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Oracle Application Server Forms and Reports Servicesインストレーション・ガイド
10gリリース2(10.1.2)for Microsoft Windows
B25096-02
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3 要件

Forms/Reports Servicesをインストールする前に、ご使用のコンピュータがこの章で示す要件を満たしているかどうかを確認する必要があります。

この章は、次の項で構成されています。

3.1 システム要件

表3-1に、Forms/Reports Servicesをインストールする際のシステム要件を示します。

インストーラは、インストールの開始時にこれらの要件の多くをチェックして、満たされていない項目があれば警告を表示します。

インストーラが実行するシステム・チェックは、setup.exeコマンドによって実行することもできます。setup.exeコマンドは、Forms and Reports ServicesのCD-ROM(Disk 1)またはDVD-ROMのorawinfrsディレクトリにあります。

CD-ROM(ドライブE:がCD-ROMドライブであると想定します)。

E:\> setup.exe -executeSysPrereqs

DVD-ROM(ドライブE:がDVD-ROMドライブであると想定します)。

E:\> cd orawinfrs
E:\orawinfrs> setup.exe -executeSysPrereqs

結果は画面上に表示されるだけでなく、ログ・ファイルにも書き込まれます。実行されるチェックの詳細は、第3.8項「インストーラが実行する前提条件チェック」を参照してください。

表3-1 システム要件

項目 要件 インストーラによるチェックの有無

オペレーティング・システム

  • Microsoft Windows 2000(Service Pack 3以上)

  • Microsoft Windows Server 2003(32ビット)(Service Pack 1)

  • Microsoft Windows XPは、次の2つのインストール・タイプでのみサポートされています。


    - Oracle Application Server InfrastructureがインストールされていないJ2EEおよびWeb Cache中間層


    - 異なるプラットフォーム(XP以外)で実行されているOracleAS Infrastructureからのサービスを使用する、Windows XPで実行されるJ2EEおよびWeb Cache中間層


    - OracleAS Developer Kits

Windows XPにForms/Reports Servicesの他のインストール・タイプをインストールできますが(警告が表示されるが続行可能)、Windows XPではサポートされていません。

Windows XP Service Pack 2を実行している場合は、OracleMetaLinkのサイト(http://metalink.oracle.com)のドキュメントID 280874.1を参照してください。

注意: Forms and Reports Servicesは、ターミナル・サービスを含むWindowsオペレーティング・システムではサポートされていません。たとえば、ターミナル・サービスがインストールされたWindows 2000ではサポートされていません。

あり

ネットワーク

Forms/Reports Servicesは、ネットワークに接続されているコンピュータまたはスタンドアロン・コンピュータ(ネットワークに接続されていない)にインストールできます。

Forms/Reports Servicesをスタンドアロン・コンピュータにインストールする場合は、インストール終了後にコンピュータをネットワークに接続できます。ネットワークに接続するときは、いくつかの構成作業を行う必要があります。詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

注意: Reportsのデフォルトのブロードキャスト検出メカニズムを使用するには、ホスト・マシンをネットワーク内に配置する必要があります。ホスト・マシンがネットワーク内にない場合、つまりホスト・マシンがスタンドアロン・マシンの場合、組込みブロードキャスト・メカニズムは機能しません。その結果、OracleAS Reports Servicesは使用できません。具体的には、Oracle ReportsクライアントではReports Serverを検出して通信できません。なお、ネットワークの定義には、仮想プライベート・ネットワーク(VPN)は含まれていません。つまり、ホスト・マシンがVPN経由でネットワークに接続されていても、Oracle ReportsクライアントではReports Serverを検出して通信できません。したがって、ネットワークに接続していないスタンドアロンのホスト・マシンにインストールが存在するか、VPN経由でネットワークに接続している場合には、Reportsのデフォルトのブロードキャスト・メカニズムはオフにして、かわりに検出にReportsネーミング・サービスのサポートをオンにしてください。ネーミング・サービスを有効にする方法の詳細は、『Oracle Application Server Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』を参照してください。

なし

IP

Forms/Reports Servicesは、静的IPまたはDHCPベースのIPを使用するコンピュータにインストールできます。

なし

プロセッサの処理速度

Intel Pentium 300MHzプロセッサ

あり

メモリー

様々なインストール・タイプ別に示されたメモリー要件は、Forms/Reports Servicesをインストールして実行するために必要な物理メモリーを表します。しかし、本番サイトでは大抵、少なくとも1GBの物理メモリーを構成する必要があります。通信量が多いサイトについては、さらにメモリーを増やすことで、パフォーマンスが向上します。Javaアプリケーションでは、OC4Jプロセスに割り当てられる最大ヒープ・サイズを増やすか、別のOC4Jプロセスがこのメモリーを利用するように構成します。詳細は、『Oracle Application Serverパフォーマンス・ガイド』を参照してください。

インストールに最適なメモリー量を決める最善の方法は、使用しているサイトの負荷テストを行うことです。リソース要件は、アプリケーションや使用パターンによってまったく異なる可能性があります。さらに、オペレーティング・システムのメモリー監視ユーティリティの中には、メモリー使用状況を誇張してしまうものもあります(共有メモリーの表示方法の違いが原因の一部と考えられる)。メモリー要件を決める際には、負荷テストで物理メモリーを追加してから、パフォーマンスの変化を監視することをお薦めします。テスト用にメモリーおよびプロセッサ・リソースを構成する方法については、プラットフォームのベンダー・ドキュメントを参照してください。

Forms and Reports Services: 1GB

メモリー要件を満たしていない場合は、インストーラが警告を表示します。すべてのコンポーネントではなく一部のみを構成する場合は、必要なメモリーは若干少なくても問題ないため、警告は無視して続行できます。ただし、サイトをテストして、メモリーが十分であるかどうかを確認する必要があります。

あり

ディスク容量

800MB

なし

TEMPディレクトリの容量

55MB

あり

合計ページファイル・サイズ(仮想メモリー)

1.5GB

合計ページファイル・サイズ(仮想メモリー)を表示して変更する手順は次のとおりです。

Windows 2000:

  1. スタート」→「設定」→「コントロール パネル」→「システム」を選択します。

  2. 詳細設定」タブを選択します。

  3. 「パフォーマンス オプション」をクリックします。

  4. 「変更」をクリックして、仮想メモリーの設定を確認および変更します。

あり

モニター

256色

あり

サポートされているブラウザ

サポートされているブラウザの最新リストについては、OracleMetaLinkサイト(http://metalink.oracle.com)にアクセスしてください。

次のブラウザがサポートされています。

  • Microsoft Internet Explorer 5.5、6.0以上。

  • Windows XP SP2の場合は、Microsoft Internet Explorer 6.0.2900.2180.xpsp_sp2_rtm.040803-2158を使用してください。このバージョンはSP2パッケージに付属しています。

  • Netscape 7.1、7.2。

  • Mozilla 1.5、Mozilla 1.7。Mozillaは、http://www.mozilla.orgからダウンロードできます。Mozillaブラウザのスタンドアロン版であるFirefoxは、現時点では、動作保証されていないことに注意してください。サポートされているブラウザの最新リストについては、OracleMetaLinkサイト(http://metalink.oracle.com)にアクセスしてください。

  • Safari 1.2(Apple Macintoshコンピュータで使用)。

  • Adobe Acrobat。

Formsアプリケーションには、ブラウザ内で実行されているJVMが必要です。現時点では、ブラウザとJVMの次の組合せがサポートされています。

  • ネイティブJVMまたはJInitiator 1.3.1.13以上を搭載したMicrosoft Internet Explorer 6.0以上

  • JInitiator 1.3.1.13以上またはSun Java Plugin 1.4.1以上を搭載したNetscape 4.7xまたは7.0x以上

さらに、今後いくつかのブラウザおよびJVMが認定される予定です。Forms用の認定ブラウザおよびJVMの最新情報については、Oracle Technology Network(OTN)(http://otn.oracle.com/products/forms/htdocs/10g/clientsod_forms10g.html)にアクセスしてください。

なし


メモリー使用量の削減と最適なチューニングのためのヒント

メモリーの使用量を減らす必要がある場合は、次のことを行います。

3.2 Windowsシステム・ファイル(wsf.exe)


注意:

この手順はインストーラによって求められた場合にのみ実行します。

Forms and Reports Servicesでは、Windowsシステム・ディレクトリ(通常、C:\Windows\system32またはC:\Winnt\system32)内の一部のシステム・ファイルが最小バージョン要件を満たしている必要があります。Forms and Reports Servicesのインストーラを実行する際に、コンピュータのWindowsシステム・ファイルがチェックされます。旧バージョンのファイルが検出され、そのファイルが他のプロセスで使用中であった場合は、インストーラを終了し、wsf.exeを実行して最新のWindowsシステム・ファイルをインストールするように求めるプロンプトが表示されます(旧バージョンのファイルが検出されても、そのファイルが他のプロセスで使用中でなかった場合、ファイルは置き換えられるため、wsf.exeを実行する必要はありません)。

wsf.exeは、インストーラと同じディレクトリにあります。

wsf.exeを実行するには、次の手順を実行します。これは、インストーラによってプロンプトが表示された場合にのみ実行する必要があります。

  1. 次のコマンドを使用してwsf.exeを実行します。Oracle Universal Installerが起動され、Windowsシステム・ファイルがインストールされます。

    CD-ROM(ドライブE:がCD-ROMドライブであると想定します)。

    E:\> wsf.exe
    
    

    DVD-ROM(ドライブE:がDVD-ROMドライブであると想定します)。

    E:\> cd application_server
    E:\> wsf.exe
    
    
  2. インストーラの画面に従います。

    表3-2 Windowsシステム・ファイルのインストール画面


    画面 操作

    1.

