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Oracle Communication and Mobility Server インストレーション・ガイド
リリース10.1.3 for AIX 5L Based Systems(64-bit)

E05482-03
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3 OCMSのインストールおよび機能の確認

この章では、Oracle Communication and Mobility Server(OCMS)のインストールを確認する方法について説明します。次の項目が含まれています。

Oracle CommunicatorのインストールとOCMSインストールの確認

アプリケーションをデプロイする前に、2人のユーザーをプロビジョニングし、SIPクライアントのOracle Communicatorをインストールして、接続テストを行います。Oracle Communicatorクライアントは、デプロイメント・ディスクリプタで構成された接続先IPアドレスとポートをリスニングします。

Oracle Communicatorを使用して、次のことをテストできます。

次のタスクを実行して、Oracle Communicatorクライアントをセットアップし、OCMSをテストします。

サンプル・ユーザーのプロビジョニング

インストール中にテスト・ユーザーを作成した場合は、Oracle Communicatorを使用してOCMSに接続する準備はできています。Oracle Communicatorをインストールおよび構成して、インストール中に作成したテスト・ユーザーの1人としてサインインします。

テスト・ユーザーを作成していない場合、SIPサーブレットをテストするには、ディレクトリcd $ORACLE_HOME/sdp/sash/sbinに移動し、SASHを起動して、2人のユーザーをプロビジョニングする必要があります。

ユーザーのプロビジョニングの詳細は、『Oracle Communication and Mobility Server管理者ガイド』の「ユーザーとアプリケーションのプロビジョニング」を参照してください。


重要

このリリースのOCMSでは小文字のユーザー名がサポートされています。小文字のユーザー名のみを使用してください。 


ログ・レベルの設定

ログ・レベルをinfoに設定して、すべてのトラフィックを記録します。サーブレットを登録し、クライアントと通信する間、ログを監視します。詳細は、『Oracle Communication and Mobility Server管理者ガイド』のコア・コンポーネントのログ・レベルの設定に関する項を参照してください。

この章で行うテストを監視できるように、ログ・ウィンドウを開いたままにしておいてください。

Oracle Communicatorのインストールと構成

2台のコンピュータを使用できる場合は、それぞれのコンピュータにOracle Communicatorクライアントのインスタンスをインストールし、構成できます。2台のコンピュータを使用できない場合は、同じコンピュータでOracle Communicatorの2つのインスタンスを起動できます。その場合、まずOCMSを実行していることを確認し、2つのアカウントをプロビジョニングしてから、同じコンピュータでOracle Communicatorの2つのインスタンスを起動します。

Oracle Communicatorクライアントをインストールし、構成するには、次のようにします。

  1. Oracle Communication and Mobility Serverが動作していることを確認します。

  2. インストール・ファイルを起動し、画面の指示に従います。

    • 初期画面で、「Next」をクリックします。

    • Oracle Communicatorのインストール・ディレクトリを選択し、「Next」をクリックします。

    • インストールのプリファレンスを選択し、「Next」をクリックします。

    • 「Next」をクリックして、インストールを開始します。

    • インストールが完了したら、「Finish」をクリックします。

  3. 「スタート」「すべてのプログラム」「Oracle」「Oracle Communicator」を選択してOracle Communicatorクライアントを実行し、Audio Setupウィザードを完了します。

