Oracle Application Serverインストレーション・ガイド 10g (10.1.4.0.1) for Solaris Operating System (x86) and Solaris Operating System (x86-64) E05379-01 |
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この章では、Oracle Application ServerをOracleAS Cold Failover Cluster構成にインストールする方法について説明します。
OracleAS Cold Failover Cluster構成では、アクティブおよびパッシブ・ノードがあり、いずれのノードでもアクセスできる共有記憶域があります。
正常動作時は、アクティブ・ノードでOracle Application Serverプロセスが実行され、クライアントからのリクエストが処理されます。アクティブ・ノードに障害が発生すると、フェイルオーバー・イベントが発生します。パッシブ・ノードが引き継ぎ、アクティブ・ノードになります。これによって、共有記憶域がマウントされ、プロセスが実行されます。
OracleAS Cold Failover Clusterは、次の構成でインストールできます。
Oracle Application ServerをOracleAS Cold Failover Clusterにインストールする前に、次の手順を実行します。
OracleAS Cold Failover Cluster構成内の各ノードは、独自の物理IPアドレスに関連付けられます。また、クラスタ内のアクティブ・ノードは、仮想ホスト名と仮想IPアドレスに関連付けられています。これによって、クライアントは仮想ホスト名を使用してOracleAS Cold Failover Clusterにアクセスできます。
仮想ホスト名と仮想IPアドレスは、ハードウェア・クラスタを含むサブネットのコンテキスト内で有効な任意のホスト名およびIPアドレスです。
次の例では、vhost.mydomain.com
という仮想ホスト名を138.1.12.191の仮想IPを使用して構成します。
prompt> su Password: root_password
# ifconfig -a lo0: flags=1000849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1 inet 127.0.0.1 netmask ff000000 lo0:1: flags=1008849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4> mtu 8232 index 1 inet 172.16.193.1 netmask ffffffff ge0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2 inet 138.1.13.146 netmask fffffc00 broadcast 138.1.15.255 ether 8:0:20:fd:1:23 hme0: flags=1008843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 3 inet 172.16.1.1 netmask ffffff80 broadcast 172.16.1.127 ether 8:0:20:fd:1:23 hme0:2: flags=1008843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 3 inet 172.16.194.6 netmask fffffffc broadcast 172.16.194.7 ge1: flags=1008843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 4 inet 172.16.0.129 netmask ffffff80 broadcast 172.16.0.255 ether 8:0:20:fd:1:23
出力では、ge0
がパブリック・ネットワーク・インタフェースです。これはループバック・インタフェースでも、プライベート・インタフェースでもありません。
ge0
ネットワーク・インタフェースに追加します。
# ifconfig ge0 addif 138.1.12.191 up
「ge0」およびIPアドレスは、この例に限った値です。ご使用のクラスタに応じた値に置き換えます。
# ifconfig -a lo0: flags=1000849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1 inet 127.0.0.1 netmask ff000000 lo0:1: flags=1008849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4> mtu 8232 index 1 inet 172.16.193.1 netmask ffffffff ge0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2 inet 138.1.13.146 netmask fffffc00 broadcast 138.1.15.255 ether 8:0:20:fd:1:23 ge0:1: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2 inet 138.1.12.191 netmask ffff0000 broadcast 138.1.255.255 hme0: flags=1008843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 3 inet 172.16.1.1 netmask ffffff80 broadcast 172.16.1.127 ether 8:0:20:fd:1:23 hme0:2: flags=1008843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 3 inet 172.16.194.6 netmask fffffffc broadcast 172.16.194.7 ge1: flags=1008843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 4 inet 172.16.0.129 netmask ffffff80 broadcast 172.16.0.255 ether 8:0:20:fd:1:23
仮想IPがge0:1
エントリに表示されます。インストール時に「仮想ホストの指定」画面に仮想ホスト名として「vhost.mydomain.com」を入力すると、インストーラによって「vhost.mydomain.com」が有効なインタフェースであるかどうかがチェックされます。
アクティブ・ノードに障害が発生すると、セカンダリ・ノードが引き継ぎます。障害が発生したノードからセカンダリ・ノードへ仮想IPをマップするクラスタウェア・エージェントがない場合は、手動で行う必要がります。次の手順を実行して、障害が発生したノードから仮想IPマッピングを削除し、セカンダリ・ノードにマップする必要があります。
障害が発生したノードが完全に停止した(つまり、起動しない)場合は、この手順を省略して手順2に進みます。ノードでの障害が部分的(ディスクやメモリーの問題など)で、そのノードがまだping可能な場合、この手順は実行します。
prompt> su Password: root_password # ifconfig ge0 removeif 138.1.12.191
「ge0」およびIPアドレスは、この例に限った値です。ご使用のクラスタに応じた値に置き換えます。
ge0
ネットワーク・インタフェースに追加します。
# ifconfig ge0 addif 138.1.12.191 up
「ge0」およびIPアドレスは、この例に限った値です。ご使用のクラスタに応じた値に置き換えます。
# ifconfig -a ... ge0:1: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2 inet 138.1.12.191 netmask ffff0000 broadcast 138.1.255.255 ...