    ようこそ

    次へ」をクリックします。

    2.

    ファイルの場所の指定

    名前: wsfのOracleホームの名前を入力します。

    パス: 任意のフルパスを入力します。このフィールドに入力した値とは関係なく、ファイルは適切なシステム・ディレクトリにインストールされます。

    次へ」をクリックします。

    3.

    システムの再起動が必要であることを示す警告画面

    この画面が表示された場合は、Windowsシステム・ファイルのインストールが終了した時点で、インストーラによってコンピュータが自動的に再起動されます。コンピュータで実行しているアプリケーション(このインストーラ以外)を保存および終了してください。

    次へ」をクリックします。

    4.

    サマリー

    次へ」をクリックして、Windowsシステム・ファイルのインストールを開始します。

    5.

    インストールの終了

    終了」をクリックして、インストーラを終了します。


  3. システムの再起動が必要であることを示す警告画面が表示された場合は、インストーラによってコンピュータが再起動されます。表示されない場合は、続行する前にコンピュータを再起動します。

3.3 ポート

Oracle HTTP Server、OracleAS Web Cache、Oracle Enterprise Manager 10gなどの数多くのOracle Application Serverコンポーネントで、ポートが使用されます。インストーラでデフォルトのポート番号を割り当てたり、指定したポート番号を使用したりするよう構成できます。

3.3.1 エフェメラル・ポートの概要

問題: エフェメラル・ポートが競合しているためにコンポーネントを起動できない

まれに、必要なポートが使用不可なためにOracle Application Serverプロセスを起動できない場合があります。プロセスの起動が失敗するか、またはポートにバインドできないことがレポートされる場合があります。この問題は一時的な場合があり、影響を受けたプロセスを後で再起動すると、正常に起動する場合があります。

この問題の原因は、Oracle Application Serverがデフォルトでエフェメラル・ポートの範囲内のポート番号を使用することです。エフェメラル・ポートは通常、クライアント/サーバーのTCP/IP接続のクライアント側で使用されます。一般に、クライアント・プロセスは接続のクライアント側で使用されるポートの値を関知しないため、どのTCP/IP実装でも、クライアント側で使用されるポート値をオペレーティング・システムが選択できるようになっています。オペレーティング・システムは、このタイプの各クライアント接続用のエフェメラル・ポートの範囲から1つのポートを選択します。

一方、サーバー・プロセス(たとえば、Oracle Application Serverプロセス)はエフェメラル・ポートを使用できません。サーバー・プロセスでは、クライアントが常に同じサーバー・ポートに接続してサーバーと通信できるように、固定のポート値を使用する必要があります。

エフェメラル・ポートとのポートの競合は、Oracle Application Serverプロセスがエフェメラル・ポートの範囲内のポートを使用するように構成されている場合に発生します。Oracle Application Serverプロセスが起動しようとすると、必要なポートがクライアント・プロセス(オペレーティング・システムからエフェメラル・ポートを割り当てられたクライアント)によって使用されていることを検出します。このクライアントは、TCP/IP経由で通信可能なコンピュータ上の任意のプロセスである可能性があります。Oracle Application Serverプロセスは、必要なポートが使用不可である場合、起動に失敗します。

この問題は、他のオペレーティング・システムと比較してMicrosoft Windowsで頻繁に発生します。これは、Windowsで使用されるエフェメラル・クライアント接続用のポートの範囲が狭いためです。

エフェメラル・ポートの範囲

Microsoft Windowsでのエフェメラル・ポートの範囲は、10245000です。

Windowsでは、この範囲の上限値のみ調整できます。他のほとんどのオペレーティング・システムでは、エフェメラル・ポートのデフォルトの範囲が広く、範囲の上限と下限の両方を調整できます。

Oracle HTTP Server、OracleAS Web Cache、Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Control、OC4Jなど、いくつかのApplication Serverプロセスは、エフェメラル・ポートの範囲のポートを使用します。これらのプロセスは、必要なポートがクライアントで使用されている場合に起動できません。

エフェメラル・ポートとの競合の回避

エフェメラル・ポートとの競合を回避するには、次の方法があります。

  • staticports.iniを使用してForms and Reports Servicesをインストールします。これによって、Forms and Reports Servicesコンポーネントがエフェメラル・ポートの範囲内のポートを使用しなくなります。staticports.iniファイルでは、1024より小さいポート番号または5000より大きいポート番号を使用します。

    詳細は、第3.3.4項「カスタム・ポート番号(静的ポート機能)の使用方法」を参照してください。

  • Forms and Reports Servicesをインストール済の場合、1024より小さいポートまたは5000より大きいポートを使用するようにコンポーネントを再構成できます。Application Serverプロセスが使用している現行のポートを変更する方法については、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

  • (この方法はインストール後に実行できます。)コンピュータでエフェメラル・ポートの範囲を変更します。この方法は、前述の2つの方法がいずれも実行できない場合に実行してください。この方法ではWindowsのレジストリが変更され、コンピュータで実行するすべての製品が影響を受けるため、この方法の優先順位は最も低くなります。

    この方法を実行すると、エフェメラル・ポートの範囲が新しい範囲に変更されます。変更を行う前に、コンピュータで使用しているいずれの製品(Oracle製品およびOracle以外の製品)も、エフェメラル・ポートの範囲内の非エフェメラル・ポートを使用していないことを確認する必要があります。使用している場合、その製品を新しいReservedPortsの範囲内のポートに再配置する必要があります。このポートは、新しいエフェメラル・ポートの範囲の上限より大きいか、またはポート1024より小さくなります。

    このオプションを実施するには、次の手順を実行します。

    • エフェメラル・ポートの範囲の上限値を大きくして、範囲のサイズを拡張します。

      レジストリのMaxUserPortの値を13000以上、65534以下の値に設定します。MaxUserPortは、エフェメラル・ポート範囲の上限を定義します。

      設定手順については、Microsoft Knowledge Baseのアーティクル196271(http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;[LN];196271)を参照してください。

    • 新しく拡張したエフェメラル・ポートの範囲の一部をOracle Application Serverで使用するために予約します。

      10248000の範囲のポートをOracle Application Server用に予約するため、レジストリでReservedPortsの値を設定します。通常Oracle Application Serverは予約した範囲内のポートを使用します。

      設定手順については、Microsoft Knowledge Baseのアーティクル812873(http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;[LN];812873)を参照してください。

    • コンピュータを再起動して、変更を有効にします。

    前述の手順を実行すると、10248000の範囲のポートがOracle Application Server用に予約され、800113000の範囲のポートがエフェメラル・ポートの新しい範囲になります(MaxUserPort13000に設定されている場合)。予約した範囲は通常Oracle Application Serverが使用するポートの範囲内で、エフェメラル・ポートの範囲は元のサイズと同じになります。

3.3.2 ポートの使用状況の確認方法

ポートが使用されているかどうかを調べるには、次のようにnetstatコマンドを実行します。

C:\> netstat -an | find "portnum"

ポート番号は二重引用符で囲む必要があります。

3.3.3 デフォルトのポート番号の使用方法

コンポーネントにデフォルトのポート番号を使用する場合は、何も設定する必要はありません。各コンポーネントのポート範囲内にあるポートが少なくとも1つは使用できることを確認してください。範囲内に空きポートが見つからない場合は、インストールは失敗します。

