メンテナンス更新ファイルおよび Service Pack のインストール

コマンドラインインタフェースの使用

この節では、Smart Update bsu コマンドについて説明します。これはパッチダウンロードディレクトリにダウンロードされているパッチを適用するコマンドであり、対話形式またはスクリプトで使用できます。bsu コマンドをスクリプトで使用すると、複数のマシン上にインストールされている BEA Products に対して特定のメンテナンスレベルを複製するためのメカニズムを作成できます。プロダクション環境では、複数のマシンに対するソフトウェア更新の配布作業を、管理された方法で、信頼性と再現性を確保しつつ実施する必要があるため、この機能が特に有用となります。

この章では、以下のトピックを取り上げます。

bsu コマンドの使用について

bsu コマンドを対話形式またはスクリプトで使用する際の注意事項を次に示します。

BEA_HOME\utils\bsu ディレクトリにある bsu スクリプト (Windows システムでは bsu.cmd、UNIX システムでは bsu.sh) が実行されます。bsu コマンドを実行すると、最初に、実行元の場所からマシン上のこのディレクトリへと作業ディレクトリが変更されます。
コマンドファイル (Windows) またはシェルスクリプト (UNIX) から実行できます。
Smart Update 機能のサブセットを備え、次の処理を実行できます。

アクセス可能なパッチダウンロードディレクトリにあるパッチの適用
ダウンロードディレクトリにあるパッチの表示、現在のマシン上にあるいずれかの製品インストールに適用されたパッチの表示、現在のマシン上にある特定のパッチプロファイルに適用されたパッチの表示

また、bsu コマンドから Smart Update グラフィカルインタフェースを呼び出してログファイルにメッセージを送信することもできます。

パッチの適用および表示は、次のとおり、コマンドを実行したマシン上からインストールされた BEA Products に対してのみ実行できます。

現在のマシン上に、別のマシンによってインストールされた BEA Products がある場合、そのインストールに対してはパッチの適用や表示を実行できません。
リモートマウントされたディスクドライブ上に、現在のマシンを使用してインストールされた BEA Products がある場合、そのインストールに対しては bsu コマンドを使用できます。

つまり、ある特定の BEA Products インストールに対して bsu コマンドによるメンテナンスが可能であるための条件は、Smart Update のグラフィカルインタフェースを使用するための条件と同じです。

次の作業を実行することはできません。

BEA カスタマサポートへのログイン
対象インストールに適用されているパッチの削除
カスタムパッチプロファイルの作成
修正する起動スクリプトの特定

これらの機能は、Smart Update のグラフィカルインタフェースでのみ使用できます。

注意 : Smart Update コマンドラインインタフェースとグラフィカルインタフェースの両方を同時に実行しているとき、コマンドラインインタフェースからパッチプロファイルに対して加えた変更は、グラフィカルインタフェース上で当該パッチプロファイルの表示を更新しても表示に反映されません。

bsu コマンドリファレンス

この節では、bsu コマンドの構文について説明します。パラメータ引数が角括弧付きで示されている場合、その引数は省略可能です。

次の URL では、印刷に適した、bsu コマンド構文概要の PDF ファイルをダウンロードできます。概要のダウンロード手順を次に示します。

1. 次の URL をクリックするか、Web ブラウザに入力します。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/common/docs91/smart_update/pdf/aid-bsu.pdf

