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Oracle Application Serverインストレーション・ガイド
10g リリース3(10.1.3.1.0) for Linux Itanium

B40021-01
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1 製品およびインストールの概要

この章では、Oracle Application Serverの概要と推奨トポロジについて説明します。内容は次のとおりです。

1.1 製品の概要

Oracle Application Server 10g リリース3(10.1.3.1.0)では、サービス指向アーキテクチャを作成、デプロイおよび管理するためのサービス・インフラストラクチャ・コンポーネントの完全なセットであるOracle SOA Suiteが提供されます。Oracle SOA Suiteによって、サービスの作成、管理、コンポジット・アプリケーションおよびビジネス・プロセスへの編成が可能になります。

Oracle SOA Suiteは、次のコンポーネントで構成されています。

Oracle Application Server 10g リリース3(10.1.3.1.0)は、10g リリース2(10.1.2)または10g (10.1.4.0.1)のOracleAS Infrastructureを含む既存のOracle Application Server環境と統合できます。

関連項目:

10g リリース3(10.1.3.1.0)と互換性のあるバージョンの詳細は、『Oracle Application Serverアップグレード・ガイド』を参照してください。 

1.2 基本インストールと拡張インストール

表1-1に、各インストール・タイプで使用できるサービス・グループの概要を示します。

表1-1    Oracle Application Server 10g リリース3(10.1.3.1.0)のインストール・タイプ 
インストール・モード  利用可能なインストール・タイプ 

基本インストール 

  • J2EEサーバーとSOAスイート

 

拡張インストール 

  • J2EEサーバー、WebサーバーおよびSOAスイート

  • J2EEサーバーおよびWebサーバー

  • J2EEサーバー

  • Webサーバー

 

基本(ワンクリック)インストールでは、最初のインストール画面にいくつかの質問が表示され、それ以降、ユーザーの操作を必要とせずに製品がインストールされます。すべてのコンポーネントについてデフォルト値が使用されます。

拡張インストールでは、より柔軟に製品をカスタマイズできます。これにより、追加言語のインストール、ポート構成オプションの指定およびクラスタ構成が可能になります。

表1-2に、基本インストールと拡張インストールのカスタマイズ・オプションの相違の概要を示します。

表1-2    基本インストールと拡張インストールの機能 
操作またはオプション  基本インストール  拡張インストール 

Oracleホームの指定 

あり 

あり 

Oracle Application Serverインスタンス名およびoc4jadminのパスワードの指定 

あり 

あり 

Oracleデータベースの指定 

あり 

あり 

Real Applications Clustersデータベースの指定 

なし 

あり 

追加言語の選択 

なし 

あり 

管理設定の指定 

なし 

あり 

自動または手動ポート構成の指定 

なし 

あり 

Application Server Controlの構成 

自動構成 

構成するかどうかの選択 

デフォルトのOC4Jインスタンス名の指定 

なし 

あり 

クラスタに属するインスタンスの構成 

なし 

あり 

OC4J Java Single Sign-Onのデプロイ 

あり 

あり 

OC4J Java Single Sign-Onの構成および起動 

あり 

なし 

Configuration Assistant 

あり 

あり 

1.3 推奨されるトポロジ

表1-3に、10g リリース3(10.1.3.1.0)でサポートされるトポロジと、その情報の参照先を示します。

表1-3    基本インストールと拡張インストールの機能 
トポロジ  参照先 

10.1.3.1.0中間層トポロジ 

 

単一のOC4Jインスタンスを含む、1つのOracleホーム内に存在する1つの中間層。 

1.3.1項「スタンドアロンのOC4Jインスタンスのインストール」 

Oracle HTTP Serverと統合されたOC4Jインスタンスを含む、1つのOracleホーム内に存在する1つの中間層。Application Server Controlは、この中間層にデプロイされません。 