次の点に注意してください。

  • インストーラがデフォルトのポートをコンポーネントに割り当てるのは、そのポートが他のアプリケーションによって使用されていない場合のみです。デフォルトのポートが使用中の場合、インストーラはそのコンポーネントのポート番号の範囲内にある他のポートを割り当てようとします。たとえば、中間層のOracle HTTP Serverのデフォルトの非SSLポートは80です。このポートが別のアプリケーションによって使用されている場合は、77777877の範囲内のポートが割り当てられます。

  • Oracle HTTP Serverのデフォルトのポートはインストール・タイプによって異なります(表3-3)。中間層はポート80および443を取得します。これは、中間層にアプリケーションを配置するためです。ユーザーは、中間層のOracle HTTP Server/OracleAS Web Cacheに対し、アプリケーションにアクセスするためのリクエストを送信します。

    表3-3は、デフォルトのポートが使用中である場合にOracle HTTP Serverに割り当てられるポートを示しています。

    表3-3 Oracle HTTP Serverのデフォルトのポート

    インストール・タイプ デフォルトの非SSLポート デフォルトのSSLポート

    OracleAS Infrastructure


    7777 (7777 - 7877)

    4443 (4443 - 4543)

    中間層

    80 (7777 - 7877)

    443 (4443 - 4543)


  • ポートが使用中かどうかを判定するために、インストーラがservicesファイルをチェックすることはなくなりました。以前のリリースでは、このファイルにポート番号が列記されている場合は、インストーラがポート番号を割り当てませんでした。

    servicesファイルは、C:\%SystemRoot%\system32\drivers\etcディレクトリにあります。ここで%SystemRoot%は、Windows 2000ではwinnt、Windows XPおよびWindows 2003ではwindowsです。

3.3.4 カスタム・ポート番号(静的ポート機能)の使用方法

コンポーネントに対してカスタム・ポート番号を割り当てるようインストーラに指示する手順は次のとおりです。

  1. コンポーネント名およびポート番号を含むファイルを作成します。ファイルの形式は、第3.3.4.1項「staticports.iniファイルの形式」を参照してください。通常、このファイルはstaticports.iniという名前にしますが、他の名前を付けることもできます。

  2. インストーラの「ポート構成オプションの指定」画面で「手動」を選択し、staticports.iniファイルへの完全パスを入力します。

    このファイルへの完全パスを指定しない場合、インストーラはこのファイルを見つけることができません。その場合は、警告が表示されることなく、すべてのコンポーネントにデフォルト・ポートが割り当てられます。


以前のリリースとの違い:

リリース10g(9.0.4)では、コマンドラインを使用して、staticports.iniファイルを指定しました。このリリースでは、新しい「ポート構成オプションの指定」画面で、このファイルを指定します。

3.3.4.1 staticports.iniファイルの形式

staticports.iniファイルの形式は次のとおりです。port_numは、コンポーネントで使用するポート番号に置き換えます。

# J2EE and Web Cache
Oracle HTTP Server port = port_num
Oracle HTTP Server Listen port = port_num
Oracle HTTP Server SSL port = port_num
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = port_num
Oracle HTTP Server Diagnostic port = port_num
Java Object Cache port = port_num
DCM Java Object Cache port = port_num
DCM Discovery port = port_num
Oracle Notification Server Request port = port_num
Oracle Notification Server Local port = port_num
Oracle Notification Server Remote port = port_num
Application Server Control port = port_num
Application Server Control RMI port = port_num
Oracle Management Agent port = port_num
Web Cache HTTP Listen port = port_num
Web Cache HTTP Listen (SSL) port = port_num
Web Cache Administration port = port_num
Web Cache Invalidation port = port_num
Web Cache Statistics port = port_num
Log Loader port = port_num
ASG port = port_num

# Business Intelligence and Forms
Reports Services SQL*Net port = port_num
Reports Services discoveryService port = port_num
Reports Services bridge port = port_num

# Infrastructure
Oracle Internet Directory port = port_num
Oracle Internet Directory (SSL) port = port_num
Oracle Certificate Authority SSL Server Authentication port = port_num
Oracle Certificate Authority SSL Mutual Authentication port = port_num
Ultra Search HTTP port number = port_num

このファイルは、CD-ROM(Disk 1)またはDVD-ROMにあるstaticports.iniファイルをテンプレートとして使用すると簡単に作成できます。

  1. CD-ROMまたはDVD-ROMにあるstaticports.iniファイルをハード・ディスクにコピーします。

    表3-4 CD-ROMおよびDVD-ROMのstaticports.iniファイルの場所

    メディア staticports.iniファイルの場所(E:がCD-ROMまたはDVD-ROMドライブである場合)

    CD-ROM

    Disk 1: E:\stage\Response\staticports.ini

    DVD-ROM

    E:\application_server\stage\Response\staticports.ini


  2. ローカル・コピー(ハード・ディスク上のファイル)を編集して、使用するポート番号を含めます。

    staticports.iniファイルのすべてのコンポーネントのポート番号を指定する必要はありません。ファイルにコンポーネントがリストされていない場合は、インストーラはそのコンポーネントのデフォルトのポート番号を使用します。

    次の例では、Application Server Controlのポートと、OracleAS Web Cacheの一部のポートを設定します。指定されていないコンポーネントについては、デフォルトのポート番号が割り当てられます。

    Application Server Control port = 2000
    Web Cache Administration port = 2001
    Web Cache Invalidation port = 2002
    Web Cache Statistics port = 2003
    
    

    インストールの終了後に、割り当てられたポートを確認するには、portlist.iniファイルを調べます。


ポート番号の選択方法:


インストーラはメモリーを調べることで、ファイルで指定されたポートが使用可能かどうかを確認します。つまり、実行中のプロセスが使用しているポートしか検出できないということです。アプリケーションが使用しているポートを特定するために構成ファイルを調べることはありません。

指定されたポートが使用中であることを検出した場合、インストーラはアラートを表示します。使用中のポートは割り当てられません。この問題に対応する手順は次のとおりです。

  1. staticports.iniファイルを編集して、別のポートを指定するか、ポートを使用しているアプリケーションを停止します。

  2. 「再試行」をクリックします。インストーラがstaticports.iniファイルを再度読み取り、ファイル内のエントリをもう一度確認します。

portlist.iniファイルのstaticports.iniとしての使用

staticports.iniファイルは、Forms/Reports Servicesのインストール後に作成されるportlist.iniファイルと同じ形式になっています。Forms/Reports Servicesのインストール後に別のインストールに同じポート番号を使用する場合は、最初のインストールのportlist.iniファイルを、以降のインストールでstaticports.iniファイルとして使用できます。


注意:

staticports.iniOracle Management Agent portの行は、portlist.iniEnterprise Manager Agent portの行に該当します。

3.3.4.2 インストーラが、指定されたポートではなくデフォルトのポートを使用する原因となるエラーの状況

staticports.iniファイルを注意深く調べます。間違いがあると、インストーラが警告を表示せずにデフォルトのポートを使用する原因となります。次の点を調べてください。

  • 複数のコンポーネントに同じポートを指定した場合、インストーラは指定されたポートを最初のコンポーネントに使用し、他のコンポーネントにはそのコンポーネントのデフォルトのポートを使用します。複数のコンポーネントに同じポートを指定した場合でも、インストーラは警告を表示しません。

  • staticports.iniファイルに構文エラーがある場合は(行内に=文字が記述されていないなど)、その行は無視されます。このような行で指定されたコンポーネントについては、インストーラはデフォルトのポートを割り当てます。行に構文エラーがあっても、インストーラは警告を表示しません。

  • コンポーネント名のつづりが間違っていた場合、インストーラはそのコンポーネントにデフォルトのポートを割り当てます。ファイル内のコンポーネント名では大文字と小文字が区別されます。認識できない名前が含まれている行に対して、インストーラは警告を表示しません。

  • ポート番号に数字以外の値を指定した場合、インストーラはその行を無視し、コンポーネントにデフォルトのポート番号を割り当てます。その際、警告は表示されません。

  • staticports.iniファイルへの相対パスが指定されている場合は、インストーラはファイルを見つけることができません。インストーラは警告を表示せずに続行し、すべてのコンポーネントにデフォルトのポートを割り当てます。staticports.iniファイルへの完全パスを指定する必要があります。

3.3.4.3 Oracle HTTP ServerおよびOracleAS Web Cacheのポート

Oracle HTTP Serverのhttpd.confファイルでは、OracleAS Web CacheおよびOracle HTTP Serverで使用するポートは、PortディレクティブとListenディレクティブで指定されます。これらのポートを設定するときには、構成するコンポーネントに応じて、staticports.iniファイルの適切な行を選択します。

