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Oracle Application Server インストレーション・ガイド
10g リリース3(10.1.3.1.0) for Linux x86

B31913-02
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3 インストールを開始する前に知っておく必要のあること

内容は次のとおりです。

3.1 Oracleホーム・ディレクトリ

Oracle Application ServerをインストールするディレクトリをOracleホームと呼びます。インストール時に、このディレクトリへのフルパスを指定します。

たとえば、Oracle Containers for J2EEは/opt/oracle/OraHome_oc4jにインストールできます。


注意:

Oracleホーム・ディレクトリへのパスには空白を使用できません。たとえば、「/opt/oracle/app server/OC4J」では「app server」に空白文字が含まれているため、このディレクトリにインストールできません。 


3.1.1 Oracleホームのネーミング

各Oracleホーム・ディレクトリは自動的に名前が付けられます。Oracleホームの名前はoracleasxです。ただし、xは数字を示し、システムにインストールされたOracle Application Serverの数により異なります。

たとえば、初めてOracle Application Serverをシステムにインストールする場合、Oracleホームはoracleas1になります。

Oracle Application Serverを削除する場合、Oracleホーム名を調べる必要があります。

3.1.2 既存のOracleホームへのインストール

通常、既存のOracleホームにOracle Application Serverをインストールすることはできません。インストールができない組合せは、「Oracleホーム・ディレクトリ」のリストを参照してください。

3.1.3 空ではないOracleホームへのインストール

Oracle Application Serverは、いくつかのファイルがすでに含まれているディレクトリにはインストールできません。ただし、3.1.2項「既存のOracleホームへのインストール」に説明した場合は例外です。たとえば、インストールを取り消した場合やインストールに失敗した場合は、ディレクトリをクリーンアップしてから、そのディレクトリにOracle Application Serverを再インストールする必要があります。また、インストーラはインストールを修復することもできません。

3.2 初めてのOracle製品のインストール

Oracle Application Serverが、コンピュータにインストールする最初のOracle製品である場合、インストーラにより、インベントリ・ディレクトリ(oraInventoryディレクトリとも呼ばれる)を指定するための画面が表示されます。インベントリ・ディレクトリは、インストーラがコンピュータ上にインストールされている全Oracle製品を把握するために使用します。

インベントリ・ディレクトリは、Oracle Application ServerのOracleホーム・ディレクトリとは別のものです。

oinstallグループの他のユーザーがインベントリ・ディレクトリにアクセスできるように(Oracle製品をインストールできるように)、oracleユーザーのホーム・ディレクトリをインベントリ・ディレクトリとして使用しないでください。ホーム・ディレクトリには、oinstallグループのための適切な権限が設定されていないことがあるためです。そのかわり、インベントリ・ディレクトリを/opt/oracleディレクトリ(/opt/oracle/oraInventoryなど)に置くことはできます。

コンピュータにすでにOracle製品をインストールしている場合、インストーラは既存のインベントリ・ディレクトリを使用します。このディレクトリに対する書込み権限を持っていることを確認してください。最も確実な方法は、既存のOracle製品をインストールしたオペレーティング・システム・ユーザーとしてインストーラを実行することです。

Oracle製品のインストールに関連するすべてのタスクを実行するためのオペレーティング・システム・ユーザーを作成することをお薦めします。詳細は、2.7項「オペレーティング・システム・ユーザー」を参照してください。

3.3 追加の言語のインストール

デフォルトでは、インストーラによって、英語およびオペレーティング・システムの言語のテキストでOracle Application Serverがインストールされます。追加の言語が必要な場合は、拡張インストールを実行し、「インストール・タイプの選択」画面の「製品の言語」ボタンをクリックする必要があります。

インストールする追加の言語を選択すると、選択した言語でテキストがインストールされます。また、その言語の表示に必要なフォントもインストールされます。

一部のコンポーネントでは、インストール時に選択した場合にのみ、その言語がインストールされます。この場合、使用できない言語でアプリケーションにアクセスすると、サーバーのロケール言語に戻されます。

その他のコンポーネントでは、インストール時に選択した言語に関係なく使用可能な言語がインストールされます。ただし、この場合、フォントは明示的に選択した言語用のみがインストールされます。アプリケーションにアクセスすると、言語はインストールされているため、ご使用の言語でテキストが使用されます。ただし、テキストをレンダリングするための適切なフォントがない場合は、テキストは四角いボックスで表示されます。通常、これは中国語、日本語および韓国語に適用されます。