1.3.2項「統合されたWebサーバーおよびOC4J中間層のインストール」 

Oracle HTTP Serverと統合されたOC4Jインスタンスを含む、1つのOracleホーム内に存在する1つの中間層。Application Server Controlは、この中間層にデプロイされます。このトポロジは、SOAスイートの管理に適しています。 

1.3.3項「SOA管理インスタンスのインストール」 

SOAアプリケーションがデプロイされた単一のOC4Jインスタンス含む、1つのOracleホーム内に存在する中間層。 

1.3.4項「J2EEサーバーおよびSOAスイートのインストール」 

2つのOC4JインスタンスおよびOracle HTTP Serverを含む、1つのOracleホーム内に存在する中間層。SOAアプリケーションもデプロイされています。一方のOC4JインスタンスにSOAアプリケーションが含まれ、もう一方のOC4JインスタンスにApplication Server ControlおよびJava SSOが含まれています。 

1.3.5項「J2EEサーバー、WebサーバーおよびSOAスイートのインストール」 

一方にOracle HTTP Serverを含み、もう一方に2つのOC4Jインスタンスを含む2つの中間層。一方のOC4JインスタンスにSOAアプリケーションが含まれ、もう一方のOC4JインスタンスにApplication Server ControlおよびJava SSOが含まれています。 

1.3.6項「J2EEサーバー、SOAスイートおよびリモートのOracle HTTP Serverのインストール」 

一方にOracle HTTP Serverを含み、もう一方に4つのOC4Jインスタンスを含む2つの中間層。4つのOC4Jインスタンスには、それぞれESB、BPEL、OWSM、Application Server ControlおよびJava SSOが含まれています。 

1.3.7項「J2EEサーバー、個別のSOAアプリケーションおよびリモートのOracle HTTP Serverのインストール」 

1つにOracle HTTP Serverを含み、もう1つにSOAアプリケーションがデプロイされた1つのOC4Jインスタンスを含み、最後の1つにSOAアプリケーション、Application Server ControlおよびJava SSOがデプロイされた2つのOC4Jインスタンスを含む3つの中間層。 

1.3.8項「複数のSOA中間層およびリモートのOracle HTTP Serverのインストール」 

ユーザー認証に次のいずれかの方法を使用するSOAアプリケーション用のエンタープライズ・データ・センター。

  • Java Single Sign-OnおよびOracle Internet Directory

  • Oracle Single Sign-On

  • Oracle Access Manager

これらの各トポロジには、Web層、アプリケーション層およびデータ層が含まれています。3つの層はファイアウォールで分離されています。 

『Oracle Application Serverエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』の「mySOACompany」 

高可用性トポロジ 

 

複数の中間層インスタンスで同じコンテンツを提供するOracleAS Cluster構成。ロード・バランサにより、リクエストがアクティブなインスタンス間で均等に分散されます。 

6.3項「アクティブ-アクティブ・トポロジの作成」 

複数の中間層インスタンスで同じコンテンツを提供するが、常に1つのインスタンスのみがアクティブであるOracle Application Server Cold Failover Cluster構成。 

6.4項「アクティブ-パッシブ・トポロジの作成」 

スタンバイ・サイトが本番サイトをミラーリングするOracleAS Disaster Recovery構成。正常動作時には、本場サイトがすべてのリクエストを処理します。本番サイトが停止すると、スタンバイ・サイトが引き継ぎ、すべてのリクエストを処理します。 

6.5項「OracleAS Disaster Recovery構成の作成」 

BPEL、ESB、BAMおよびOWSMを含むOracle SOA Suiteコンポーネントの高可用性ソリューション。 

『Oracle Application Server高可用性ガイド』のOracle SOA Suiteの高可用性に関する項 

既存の9.0.4または10.1.2環境の10.1.3.1.0中間層 

 

10.1.2 Oracle HTTP Server:一方に10g リリース2(10.1.2)Oracle HTTP ServerおよびOracleAS Web Cacheコンポーネントを含み、もう一方に10g リリース3(10.1.3.1.0)OC4Jインスタンスを含む2つの中間層。Oracle HTTP ServerおよびOracleAS Web Cacheは、J2EE and Web Cache中間層インストールの一部としてインストールされます。 

