ここでは、次のトピックについて説明します。
Oracle Warehouse Builderは、データの移動と変換、ビジネス・インテリジェンス・システムの開発と実装、メタデータの管理、またはOracleデータベースおよびメタデータの作成と管理を目的として設計された包括的なツールセットです。このガイドでは、Warehouse BuilderのOracle MetaBase(OMB)Scripting Languageを使用して、次の操作を実行する方法について説明します。
データ・ウェアハウスの定義の作成
データ・ウェアハウスの物理インスタンスの定義の構成
定義とその構成のセットの検証
スクリプトのセットの生成による、データ・ウェアハウス・インスタンスの作成および移入
データ変換スクリプトの生成
データ・ウェアハウス・インスタンスの配布および初期ロード
生成済スクリプトを使用した条件付きのリフレッシュによる、物理インスタンスのメンテナンス
Warehouse Builderのメタデータと他のビジネス・インテリジェンス製品との統合
データ・ウェアハウスを分析する際のOracle Discovererエンド・ユーザー・レイヤとOLAPカタログの移入
このガイドは、Warehouse Builderの機能にプログラム的にアクセスする、次のようなデータ・ウェアハウス技術者を対象としています。
ビジネス・インテリジェンス・アプリケーション開発者
ウェアハウスのアーキテクト、設計者および開発者(特に、SQLとPL/SQLの開発者)
データ・ウェアハウスを基盤とした大規模な製品の開発者
ウェアハウス管理者
システム管理者
その他のMIS専門家
このガイドの情報を利用するには、リレーショナル・データベース管理システムとデータ・ウェアハウスの設計に関する概念を理解している必要があります。データ・ウェアハウスの詳細は、『Oracle Databaseデータ・ウェアハウス・ガイド』を参照してください。また、Oracle Database、SQL*Plus、SQL*Loader、Oracle Enterprise ManagerおよびOracle Workflowなど、Oracleリレーショナル・データベース・ソフトウェア製品の知識も必要です。
この『Oracle Warehouse Builder スクリプト・リファレンス』は、次の章と付録で構成されています。
第1章「概要」には、Warehouse Builderのスクリプト言語、OMB Plusについての概要説明が記載されています。そこでは、コマンドの種類とその使用方法を解説しています。また、このリファレンスに含まれている構文図の読み方も説明しています。
第2章「OMB Plusのコマンド」には、OMB Plusで使用できるナビゲーション・コマンド、サービス・コマンド、管理コマンドおよびシェル・コマンドが、アルファベット順で記載されています。メタデータ操作のコマンドは、別の章に記載されています。
第3章「OMBALTER」には、Warehouse Builderオブジェクトにメタデータ操作コマンドOMBALTERを使用するためのリファレンスが記載されています。
第4章「OMBALTER」には、Warehouse Builderオブジェクトにメタデータ操作コマンドOMBCREATEを使用するためのリファレンスが記載されています。
第5章「OMBDROP」には、Warehouse Builderオブジェクトにメタデータ操作コマンドOMBDROPを使用するためのリファレンスが記載されています。
第6章「OMBRETRIEVE」には、Warehouse Builderオブジェクトにメタデータ操作コマンドOMBRETRIEVEを使用するためのリファレンスが記載されています。
付録A「Oracle JDeveloperでのOMB Plusの実行」には、JDeveloperでOMB Plusを使用する方法が説明されています。
付録B「デフォルトのグループとパラメータ」には、マッピングに使用するデフォルトのグループとパラメータが記載されています。
Warehouse Builderでは、マッピング・エディタ内からマッピングする際のデバッグ機能が拡張されました。マッピング・デバッガを使用して、マッピング時の論理上の設計エラーを検出できます。この新機能により、ブレーク・ポイントやウォッチの設定、テスト・データのインタラクティブな変更などの総合的なデバッグ機能を使用して、マッピングのデータ・フローを検証できます。
このリリースでは、複数のターゲットがあるマッピングに新しいコミット方針が採用されています。以前のリリースでは、独立したコミットが採用されていました。つまり、複数のターゲットが考慮されず、ターゲットごとにコミットとロールバックが実行されていました。Warehouse Builderでは、このオプションに加えて、相関コミットも実行できるようになりました。つまり、Warehouse Builderでは、すべてのターゲットを集合的に捉え、どのターゲットにもデータのコミットまたはロールバックを一律に実行できます。ソース内のすべての行が、関連するすべてのターゲットに対して一律に影響を及ぼすようにする場合に、相関コミットは有効です。