ハードウェア・クラスタには共有記憶域がありますが、OracleAS Cold Failover Clusterの両方のノードがこのファイル・システムをマウントできるようにこの共有記憶域にファイル・システムを作成する必要があります。次のディレクトリでは、このファイル・システムを使用します。
ディスク領域の要件については、2.2項「システム要件」を参照してください。
クラスタ上でボリューム・マネージャを実行して共有記憶域を管理する場合のボリュームを作成する手順については、ボリューム・マネージャのドキュメントを参照してください。ボリュームを作成すると、そのボリューム上にファイル・システムを作成できます。
ボリューム・マネージャがない場合は、共有ディスク上に直接ファイル・システムを作成できます。ハードウェアのベンダーがこの機能をサポートしていること、OracleAS Cold Failover Clusterのいずれかのノードからファイル・システムがマウントできること、およびノードに障害が発生した場合にいずれかのノードからファイル・システムが修復できることを確認します。
ファイル・システムをいずれかのノードからマウントできることを確認するには、次の手順を行います。
OracleAS Metadata RepositoryデータベースにASMインスタンスを使用する場合は、次の推奨事項を考慮します。
OracleAS Cold Failover Clusterでフェイルオーバーを自動化することを予定している場合は、クラスタ内の各ノードがハードウェア・ベンダのクラスタウェアを実行している必要があります。
クラスタウェアが実行されているかどうかを確認するには、ご使用のクラスタウェアに応じたコマンドを使用します。
OracleAS Metadata Repositoryが含まれるインストールをインストールおよび実行中のシステムに既存のデータベースが存在する場合は、インストールを続行する前に既存のデータベースのlistener.ora
ファイルを変更する必要があります。listener.ora
ファイルを変更するには、次の手順を実行します。
ORACLE_HOME
およびORACLE_SID
環境変数が設定されていることを確認します。
prompt> lsnrctl stop
listener.ora
ファイルを開きます。
ORACLE_HOME/network/admin/listener.ora
ORACLE_HOME
は、既存のデータベースのホームです。
LISTENER
エントリを検索します。
LISTENER = (DESCRIPTION_LIST = (DESCRIPTION = (ADDRESS_LIST = (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = db_hostname)(PORT = db_port)) ) ...
この例では、db_hostname
は既存のデータベースの完全修飾されたホスト名で、db_port
は既存のデータベースのポートです。
ADDRESS
エントリを、新しいOracle Application ServerインスタンスのADDRESS_LIST
エントリに追加します。
LISTENER = (DESCRIPTION_LIST = (DESCRIPTION = (ADDRESS_LIST = (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = db_hostname)(PORT = db_port)) (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = new_hostname)(PORT = new_port)) ) ...