これらのコンポーネントのポートを設定する際は、次の内容を十分に理解しておく必要があります。

OracleAS Web CacheとOracle HTTP Serverの両方を構成する場合

  1. OracleAS Web Cacheのポートを設定します。

    OracleAS Web Cacheでは、Portディレクティブで指定されるポートが使用されます(図3-1)。このポートを設定するには、staticports.iniファイルに次の行を使用します。

    Web Cache HTTP Listen port = port_number
    
    

    OracleAS Web CacheのSSLポートを構成するには、次の行を使用します。

    Web Cache HTTP Listen (SSL) port = port_number
    
    

    この場合、Oracle HTTP Server port行を使用してポート番号を設定することはできません。staticports.iniファイルにOracle HTTP Server port行とWeb Cache HTTP Listen port行の両方が記述されている場合は、Oracle HTTP Server port行は無視されます。たとえば、次の2行がstaticports.iniにあるとします。

    Web Cache HTTP Listen port = 7979
    Oracle HTTP Server port = 8080
    
    

    Portディレクティブは7979に設定されます。

  2. Oracle HTTP Serverのポートを設定します。

    Oracle HTTP Serverでは、Listenディレクティブで指定されるポートが使用されます。このポートを設定するには、staticports.iniファイルに次の行を使用します。

    Oracle HTTP Server Listen port = port_number
    
    

    SSL Listenポートを構成するには、次の行を使用します。

    Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = port_number
    
    

図3-1 OracleAS Web CacheとOracle HTTP Serverの両方を構成する場合

図3-1の説明が続きます。
「図3-1 OracleAS Web CacheとOracle HTTP Serverの両方を構成する場合」の説明

Oracle HTTP Serverのみを構成する場合(OracleAS Web Cacheは不使用)

Oracle HTTP Serverのみを構成する場合、Oracle HTTP ServerではPortディレクティブとListenディレクティブの両方を使用します(図3-2)。この場合、両ディレクティブが同じポート番号を使用するように設定する必要があります。

これらのポートを設定するには、staticports.iniファイルのOracle HTTP Server port行とOracle HTTP Server Listen port行を使用します。次に例を示します。

Oracle HTTP Server port = 8080
Oracle HTTP Server Listen port = 8080

これらのポートのSSLバージョンを設定するには、次の行を使用します。非SSLバージョンの場合と同様、2つの行で同じポート番号を指定する必要があります。

Oracle HTTP Server SSL port = 443
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = 443

staticports.iniのWeb Cache行も指定した場合、OracleAS Web Cacheは構成していないため、これらの行は無視されます。

図3-2 Oracle HTTP Serverのみを構成する場合

図3-2の説明が続きます。
「図3-2 Oracle HTTP Serverのみを構成する場合」の説明

3.4 オペレーティング・システム・ユーザー

インストールを実行するオペレーティング・システム・ユーザーは、Administratorsグループのメンバーである必要があります。オペレーティング・システム・ユーザーがAdministratorsグループに属しているかどうかがわからない場合は、次の手順を実行して確認します。

ユーザーがAdministratorsグループに属しているかどうかを確認する手順は次のとおりです。

  1. 「コンピュータの管理」ダイアログ・ボックスを表示します。

    Windows 2000/Windows XP: デスクトップで「マイ コンピュータ」を右クリックし、「管理」をクリックします。

    Windows 2003: デスクトップでローカル コンピュータのアイコンを右クリックし、「管理」をクリックします。

  2. 左側の「ローカル ユーザーとグループ」を開き、「ユーザー」を選択します。

  3. 右側のユーザーを右クリックし、「プロパティ」をクリックして「プロパティ」ダイアログ・ボックスを表示します。

  4. 次のメンバ」タブを選択します。

Administratorsグループのメンバーでない場合は、このグループに追加するよう管理者に依頼するか、Administratorsグループのメンバーであるユーザーとしてログインします。

3.5 環境変数

Forms and Reports Servicesをインストールするオペレーティング・システムでユーザーは、表3-5に示す環境変数を設定または解除する必要があります。

表3-5 環境変数の要約

環境変数 設定または解除

ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID


どちらでもかまわない(インストーラによってこれら2つの環境変数は解除される)。

PATH

最大1023文字。

TNS_ADMIN

設定できない。

TEMP


省略可能。解除された場合は、C:\tempがデフォルトになる。


3.5.1 環境変数の設定

Windowsの環境変数を設定する手順は次のとおりです。

  1. 「コントロール パネル」の「システム」を表示します。

    Windows 2000: 「スタート」→「設定」→「コントロール パネル」→「システム」を選択します。

    Windows 2003: 「スタート」→「コントロール パネル」→「システム」を選択します。

    Windows XP: 「スタート」→「コントロール パネル」を選択し、「システム」をダブルクリックします。

  2. 詳細」タブをクリックします。

  3. 環境変数」をクリックします。

  4. 変数の値を変更するには、変数を選択し、「編集」をクリックします。

3.5.2 ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID

ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID環境変数が設定または解除されているかにかかわらず、インストーラを起動すると、これらの環境変数の設定が解除されます。

3.5.3 PATHおよびCLASSPATH

PATH環境変数は最大1023文字に制限されています。この制限を超えると、インストールに失敗する場合があります。

3.5.4 TEMP

インストーラは、インストール時に、一時ファイルを一時ディレクトリに書き込む必要があります。デフォルトでは、一時ディレクトリはC:\tempです。

C:\temp以外のディレクトリを使用する場合は、TEMP環境変数を代替ディレクトリのフルパスに設定します。このディレクトリは、表3-1に示した要件を満たす必要があります。

この環境変数が未設定でデフォルト・ディレクトリに十分な容量がない場合は、環境変数が設定されていないことを示すエラー・メッセージが表示されます。その場合は、異なるディレクトリを指すように環境変数を設定するか、デフォルト・ディレクトリの容量が十分になるように解放してください。どちらを実行しても、インストールは最初からやりなおす必要があります。

3.6 hostsファイル

Windowsのhostsファイルは%WINDIR% \system32\drivers\etc\に含まれています。ここで、%WINDIR%はWindowsオペレーティング・システムのディレクトリを示します。通常このディレクトリは、Windows 2003ではC:\WINDOWS、Windows 2000ではC:\WINNTになります。

%WINDIR%\system32\drivers\etc\hostsファイルの内容は、デフォルトのOracle Identity Managementレルムの場所と、Oracle Application Server Single Sign-Onのホスト名に影響を与えます。

インストーラには、hostsファイルを編集せずに必要な値を入力できる代替方法が用意されています。詳細は、Oracle Application Serverのインストレーション・ガイドを参照してください。

3.7 ネットワーク関連のトピック

通常、Forms/Reports Servicesをインストールするコンピュータは、ネットワーク接続されており、Forms/Reports Servicesインストールを含むローカル記憶域、ディスプレイ画面、CD-ROMまたはDVD-ROMドライブを備えています。

この項では、このような一般的な使用例に該当しないコンピュータへのForms/Reports Servicesのインストール方法について説明します。この項は、次のトピックで構成されています。

3.7.1 DHCPコンピュータへのインストール

Forms and Reports ServicesをDHCPコンピュータで実行するには、次の制限があります。 DHCPコンピュータ上のForms and Reports Servicesのインスタンスは、他のコンピュータ上で実行されているインスタンスと通信できません。互いに通信する必要があるインスタンスはすべて、同じコンピュータ上で実行する必要があります。クライアントに関する制限事項はありません。他のコンピュータのクライアントは、ネットワーク上でDHCPコンピュータを特定できるかぎり、DHCPコンピュータで実行されているインスタンスにアクセスできます。

Forms and Reports ServicesをDHCPコンピュータにインストールする前に、次の手順を実行します。

  1. ループバック・アダプタをDHCPコンピュータにインストールします。

    ループバック・アダプタをインストールすると、コンピュータにローカルIPが割り当てられます。インストールを行うと(DHCPのため)毎回IPアドレスが変わりますが、ループバック・アダプタをインストールしてローカルIPアドレスを割り当てると、chgiphostスクリプトを実行する必要がなくなります。

    プライマリ・ネットワーク・アダプタの指定

    Windowsでは、ループバック・アダプタがネットワーク・アダプタの一種であると見なされます。ループバック・アダプタをコンピュータにインストールすると、コンピュータには少なくとも2種類のネットワーク・アダプタが存在することになります。これらはネットワーク・アダプタとループバック・アダプタです。

    Windowsでは、ループバック・アダプタをプライマリ・アダプタとして使用する必要があります。プライマリ・アダプタは、アダプタのインストール順序によって決まります。

    • Windows 2000では、最後にインストールされたアダプタがプライマリ・アダプタになります。この場合、ループバック・アダプタをインストールするだけで済みます。ただし、ループバック・アダプタのインストール後に他のネットワーク・アダプタをインストールした場合は、ループバック・アダプタを削除して、再インストールする必要があります。

    別のWindowsプラットフォームにループバック・アダプタをインストールする方法については、第3.7.6項「ループバック・アダプタのインストール」を参照してください。

  2. Forms and Reports Servicesをインストールする各コンピュータに対し、Pingを実行します。

    • ホスト名と完全修飾名のみを使用して、対象のコンピュータに対しそのコンピュータ自体からpingします。

      たとえば、mycomputerというコンピュータにループバック・アダプタをインストールした場合は、次のように指定します。

      prompt> ping mycomputer                Ping itself using just the hostname.
      Reply from 10.10.10.10                    Returns local IP.
      prompt> ping mycomputer.mydomain.com   Ping using a fully qualified name.
      Reply from 10.10.10.10                    Returns local IP.
      