    Audio Setupウィザードでは、コンピュータのオーディオ・ハードウェアを構成およびテストし、サウンド・デバイスを構成できます。次の構成を実行します。

    • コンピュータにヘッドセットを接続し、「Next」をクリックします。

    • テスト・パラグラフを声に出して読みます。ボリュームを調整するには、「Volume」ボタンをクリックし、必要に応じて変更します。

      声が検出されたかどうかが示されます。

    • 「Finish」をクリックして、オーディオの構成を完了します。

      Oracle Communicator Create Account Wizardが表示され、新しいアカウントを作成するよう求められます。

  4. 作成するアカウント名を入力し、「Next」をクリックします。このアカウント名には、Sashコマンドラインを使用してプロビジョニングしたものを使用します。

  5. username@example.comという形式で、最初のユーザーのSIPアドレスを入力します。

  6. ユーザーのフルネームを入力します。

    これは、各メッセージとともに送信される名前です。

  7. 「Finish」をクリックして、ウィザードを終了します。

    Select Accountウィンドウが表示されます(図3-1)。

    図3-1    Oracle Communicatorアカウントの選択


    画像の説明

  8. ドロップダウン・リストから定義したアカウントを選択し、「OK」をクリックします。

  9. ユーザー名とパスワードを入力します。

  10. 設定のアイコンをクリックし、「Preferences」「Network」の順に選択します。

  11. 「Use a proxy server」を選択し、横のボックス(図3-2)にSIPプロキシ・サーバーのアドレスを入力して、「OK」をクリックします。

  12. Oracle Application ServerがHTTPSサーバーを使用して構成されている場合は、「Use HTTPS」をチェックします。

  13. 「XDMS Settings」セクションの下のデフォルト値xcap.< machine>.< domain>から有効な値に変更します。

    ポート番号には、次のいずれかの値を使用します。

    • スタンドアロン開発者モードのインストールの場合は、8888を使用します。

    • HTTPサーバーを使用したOracle ASインストールの場合は、HTTPサーバー・ポートを使用します。

    • HTTPサーバーを使用しないOracle ASインストールの場合は、7785を使用します。

    • HTTPSの場合は、Oracle ASインストールのHTTPSポートを使用します。

    この構成で、Oracle Communicatorクライアントが、互いにプレゼンス情報を表示し、電話をかけられるようになります。

    図3-2    プロキシ・サーバーの構成


    画像の説明

  14. タスク・バーのクライアント・アイコンを右クリックし、「Sign Out」を選択して、クライアントからサインアウトします。

  15. 両方のクライアントでOracle Communicatorにログインし、クライアント間でメッセージを送受信できることを確認します。

    クライアントで、緑のステータスLEDとともに、「Connected to example.com」というメッセージが表示されると、正常に接続しています。

Oracle Communicator FileTransferServletのインストール

FileTransferServletを使用すると、Oracle Communicatorユーザー間でファイルを転送できます。このサーブレットのEAR(Enterprise Archive)ファイルは、OCMSと同じディスクに存在しますが、OCMSのインストール・プロセスの一部には含まれません。FileTransferServletは、通常、OCMSと同じOC4Jコンテナには存在しないためです。そのため、FileTransferServletは、個別にインストールする必要があります。つまり、Application Server Controlコンソールで提供されるウィザードまたはadmin_client.jarコマンドライン・ツールを使用して、OC4JコンテナにそのEARファイルをデプロイします。

ヒント

大量のデプロイが発生する場合は、パフォーマンスを確保するためにFileTransferServletを別のノードにデプロイすることをお薦めします。  

FileTransferServletは、AIX Based Systems(32-bit)オペレーティング・システムが稼働する任意のOC4Jノードにデプロイできます。


注意

FileTransferServletをホストするOC4Jノードでは、HTTPのGETおよびPOST操作をサポートしている必要があります。 


ファイル転送をサポートするようOracle Communicatorを構成する方法の詳細は、『Oracle Communication and Mobility Server管理者ガイド』を参照してください。OC4Jにアプリケーションをデプロイする方法の詳細は、『Oracle Containers for J2EEデプロイメント・ガイド』を参照してください。

サーブレットの登録の確認

SIPクライアントとSIPサーブレット・コンテナ間で発生する最初の相互作用は登録です。
SIPサーブレット・コンテナに初めて接続するとき、SIPクライアントはサーバーに
REGISTERメッセージを送信します。SIPサーブレット・コンテナが正しく構成されている場合、すべてが正常であることを示す標準のメッセージとして200 OKが返されます。

SIPサーブレット・コンテナが401 Unauthorizedというレスポンスを返した場合、Oracle Communicatorにはユーザー名とパスワードの入力を求めるポップアップ・ボックスが表示されます。資格証明を入力すると、サーバーにもう一度REGISTERメッセージが認証情報とともに送信されます。

このやりとりは、ログ・レベルをinfoに設定し(「ログ・レベルの設定」を参照)、SIPクライアントの実行時にログを見て監視できます。

サーブレットの登録を確認するには、次のようにします。

  1. ログ・ウィンドウを開きます(ログ・レベルが設定されていることを確認してください)。

  2. 「スタート」「すべてのプログラム」「Oracle」「Oracle Communicator」を選択します。

  3. プロンプトで、ユーザー名とパスワードを入力します(ユーザーのプロビジョニングについては、『Oracle Communication and Mobility Server管理者ガイド』の「ユーザーとアプリケーションのプロビジョニング」を参照)。