『Oracle Application Server管理者ガイド』の「Oracle Application Server 10.1.3でのOracle Application Server 10.1.2の構成」 

10.1.4または10.1.2 OracleAS Infrastructure: 10g (10.1.4)または10g リリース2(10.1.2)Oracle Identity Managementを使用する10g リリース3(10.1.3.1.0)中間層インスタンス。このトポロジでは、次の場合、10g リリース3(10.1.3.1.0)中間層インスタンスと新しい10g (10.1.4)または10g リリース2(10.1.2)Oracle Identity Managementとの関連付けもサポートされます。

  • 新しいホストへ移行する

  • フェイルオーバー環境を作成する

 

『Oracle Application Server管理者ガイド』の10.1.4および10.1.2のOracle Identity Managementを使用するためのインスタンスの構成に関する項

『Oracle Application Server管理者ガイド』の「新しいホストへの10.1.4または10.1.2 Identity Managementの移動」 

10.1.2 OracleAS Web Cacheインスタンス: 10g リリース3(10.1.3.1.0)中間層のリバース・プロキシとして動作する単一の10g リリース2(10.1.2)OracleAS Web Cache。この中間層には、Oracle HTTP Serverと統合されたOC4Jインスタンスが含まれます。 

『Oracle Application Server管理者ガイド』の「リバース・プロキシとしての10.1.2 OracleAS Web Cacheの構成」 

10.1.2 OracleAS Web Cacheクラスタ: 10g リリース3(10.1.3.1.0)中間層のリバース・プロキシを提供するクラスタとして構成された複数の10g リリース2(10.1.2)OracleAS Web Cache。この中間層には、Oracle HTTP Serverと統合されたOC4Jインスタンスが含まれます。 

『Oracle Application Server管理者ガイド』の「リバース・プロキシとしての10.1.2 OracleAS Web Cacheの構成」 

この項の後半では、Oracle HTTP ServerおよびOC4Jインスタンスをインストールするための推奨トポロジについて説明していきます。内容は次のとおりです。

1.3.1 スタンドアロンのOC4Jインスタンスのインストール

図1-1は、スタンドアロンのOC4Jインスタンスをインストールするトポロジを示しています。このトポロジは、J2EE開発者に適しています。

図1-1    スタンドアロンのOC4Jインスタンス


画像の説明

要件

この要件は、第2章「要件」に示したものと同じです。

インストールの手順

5.2.4項「J2EEサーバーのインストール」で説明しているとおりに、J2EEサーバーの拡張インストールを実行します。インストール時、表示されるメッセージに従って、次の手順を実行します。

1.3.2 統合されたWebサーバーおよびOC4J中間層のインストール

図1-2に示されているように、拡張インストール・モードの「J2EEサーバーとWebサーバー」インストール・タイプでは、Oracle HTTP ServerとOC4J中間層インスタンスが同じOracleホームに統合されます。このトポロジは、J2EE開発者に適していますが、SOAスイートは管理できません。

図1-2    統合されたWebサーバーおよびOC4J中間層


画像の説明

要件

この要件は、第2章「要件」に示したものと同じです。

インストールの手順

5.2.3項「J2EEサーバーおよびWebサーバーのインストール」で説明しているとおりに、J2EEサーバーおよびWebサーバーの拡張インストールを実行します。インストール時、表示されるメッセージに従って、次の手順を実行します。

1.3.3 SOA管理インスタンスのインストール

このトポロジは、前述の1.3.2項の例に類似しています。前述のとおり、このトポロジでは、Oracle HTTP ServerとOC4J中間層インスタンスが同じOracleホームに統合されますが、図1-3に示されているように、このトポロジにはApplication Server ControlおよびJava Single Sign-Onも含まれます。このトポロジは、SOAスイートの管理に適しています。