      

      注意:

      テスト対象のコンピュータ自体でPingを実行すると、pingコマンドはローカルIP(ループバック・アダプタのIP)を返します。コンピュータのネットワークIPは返されません。

    • ホスト名および完全修飾名のみを使用して、ネットワーク上の他のコンピュータからpingします。

      この場合、pingコマンドは、コンピュータのネットワークIPを返します。

      prompt> ping mycomputer                Ping using the hostname.
      Reply from 139.185.140.166                Returns network IP.
      prompt> ping mycomputer.mydomain.com   Ping using a fully qualified name.
      Reply from 139.185.140.166                Returns network IP.
      
      

    pingが失敗した場合は、ネットワーク管理者に連絡してください。

3.7.2 マルチホーム(マルチIP)コンピュータへのインストール

マルチホーム・コンピュータは、複数のIPアドレスに関連付けられます。これは複数のネットワーク・カードをコンピュータに装着することで可能となります。各IPアドレスはホスト名に関連付けられています。さらに、ホスト名の別名を設定することもできます。デフォルトでは、Oracle Universal InstallerはORACLE_HOSTNAME環境変数の設定を使用して、ホスト名を検出します。ORACLE_HOSTNAMEが設定されていない場合に、複数のネットワーク・カードを持つコンピュータにForms/Reports Servicesをインストールすると、ホスト・ファイル(通常DRIVE_LETTER:\WINDOWS\system32\drivers\etc内)にある最初の名前を使用してホスト名が決められます。

このホスト名(またはこのホスト名の別名)を使用して、クライアントがコンピュータにアクセスできるようにする必要があります。そのことを確認するには、クライアント・コンピュータから短縮名(ホスト名のみ)およびフルネーム(ホスト名.ドメイン名)を使用してホスト名に対するPingを実行します。これらは、両方とも正常に実行される必要があります。

3.7.3 複数の別名を持つコンピュータへのインストール

複数の別名を持つコンピュータとは、同一のIPで複数の別名をネーミング・サービスに登録しているコンピュータです。ネーミング・サービスはこれらの別名を名前解決して、同一のコンピュータを指定します。

このようなコンピュータにForms and Reports Servicesをインストールする前に、次のことを行う必要があります。

  • ループバック・アダプタをコンピュータにインストールします。

  • ループバック・アダプタがプライマリ・ネットワーク・アダプタであることを確認します。

ループバック・アダプタをインストールすると問合せがローカルで実行されるため、Forms and Reports Servicesでホスト名を問い合せるときには、常に同じ名前が取得されるようになります。ループバック・アダプタがない場合、問合せの結果はネーミング・サービスから返されるため、問合せによってコンピュータの別名のいずれかが返されます。

ループバック・アダプタのインストール方法については、第3.7.6項「ループバック・アダプタのインストール」を参照してください。

3.7.4 ネットワーク接続されていないコンピュータへのインストール

Forms and Reports Servicesは、ノート・コンピュータのような、ネットワーク接続されていないコンピュータにもインストールできます。ネットワーク接続されていないコンピュータは、他のコンピュータにアクセスできないため、必要なコンポーネントがすべてインストールされている必要があります。

Forms and Reports Servicesのインストール後もコンピュータをネットワークに接続しない場合は、そのコンピュータにForms and Reports Servicesをインストールします。


注意:

ネットワーク接続されていないコンピュータにインストールする場合は、Common Object Service(COS)ネーミング・サービスを構成してReports Serverにアクセスします。ネーミング・サービスの構成の詳細は、『Oracle Application Server Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』を参照してください。

インストール後にコンピュータをネットワークに接続する場合は、ネットワークに接続されていないそのコンピュータにForms and Reports Servicesをインストールする前に、次の手順を実行します。

  1. ループバック・アダプタをコンピュータにインストールします。第3.7.6項「ループバック・アダプタのインストール」を参照してください。

    ループバック・アダプタとローカルIPアドレスが、ネットワーク・コンピュータをシミュレートしたものになります。コンピュータをネットワークに接続する場合、Forms and Reports ServicesではローカルIPおよびホスト名を使用します。

  2. ホスト名と完全修飾名のみを使用して、対象のコンピュータに対しそのコンピュータ自体からpingします。

    たとえば、mycomputerというコンピュータにループバック・アダプタをインストールした場合は、次のように指定します。

    prompt> ping mycomputer                Ping itself using just the hostname.
    Reply from 10.10.10.10                    Returns local IP.
    prompt> ping mycomputer.mydomain.com   Ping using a fully qualified name.
    Reply from 10.10.10.10                    Returns local IP.
    
    

    注意:

    テスト対象のコンピュータ自体でpingを実行すると、pingコマンドはローカルIP(ループバック・アダプタのIP)を返します。

    pingが失敗した場合は、ネットワーク管理者に連絡してください。

インストール後にコンピュータをネットワークに接続する場合

インストール後にコンピュータをネットワークに接続すると、コンピュータ上のForms and Reports Servicesインスタンスがネットワーク上の他のインスタンスと連動するようになります。コンピュータにはループバック・アダプタをインストールしておく必要があることに注意してください。コンピュータは、接続先のネットワークに応じて、静的IPまたはDHCPを使用できます。

詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

3.7.5 後でネットワークから切断する静的IPのコンピュータへのインストール

静的IPを持つ、ネットワーク接続されているコンピュータにForms and Reports Servicesをインストールし、コンピュータをネットワークから切断したときにもForms and Reports Servicesを実行できるようにするには、Forms and Reports Servicesをインストールする前に次の手順を実行します。

  1. ループバック・アダプタをコンピュータにインストールします。詳細は、第3.7.6項「ループバック・アダプタのインストール」を参照してください。

    ループバック・アダプタを使用しないと、コンピュータをネットワークから切断したときに静的IPが使用不可になり、Forms and Reports Servicesを正しく機能できなくなります。

  2. ループバック・アダプタがプライマリ・ネットワーク・アダプタであることを確認します。確認するには、テスト対象のコンピュータからそれ自体にpingを実行します。その際には、(1)ホスト名のみを指定したPingと、(2)完全修飾名を指定したPingを実行します。

    たとえば、mycomputerというコンピュータにループバック・アダプタをインストールした場合は、次のコマンドを実行します。

    prompt> ping mycomputer                Ping itself using just the hostname.
    Reply from 10.10.10.10                    Returns loopback adapter IP.
    prompt> ping mycomputer.mydomain.com   Ping using a fully qualified name.
    Reply from 10.10.10.10                    Returns loopback adapter IP.
    