  4. SIPクライアントの別のインスタンスを実行し(可能な場合は別のコンピュータで)、異なるユーザー名とパスワードでログインします。

    REGISTERメソッドとSIPサーブレット・コンテナのレスポンスを示すサンプル・ログを下に示します。

    DEBUG [traffic] (NetworkEventWorker-11@) < REGISTER sip:example.com SIP/2.0
    Call-ID: 77c49573-572e-46cc-893c-dc3b693eec90 CSeq: 1 REGISTER To:
    <sip:alice@example.com> From: "alice@example.com"
    <sip:alice@example.com>;tag=16feb568-cb96-4349-a825-a401e8189753 Max-Forwards:
    70 User-Agent: OCMS-CallTron/4.5.7.1445 Contact:
    <sip:alice@10.0.0.10:5062;transport=TCP>;q=1.00;agentid="4960c58b-286c-4426-bc3
    7-b5c6d91dcd7d";methods="INVITE,NOTIFY,MESSAGE,ACK,BYE,CANCEL";expires=600
    Content-Length: 0 Via: SIP/2.0/TCP
    10.0.0.10:5062;branch=z9hG4bK-1b9f16b3-10f9-44eb-8d50-dedd2cda5ed3.1;rport 
    
    DEBUG [traffic] (NetworkEventWorker-13@) > SIP/2.0 200 OK Via: SIP/2.0/TCP
    10.0.0.10:1267;received=10.0.0.10;branch=z9hG4bK-eb1c7aba-7aa6-44fc-98e8-e36567
    3e09c.1;rport=1267 To: <sip:alice@example.com>;tag=6ed1a858-1083331acac--7ffa
    From: "alice@example.com"
    <sip:alice@example.com>;tag=89f9161e-762e-4750-9cea-970825f67848 Call-ID:
    77c49573-572e-46cc-893c-dc3b693eec90 CSeq: 2 REGISTER Server:
    OCMS-transactron/3.2.0-48 Content-Length: 0 
    

Presenceサーバーのテスト

Oracle Communicatorでは、Presenceサーバーの主要機能をテストできます。SIPクライアントの2つのインスタンスにそれぞれ異なるユーザーとしてログインして実行することで、次のことを行えます。

ユーザーのプレゼンスのサブスクライブ

プレゼンスのサブスクライブとは、ユーザーのステータス(Available、Awayなど)や「Gone fishing」というメッセージなど、特定ユーザーのプレゼンス・データに対するユーザーのアクセス権を定義するドキュメントです。ユーザーは、特定ユーザーのプレゼンス・データのサブスクライブ権限をリクエストする必要があります。権限が付与されると、サブスクリプションが保存され、ドキュメントとして格納されます。

この項では、Oracle Communicatorクライアントの2つのインスタンスを使用して、ユーザーのプレゼンスのサブスクリプションのリクエストと付与を行います。

ユーザーのプレゼンスをサブスクライブするには、次のようにします。

  1. 各テスト・ユーザーが、Oracle Communicatorクライアントの別々のインスタンス(可能な場合は異なるコンピュータ)にログインしていることを確認します。

  2. 最初のテスト・ユーザーがログインしたOracle Communicatorクライアントで、「Contacts」ボタンをクリックし、「Add Contact」を選択します(図3-3)。

    ヒント

    Oracle Communicatorへの連絡先の追加方法の詳細は、Oracle Communicatorのオンライン・ヘルプを参照してください。 

    図3-3    Oracle Communicatorの連絡先の追加


    画像の説明

  3. 表示される「Contact Properties」タブの対応するボックスに、前に定義した2番目のテスト・ユーザーのSIPアドレスを入力します。

  4. 「Add Contact」をクリックします。

  5. 2番目のOracle Communicatorクライアントのインスタンスを観察します。テスト・ユーザー1がテスト・ユーザー2のプレゼンスのサブスクライブ権限をリクエストしたことを伝えるメッセージが表示されます。

  6. テスト・ユーザー2のOracle Communicatorクライアントで、「OK」をクリックして、テスト・ユーザー1に対してプレゼンスのサブスクリプション権限を付与し、ユーザーをテスト・ユーザー2の連絡先リストに追加します。

ユーザーのプレゼンス公開のテスト

Oracle Communicatorでは、ユーザーは自分のプレゼンスを「Available」から「Away」などに変更できます。選択したプレゼンスのステータスがサーバーに保存されると、実際に公開され、公開者のプレゼンスをサブスクライブするユーザーがそのユーザーのプレゼンス・データを表示できるようになります。

ユーザーのプレゼンスを公開するには、次のようにします。

  1. 最初のテスト・ユーザーのOracle Communicatorクライアントで、クライアントの下部にある「Presence Status」ドロップダウン・リストをクリックします。

