必要があります。


    注意

    OracleAS PortalのOracleAS Web Cacheの設定への変更は、第7.3.3項「「PortalのWebキャッシュ設定」リンク」で説明したように、「PortalのWebキャッシュ設定」ページでも行うことができます。

    通常、OracleAS Portalによって処理されるホスト名とポート番号は、OracleAS Web Cacheのホスト名とポート番号です。これは、単純な構成では、ブラウザのリクエストがOracleAS Web Cacheへ直接送られるためです。ただし、ロード・バランス・ルーター(LBR)、またはOracleAS Web Cacheのフロントエンドに設定されたリバース・プロキシ・サーバーがある構成では、このページに定義されたホスト名とポート番号は、LBRまたはリバース・プロキシ・サーバーのものを反映している必要があります。

    この構成で、OracleAS Web Cacheの無効化メッセージが、LBRまたはリバース・プロキシ・サーバーではなく、OracleAS Web Cacheホストに直接送信されるようにできます。公開されたホスト名がOracleAS Web Cacheの無効化で使用されるホスト名と異なる場合は、Portal依存性設定ファイルのiasconfig.xmlを使用してこれらの設定を指定できます。詳細は、「OracleAS Portalの公開アドレスとプロトコルの指定」を参照してください。 


  3. 第5.3.5項「手順5: 既存のポータルを実行するための新しい中間層(M2)の構成」で、m2.abc.com上のPortal依存性設定ファイルを、m2.abc.com上のiasconfig.xmlファイルに定義された設定値を使用して手動で更新する必要があります。

OracleAS Portalの公開アドレスとプロトコルの指定

通常、OracleAS Portalによって処理されるホスト名とポート番号は、OracleAS Web Cacheのホスト名とポート番号です。これは、単純な構成では、ブラウザのリクエストがOracleAS Web Cacheへ直接送られるためです。ただし、OracleAS Web Cacheのフロントエンドとしてリバース・プロキシ・サーバーがある構成では、定義されたホスト名とポート番号が、リバース・プロキシ・サーバーを表す必要があります。

この構成で、OracleAS Web Cacheの無効化メッセージが、リバース・プロキシ・サーバーではなく、OracleAS Web Cacheホストへ直接送信されるようにできます。公開されたホスト名がOracleAS Web Cacheの無効化で使用されるホスト名と異なる場合は、Portal依存性設定ファイルを使用してこれらの設定を指定できます。

適切に構成するには、次の手順を実行します。

  1. デフォルトでORACLE_HOME/portal/confにあるiasconfig.xmlを編集し、WebCacheDependency要素内で新しいプロパティのInvalidationHostを指定します。InvalidationHostプロパティは、OracleAS Web Cacheホストを指している必要があります。iasconfig.xml内のサンプルWebCacheDependencyエントリは、次のようになります。

    <WebCacheDependency ContainerType="IASInstance" Name="Farm-1.abc.com" 
    InvalidationHost="internal.company.com"/>
    
    
  2. 外部からOracle Enterprise Manager 10gにアクセスできないようにするには、OracleAS Portalで提供されるOracle Enterprise Manager 10gのリンク先が内部サーバーに戻るように変更する必要があります。これを行うには、iasconfig.xmlを編集し次の手順を実行します。

    1. OracleAS Web Cacheホストを指す新しいIASInstance要素を追加します。この要素には、EMComponentエントリが含まれている必要があります。

    2. EMDependencyエントリを内部サーバーを指すように設定します。

    次に例を示します。

    <IASInstance Name="iAS.internal.company.com" Host="internal.company.com">
       <EMComponent ConsoleHTTPPort="1814" SSLEnabled="false"/>
    </IASInstance>
    
    <PortalInstance DADLocation="/pls/portal" SchemaUsername="portal"
    SchemaPassword="@Beyh8p2bOWELQCsA5zRtuYc=" 
    ConnectString="cn=iasdb,cn=oraclecontext">
       <EMDependency ContainerType="IASInstance" Name="iAS.internal.company.com"/>
    </PortalInstance>
    
    
  3. 次の例に示すように(通常、MID_TIER_ORACLE_HOME/portal/confディレクトリ内にある)ptlconfigを実行します。

    ptlconfig -dad portal -site -wc -em
    
    
  4. オプションで、WirelessゲートウェイのURLをロード・バランサのアドレスを使用して再登録します。詳細は、第5.11項「OracleAS Wirelessの構成」を参照してください。