以前のリリースでは、パーティションを交換する前には、マッピング用の一時表をデフォルトで作成し、ソース・データの追加処理を行っていました。これは、マッピングにリモート・ソースや複数のソースが結合される場合に必要でした。このリリースからは、一時表を作成せず、ターゲットにソースを直接スワップできるようになりました。マッピングにダイレクト・パーティション交換ロードを使用すると、前に実行されたマッピングでロードしたファクト表をすぐに公開できます。
複数のName and Addressソフトウェア・プロバイダ: このリリースからは、動作保証された複数のName and Addressソフトウェア・プロバイダとWarehouse Builderが連携できるようになります。サードパーティ・ベンダーに許諾されたName and AddressソフトウェアをWarehouse Builderで使用できます。これにより、ユーザーは自身のプロジェクトに最適な製品を提供しているName and Addressプロバイダを選択できるようになります。
Name and Address演算子ウィザード: 以前のリリースでは、Name and Address演算子を定義する場合に、マッピング・キャンバスと演算子の構成プロパティ・シートを使用していました。Warehouse Builderでは、操作性を改善するため、Name and Address演算子の作成と編集に、ウィザードと演算子エディタを使用できるようになりました。
Match-Merge演算子: Warehouse Builderには、従来Oracle Pure Integrateで利用できたデータの品質に関する機能が統合されています。マッピング・エディタで利用できるMatch-Merge演算子を使用して、レコードの一致およびマージのビジネス・ルールを定義できます。Match-Merge演算子とName and Address演算子を合わせて使用することで、Name and Addressデータで一意のハウスホールドを識別するプロセスがサポートされます。
以前のリリースでは、OMB Plusのスクリプト・ユーティリティを使用して、メタデータ変更管理を実行していました。このリリースからは、クライアント・ユーザー・インタフェースからも、これらの機能にアクセスできるようになりました。メタデータ変更管理により、メタデータ・オブジェクトのスナップショットを取得して、バックアップや履歴管理に使用できます。スナップショットは、ナビゲーション・ツリー上にあるどのオブジェクトでもサポートされています。また、オブジェクト単体(表やモジュールなど)についての情報も、オブジェクト内のオブジェクト(モジュール内の表など)の情報も格納できます。
セキュリティ: Warehouse Builderでは、セキュリティ要件に応じて、リポジトリ・セキュリティおよび監査に関して、拡張オプションを実装できるようになりました。セキュリティの拡張オプションには次のものがあります。
プロアクティブ・セキュリティ: Warehouse Builderリポジトリに、カスタマイズされたセキュリティPL/SQL実装パッケージをプラグインすることで、ユーザーの組織で定義されたセキュリティ・ルールに従い、ユーザーによるアクセスを細かく制御できます。
リアクティブ・セキュリティ: メタデータ履歴に基づいて監査情報を追跡し、この監査情報からセキュリティ方針を決定できます。
データ管理: 技術管理者ではなく、ユーザーまたはグループがメタデータの一部を所有できます。これにより、メタデータの所有権は、メタデータ・セキュリティ管理の重要な要素になります。
RACのサポート: リリース9.2からは、Warehouse BuilderのRAC機能のサポートが強化され、ランタイムにおけるネット・サービス名の使用がサポートされるようになりました。これにより、ランタイム環境を再構成しなくても、クラスタ内のノードのメンテナンス計画を作成できます。また、ランタイム・サービスの可用性も向上しました。たとえば、サービス・インスタンスまたはその関連するノードが停止または故障した場合は、別のノードのランタイム・サービス・インスタンスに引き継がれます。Warehouse Builderリポジトリは、RACクラスタでも使用できますが、このリリースにあるRACのフェイルオーバー機能は利用できません。