図1-3    SOA管理インスタンス


画像の説明

要件

この要件は、第2章「要件」に示したものと同じです。

インストールの手順

5.2.3項「J2EEサーバーおよびWebサーバーのインストール」で説明しているとおりに、J2EEサーバーおよびWebサーバーの拡張インストールを実行します。インストール時、表示されるメッセージに従って、次の手順を実行します。

1.3.4 J2EEサーバーおよびSOAスイートのインストール

図1-4に示されているように、基本インストール・モードでは、リモートのOracleデータベースを使用してSOAスイートとOC4J中間層インスタンスが同じOracleホームに統合されます。このトポロジは、SOA開発者に適しています。

図1-4    J2EEサーバーおよびSOAスイート


画像の説明

要件

この要件は、第2章「要件」に示したものと同じです。

インストールの手順

4.2項「基本インストールの手順」で説明しているとおりに、基本インストールを実行します。

1.3.5 J2EEサーバー、WebサーバーおよびSOAスイートのインストール

図1-5に示されているように、拡張インストール・モードの「J2EEサーバー、WebサーバーおよびSOAスイート」インストール・タイプでは、SOAスイート、Oracle HTTP ServerおよびOC4J中間層インスタンスが同じOracleホームに統合されます。このトポロジは、SOA開発者に適しています。

図1-5    J2EEサーバー、WebサーバーおよびSOAスイート


画像の説明

要件

この要件は、第2章「要件」に示したものと同じです。

インストールの手順

5.2.2項「J2EEサーバー、WebサーバーおよびSOAスイートのインストール」で説明しているとおりに、J2EEサーバー、WebサーバーおよびSOAスイートの拡張インストールを実行します。インストール時、表示されるメッセージに従って、次の手順を実行します。

1.3.6 J2EEサーバー、SOAスイートおよびリモートのOracle HTTP Serverのインストール

図1-6は、一方のコンピュータにOracle HTTP Server、もう一方のコンピュータにOC4JインスタンスおよびSOAスイートをインストールするトポロジを示しています。インストール後、ノードの動的検出を使用してこれらのインスタンスをクラスタ化します。このトポロジでは、Oracle HTTP ServerからOC4Jにリクエストをルーティングしたり、アプリケーションをデプロイする際の新しいアプリケーション・バインドについてOC4JからOracle HTTP Serverに動的に通知したりできます。また、このトポロジは、柔軟性および拡張性も備えています。

図1-6    J2EEサーバー、SOAスイートおよびリモートのOracle HTTP Serverが含まれているクラスタ


画像の説明

要件

この要件は、第2章「要件」に示したものと同じです。

インストールの手順

このトポロジをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. 最初の中間層として、Webサーバー・インスタンスをインストールします。

    5.2.5項「Webサーバーのインストール」で説明しているとおりに、Webサーバーの拡張インストールを実行します。インストール時、表示されるメッセージに従って、次の手順を実行します。

    • 「クラスタ・トポロジ構成」画面で、「このOracle HTTP ServerインスタンスをOracle Application Serverクラスタの一部として構成」を選択し、クラスタの検出アドレスを指定します。指定するマルチキャスト・アドレスは、224.0.1.0239.255.255.255の有効なアドレス範囲内である必要があります。

      このページで入力したアドレスとポートをメモしておきます。これらの値は、この後の手順で必要になります。

    • Oracle HTTP Serverインスタンスのホスト名とポートをメモしておきます。これらの値は、この後の手順で必要になります。

  2. 2つ目の中間層として、J2EEサーバー、WebサーバーおよびSOAスイート・インスタンスをインストールします。

    5.2.2項「J2EEサーバー、WebサーバーおよびSOAスイートのインストール」で説明しているとおりに、J2EEサーバー、WebサーバーおよびSOAスイートの拡張インストールを実行します。インストール時、表示されるメッセージに従って、次の手順を実行します。