    関連項目

     

A.2.5 Portal依存性設定ファイル内でのインストール後のマッピング

OracleAS Portalをインストールすると、インストールされた内容に応じて、Portal依存性設定ファイルに適切なエントリが作成されます。

Application Serverのインストールでは、OracleAS PortalのOracle Application Server Web CacheおよびOracle Internet Directoryに対する依存性がPortal依存性設定ファイルに追加されます。インストール時に重複するエントリが検出された場合は、既存の情報は更新されません。そのかわりに、すでにエントリが存在することを示す警告がインストール・ログ・ファイルに出力されます。

関連項目

異なるインストール・タイプの詳細は、第3章「OracleAS Portalのインストール」を参照してください。 


注意

デフォルトでは、Portal依存性設定ファイルはORACLE_HOME/portal/confからアクセスされます。このORACLE_HOMEは、OracleAS PortalおよびOracle Application Server Wirelessの中間層のホームです。ただし、環境変数IASCONFIG_LOCが設定されている場合は、この変数に定義された場所が使用されます。 


1台のコンピュータにOracleAS PortalとOracleAS Wirelessがインストールされており、OracleAS Web CacheとOracle Internet Directoryのインスタンスがすでにそのコンピュータに存在する場合、Portal依存性設定ファイルに対するエントリは例A-2のように作成されます。

例A-2    単一コンピュータにおけるOracleAS PortalおよびOracleAS Wirelessのインストール

<IASConfig XSDVersion="1.0">

   <IASInstance Name="iAS-1.abc.company.com" Host="abc.company.com">
      <OIDComponent AdminPassword="welcome1" PortSSLEnabled="false" LDAPPort="3002" 
AdminDN="cn=orcladmin"/>
   </IASInstance>

   <IASInstance Name="iAS-2.abc.company.com" Host="abc.company.com">
      <WebCacheComponent ListenPort="3002" InvalidationPort="3003" 
InvalidationUsername="invalidator" InvalidationPassword="welcome1" SSLEnabled="false"/>
      <EMComponent ConsoleHTTPPort="1814" SSLEnabled="false"/>
   </IASInstance>

   <PortalInstance DADLocation="/pls/portal" SchemaUsername="portal" 
SchemaPassword="welcome1" ConnectString="xyz.company.com:1521:s901dev3">
      <WebCacheDependency ContainerType="IASInstance" Name="iAS-2.abc.company.com"/>
      <OIDDependency ContainerType="IASInstance" Name="iAS-1.abc.company.com"/>
      <EMDependency ContainerType="IASInstance" Name="iAS-2.abc.company.com"/>
   </PortalInstance>

</IASConfig>

A.2.6 Portal依存性設定ファイルでの一般的な構成のマッピング

この項では、推奨するトポロジでPortal依存性設定ファイルがどのようになるかを示します。

OracleAS PortalおよびOracleAS Wirelessの開発者の構成:
中型コンピュータ

この一般的な構成のトポロジを図A-2に示します。

図A-2    OracleAS PortalおよびOracleAS Wirelessの開発者の構成


画像の説明

この構成では、アプリケーション・サーバーとインフラストラクチャの両方が、Host 1という同じコンピュータにインストールされていると仮定しています。

ias.host1.xyz.comのHost 1にOracleAS PortalおよびOracleAS Wirelessをインストールし、infra.host1.xyz.comのOracle Internet Directoryインスタンスを参照するときには、Portal依存性設定ファイルは例A-3のようになります。

例A-3    OracleAS PortalおよびOracleAS Wirelessの開発者の構成

<IASConfig XSDVersion="1.0">

   <IASInstance Name="ias.host1.xyz.com" Host="host1.xyz.com">
      <WebCacheComponent ListenPort="7778" InvalidationPort="3003" 
InvalidationUsername="invalidator" InvalidationPassword="welcome1" SSLEnabled="false"/>
      <EMComponent ConsoleHTTPPort="1814" SSLEnabled="false"/>
   </IASInstance>

   <IASInstance Name="infra.host1.xyz.com" Host="host1.xyz.com">
      <OIDComponent AdminPassword="welcome1" PortSSLEnabled="false" LDAPPort="3002" 
AdminDN="cn=orcladmin"/>
   </IASInstance>