ZONEDデータ型のサポート: ゾーン10進データが含まれた固定形式のデータ・ファイルをロードできるようになりました。フラット・ファイル・サンプル・ウィザードを使用して、インポートするフラット・ファイルにZONEDデータ型を指定できます。ZONEDデータのフォーマットは、10進数の文字列で、1桁に1バイトを使用し、符号は最後のバイトに含まれます(COBOLのSIGN TRAILINGフィールドに相当します)。このフィールドの長さは、指定する精度(桁数)と同じになります。また、小数点以下の桁数であるスケールも指定できます。
DECIMALデータ型のサポート: DECIMALデータはパック10進形式です。2桁で1バイトを使用しますが、最後のバイトだけは1桁と記号が含まれます。DECIMALデータ型には精度とスケールが含まれ、端数値を表現できます。
データベースで共有できるパブリック・データベース・リンクを作成できるようになりました。パブリック・データベース・リンクは、リポジトリ所有者だけでなく、CREATE PUBLIC DATABASE LINK
権限を持つユーザーも作成できます。
このリリースからWarehouse Builderは、HP-UXおよびAIXプラットフォームでも利用できるようになりました。これにより、従来からのUNIX(SolarisとLinux)およびWindows(NT、2000およびXP)プラットフォームに加えて、利用できるプラットフォームがさらに広がりました(ただし、MITI Bridge機能を利用できるのはWindowsプラットフォームのみ、Name and Address Serverを利用できるのはWindowsおよびSolarisプラットフォームのみです)。
このリリースから、Warehouse Builderには、Public APIが加わりました。APIにアクセスするには、次のファイルをローカル・マシン上のフォルダに解凍して抽出します。
<owb home directory>\owb\lib\int\pubapi_javadoc.jar
ファイルindex.html
をダブルクリックします。APIの使用方法の詳細は、「ヘルプ」リンクを選択してください。
拡張ナビゲーション・ツリー: Warehouse Builderコンソールに表示されるナビゲーション・ツリーが拡張され、プロジェクト間のナビゲーション効率が上がり、メタデータ・リポジトリ・オブジェクトに直接アクセスしやすくなりました。以前は一度に1つのプロジェクトしか表示できませんでしたが、ツリーからすべてのプロジェクトを表示できるようになりました。プロジェクト・ノードを展開して、アクティブなプロジェクトの内容を表示できます。モジュール・ツリーが別のウィンドウに表示されることはなくなりました。
ウィザード、エディタ、プロパティ・シート: Warehouse Builderのウィザード、エディタおよびプロパティ・シートはすべて、ナビゲーション・ツリーから起動できるようになりました。
ビジネス・エリアからコレクションに名前変更: 以前のリリースでは、ウェアハウス・モジュールにビジネス・エリアを作成して、Warehouse Builderのオブジェクトを編成したり、Oracle Discovererなどのツールにメタデータをエクスポートしていました。このリリースからは、すべての機能で「ビジネス・エリア」のかわりに「コレクション」が使用され、機能が拡張されました。たとえば、このコレクションに対してメタデータのインポートやエクスポートを行えるようになりました。
ファクト表からキューブに名前変更: このリリースからはOLAPの業界標準に合わせて、「ファクト」と「ファクト表」に替わり、「キューブ」という用語が使用されています。
論理名からビジネス名に名前変更: このリリースでは、オブジェクトの「論理名」はすべて「ビジネス名」に改称されています。
Warehouse Builderコンソールのツールバー: ユーティリティ・ドローワは削除され、Warehouse Builderコンソールの横と上部にあるツールバーが上部に統合されて、重要性の高い機能が1箇所にまとめられました。
配布管理オブジェクトの追加: このリリースでは、配布のソースおよびターゲットへの接続管理に役立つオブジェクト・タイプとして、ロケーション、コネクタ、Runtime Repository接続が追加されました。ロケーションでは、配布の物理的なロケーションを定義します。コネクタでは、ロケーション間の関係を定義します。Runtime Repository接続では、Runtime Repositoryに関する情報を指定します。これらのオブジェクトを使用して、同じターゲット設計で複数の配布ターゲットを作成できます。
単一の配布管理インタフェース: デプロイメント・マネージャでは、すべてのオブジェクトの配布、配布されたマッピング、変換およびプロセス・フローの実行を、1つのインタフェースで管理できます。このインタフェースにより、これまでに配布されたオブジェクトの履歴に即座にアクセスできます。デプロイメント・マネージャで、1つのインタフェースを使用してこのようなタスクをすべて実行できるだけでなく、Warehouse Builderではランタイム・メタデータを追跡しているので、これまでに配布されたものの履歴を表示することもできます。