    

    テスト対象のコンピュータからそれ自体にPingを実行すると、pingコマンドでループバック・アダプタのIPが返されます。コンピュータのネットワークIPは返されません。

これらの手順は、コンピュータが静的IPまたはDHCPのいずれを使用している場合にも必要です。ご使用のコンピュータがDHCPコンピュータであり、ループバック・アダプタが必要なことがわかっている場合は、第3.7.1項「DHCPコンピュータへのインストール」を参照してください。

コンピュータをネットワークから切断すると、ネットワークのリソースにはアクセスできなくなります。

3.7.6 ループバック・アダプタのインストール

ループバック・アダプタは次のような場合に必要です。

ループバック・アダプタをインストールする手順は、Windowsのバージョンによって異なります。

3.7.6.1 コンピュータにループバック・アダプタがインストールされているかどうかの確認

コンピュータにループバック・アダプタがインストールされているかどうかを確認するには、ipconfig /allコマンドを実行します。

prompt> ipconfig /all

ループバック・アダプタがインストールされている場合は、ループバック・アダプタの値をリストするセクションが表示されます。次に例を示します。

Ethernet adapter Local Area Connection 2:
Connection-specific DNS Suffix  . :
Description .. . . . . . . . . .  : Microsoft Loopback Adapter
Physical Address.. . . . . . . .  : 02-00-4C-4F-4F-50
DHCP Enabled.. . . . . . . . . .  : Yes
Autoconfiguration Enabled .. . .  : Yes
Autoconfiguration IP Address. . . : 169.254.25.129
Subnet Mask . . . . . . . . . . . : 255.255.0.0

3.7.6.2 ループバック・アダプタのインストール: Windows 2000

Windows 2000では、最後にインストールしたネットワーク・アダプタがレポートされます。つまり、ループバック・アダプタのインストール後に他のネットワーク・アダプタをインストールした場合は、ループバック・アダプタを削除して、再インストールする必要があります。ループバック・アダプタは、コンピュータにインストールした最後のネットワーク・アダプタである必要があります。

ループバック・アダプタをWindows 2000にインストールする手順は次のとおりです。

  1. スタート」→「設定」→「コントロール パネル」を選択します。

  2. ハードウェアの追加と削除」をダブルクリックして、ハードウェアの追加と削除ウィザードを起動します。最初のページが表示されます。

  3. 最初のページで「次へ」をクリックし、「ハードウェアに関する作業の選択」ページを表示します。

  4. 「ハードウェアに関する作業の選択」ページで、「デバイスの追加/トラブルシューティング」を選択します。

  5. 次へ」をクリックし、「ハードウェア デバイスの選択」ページを表示します。

  6. 「ハードウェア デバイスの選択」ページで、「新しいデバイスの追加」を選択します。

  7. 次へ」をクリックし、「新しいハードウェアの検索」ページを表示します。

  8. 「新しいハードウェアの検索」ページで、「いいえ、一覧からハードウェアを選択します」を選択します。

  9. 次へ」をクリックして、「ハードウェアの種類」ページを表示します。

  10. 「ハードウェアの種類」ページで、「ネットワーク アダプタ」を選択します。

  11. 次へ」をクリックして、「ネットワーク アダプタの選択」ページを表示します。

  12. 「ネットワーク アダプタの選択」ページ:

    1. 製造元」の一覧から「Microsoft」を選択します。

    2. ネットワーク アダプタ」の一覧から「Microsoft Loopback Adapter」を選択します。

  13. 「ハードウェアのインストールの開始」ページで「次へ」をクリックし、「ハードウェアの追加と削除ウィザードの完了」ページを表示します。

  14. 次へ」をクリックして、「ハードウェアのインストールの開始」ページを表示します。

  15. 「ハードウェアの追加と削除ウィザードの完了」ページで、「完了」をクリックします。

  16. デスクトップの「マイ ネットワーク」を右クリックして、「プロパティ」を選択します。「コントロール パネル」の「ネットワークとダイアルアップ接続」が表示されます。

  17. 先ほど作成した接続を右クリックします。これは通常、ローカル エリア接続 2となります。「プロパティ」をクリックします。

  18. 全般」タブで「インターネット プロトコル (TCP/IP)」を選択して、「プロパティ」をクリックします。

  19. 「プロパティ」ダイアログ・ボックス(図3-3)に、次の値を入力します。

    IP アドレス: ループバック・アダプタ用にルーティング不可能なIPを入力します。ルーティング不能なアドレスとして、次の値を入力することをお薦めします。

    192.168.x.xx1から255の任意の値)

    10.10.10.10

    サブネット マスク: 255.255.255.0と入力します。

    その他のフィールドは空白にしておきます。

    図3-3 ループバック・アダプタの値を表示している「インターネット プロトコル (TCP/IP) のプロパティ」ダイアログ・ボックス

    「インターネット プロトコル (TCP/IP) のプロパティ」ダイアログ
    「図3-3 ループバック・アダプタの値を表示している「インターネット プロトコル (TCP/IP) のプロパティ」ダイアログ・ボックス」の説明

  20. OK」をクリックします。

  21. ローカル エリア接続 2の「プロパティ」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。

  22. コンピュータを再起動します。

  23. C:\winnt\system32\drivers\etc\hostsファイルに次の形式で行を追加します。

    IP_address   hostname.domainname   hostname
    
    

    この行は、ファイル内のlocalhost行の後にある必要があります。

    IP_addressを、手順19で入力したルーティング不能なIPアドレスに置き換えます。

    hostnamedomainnameを、適切な値に置き換えます。

    例:

    10.10.10.10   mycomputer.mydomain.com   mycomputer
    
    
  24. ネットワーク構成を確認します。

    1. 「コントロール パネル」の「システム」を開き、「ネットワーク ID」タブを選択します。「フル コンピュータ名」に、ホスト名およびドメイン名が表示されていることを確認します(図3-4)。

      図3-4 「システム」の「ネットワーク ID」タブ

      「システム」の「ネットワーク ID」タブ
      「図3-4「システム」の「ネットワーク ID」タブ」の説明

    2. プロパティ」をクリックします。「コンピュータ名」にはホスト名、「フル コンピュータ名」にはホスト名とドメイン名が表示されます(図3-5)。

      図3-5 「識別の変更」ダイアログ・ボックス

      「識別の変更」ダイアログ
      「図3-5「識別の変更」ダイアログ・ボックス」の説明

    3. 詳細」をクリックします。図3-6に示すように、ドメイン名が「このコンピュータのプライマリ DNS サフィックス」フィールドに表示されます。

      図3-6 「DNS サフィックスと NetBIOS コンピュータ名」ダイアログ・ボックス

      「DNS サフィックスと NetBIOS コンピュータ名」ダイアログ
      「図3-6「DNS サフィックスと NetBIOS コンピュータ名」ダイアログ・ボックス」の説明

3.7.6.3 ループバック・アダプタのインストール: Windows 2003/Windows XP

ループバック・アダプタをWindows 2003またはWindows XPにインストールする手順は次のとおりです。

  1. スタート」→「コントロール パネル」を選択します。

  2. ハードウェアの追加」をダブルクリックします。「ハードウェアの追加ウィザード」が起動します。

  3. 最初のページで、「次へ」をクリックして、「ハードウェアは接続されていますか?」ページを表示します。

  4. 「ハードウェアは接続されていますか?」ページで、「はい、ハードウェアを接続しています」を選択します。

  5. 次へ」をクリックして、「次のハードウェアは既にコンピュータ上にインストールされています」ページを表示します。

  6. 「次のハードウェアは既にコンピュータ上にインストールされています」ページで、「新しいハードウェア デバイスの追加」を選択します。

  7. 次へ」をクリックして、「ウィザードで、ほかのハードウェアをインストールできます」ページを表示します。

  8. 「ウィザードで、ほかのハードウェアをインストールできます」ページで、「一覧から選択したハードウェアをインストールする」を選択します。

  9. 次へ」をクリックして、「次の一覧からインストールするハードウェアの種類を選択してください」ページを表示します。

  10. 「次の一覧からインストールするハードウェアの種類を選択してください」ページで、「ネットワーク アダプタ」を選択します。

  11. 次へ」をクリックして、「ネットワーク アダプタの選択」ページを表示します。

  12. 「ネットワーク アダプタの選択」ページ:

    1. 製造元」の一覧から「Microsoft」を選択します。

    2. ネットワーク アダプタ」の一覧から「Microsoft Loopback Adapter」を選択します。

  13. 次へ」をクリックして、「ハードウェアをインストールする準備ができました」ページを表示します。

  14. 「ハードウェアをインストールする準備ができました」ページで、「次へ」をクリックして、「ハードウェアの追加ウィザードの完了」ページを表示します。

  15. 「ハードウェアの追加ウィザードの完了」ページで、「完了」をクリックします。

  16. (Windows 2003)コンピュータを再起動します。

  17. デスクトップの「マイ ネットワーク」を右クリックして、「プロパティ」を選択します。「コントロール パネル」の「ネットワーク接続」が表示されます。

  18. 先ほど作成した接続を右クリックします。これは通常、ローカル エリア接続 2となります。「プロパティ」をクリックします。

  19. 全般」タブで「インターネット プロトコル (TCP/IP)」を選択して、「プロパティ」をクリックします。

  20. 「プロパティ」ダイアログ・ボックス(図3-3)に、次の値を入力します。

    IP アドレス: ループバック・アダプタ用にルーティング不可能なIPを入力します。ルーティング不能なアドレスとして、次の値を入力することをお薦めします。

    192.168.x.xx1から255の任意の値)