   <PortalInstance DADLocation="/pls/portal" SchemaUsername="portal" 
SchemaPassword="welcome1" ConnectString="host1.xyz.com:1521:iasdb">
      <WebCacheDependency ContainerType="IASInstance" Name="ias.host1.xyz.com"/>
      <OIDDependency ContainerType="IASInstance" Name="infra.host1.xyz.com"/>
      <EMDependency ContainerType="IASInstance" Name="ias.host1.xyz.com"/>
   </PortalInstance>

</IASConfig>

企業データ・センターの構成: 複数の部門が同じデータ・センターを共有

この一般的な構成のトポロジを図A-3に示します。

図A-3    企業データ・センターの構成


画像の説明

この構成では、アプリケーション・サーバーとインフラストラクチャが異なるコンピュータにインストールされていると仮定しています。

図A-3に示すように、OracleAS Portalのフロントエンドに設定するOracleAS Web Cacheクラスタはまだ認識されていません。アプリケーション・サーバー(OracleAS PortalおよびOracleAS Wirelessインストール)をホストHost 1にインストールし、ホストHost 2のOracle Internet Directoryを参照するときには、構成は例A-4のようになります。

例A-4    企業データ・センターの構成

<IASConfig XSDVersion="1.0">

   <IASInstance Name="infra.host2.xyz.com" Host="host2.xyz.com">
      <OIDComponent AdminPassword="welcome1" PortSSLEnabled="false" LDAPPort="3002" 
AdminDN="cn=orcladmin"/>
   </IASInstance>

   <IASInstance Name="ias.host1.xyz.com" Host="host1.xyz.com">
      <WebCacheComponent ListenPort="7778" InvalidationPort="3003" 
InvalidationUsername="invalidator" InvalidationPassword="welcome1" SSLEnabled="false"/>
      <EMComponent ConsoleHTTPPort="1814" SSLEnabled="false"/>
   </IASInstance>

   <PortalInstance DADLocation="/pls/portal" SchemaUsername="portal" 
SchemaPassword="welcome1" ConnectString="host1.xyz.com:1521:iasdb">
      <WebCacheDependency ContainerType="IASInstance" Name="ias.host1.xyz.com"/>
      <OIDDependency ContainerType="IASInstance" Name="infra.host2.xyz.com"/>
      <EMDependency ContainerType="IASInstance" Name="ias.host1.xyz.com"/>
   </PortalInstance>

</IASConfig>

OracleAS Web CacheをHost 1上のアプリケーション・サーバーのフロントエンドに設定する場合は、手動でPortal依存性設定ファイルを編集する必要があります。まず、既存のOracleAS Web Cacheエントリを削除し、ファームに属するOracleAS Web Cacheエントリを作成します。変更したPortal依存性設定ファイルは、例A-5のようになります。

例A-5    企業データ・センターの構成: フロントエンドのOracleAS Web Cache

<IASConfig xmlns="http://www.oracle.com/iAS/iASConfigFile" XSDVersion="1.0">

   <IASInstance Name="infra.host2.xyz.com" Host="host2.xyz.com">
      <OIDComponent AdminPassword="welcome1" PortSSLEnabled="false" LDAPPPort="3002" 
AdminDN="cn=orcladmin"/>
   </IASInstance>

   <IASFarm name="Farm_1" host="frontend.xyz.com">
      <WebCacheComponent ListenPort="7778" InvalidationPort="3003" 
InvalidationUsername="invalidator" InvalidationPassword="welcome1" SSLEnabled="false"/>
      <EMComponent ConsoleHTTPPort="1814" SSLEnabled="false"/>
   </IASFarm>

   <IASInstance Name="ias.host1.xyz.com" Host="host1.xyz.com">
      <EMComponent ConsoleHTTPPort="1814" SSLEnabled="false"/>
   </IASInstance>

   <PortalInstance DADLocation="/pls/portal" SchemaUsername="portal" 
SchemaPassword="welcome1" ConnectString="host1.xyz.com:1521:iasdb">
      <WebCacheDependency ContainerType="IASFarm" Name="Farm_1"/>
      <OIDDependency ContainerType="IASInstance" Name="infra.host2.xyz.com"/>
      <EMDependency ContainerType="IASInstance" Name="ias.host1.xyz.com"/>
   </PortalInstance>

</IASConfig>

これでOracleAS Portalインスタンスは、このインスタンスのフロントエンドに設定された仮想OracleAS Web Cacheを参照するようになりました。


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