設計メタデータの参照: Warehouse Builder Design Browserは、外部表、ロケーションおよびコネクタなどの新しいオブジェクトにすべて対応するように拡張されました。また、Design Browserをスタンドアロンの実行可能プログラムとして起動できるので、シングル・ユーザーで使用できるように、Oracle Application Serverをインストールする必要はなくなりました。
ランタイム・メタデータの参照: Warehouse Builder Runtime Audit Viewerは、Webベースのレポート作成を実行するRuntime Audit Browserに替わりました。Runtime Audit Browserでは、従来のリリースよりも広範な配布および実行監査レポートを作成できます。この監査データには、Runtime Repositoryに格納された情報に基づき、配布および実行のデータが含まれています。
Warehouse Builder Public API: このリリースから、Warehouse Builderでは、Oracle Warehouse Builder機能へのプログラムで規定されたアクセスにかわり、Warehouse Builderの機能やサービスを自分のアプリケーションに埋め込むアプリケーション・プログラマ向けに、Public Java APIがすべて導入されました。
Warehouse Builderスクリプト言語: Oracle MetaBase(OMB)Scripting Languageを使用すると、Warehouse Builderのグラフィカル・ユーザー・インタフェースにアクセスせずに、Warehouse Builderのすべての機能にアクセスできます。Warehouse Builderのメタデータと機能にアクセスするには、Warehouse Builderのスクリプト・ユーティリティであるOMB Plusを使用します。これにより、開発者はWarehouse Builderをプログラム的に使用し、必要に応じてその機能を拡張できます。OMBスクリプト言語の詳細は、『Oracle Warehouse Builder スクリプト・リファレンス』を参照してください。
セキュリティ: ユーザーのセキュリティ要件に応じて、オプションのリポジトリ・セキュリティおよび監査システムを実装できるようになりました。マルチ・ユーザー・アカウント・システムを作成すると、識別可能な複数のユーザーが、同じWarehouse Builderリポジトリにアクセスできます。また、Warehouse Builderリポジトリに、カスタマイズされたセキュリティPL/SQL実装パッケージをプラグインすることで、ユーザーの組織で定義されたセキュリティ・ルールに従い、ユーザーによるアクセスを細かく制御できます。
メタデータ変更管理(メタデータのスナップショット): このリリースからは、メタデータ・オブジェクトのスナップショットを取得して、バックアップや履歴管理に使用できます。スナップショットは、ナビゲーション・ツリー上にあるどのオブジェクトでもサポートされています。また、オブジェクト単体(表やモジュールなど)についての情報も、オブジェクト内のオブジェクト(モジュール内の表など)の情報も格納できます。
複数言語サポート(MLS): この機能を使用すると、表示するビジネス名と説明を、リポジトリのベース言語以外の言語で格納できます。ビジネス名と説明の様々な翻訳を使用して、ターゲット・ユーザーの言語でEULに配布できます。
ユーザー定義プロパティによる拡張性: Warehouse Builderオブジェクトに新たなプロパティを定義するには、Warehouse Builder OMB Plusスクリプト・ユーティリティを使用します。スクリプトによってユーザー定義プロパティを定義した後、そのプロパティには、ユーザー・インタフェース、Oracle MetaBase(OMB)Scripting Language、Oracle Warehouse Builder Java API ReferenceおよびWarehouse Builder Design Browserを使用してアクセスできます。これにより、Warehouse Builderの拡張性が広がり、他のビジネス・インテリジェンス製品と統合しやすくなります。
Metadata Loader(インポートおよびエクスポート)の柔軟性の拡張: 2つの機能が新しく追加され、製品の柔軟性が拡張されました。第1の機能では、コレクションからメタデータを直接エクスポートできるようになりました。第2の機能は、Metadata Loaderのコマンドライン・ユーティリティで利用できます。この機能を使用すると、ファースト・クラス・オブジェクトのインポートに適用するアクションのタイプを柔軟に指定できます。