2. 表示されたポップアップウィンドウで、[ファイル｜印刷] を選択して概要を印刷するか、[ファイル｜名前を付けて保存] を選択して保存します。

表 8-1 で、bsu コマンドのパラメータおよび引数について説明します。

表 8-1 bsu コマンドのパラメータおよび引数

パラメータ	説明	引数
`-help`	`bsu` のパラメータおよび引数の概要を表示する。	なし
`-view`	適用されているパッチまたはパッチダウンロードディレクトリにあるパッチの ID を表示する。ダウンロードディレクトリにパッチがない場合、次のメッセージが表示される。 `No patches exist in the specified download directory.`	`[-profile=profile_name]` `profile_name` で指定したプロファイルに適用されるパッチの ID を表示する。この引数を指定しない場合、デフォルトパッチプロファイルがデフォルトで使用される。
`[-patch_download_dir=path]` `path` で指定したパッチダウンロードディレクトリにダウンロードされているパッチの ID を表示する。パッチダウンロードディレクトリを指定しない場合、[Preference] ダイアログボックスで指定されたパッチダウンロードディレクトリがデフォルトで使用される ([Preference] ダイアログボックスでも指定されていない場合、`BEA_HOME\utils\bsu\cache_dir` が使用される)。
`-status={applied\|downloaded}` 表示対象のパッチについて、現在の状態を次のように表示する。 `applied` - 対象インストールに適用されているパッチの ID を表示する。この引数を `-profile` と共に使用すると、特定のプロファイルに関するメンテナンススナップショットを作成できる。 `downloaded` - ダウンロードディレクトリにあるが、まだ適用されていないパッチの ID を表示する。
`[-verbose]` 表示対象の各パッチに関する詳細情報のセットを完全に表示する。
`-prod_dir=`path `path` で指定した場所にある対象インストールに適用されているパッチの ID を表示する。
`-install`	対象インストールに特定のパッチを適用する。パッチプロファイルを指定しない場合、パッチはインストールのデフォルトパッチプロファイルに適用される。ダウンロードディレクトリにパッチがない場合、次のメッセージが表示される。 `No patches exist in the specified download directory.`	`-patchlist=patch1[,patch2,patch3` `. . . ]` 適用する個々のパッチを、`patch1`、`patch2`、`patch3` で指定する。
`[-profile=profile_name]` パッチの適用対象となるパッチプロファイルを、`profile_name` で指定する。
`[-patch_download_dir=path]` パッチの適用元となるパッチダウンロードディレクトリを、`path` で指定する。パッチダウンロードディレクトリを指定しない場合、Smart Update グラフィカルインタフェースの [Preference] ダイアログボックスで指定されたパッチダウンロードディレクトリがデフォルトで使用される ([Preference] ダイアログボックスでも指定されていない場合、`BEA_HOME\utils\bsu\cache_dir` が使用される)。
`[-verbose]` 適用された各パッチに関する詳細情報のセットを完全に表示する。
`-prod_dir=`path パッチを適用する対象インストールを、`path` で指定する。
`-gui`	Smart Update グラフィカルインタフェースを起動する。
`-log`	対応する `bsu` コマンドのログ情報の送信先となるファイルを、指定した場所に作成する。注意 : `-log` パラメータによるログに記録されるのは `bsu` コマンドのアクティビティのみであり、パッチまたはプロファイルに関するアクティビティは記録されない。	`=path` 作成するログファイルのファイル名および場所を、`path` で指定する。
`[-log_priority= {trace\|debug\|info\|warn\|error\|fatal}]` 取り込むログ情報の優先順位を指定する。デフォルトの優先順位は `debug`。

パラメータ

説明

引数

-help

bsu のパラメータおよび引数の概要を表示する。

なし

-view

適用されているパッチまたはパッチダウンロードディレクトリにあるパッチの ID を表示する。

ダウンロードディレクトリにパッチがない場合、次のメッセージが表示される。

No patches exist in the specified download directory.

[-profile=profile_name]

profile_name で指定したプロファイルに適用されるパッチの ID を表示する。この引数を指定しない場合、デフォルトパッチプロファイルがデフォルトで使用される。

[-patch_download_dir=path]

path で指定したパッチダウンロードディレクトリにダウンロードされているパッチの ID を表示する。パッチダウンロードディレクトリを指定しない場合、[Preference] ダイアログボックスで指定されたパッチダウンロードディレクトリがデフォルトで使用される ([Preference] ダイアログボックスでも指定されていない場合、BEA_HOME\utils\bsu\cache_dir が使用される)。

-status={applied|downloaded}

表示対象のパッチについて、現在の状態を次のように表示する。

applied - 対象インストールに適用されているパッチの ID を表示する。この引数を -profile と共に使用すると、特定のプロファイルに関するメンテナンススナップショットを作成できる。

downloaded - ダウンロードディレクトリにあるが、まだ適用されていないパッチの ID を表示する。

[-verbose]

表示対象の各パッチに関する詳細情報のセットを完全に表示する。

-prod_dir=path

path で指定した場所にある対象インストールに適用されているパッチの ID を表示する。

-install

対象インストールに特定のパッチを適用する。パッチプロファイルを指定しない場合、パッチはインストールのデフォルトパッチプロファイルに適用される。

ダウンロードディレクトリにパッチがない場合、次のメッセージが表示される。

No patches exist in the specified download directory.

-patchlist=patch1[,patch2,patch3 . . . ]

適用する個々のパッチを、patch1、patch2、patch3 で指定する。

[-profile=profile_name]

パッチの適用対象となるパッチプロファイルを、profile_name で指定する。

[-patch_download_dir=path]

パッチの適用元となるパッチダウンロードディレクトリを、path で指定する。パッチダウンロードディレクトリを指定しない場合、Smart Update グラフィカルインタフェースの [Preference] ダイアログボックスで指定されたパッチダウンロードディレクトリがデフォルトで使用される ([Preference] ダイアログボックスでも指定されていない場合、BEA_HOME\utils\bsu\cache_dir が使用される)。

[-verbose]

適用された各パッチに関する詳細情報のセットを完全に表示する。

-prod_dir=path

パッチを適用する対象インストールを、path で指定する。

-gui

Smart Update グラフィカルインタフェースを起動する。

-log

対応する bsu コマンドのログ情報の送信先となるファイルを、指定した場所に作成する。

注意 : -log パラメータによるログに記録されるのは bsu コマンドのアクティビティのみであり、パッチまたはプロファイルに関するアクティビティは記録されない。