この例では、new_hostname
は新しいOracle Application Serverインスタンスの完全修飾されたホスト名で、new_port
は新しいOracle Application Serverインスタンスのポートです。データベース・リスナーが競合していないことを確認する方法については、2.7.4.1項「ポート1521が既存のOracleデータベースで使用されている場合」を参照してください。
prompt> lsnrctl start
図8-1に、OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成を示します。
この図では、次のことが示されています。
正常動作時には、1つのノード(ノード1)がアクティブ・ノードとして機能します。このノードは、共有記憶域をマウントしてOracleAS Infrastructureファイルにアクセスし、OracleAS Infrastructureプロセスを実行して、すべてのリクエストを処理します。
なんらかの理由でアクティブ・ノードが停止すると、クラスタウェアはOracleAS Infrastructureプロセスを他のノード(ノード2)にフェイルオーバーし、このノードがアクティブ・ノードになります。このノードは、共有記憶域をマウントしてプロセスを実行し、すべてのリクエストを処理します。
これらのノードは、仮想アドレスを使用することによって、クライアントからは1つのコンピュータとして認識されます。中間層コンポーネント、アプリケーションなどのクライアントは、OracleAS Infrastructureにアクセスするために、クラスタに関連付けられた仮想アドレスを使用します。仮想アドレスは、アクティブ・ノード(正常動作時にはノード1、ノード1が停止した場合はノード2)に関連付けられます。どちらのノード(ノード1またはノード2)がリクエストを処理しているかをクライアントが認識する必要はありません。
インフラストラクチャにアクセスするURLに仮想ホスト名を使用します。たとえば、vhost.mydomain.com
が仮想ホスト名である場合は、Oracle HTTP ServerおよびApplication Server ControlのURLは次のようになります。
次のもののURL | URLの例 |
---|---|
Oracle HTTP Server、「ようこそ」ページ |
http://vhost.mydomain.com:7777 |
Oracle HTTP Server、セキュア・モード |
https://vhost.mydomain.com:4443 |
Application Server Control |
http://vhost.mydomain.com:1156 |
他のノード(OracleAS Infrastructureを実行していないノード)に中間層をインストールして実行できます。インストール時に、共有記憶デバイスにインストールしたOracleAS Infrastructureからのサービスを使用するように中間層を設定します。
また、中間層のOracleAS Cold Failover Cluster構成を使用せずに、クラスタ・ノードに中間層をインストールして実行することもできます。この場合、通常のインストール手順を使用して中間層をインストールします。これを行う場合、フェイルオーバーの発生時に中間層のポートがOracleAS Infrastructureのポートと競合しないことを確認します。
OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成を設定するには、次の手順を実行します。
手順 | 説明 | |
---|---|---|
1. |
インストール前の作業の詳細は、8.2項を参照してください。内容は次のとおりです。 |
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2. |
共有記憶域にOracleAS Infrastructureをインストールします。 |
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3. |
このインストール後の手順ではCSSデーモンを構成します。この手順は、OracleデータベースのASM(自動ストレージ管理)機能を使用していて、既存のOracleデータベースがない場合にのみ必要です。 |
この項では、OracleAS InfrastructureをOracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成でインストールするための手順を示します。
8.2項「OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順」に示すインストール前の手順を実行します。
OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)では、「インストール・タイプの選択」画面で「Identity Management and Metadata Repository」を選択して、OracleAS Metadata RepositoryとOracle Identity Managementの両方を同じOracleホームにインストールします。このオプションにより、OracleAS Metadata Repository用の新規のデータベースと新規のOracle Internet Directoryが作成されます。
OracleAS Infrastructureのインストールを計画しているシステムに既存のOracle Application Server 10g データベースが存在する場合は、インストール前に8.2.5項「既存のデータベースのlistener.oraファイルの変更」の手順を実行する必要があることに注意してください。
注意:
インストーラの画面
インストーラを実行し、表8-2に示す一連の画面に従います。
画面 | 操作 | |
---|---|---|
1. |
-- |
インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、4.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。 注意: |