    10.10.10.10

    サブネット マスク: 255.255.255.0と入力します。

    その他のフィールドは空白にしておきます。

  21. OK」をクリックします。

  22. ローカル エリア接続 2の「プロパティ」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。

  23. コンピュータを再起動します。

  24. C:\windows\system32\drivers\etc\hostsファイルに次の形式で行を追加します。

    IP_address   hostname.domainname   hostname
    
    

    この行は、ファイル内のlocalhost行の後にある必要があります。

    IP_addressを、手順20で入力したルーティング不能なIPアドレスに置き換えます。

    hostnamedomainnameを、適切な値に置き換えます。

    例:

    10.10.10.10   mycomputer.mydomain.com   mycomputer
    
    
  25. ネットワーク構成を確認します。

    1. コントロール・パネルの「システム」を開き、「コンピュータ名」タブを選択します。「フル コンピュータ名」に、ホスト名とドメイン名が表示されていることを確認します。

    2. 変更」をクリックします。「コンピュータ名」にホスト名が表示され、「フル コンピュータ名」にホスト名とドメイン名が表示されます(表3-5)。

    3. 詳細」をクリックします。「このコンピュータのプライマリ DNS サフィックス」に、ドメイン名が表示されます(表3-6)。

3.7.6.4 ループバック・アダプタの削除: Windows 2000/Windows 2003/Windows XP

Windows 2000またはWindows XPのループバック・アダプタを削除する手順は次のとおりです。

  1. 「コントロール パネル」の「システム」を表示します。

    Windows 2000: 「スタート」→「設定」→「コントロール パネル」を選択し、「システム」をダブルクリックします。

    Windows 2003: 「スタート」→「コントロール パネル」→「システム」を選択します。

    Windows XP: 「スタート」→「コントロール パネル」を選択し、「システム」をダブルクリックします。

  2. ハードウェア」タブで、「デバイス マネージャ」をクリックします。

  3. 「デバイス マネージャ」ウィンドウで、「ネットワーク アダプタ」を開きます。「Microsoft Loopback Adapter」が表示されます。

  4. Microsoft Loopback Adapter」を右クリックし、「削除」を選択します。

3.7.7 CD-ROMまたはDVD-ROMからハード・ドライブへのコピーを使用した、ハード・ドライブからのインストール

Forms/Reports ServicesのCD-ROMまたはDVDからインストールするかわりに、CD-ROMまたはDVDの内容をハード・ドライブにコピーし、ハード・ドライブからインストールできます。この方法は、Forms/Reports Servicesの多数のインスタンスをネットワーク経由でインストールする場合や、Forms/Reports ServicesをインストールするコンピュータにCD-ROMまたはDVD-ROMドライブが搭載されていない場合に向いている場合があります。

また、リモートのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからインストールすることもできます。第3.7.8項「リモートのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからのインストール」を参照してください。

ハード・ドライブからインストールするときは、CD-ROMの交換を求めるメッセージは表示されません。適切な場所にコピーされている場合は、インストーラが自動的にファイルを探します。

他のコンピュータからハード・ドライブへアクセスする場合

CD-ROMまたはDVD-ROMの内容をコピーしたハード・ドライブから、リモート・コンピュータにForms and Reports Servicesをインストールする手順は次のとおりです。

  1. ローカル・コンピュータでハード・ドライブを共有します。

  2. Forms and Reports Servicesをインストールするコンピュータで、共有されたハード・ドライブへのマッピングを行います。

  3. Forms and Reports Servicesをインストールするリモート・コンピュータで、インストーラを起動します。

    インストーラにアクセスするには、マッピングされたドライブのドライブ文字を使用する必要があることに注意してください(H:\orawinfrs_10_1_2\setup.exeなど)。

    汎用命名規則(UNC)の構文(\\hostname\sharename)を使用してインストーラにアクセスすることはできません。

CD-ROMをコピーするには

  1. 親ディレクトリ(たとえば、orawinfrs)を作成し、その親ディレクトリ下にDisk1Disk2という名前のサブディレクトリを作成します(Disk 3以降も同様)。サブディレクトリの名前は、DiskNにする必要があります(NはCD-ROM番号)。

  2. 各CD-ROMの内容を該当するディレクトリにコピーします。

    ファイルは、Windowsエクスプローラまたはコマンドラインを使用してコピーできます。コマンドラインを使用する場合は、xcopyコマンドを使用できます。

    次の例では、ドライブE:がCD-ROMドライブで、C:\orawinfrs\DiskNは、CD-ROMのコピー先のディレクトリであると想定します。

    E:\> xcopy /e /i  E:\1012disk1  C:\orawinfrs\Disk1
    E:\> xcopy /e /i  E:\1012disk2  C:\orawinfrs\Disk2
    ... Repeat for each CD-ROM.
    
    

コピーしたファイルからインストーラを起動するには、Disk1ディレクトリからsetup.exe実行可能ファイルを実行します。このファイルは、Forms/Reports Servicesが実行されるコンピュータで実行します。

C:\> cd orawinfrs\Disk1
C:\orawinfrs\Disk1> setup.exe

DVD-ROMからorawinfrsディレクトリをコピーするには

orawinfrsディレクトリを、Windowsエクスプローラまたはコマンドラインを使用してコピーします。コマンドラインを使用する場合の手順は次のとおりです。

  1. (省略可能)orawinfrsディレクトリの内容を保存するディレクトリを作成します。

  2. orawinfrsディレクトリをDVD-ROMからハード・ディスクにコピーします。

    次の例では、ドライブE:がDVD-ROMドライブで、C:\orawinfrsがコピー先のディレクトリであると想定します。

    E:\> xcopy /e /i  E:\orawinfrs C:\orawinfrs
    
    

コピーしたファイルからインストーラを実行するには、Forms and Reports Servicesが実行されるコンピュータでsetup.exe実行可能プログラムを起動します。

C:\> cd orawinfrs
C:\orawinfrs> setup.exe

3.7.8 リモートのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからのインストール

Forms/Reports ServicesをインストールするコンピュータにCD-ROMまたはDVD-ROMドライブが搭載されていない場合は、リモートのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからインストールを実行できます。それには次の手順を実行します。

リモート・コンピュータのCD-ROMドライブまたはDVD-ROMドライブを共有する場合

リモートCD-ROMドライブまたはDVD-ROMドライブは、共有してアクセスを許可する必要があります。これを設定するには、CD-ROMドライブまたはDVD-ROMドライブが存在するリモート・コンピュータで次の手順を実行します。

  1. リモート・コンピュータにAdministratorユーザーとしてログオンします。

  2. Windowsエクスプローラを起動します。

  3. CD-ROMまたはDVD-ROMドライブ文字を右クリックし、「共有」(Windows 2000)または「共有とセキュリティ」(Windows 2003、Windows XP)を選択します。

  4. 「共有」タブで、次のことを行います(図3-7)。

    「このフォルダを共有する」を選択します。

    共有名: cdromまたはdvdなどの名前を指定します。この名前は、ローカル・コンピュータからCD-ROMドライブまたはDVD-ROMドライブにマッピングするときに使用します。

    アクセス許可」をクリックします。このフォルダにアクセスしてForms and Reports Servicesをインストールするユーザーは、少なくとも読取りアクセス許可が必要です。

    終了したら、「OK」をクリックします。

    図3-7 CD-ROMドライブの共有

    CD-ROMドライブの共有
    「図3-7 CD-ROMドライブの共有」の説明

  5. CD-ROMの場合: Forms/Reports ServicesのDisk 1をCD-ROMドライブに挿入します。

    DVD-ROM: Forms/Reports ServicesのDVDをDVD-ROMドライブに挿入します。

ローカル・コンピュータからCD-ROMドライブまたはDVD-ROMドライブにマッピングする場合

ローカル・コンピュータからCD-ROMまたはDVD-ROMドライブにマッピングしてからインストーラを起動する手順は次のとおりです。

  1. リモートのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブにマッピングします。

    1. Windowsエクスプローラをローカル・コンピュータで起動します。

    2. ツール」→「ネットワーク ドライブの割り当て」を選択します。「ネットワーク ドライブの割り当て」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    3. リモートCD-ROMまたはDVD-ROMドライブに使用するドライブ文字を選択します。

