この章では、Oracle Web Services Manager(Oracle WSM)ソフトウェアおよびOracle WSM製品コンポーネントの概要を説明します。
この章では次の項について説明します。
Oracle WSMのインストールの完了後、Oracle WSMサーバーを起動します。スタンドアロンのOracle WSMインストールの場合、wsmadmin
コマンドライン・ツールを使用してOracle WSMサーバーを起動してください。
注意: バンドルされているアプリケーション・サーバーを別に起動している場合、Oracle WSMは動作しません。 |
コマンド・ウィンドウを開いて、次のコマンドを実行します。
C:\>
ORACLE_HOME
\owsm\bin\wsmadmin start
コマンド・ウィンドウを開いて、次のコマンドを実行します。
$
ORACLE_HOME
/owsm/bin/wsmadmin.sh start
サーバーが起動したら、Web Services Manager Controlを使用して、ポリシー実行ポイントの作成や登録、ポリシーの作成、システムの管理および監視を行えます。
注意: Oracle SOA Suite(10.1.3.1.0)としても知られるOracle Application Server 10gリリース3(10.1.3.1.0)リリースの一部としてOracle WSMをインストールした場合、Oracle WSMサーバーはインストール後に自動的に起動します。サーバーの起動の詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。 |
Oracle WSMをインストールしたら、Oracle Enterprise Manager 10g Web Services Manager Control(Web Services Manager Control)を使用してOracle WSM Policy Managerの操作や機能にアクセスできます。Web Services Manager Controlでは、Oracle WSMコンポーネントのゲートウェイやエージェントを構成および更新したり、Oracle WSMで管理するWebサービスを登録したりすることができます。また、操作ポリシーやステップを定義または更新し、構成済のゲートウェイやエージェントにそれらをアップロードすることもできます。
同様に、Oracle WSM Monitorによって収集されたメトリックをWeb Services Manager Controlで表示して、Oracle WSM管理するサービスのステータスと操作を監視することもできます。Web Services Manager Controlでは、その他にも多くの操作を実行できます。たとえば、管理セクションでは、Oracle WSMシステム管理者が、特定のゲートウェイ、エージェントまたは管理対象サービスに関する管理権限やサポート権限を他のユーザーに割り当てるか、または委任します。
さらに、Web Services Manager Controlでは、アラートやアラームを生成し、アラームの生成時に通知を送信するための条件やオプションを定義する操作管理機能にアクセスできます。
Web Services Manager Controlから、他のユーザーのアクセスや権限を制御してOracle WSMの操作を実行するには、使用する環境にすでに定義されている様々なユーザー・グループを、Oracle WSMロールに割り当てて、マップします。Oracle WSMロールをグループ(Oracle WSMデータベースに定義および格納されるか、各自のLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)ストアに保持される)に割り当てることで、各Oracle WSMコンポーネントおよびOracle WSMで管理する各Webサービスを管理するために権限を付与されるグループを選択できます。(Oracle WSMのアクセスと権限の管理の詳細は、第7章「Oracle Web Services Managerのロールの管理」を参照してください。)
Oracle Web Services Managerにアクセスするには
Webブラウザを開いて、次のURLを入力します。
http://
host_name:port
/ccore
基本インストール・オプションを使用し、スタンドアロン製品としてOracle Web Services Managerをインストールしている場合、host_name
はOracle Web Services Managerがインストールされているホストの完全修飾名になります。port
には、そのサーバーがリスニングしているHTTPポートを指定します。デフォルトでは、このポートは3115です。ccore
はこのとおりに入力してください。
その他のすべてのインストールの場合、host_name
は、HTTPリスナーが存在するホストの完全修飾名になるか、またはOracle Web Services Managerインストールの前にあるロード・バランサの名前になります。port
は、そのサーバーがリスニングしているHTTPポートです。ccore
はこのとおりに入力してください。
たとえば、次のようになります。
http://jdoe-pc.us.oracle.com:8888
/ccore
Oracle Web Services Managerにログインするには
Oracle Web Services Managerへのログインに使用する資格証明は、JSSOが有効であるかどうかによって異なります。インストールの基本オプションを使用し、(Oracle SOA Suiteとしても知られる)Oracle Application Server 10gリリース3(10.1.3.1.0)の一部としてOracle Web Services Managerをインストールした場合は、JSSOはデフォルトで有効になっています。その他のすべてのインストールの場合、JSSOはデフォルトで有効ではありません。
JSSOが有効でない場合: Oracle WSMにログイン・ページが表示されます(図1-1)。Oracle WSM管理者のユーザー名とパスワードを入力してください。デフォルトでは、ユーザー名はadmin、パスワードはoracleです。
JSSOが有効な場合: Oracle WSMに、図1-2のようなログイン・ページが表示されます。OC4J(Oracle Containers for J2EE)管理者のユーザー名とパスワードを使用してログインしてください。
Web Services Manager Controlにログインすると、次のページが表示されます(図1-3)。
Web Services Manager Controlのナビゲーション・ペインには4つのメニューがあります。
ポリシー管理: Oracle WSMのゲートウェイおよびエージェントの構成と更新、サービスの登録と更新、ポリシー・テンプレートの追加または更新を行います。
操作管理: Oracle WSMコンポーネントと管理対象Webサービスのステータスおよびパフォーマンスの監視、Oracle WSMメトリックのカスタム・ビューの作成、アラームを生成および通知するルールの作成と表示を行います。
ツール: WebサービスやOracle WSMコンポーネントの操作に対してpingやテストを行い、各サービスで提供される操作を実行して、SOAPメッセージのリクエストおよびレスポンスを表示します。
管理: Oracle WSMロールをユーザー・グループに割り当てることで、Oracle WSMのアクセスと権限を管理します。
メイン・メニューのいずれかのオプションをクリックすると、Web Services Manager Controlに追加のメニュー項目が表示されます。
ユーザーがログインすると、ユーザーの権限と、そのユーザーがアクセスできるOracle WSMコンポーネント、管理対象WebサービスおよびWeb Services Manager Controlの操作が自動的に決定されます。たとえば、GatewayAdminグループがOracle WSMの管理者ロールに割り当てられ、Oracle WSMゲートウェイ・コンポーネントへのアクセスが許可されているとします。あるユーザーがこのGatewayAdminグループに割り当てられる場合、そのゲートウェイと関連サービスの管理操作を表示および実行できます。一方で、グループのメンバーであるその他のユーザーが、これよりも権限の少ないOracle WSMロールに割り当てられる場合、同じゲートウェイと関連サービスに対して実行できる操作は制限されます。