    • 「管理(Administration)設定」画面で、「管理OC4Jインスタンスとして構成」を選択します。

    • 「クラスタ・トポロジ構成」画面で、「このOC4Jインスタンスに別のOracle HTTP Serverからアクセス」を選択します。前述の手順1でインストールした中間層のホスト名とポートを指定します。

      同じ画面で、「このインスタンスをOracle Application Serverクラスタ・トポロジの一部として構成」を選択し、前述の手順1で指定したクラスタ検出アドレスと同じクラスタ検出アドレスを指定します。

  3. Java Single Sign-Onを構成します。インストールした2つ目のOracle Application Serverインスタンス(図1-6のOracle_Home2)で次の手順を実行します。

    1. Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlコンソールにアクセスします。

    2. 「管理」セクションにスクロールし、「Java SSO構成」をクリックします。

      「Java SSO構成」ページが表示されます。

    3. 関連アプリケーション」をクリックします。

      アプリケーションが表示されます。

    4. 次のアプリケーションのチェック・ボックスをクリックして、Java SSOを有効にします。

      • orabpel(Oracle BPEL Process Manager用)

      • esb-dt(Oracle Enterprise Service Bus用)

      • ccore(Oracle Web Services Manager用)

      • ascontrol(Application Server Controlコンソール用)

    5. 適用」をクリックします。

      SSO構成が完了し、インスタンスの再起動後に有効になることを示す確認メッセージが表示されます。

    6. 再起動」をクリックします。

      確認メッセージが表示されます。

    7. はい」をクリックします。

      インスタンスが再起動されます。

    8. OWSM用のJSSOを構成するには、次の手順を実行します。

      • ORACLE_HOME/owsm/binにナビゲートします。

      • ORACLE_HOME/owsm/bin/install.propertiesファイルを編集して、install.sso.supportプロパティをtrueに設定します。

      • 次のコマンドを実行します。

        prompt> wsmadmin.sh deploy password console
        
        

        前述のコマンドで、passwordは、OC4J管理者のパスワードです。

    9. 『Oracle Containers for J2EEセキュリティ・ガイド』の第8章のOracle Identity Managementセキュリティ・プロバイダの使用手順に関する項およびOracle Identity Managementを使用した認証方式の設定に関する項の説明に従って、OIDセキュリティ・プロバイダを使用してowsmコンソール・アプリケーションを再構成します。

1.3.7 J2EEサーバー、個別のSOAアプリケーションおよびリモートのOracle HTTP Serverのインストール

このトポロジは、前述の1.3.6項の例に類似しています。前述のとおり、このトポロジでは、1つのホームにOracle HTTP Server、別のOracleホームにOC4JおよびSOAアプリケーションが含まれています。前述の例と異なり、図1-7に示されているように、SOAアプリケーションは分離されており、それぞれに独自のOC4Jインスタンスが存在します。

図1-7    J2EEサーバー、個別のSOAアプリケーションおよびリモートのOracle HTTP Serverが含まれているクラスタ


画像の説明

要件

この要件は、第2章「要件」に示したものと同じです。

インストールの手順

このトポロジをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. 最初の中間層として、Webサーバー・インスタンスをインストールします。

    5.2.5項「Webサーバーのインストール」で説明しているとおりに、Webサーバーの拡張インストールを実行します。インストール時、表示されるメッセージに従って、次の手順を実行します。

    • 「クラスタ・トポロジ構成」画面で、「このOracle HTTP ServerインスタンスをOracle Application Serverクラスタの一部として構成」を選択し、クラスタの検出アドレスを指定します。指定するマルチキャスト・アドレスは、224.0.1.0239.255.255.255の有効なアドレス範囲内である必要があります。