    4. フォルダ」に、リモートCD-ROMまたはDVD-ROMドライブの場所を次の形式で入力します。

      \\remote_hostname\share_name
      
      

      remote_hostnameを、CD-ROMまたはDVD-ROMドライブがあるリモート・コンピュータの名前に置き換えます。

      share_nameを、入力した共有名に置き換えます。

      例: \\computer2\cdrom

    5. リモート・コンピュータに別のユーザーとして接続する必要がある場合は、「異なるユーザー名」をクリックしてユーザー名を入力します。

    6. 完了」をクリックします。

  2. マッピングしたCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからインストーラを起動します。

    CD-ROMの交換を求めるメッセージが表示されたら、CD-ROMを取り出して指定のCD-ROMを挿入します。


    注意:

    CD-ROMを交換するとき、インストーラは実行したままである必要があります。CD-ROMの交換時に、インストーラは絶対に終了しないでください。インストーラを終了した場合、インストールを途中から続行できません。また、一部だけ作成されたインストールは使用できません。手動で削除する必要が生じることもあります。

3.7.9 リモート・コンピュータでのインストール

リモート・コンピュータにForms and Reports Servicesをインストールして実行するとき(つまり、リモート・コンピュータにハード・ドライブがあり、Forms and Reports Servicesコンポーネントを実行するとき)、そのコンピュータに物理的にアクセスできない場合でも、リモート・コンピュータでVNCまたはSymantec社のpcAnywhereなどのリモート・コントロール・ソフトウェアが実行されていれば、インストールできます。この場合、ローカル・コンピュータでもリモート・コントロール・ソフトウェアが稼動している必要があります。

次の2つの方法のどちらかを使用して、リモート・コンピュータにForms and Reports Servicesをインストールできます。

  • Forms and Reports ServicesのCD-ROMまたはDVDの内容をハード・ドライブにコピーして、ハード・ドライブからインストールします。

  • ローカル・コンピュータのCD-ROMまたはDVDドライブにCD-ROMまたはDVDを挿入して、CD-ROMまたはDVD-ROMからインストールします。

ハード・ドライブからのインストール

Forms and Reports ServicesのCD-ROMまたはDVDの内容をハード・ドライブにコピーして、ハード・ドライブからインストールします。ハードドライブからインストールする手順は次のとおりです。

  1. リモート・コントロール・ソフトウェアがインストールされていて、リモートおよびローカル・コンピュータで実行されていることを確認します。

  2. Forms and Reports ServicesのCD-ROMまたはDVDをコピーしたハード・ドライブを共有します。

  3. リモート・コンピュータで、共有ハード・ドライブへのドライブ文字のマッピングを行います。リモート・コントロール・ソフトウェアを使用して、リモート・コンピュータでこれを実行します。

  4. リモート・コントロール・ソフトウェアを使用して、リモート・コンピュータでインストーラを実行します。共有ハード・ドライブからインストーラにアクセスします。

リモートのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからのインストール

ローカル・コンピュータのCD-ROMまたはDVDドライブにCD-ROMまたはDVDを挿入して、CD-ROMまたはDVD-ROMからインストールします。これは、第3.7.8項「リモートのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからのインストール」に説明されているシナリオに似ています。リモートのCD-ROMまたはDVD-ROMからインストールする手順は次のとおりです。

  1. リモート・コントロール・ソフトウェアがインストールされていて、リモートおよびローカル・コンピュータで実行されていることを確認します。

  2. ローカル・コンピュータのCD-ROMドライブまたはDVD-ROMドライブを共有します。

    リモート・コンピュータで、共有のCD-ROMドライブまたはDVD-ROMドライブのドライブ文字をマッピングします。リモート・コントロール・ソフトウェアを使用して、リモート・コンピュータでこれを実行します。

    この手順は、第3.7.8項「リモートのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからのインストール」に説明されています。

  3. リモート・コントロール・ソフトウェアを使用して、リモート・コンピュータでインストーラを実行します。共有CD-ROMまたはDVD-ROMドライブからインストーラにアクセスします。

3.8 インストーラが実行する前提条件チェック

表3-6に、インストーラが実行するチェックの一覧を示します。

表3-6 インストーラが実行する前提条件チェック

項目 説明

ユーザー

ユーザーが管理者権限を持っているかどうかをチェックします。

プロセッサ

プロセッサの処理能力の要件については、表3-1を参照してください。

モニター

最低でも256色表示するよう構成されているかどうかをチェックします。

オペレーティング・システムのバージョン

サポートされるバージョンは、表3-1を参照してください。

WindowsのService Pack

サポートされるService Packは、表3-1を参照してください。

メモリー

推奨値については、表3-1を参照してください。

合計ページファイル・サイズ(仮想メモリー)

推奨値については、表3-1を参照してください。

TEMPディレクトリの容量

推奨値については、表3-1を参照してください。

インスタンス名

Forms/Reports Servicesをインストールするコンピュータに同じ名前のインスタンスが存在しないことを確認します。

Oracleホーム・ディレクトリ名

Oracleホーム・ディレクトリ名にスペースが含まれていないかどうかをチェックします。

Oracleホーム・ディレクトリへのパス

Oracleホーム・ディレクトリへのパスの長さが最大127文字であるかどうかをチェックします。

Oracleホーム・ディレクトリの内容

Oracleホーム・ディレクトリに、インストール障害を引き起こすファイルが含まれていないかどうかをチェックします。

Oracleホーム・ディレクトリ

Forms and Reports Servicesは、新しいディレクトリにインストールする必要があります。ここで、許可されていないインストール例をいくつか紹介します。

  • 8.0、8i、9.0.1または9.2データベースのOracleホームへの、Oracle Application Serverのインストール

  • Oracle Management ServiceのOracleホームへの、Oracle Application Serverのインストール

  • Oracle Collaboration SuiteのOracleホームへの、Oracle Application Serverのインストール

  • スタンドアロンのOracle HTTP ServerのOracleホームへの、Oracle Application Serverのインストール

  • スタンドアロンのOracleAS Web CacheのOracleホームへの、Oracle Application Serverのインストール

  • Oracle9i Developer Suite 9.0.2のOracleホームへの、Oracle Application Serverのインストール

  • スタンドアロンのOracle Application Server Containers for J2EEのOracleホームへの、Oracle Application Serverのインストール

  • Oracle9iAS 1.0.2.2のOracleホームへの、Oracle Application Serverのインストール

  • Infrastructure 9.0.2または10gリリース2(10.1.2)のOracleホームへの、Oracle Application Server 10g リリース2(10.1.2)Forms and Reports Servicesのインストール

  • Oracle9iAS 9.0.2または9.0.3中間層のOracleホームへの、Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)Forms and Reports Servicesのインストール

  • OracleAS Infrastructure 9.0.2または10gリリース2(10.1.2)のOracleホームへの、OracleAS Developer Kitsのインストール

  • Oracle9iAS中間層9.0.2または9.0.3のOracleホームへの、OracleAS Developer Kitsのインストール

  • Oracle Developer Suite 9.0.2または10gリリース2(10.1.2)のOracleホームへの、OracleAS Developer Kitsのインストール

  • Oracle9iAS 9.0.2のOracleホームへの、OracleAS Infrastructure 10gのインストール

  • Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)Forms and Reports ServicesまたはOracleAS Developer KitsのOracleホームへの、OracleAS Infrastructure 10gのインストール

  • Oracle Developer Suite 9.0.2または10gリリース2(10.1.2)のOracleホームへの、OracleAS Infrastructure 10gのインストール

静的ポートの競合

staticports.iniファイルにポートが指定されている場合は、ファイルにリストされているポートをチェックします。第3.3項「ポート」を参照してください。

Oracle Enterprise Managerディレクトリの書込み確認

中間層を実行する場合、またはForms/Reports Servicesを同じOracleホームに再インストールする場合にのみチェックします。インストーラを実行するオペレーティング・システム・ユーザーが、次のディレクトリに書き込むことができるかどうかをチェックします。

  • ORACLE_HOME/sysman/emd

  • ORACLE_HOME/sysman/config

  • ORACLE_HOME/sysman/webapps/emd/WEB-INF/config

Oracle Enterprise Managerファイルの有無

中間層を実行する場合、またはForms/Reports Servicesを同じOracleホームに再インストールする場合にのみチェックします。次のファイルが存在するかどうかをチェックします。

  • ORACLE_HOME/sysman/config/iasadmin.properties

  • ORACLE_HOME/sysman/webapps/emd/WEB-INF/config/consoleConfig.xml