  2. ドロップダウン・リストから「Away」を選択します。

  3. 2番目のテスト・ユーザーのOracle Communicatorクライアントを観察します。テスト・ユーザー1のステータスが「Away」として表示されます。

イベント通知の受信のテスト

テスト・ユーザーの1人がログオフしてからもう一度ログインしたときに、OCMSからイベント通知が送信されるかどうかをテストします。2番目のテスト・ユーザーがオンラインに戻ると、最初のテスト・ユーザーのコンピュータには、テスト・ユーザー2がオンラインであることを知らせるメッセージが表示されます。

イベントの通知を受け取るには、次のようにします。

  1. テスト・ユーザー2をテスト・ユーザー1の連絡先リストに追加します(連絡先リストへのユーザーの追加方法は、「ユーザーのプレゼンスのサブスクライブ」を参照)。

  2. 設定のアイコンをクリックし、「Sign out」を選択して、テスト・ユーザー2をログアウトさせます。

  3. しばらく待ってから、ドロップダウン・リストからテスト・ユーザー2のアカウントを選択し、「OK」をクリックしてユーザー2をログインさせます。

  4. テスト・ユーザー1がログインしているOracle Communicatorクライアントを実行中のコンピュータを観察します。

    テスト・ユーザー2がオンラインになったことを知らせるメッセージが表示されます。

SIPのテスト・コール

一方のテスト・ユーザーからもう一方のテスト・ユーザーに電話して、OCMSの機能をテストします。スピーカーとマイク、またはマルチメディア・ヘッドセットを備えた別々のコンピュータでOracle Communicatorのインスタンスを実行します。

電話をかけるには、次のようにします。

  1. 最初のOracle Communicatorクライアントで、テスト・ユーザー2を右クリックし、「Call」をクリックします。

  2. 2番目のOracle Communicatorクライアントで「Answer Call」をクリックして、電話に出ます。

  3. 話をして、相手の声が聞こえるかどうかを確認します。

SIPからPSTNへのテスト・コール

SIPからPSTNへのゲートウェイが、SIPネットワークからの通話を公衆交換電話網(PSTN)にルーティングするようにインストールされている場合、Oracle CommunicatorからPSTNの電話番号にテスト・コールを行えます。

  1. Oracle Communicatorクライアントを起動します。

  2. 「Quickcall」フィールドで、通話情報を次のように入力します。

    sip:<phone number>@<IP address of SIP to PSTN gateway>


    注意

    DNSサーバーが構成されている場合は、IPアドレスのかわりにホスト名を使用できます。 


EtherealによるOCMSネットワーク・トラフィックの監視

Ethereal®は、OCMSネットワーク・トラフィックの監視に使用できるネットワーク・プロトコル・アナライザです。具体的には、SIP、PresenceおよびEdge Proxyトラフィックに使用されるポートでのTCPおよびUDPトラフィック(SIPクライアントはTCPまたはUDPを使用してSIPメッセージを送信)を監視できます。

次の手順を実行して、EtherealでOCMSネットワーク・トラフィックを監視します。

  1. EtherealのWebサイトhttp://www.ethereal.com/の指示に従って、Etherealをダウンロードし、インストールします。

    Etherealのインストール時に、ライブ・ネットワーク・データを取り込むためのソフトウェア・パッケージWinPcapもインストールする必要があります。

    Etherealをインストールするには、ハード・ディスクに約55MBの空き容量が必要です。

  2. 「スタート」「すべてのプログラム」を選択し、Etherealを実行します。

  3. OCMSが使用するポートでTCPおよびUDPトラフィックを監視するようにEtherealを構成します。通常は、ポート5060〜5080までを監視します。Etherealヘルプのキャプチャ・フィルタの説明を参照してください。

  4. キャプチャ出力ファイルを構成します。

  5. 「Capture」メニューから「Start」を選択して、ネットワーク・トラフィックのキャプチャを開始します。

  6. キャプチャしたデータを表示します。

OCMSネットワーク・トラフィックの問題のトラブルシューティングでは、主にEtherealでキャプチャしたデータを分析します。アプリケーション・サーバー・ログは、データの二次ソースとして使用します。

必要なインストール後の管理タスクの実行

OCMSをインストールし、Oracle Communicatorを使用してOCMS SIPサーバー・コンテナに接続して、インストールを確認しました。OCMSのインストールはこれで完了です。

しかし、OCMSにアプリケーションをデプロイする前に、OCMS管理者は、『Oracle Communication and Mobility Server管理者ガイド』で説明されている次の管理タスクを実行する必要があります。


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