      このページで入力したアドレスとポートをメモしておきます。これらの値は、この後の手順で必要になります。

    • Oracle HTTP Serverインスタンスのホスト名とポートをメモしておきます。これらの値は、この後の手順で必要になります。

  2. 2つ目の中間層として、J2EEサーバーインスタンスをインストールします。

    5.2.4項「J2EEサーバーのインストール」で説明しているとおりに、J2EEサーバーの拡張インストールを実行します。インストール時、表示されるメッセージに従って、次の手順を実行します。

    • 「管理(Administration)設定」画面で、「管理OC4Jインスタンスとして構成」を選択します。

    • 「クラスタ・トポロジ構成」画面で、「このOC4Jインスタンスに別のOracle HTTP Serverからアクセス」を選択します。

      同じ画面で、「このインスタンスをOracle Application Serverクラスタ・トポロジの一部として構成」を選択し、前述の手順1で指定したクラスタ検出アドレスと同じクラスタ検出アドレスを指定します。

  3. 図1-7に示されているように、Oracle_Home2の各SOAアプリケーションに対してOC4Jインスタンスを作成する必要があります。次の手順を使用して、SOAアプリケーションに対して次のOC4Jインスタンスを作成します。

    • OC4J_BPEL

    • OC4J_ESB

    • OC4J_WSM

    1. インストール中に設定したパスワードを使用して、Application Server Controlコンソールにログインします。

      クラスタ・トポロジ」ページが表示されます。

    2. Oracle_Home2のアプリケーション・サーバー・インスタンスの「メンバー」リストにあるリンクをクリックします。

      そのインスタンスの「アプリケーション・サーバー」ページが表示され、「システム・コンポーネント」リストにAdmin OC4Jインスタンスが表示されます。

    3. OC4Jインスタンスの作成」をクリックします。

      「OC4Jインスタンスの作成」ページが表示されます。

    4. 「OC4Jインスタンス名」フィールドにOC4J_BPELと入力します。グループのデフォルトはそのままにして、インスタンスを起動するボックスを選択します。

    5. 作成」をクリックします。

      メッセージとともに「処理中」画面が表示された後、新しいインスタンス、およびインスタンスが作成されてグループに追加されたことを示す確認メッセージとともに「アプリケーション・サーバー」ページが表示されます。

    6. OC4J_BPEL」インスタンスをクリックします。

      「OC4J」ページが表示されます。

    7. 管理」をクリックします。

      「管理タスク」表が表示されます。

    8. 「プロパティ」リスト内の「サーバー・プロパティ」の「タスクに移動」をクリックします。

      「サーバー・プロパティ」ページが表示されます。

    9. デフォルトWebサイトの未使用のAJPポートを指定し、「適用」をクリックします。次のコマンドを実行してAJPポートの状態を確認できます。

      netstat -an
      
      

      AJPポートの範囲は、12501〜12600です。

      ステータス・メッセージとともに「処理中」画面が表示され、確認メッセージが表示されます。

    10. OC4J_ESBおよびOC4J_WSMインスタンスに対して、手順aiを繰り返し、その範囲から各インスタンスに異なる一意のポートを割り当てます。

    11. Oracle_Home2で次のコマンドを実行します。

      prompt> ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
      prompt> ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
      