このリリースから、プロセス・フローの作成と定義には、Warehouse Builderのプロセス・フロー・エディタを使用できます。マッピングで定義済の外部プロセス演算子は、ユーザー定義プロセスにアップグレードされ、プロセス・フロー・モジュール内に含まれます。プロセス・フローは、同じWarehouse Builder設計環境に統合されたため、これらの機能を実行するためにOracle Workflow Design Clientを使用する必要はなくなりました。Warehouse Builderプロセス・フロー・エディタは、マッピングのセマンティックを元来認識できるので、ユーザーはFTPや電子メールなどのアクティビティをモデル化できます。
マッピング・ユーザー・インタフェース: 「マッピング」という定義済表示セットが、このリリースで新しく追加されました。この表示セットを選択すると、実際にマッピングまたは使用されている列のみが表示されます。
マッピングの圧縮: この機能は、マッピング内の演算子と属性間の未使用の接続を自動的に検出し、これらをリポジトリから削除します。これにより、大量のデータ・フローを要する大規模なマッピングをロードおよび格納するパフォーマンスが、大幅に改善されます。
Metadata Loader(インポートおよびエクスポート): インポートおよびエクスポート機能では、どのマッピングにも新しい圧縮機能を利用できるようになりました。これにより、Metadata Loaderは、実際に使用されているマッピング・オブジェクトのみをエクスポートおよびインポートできます。
OLAPの統合: 複数のデータ・ソースから、ROLAPモデルやMOLAPモデルなどの多次元OLAPオブジェクトを設計、配布およびロードできます。データをロードした後は、ビジネス・インテリジェンスのツールやアプリケーションを使用して、複雑な分析的問合せを実行し、ビジネスに関する質問に回答できます。Warehouse Builderで、同じキューブおよびディメンション設計から、リレーショナル・オブジェクトと多次元オブジェクトの両方を作成して管理できるようになりました。
アドバンスト・キュー(AQ)の統合: データ・ウェアハウスの設計時に、アドバンスト・キューの定義をインポートしたり、AQをデータ・ソースおよびデータ・ターゲットとして使用できます。アドバンスト・キュー機能とMessaging Gatewayを組み合せることで、MQ SeriesとTibcoのメッセージ・アプリケーションを、Warehouse Builderのデータ・ソースとしてサポートできます。また、AQを使用して、ソース・システムからターゲット・システムに、チェンジ・データ・キャプチャを伝播できます。このAQ統合機能によって、リアルタイムのデータ・ウェアハウスを今後実現する基礎が築かれます。
外部表: このリリースから、外部表を使用し、リレーショナルな読取り専用形式で、非リレーショナル・ファイル・ソースのデータを表現できるようになりました。既存の外部表は、Oracle Databaseからインポートできます。新規の外部表は、フラット・ファイル定義に基づいてWarehouse Builderで作成できます。Oracle Databaseに外部表を配布する際には、適切なDDLが生成されます。
Oracle Databaseマルチ・テーブル・インサート: Warehouse Builderは、ターゲット・データベースがOracle Databaseの場合に、Oracle Databaseデータベース機能を利用して、マルチ・テーブル・インサート文を生成します。これにより、マッピングを最適化し、1回の操作で複数の表にデータを挿入できます。
Oracle Databaseテーブル・ファンクション: テーブル・ファンクション演算子が導入されたため、ターゲット・システムをロードする際のパフォーマンスを改善できます。この演算子を使用すると、入力行のセットを操作し、カーディナリティの異なる別の行のセットを返すカスタム・コードを作成できます。従来のファンクションとは異なり、テーブル・ファンクションは、物理表のように問合せを行える行のセットを出力します。
ターゲットとしてのバインドなしフラット・ファイル: このリリースでは、マッピングの作成時に、バインドなしフラット・ファイル・オブジェクトを新規作成できます。Warehouse Builderでは、カンマで区切られたシングル・レコード・タイプのフラット・ファイルが、指定されたロケーションに作成されます。これにより、リレーショナル・オブジェクトの内容をフラット・ファイルにロードする作業が簡単になりました。