=path

作成するログファイルのファイル名および場所を、path で指定する。

[-log_priority= {trace|debug|info|warn|error|fatal}]

取り込むログ情報の優先順位を指定する。デフォルトの優先順位は debug。

コマンドラインインタフェースの例

この節では、次のとおり bsu コマンドの例を示します。

インストールの例

次のコマンドでは、現在のマシン上に設定されたパッチダウンロードディレクトリにある IRZ2 というパッチがインストールされます。

bsu -prod_dir=c:\bea\weblogic91 -patchlist=IRZ2 -verbose -install

このコマンドを実行すると、パッチが正常に適用されたことを示す次の出力が表示されます。

Checking for conflicts.
No conflict(s) detected

Starting installation of Patch ID: IRZ2
Installing C:\bea\download-dir\IRZ2.jar
Result: Success

パッチの表示の例

次のコマンドでは、パッチダウンロードディレクトリ c:\patchdir にあるパッチが一覧表示されます。

bsu -prod_dir=c:\bea\weblogic91 -patch_download_dir=c:\patchdir
      -status=downloaded -view

このコマンドを実行すると、次のような結果が表示されます。

ProductName:    WebLogic Platform
Version:        9.1
Components:     WebLogic Server/Server, WebLogic Server/Server Examples,
                AquaLogic Service Bus/Service Bus Server, AquaLogic Service
                Bus/Data Transformation Tools, AquaLogic Service Bus/Service
                Bus Examples, 
BEAHome:        c:\beahome 
ProductHome:    c:\beahome\weblogic91 
JavaHome:       c:\beahome\jrockit90_150_04
JavaVersion:    1.5.0 
JavaVendor:     BEA 

PatchID:       patch20_weblogic910 
PatchID:       patch537_weblogic910 
PatchID:       patch2004_weblogic910

パッチの表示の例 (2)

次のコマンドでは、現在のマシン上に設定されたパッチダウンロードディレクトリにダウンロードされている、対象インストール用のパッチのセットが表示されます。

bsu -prod_dir=c:\bea\weblogic91 -status=downloaded -verbose -view

このコマンドを実行すると、次のような結果が表示されます。

ProductName:       WebLogic Platform
ProductVersion:    9.1
Components:        WebLogic Server/Server, WebLogic Server/Server Examples, Aqu
                   aLogic Service Bus/Service Bus Server, AquaLogic Service Bus
                   /Data Transformation Tools, AquaLogic Service Bus/Service Bu
                   s Examples

BEAHome:           C:\bea
ProductHome:       C:\bea\weblogic91
DownloadDir:       C:\bea\download-dir
JavaHome:          C:\bea\jrockit90_150_04
JavaVersion:       1.5.0_04
JavaVendor:        BEA

Patch ID:          FZN2
PatchContainer:    FZN2.jar
Checksum:          -174938558
Component:         WebLogic Server
Severity:          critical
Category:          Security
CR:                CRxxyyzz
Restart:           false
Description:       ATN fix for xxxx

Patch ID:          GWQR
PatchContainer:    GWQR.jar
Checksum:          1170817068
Component:         AquaLogic Service Bus
Severity:          optional
Category:          Multiple
CR:                CRxxyyzz
Restart:           true
Description:       One more ALSB patch

メンテナンススナップショットの表示

次のコマンドでは、デフォルトパッチプロファイルのメンテナンススナップショットが表示されます。

bsu -view -profile=default -status=applied -verbose -prod_dir=c:\bea\weblogic91

このコマンドを実行すると、次のような結果が表示されます。

ProductName:       WebLogic Platform
ProductVersion:    9.1
Components:        WebLogic Server/Server, WebLogic Server/Server Examples,
                   AquaLogic Service Bus/Service Bus Server, AquaLogic 
                   Service Bus/Data Transformation Tools, AquaLogic Service
                   Bus/Service Bus Examples
BEAHome:           C:\bea
ProductHome:       C:\bea\weblogic91
DownloadDir:       C:\bea\patch-download-dir
JavaHome:          C:\bea\jrockit90_150_04
JavaVersion:       1.5.0_04
JavaVendor:        BEA

Patch ID:          QDXN
PatchContainer:    QDXN.jar
Checksum:          -1137516737
Component:         AquaLogic Service Bus
Severity:          optional
Category:          General
CR:
Restart:           false
Description:       ext classpath

Patch ID:          4N1M
PatchContainer:    4N1M.jar
Checksum:          979379797
Component:         WebLogic Server
Severity:          optional
Category:          Plugin
CR:
Restart:           false
Description:       classpath (myWLServer.jar) 3

コマンドライン インタフェースの使用

bsu コマンドの使用について

bsu コマンド リファレンス

コマンドライン インタフェースの例

インストールの例

パッチの表示の例

パッチの表示の例 (2)

メンテナンス スナップショットの表示

コマンドラインインタフェースの使用

bsu コマンドリファレンス

コマンドラインインタフェースの例

メンテナンススナップショットの表示