      
  4. Oracle_Home2にSOAアプリケーションをデプロイします。

    1. Oracle BPEL Process Manager(10.1.3.1.0)CDを使用してBPELをインストールします。『Oracle BPEL Process Managerインストレーション・ガイド』の手順に従います。

      インストール時、表示されるメッセージに従って、次の手順を実行します。

      • OC4Jインスタンス名」に「OC4J_BPEL」を指定します。

      • HTTPのホスト:ポート」フィールドに、前述の手順1でインストールした中間層のホスト名とポートを指定します。

    2. Oracle Enterprise Bus(10.1.3.1.0)CDを使用してESBをインストールします。Oracle Enterprise Service Busのインストレーション・ガイドの手順に従います。

      インストール時、表示されるメッセージに従って、次の手順を実行します。

      • 「OC4Jインスタンス名」に「OC4J_ESB」を選択します。

      • 送信HTTPプロキシとして、手順1でインストールした中間層のホスト名とポートを指定します。

    3. Oracle Web Services Manager(10.1.3.1.0)CDを使用してOWSMをインストールします。『Oracle Web Services Managerインストレーション・ガイド』の手順に従います。

      インストール時、表示されるメッセージに従って、次の手順を実行します。

      • OC4Jインスタンス名」に「OC4J_WSM」を指定します。

      • HTTPのホスト:ポート」フィールドに、前述の手順1でインストールした中間層のホスト名とポートを指定します。

  5. Java Single Sign-Onを構成します。インストールした2つ目のOracle Application Serverインスタンス(図1-7のOracle_Home2)で次の手順を実行します。

    1. Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlコンソールにアクセスします。

    2. 「管理」セクションにスクロールし、「Java SSO構成」をクリックします。

      「Java SSO構成」ページが表示されます。

    3. 関連アプリケーション」をクリックします。

      アプリケーションが表示されます。

    4. 次のアプリケーションのチェック・ボックスをクリックして、Java SSOを有効にします。

      • orabpel(Oracle BPEL Process Manager用)

      • esb-dt(Oracle Enterprise Service Bus用)

      • ccore(Oracle Web Services Manager用)

      • ascontrol(Application Server Controlコンソール用)

    5. 適用」をクリックします。

      SSO構成が完了し、インスタンスの再起動後に有効になることを示す確認メッセージが表示されます。

    6. 再起動」をクリックします。

      確認メッセージが表示されます。

    7. はい」をクリックします。

      インスタンスが再起動されます。

    8. OWSM用のJSSOを構成するには、次の手順を実行します。

      • ORACLE_HOME/owsm/binにナビゲートします。

      • ORACLE_HOME/owsm/bin/install.propertiesファイルを編集して、install.sso.supportプロパティをtrueに設定します。

      • 次のコマンドを実行します。

        prompt> wsmadmin.sh deploy password console
        
        

        前述のコマンドで、passwordは、OC4J管理者のパスワードです。

    9. 『Oracle Containers for J2EEセキュリティ・ガイド』の第8章のOracle Identity Managementセキュリティ・プロバイダの使用手順に関する項およびOracle Identity Managementを使用した認証方式の設定に関する項の説明に従って、OIDセキュリティ・プロバイダを使用してowsmコンソール・アプリケーションを再構成します。

1.3.8 複数のSOA中間層およびリモートのOracle HTTP Serverのインストール

このトポロジは、1.3.6項の例に基づいて構築されます。図1-8に示されているように、このトポロジでは、OC4JインスタンスおよびSOAスイートがさらに追加されます。このクラスタ・トポロジでは、1つのコンピュータにOracle HTTP Serverをインストールし、2つの異なるコンピュータにOC4JインスタンスおよびSOAスイート・インスタンスをインストールして、クラスタ設定を指定します。OC4Jインスタンスの1つを、Application Server Controlコンソールを実行するための管理OC4Jインスタンスとして指定し、このApplication Server Controlコンソールのインスタンスから両方のOC4Jインスタンスを管理します。

図1-8    複数のSOA中間層およびリモートのOracle HTTP Serverが含まれているクラスタ


画像の説明

要件

この要件は、第2章「要件」に示したものと同じです。

インストールの手順

このトポロジをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. 最初の中間層として、Webサーバー・インスタンスをインストールします。

    5.2.5項「Webサーバーのインストール」で説明しているとおりに、Webサーバーの拡張インストールを実行します。インストール時、表示されるメッセージに従って、次の手順を実行します。

    • 「クラスタ・トポロジ構成」画面で、「このOracle HTTP ServerインスタンスをOracle Application Serverクラスタの一部として構成」を選択し、クラスタの検出アドレスを指定します。指定するマルチキャスト・アドレスは、224.0.1.0239.255.255.255の有効なアドレス範囲内である必要があります。