フラット・ファイルのアウトバウンド調整: アウトバウンド調整により、マッピング・フラット・ファイルからリポジトリ・オブジェクトを新規作成できます。そのため、フラット・ファイルがリポジトリに対して新規のファイルである場合、指定した場所に、カンマ区切りのファイルを新規作成できます。これにより、リレーショナル・オブジェクトの内容をフラット・ファイルに迅速にダンプする作業が簡単になりました。
デリミタ付きファイルの論理レコード: フラット・ファイル・サンプル・ウィザードも拡張され、デリミタ付きファイルの論理レコードを定義できるユーザー・インタフェースが表示されるようになりました。
位置ベースのマスター/ディテールのロード: 位置ベースのマスター/ディテール・フラット・ファイルは、新たなマッピング演算子を使用して、簡単にロードできるようになりました。
SQLプロパティの拡張: Warehouse Builderにインポートするフラット・ファイルに、SQLプロパティを指定できるようになりました。これにより、フラット・ファイルのフィールドごとに、SQLプロパティを事前に定義できます。そのため、リレーショナル・ターゲットにフラット・ファイル・ソースをマッピングする場合、ターゲット列ではこれらの定義済SQLプロパティ値がデフォルト設定されます。これらの値が使用されるのは、リレーショナル・ターゲット列の作成時、または外部表の列の作成時です。
マッピング・ユーザー・インタフェース: 新しいプロパティ・タブが追加され、マッピング演算子と属性のプロパティを迅速に作成および編集できるようになりました。
ピボット演算子とアンピボット演算子: このリリースから、マッピングにピボット演算子またはアンピボット演算子を追加できるようになりました。ピボット演算子では、1つの属性行を複数の行に変換できます。アンピボット演算子では、複数の入力行を1つの出力行に変換できます。
Name and Address演算子の拡張: Name and Address演算子が拡張され、新規の入力ロールと出力属性が含まれるようになりました。United States Postal Service Code Accuracy Support System(CASS)レポートも、このリリースからサポートされるようになりました。
このリリースからWarehouse Builderは、Windows(NT、2000およびXP)プラットフォーム以外に、UNIX(SolarisとLinux)プラットフォームでも利用できるようになりました。Unixでは、Warehouse Builderのすべてのコンポーネントを利用できますが、Name and AddressライブラリはLinuxで利用できません(また、OLAP Bridge機能はWindowsプラットフォームのみで使用でき、Name and Address ServerはWindowsおよびSolarisプラットフォームのみで使用できます)。
このマニュアルでは、Windows NT、Windows 2000およびWindows XPオペレーティング・システムを総称してWindowsと記載します。Oracle DatabaseのSQL*Plusインタフェースは、SQLと記載する場合があります。
例では、特に明記しないかぎり、各行の最後に改行が挿入されています。そのため、入力行の最後で[Enter]キーを押す必要があります。
このガイドでは、次の表記規則も使用します。
規則 | 意味 |
---|---|
. . . |
例の中の垂直の省略記号は、例に直接関係しない情報が省略されていることを示します。 |
... | 文またはコマンド中の水平の省略記号は、例に直接関連しない文やコマンドの一部が省略されていることを示します。 |
太字 | テキスト中の太字は、インタフェース・ボタンまたはリンクを示します。太字は、主題を強調する目的でも使用します。 |
Unicodeテキスト
|
Unicodeテキストは、コード自体、ファイルのディレクトリや名前、リテラル・コマンドを示します。 |
イタリックのUnicodeテキスト
|
イタリックのUnicodeテキストは、ユーザーが値を指定するパラメータを示します。 |
[] | 大カッコは、1つを選択するか、選択しなくてもよい任意の句を囲みます。 |
Warehouse Builderのドキュメント・セットには、次のマニュアルが含まれています。
『Oracle Warehouse Builder ユーザーズ・ガイド』
『Oracle Warehouse Builder インストレーションおよび構成ガイド』
『Oracle Warehouse Builder トランスフォーメーション・ガイド』
『Oracle Warehouse Builder スクリプト・リファレンス』
『Oracle Warehouse Builder リリース・ノート』
Warehouse Builderのドキュメント以外に、次のドキュメントも参照できます。
『Oracleデータ・ウェアハウス・ガイド』