フォントはインストール後にインストールできます。詳細は、E.3.6項「ユーザー・インタフェースが希望の言語で表示されない、または正しく表示されない」を参照してください。

インストール後に追加の言語をインストールできないことに注意してください。すべての必要な言語はイントール中にインストールする必要があります。インストールしていない言語を使用する環境でOracle Application Serverを実行すると、ユーザー・インタフェースはその言語または英語で表示されます。または、(フォントがないために)テキストのかわりに四角いボックスが表示される場合もあります。

3.4 Oracle Application Server インスタンスとインスタンス名

中間層をインストールすると、Oracle Application Serverインスタンスができます。インストーラにより、インストールするOracle Application Serverインスタンスの名前を入力するように求められます。たとえば、「J2EE」のような名前を付けることができます。この名前は、Oracleホームの名前と同じでなくてもかまいません。

インストール後に、この名前を変更することはできません。

Oracle Application Serverでは、指定されたインスタンス名にホスト名とドメイン名を追加し、完全なインスタンス名にします。たとえば、c1という名前のコンピュータにインスタンスをインストールする場合、インスタンスの名前をOc4j1にすると、ドメイン名がmydomain.comであれば、インスタンスのフルネームはOc4j1.c1.mydomain.comになります。

インスタンス名に使用できる文字

インスタンス名には、英数字(A-Za-z0-9)および_(アンダースコア)文字のみを使用できます。

インスタンス名は、63文字以下に指定します。

Oracle Application Serverインスタンス名での制限

Oracle Application Serverインスタンスの名前には、コンピュータのホスト名を使用しないでください。

Oracle Application ServerインスタンスをOracleAS Clusterに配置する計画がある場合は、インスタンス名には次のものを含めないでください。

Oracle Application Serverでのインスタンス名の使用

インスタンス名が重要なのは、Oracle Application Serverでインスタンスを一意に識別するのに使用されるためです。つまり、同じコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスをインストールする場合、それぞれに異なる名前を付ける必要があります。

Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Control(または略してApplication Server Control)を使用してOracle Application Serverを管理する場合は、インスタンス名が画面に表示されます。インスタンス名をクリックして、そのインスタンスにインストールされているコンポーネント、コンポーネントの稼働/停止状態、コンポーネントのログ・ファイルなどのインスタンスの詳細を表示できます。Application Server Controlは、Oracle Application Server用のブラウザベースの管理ツールです。この管理ツールの詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

3.5 oc4jadminユーザーとそのパスワードの制限

次のインストール・タイプのいずれかを選択すると、インストーラにより、oc4jadminユーザーのパスワードを入力するように求められます。

oc4jadminユーザーは、Oracle Application Serverインスタンスの管理ユーザーです。Application Server Controlを使用してOracle Application Serverインスタンスを管理するには、oc4jadminとしてログインします。

コンピュータ上に、それぞれが一意のインスタンス名を持つ複数のOracle Application Serverインスタンスをインストールできますが、管理ユーザーの名前はどのインスタンスでもoc4jadminです。oc4jadminユーザーのパスワードは、インスタンスごとに別にすることができます。

oc4jadminユーザーのパスワード

oc4jadminユーザーのパスワードには、次のような制限があります。

パスワードは、次の作業を実行するときに入力する必要があるため、覚えておく必要があります。

パスワードを忘れた場合は、リセットできます。詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。


注意:

インストール終了後にインストールをOracle Internet Directoryに登録する場合、oc4jadminユーザーのパスワードは、Oracle Internet Directoryのパスワード・ポリシーに準拠している必要があります。Oracle Internet Directory管理者に問い合わせてパスワード・ポリシーを確認してください。 


3.6 インストーラがファイルを書き込む場所

インストーラは、次のディレクトリにファイルを書き込みます。

表3-1    インストーラがファイルを書き込むディレクトリ 
ディレクトリ  説明 

Oracleホーム・ディレクトリ 

このディレクトリにはOracle Application Serverのファイルが入っています。このディレクトリは、Oracle Application Serverのインストール時に指定します。 

インベントリ・ディレクトリ 

コンピュータに最初にOracle製品をインストールするときにこのディレクトリを指定します。このディレクトリは、インストーラがコンピュータ上にインストールされているOracle製品を把握するのに使用します。それ以降のインストールでも、インストーラは同じインベントリ・ディレクトリを使用します。 

/etcディレクトリ 

このディレクトリには、コンピュータ上のOracleホームの場所に関する情報が含まれます。

コンピュータにOracle9iASリリース2(9.0.2)をインストールした場合は、Oracle Enterprise Manager 10gに関する情報の入ったファイルも含まれます。 