      このページで入力したアドレスとポートをメモしておきます。これらの値は、この後の手順で必要になります。

    • Oracle HTTP Serverインスタンスのホスト名とポートをメモしておきます。これらの値は、この後の手順で必要になります。

  2. 2つ目の中間層として、J2EEサーバー、WebサーバーおよびSOAスイート・インスタンスをインストールします。

    5.2.2項「J2EEサーバー、WebサーバーおよびSOAスイートのインストール」で説明しているとおりに、J2EEサーバー、WebサーバーおよびSOAスイートの拡張インストールを実行します。インストール時、表示されるメッセージに従って、次の手順を実行します。

    • 「管理(Administration)設定」画面で、「管理OC4Jインスタンスとして構成」を選択します。

    • 「クラスタ・トポロジ構成」画面で、「このOC4Jインスタンスに別のOracle HTTP Serverからアクセス」を選択します。前述の手順1でインストールした中間層のホスト名とポートを指定します。

      同じ画面で、「このインスタンスをOracle Application Serverクラスタ・トポロジの一部として構成」を選択し、前述の手順1で指定したクラスタ検出アドレスと同じクラスタ検出アドレスを指定します。

  3. 3つ目の中間層として、J2EEサーバー、WebサーバーおよびSOAスイート・インスタンスをインストールします。

    5.2.2項「J2EEサーバー、WebサーバーおよびSOAスイートのインストール」で説明しているとおりに、J2EEサーバー、WebサーバーおよびSOAスイートの拡張インストールを実行します。インストール時、表示されるメッセージに従って、次の手順を実行します。

    • 「管理(Administration)設定」画面で、「管理OC4Jインスタンスとして構成」は選択しません。

    • 「クラスタ・トポロジ構成」画面で、「このOC4Jインスタンスに別のOracle HTTP Serverからアクセス」を選択します。前述の手順1でインストールした中間層のホスト名とポートを指定します。

      同じ画面で、「このインスタンスをOracle Application Serverクラスタ・トポロジの一部として構成」を選択し、前述の手順1で指定したクラスタ検出アドレスと同じクラスタ検出アドレスを指定します。

  4. Java Single Sign-Onを構成します。インストールした2つ目のOracle Application Serverインスタンス(図1-8のOracle_Home2)で次の手順を実行します。

    1. Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlコンソールにアクセスします。

    2. 「管理」セクションにスクロールし、「Java SSO構成」をクリックします。

      「Java SSO構成」ページが表示されます。

    3. 関連アプリケーション」をクリックします。

      アプリケーションが表示されます。

    4. 次のアプリケーションのチェック・ボックスをクリックして、Java SSOを有効にします。

      • orabpel(Oracle BPEL Process Manager用)

      • esb-dt(Oracle Enterprise Service Bus用)

      • ccore(Oracle Web Services Manager用)

      • ascontrol(Application Server Controlコンソール用)

    5. 適用」をクリックします。

      SSO構成が完了し、インスタンスの再起動後に有効になることを示す確認メッセージが表示されます。

    6. 再起動」をクリックします。

      確認メッセージが表示されます。

    7. はい」をクリックします。

      インスタンスが再起動されます。

    8. OWSM用のJSSOを構成するには、次の手順を実行します。

      • ORACLE_HOME/owsm/binにナビゲートします。

      • ORACLE_HOME/owsm/bin/install.propertiesファイルを編集して、install.sso.supportプロパティをtrueに設定します。

      • 次のコマンドを実行します。

        prompt> wsmadmin.sh deploy password console
        
        

        前述のコマンドで、passwordは、OC4J管理者のパスワードです。

    9. 『Oracle Containers for J2EEセキュリティ・ガイド』の第8章のOracle Identity Managementセキュリティ・プロバイダの使用手順に関する項およびOracle Identity Managementを使用した認証方式の設定に関する項の説明に従って、OIDセキュリティ・プロバイダを使用してowsmコンソール・アプリケーションを再構成します。


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