/tmpディレクトリ 

インストーラは、インストール時のみに必要なファイルを一時ディレクトリに書き込みます。デフォルトでは、一時ディレクトリは/tmpです。別のディレクトリを指定するには、環境変数TMPおよびTMPDIRを設定します。詳細は、2.10.5項「TMPおよびTMPDIR」を参照してください。 

3.7 インストール中に特定の回数だけrootとしてログインする必要がある理由

インストール中に1回以上は、インストーラにより、rootユーザーとしてログインしてスクリプトを実行するように求められます。rootである必要があるのは、スクリプトが/etcディレクトリ内のファイルを編集するためです。

3.8 インストール中のroot.shの実行

インストーラにより、root.shスクリプトを別のウィンドウで実行するように求められます。このスクリプトにより、ローカルのbinディレクトリ(デフォルトでは/usr/local/bin)にファイルが作成されます。

同じ名前のファイルが検出された場合、スクリプトにより既存のファイルを上書きするかどうかを尋ねられます。これらのファイルのバックアップを作成してから(別のウィンドウでできます)、上書きする必要があります。

次の行に、root.shスクリプトにより表示されるプロンプトを示します。デフォルト値は大カッコに囲まれて表示されます。

Enter the full pathname of the local bin directory: [/usr/local/bin]:
The file "dbhome" already exists in /usr/local/bin.  Overwrite it? (y/n)[n]:  y
 Copying dbhome to /usr/local/bin ...
The file "oraenv" already exists in /usr/local/bin.  Overwrite it? (y/n)[n]:  y
 Copying oraenv to /usr/local/bin ...
The file "coraenv" already exists in /usr/local/bin.  Overwrite it? (y/n)[n]: y
 Copying coraenv to /usr/local/bin ...

3.9 OracleAS Clusterにインスタンスを追加する場合のルール

OracleAS Clusterに追加されるインスタンスには、次のオペレーティング・システムの制限事項が適用されます。

3.10 CD-ROMまたはDVD-ROMのマウント・ポイントの設定

Oracle Application ServerのCD-ROMは、RockRidgeフォーマットです。DVD-ROMは、DVD-ROMフォーマットです。

ほとんどのLinuxシステムでは、ディスクはディスク・ドライブに挿入されると自動的にマウントされます。最初のディスクをマウントするには、次の手順に従います。

  1. Oracle Application ServerのDisk 1をディスク・ドライブに挿入します。

  2. ディスクが自動的にマウントされたことを確認するために、次のコマンドを実行します。

    • Red Hatの場合:

      # ls /mnt/cdrom
      
      
    • SUSE Linux Enterprise Serverの場合:

      # ls /media/cdrom
      
      
  3. 手順2のコマンドが失敗してディスクの内容が表示されなかった場合、次のコマンドを実行します。

    • Red Hatの場合:

      # mount -t iso9660 /dev/cdrom /mnt/cdrom
      
      
    • SUSE Linux Enterprise Serverの場合:

      # mount -t iso9660 /dev/cdrom /media/cdrom
      
      

3.11 Oracle Universal Installerの起動

  1. コンピュータが自動的にCD-ROMまたはDVDをマウントしない場合、マウント・ポイントを手動で設定する必要があります。詳細は、3.10項「CD-ROMまたはDVD-ROMのマウント・ポイントの設定」を参照してください。

  2. oracleユーザーとしてログインします。

  3. CD-ROMユーザーの場合: Oracle Application ServerのDisk 1をCD-ROMドライブに挿入します。

    DVD-ROMユーザーの場合: Oracle Application ServerのDVD-ROMをDVD-ROMドライブに挿入します。

  4. 「注意」の後に示すコマンドを使用して、Oracle Universal Installerを実行します。


    注意:

    • Oracle Universal Installerの起動時は、rootユーザーとしてログインしないでください。rootユーザーとして起動しようとすると、エラー・メッセージが表示されます。

    • mount_pointディレクトリ内でインストールを開始しないでください。このディレクトリ内でインストールを開始すると、インストール・ディスクを取り出せない場合があります。cdコマンドにより、現在のディレクトリがホーム・ディレクトリに変更されます。

     

    CD-ROMの場合:

    prompt> cd
    prompt> mount_point/10.1.3.1disk1/runInstaller
    
    

    DVD-ROMの場合:

    prompt> cd
    prompt> mount_point/application_server/runInstaller
    
    

Oracle Universal Installerが起動します。これを使用してOracle Application Serverをインストールします。


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