2. |
構成オプションの選択 |
「Oracle Internet Directory」を選択します。 「Oracle Application Server Single Sign-On」を選択します。 「Oracle Application Server Delegated Administration Services」を選択します。 「Oracle Directory Integration Platform」を選択します。 認証局が必要な場合は、「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択します。 「次へ」をクリックします。 |
3. |
ポート構成オプションの指定 |
コンポーネントにデフォルトのポートを使用する場合は、「自動」を選択します。 staticports.iniファイルをすでに作成していて、デフォルトのポートを使用しない場合は、「手動」を選択し、指定されたフィールドでstaticports.iniファイルへのフルパスを入力します。 「次へ」をクリックします。 |
4. |
高可用性またはレプリケーション・オプションの選択 |
「仮想ホスト」を選択し、「次へ」をクリックします。 |
5. |
Internet Directoryのネームスペースの指定 |
推奨されるネームスペースを選択するか、またはデフォルトのOracle Identity Managementレルムの場所のカスタム・ネームスペースを入力します。 「推奨されるネームスペース:」に表示された値が配置要件を満たしていることを確認します。要件を満たさない場合は、「カスタム・ネームスペース:」に必要な値を入力します。詳細は、4.16項「「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面での入力」を参照してください。 「次へ」をクリックします。 |
6. |
仮想ホストの指定 |
注意: これは、インフラストラクチャをOracleAS Cold Failover Clusterにインストールするときに重要な画面です。この画面が表示されない場合は、次の項目を確認してください。
仮想ホスト名: OracleAS Cold Failover Cluster構成の仮想ホスト名を入力します。 「次へ」をクリックします。 |
7. |
OCAの画面 |
「構成オプションの選択」画面で「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択した場合は、OCAを構成するための画面が表示されます。詳細は、4.30項「インストールの一部: OCAの画面」を参照してください。 |
8. |
データベース構成オプションの指定 |
グローバル・データベース名: OracleAS Metadata Repositoryデータベースの名前を入力します。ドメイン名をデータベース名に追加します。グローバル・データベース名でのこのドメイン名は、ご使用のネットワーク・ドメイン名とは異なる名前にすることができます。 グローバル・データベース名のドメイン名の部分には、次のネーミング制限があります。 グローバル・データベース名のデータベース名の部分には、次のネーミング制限があります。
注意: 2つ以上のピリオドを一緒に入力しないでください(例: SID: OracleAS Metadata Repositoryデータベースのシステム識別子を入力します。通常、これはグローバル・データベース名と同じですが、ドメイン名は含まれません。SIDは、すべてのデータベースで一意である必要があります。 SIDには、次のネーミング制限があります。 データベース・キャラクタ・セット: 使用するキャラクタ・セットを選択します。4.15項「NE8ISO8859P10およびCEL8ISO8859P14キャラクタ・セットのサポート」も参照してください。 データベース・ファイルの場所: データ・ファイル・ディレクトリの親ディレクトリへのフルパスを入力します。この親ディレクトリはすでに存在している必要があり、このディレクトリへの書込み権限を所有している必要があります。 インストーラによって、この親ディレクトリにサブディレクトリが作成されます。サブディレクトリはSIDと同じ名前になります。データ・ファイルは、このサブディレクトリに配置されます。
たとえば、 「次へ」をクリックします。 |
9. |
データベース・スキーマのパスワードの指定 |
権限付きデータベース・スキーマ(SYS、SYSTEM、SYSMANおよびDBSNMP)のパスワードを設定します。各スキーマに対して異なるパスワードを設定することも、すべてのスキーマに同じパスワードを設定することもできます。 これらのアカウントのパスワードの設定規則については、4.14項「SYS、SYSTEM、SYSMANおよびDBSNMPユーザー用のパスワードの制限」を参照してください。 「次へ」をクリックします。 |
10. |
インスタンス名とias_adminパスワードの指定 |
インスタンス名: インフラストラクチャ・インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、3.5項「Oracle Application Server インスタンスとインスタンス名」を参照してください。 「ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを入力して、確認します。これはこのインフラストラクチャ・インスタンスの管理ユーザーです。 パスワードの要件については、3.6項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。 「次へ」をクリックします。 |
11. |
-- |
インストールを終了します。詳細は、4.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 |
この手順は、次の両方の要件を満たしている場合にのみ必要です。
これらの要件を満たしている場合は、他のノードでCluster Synchronization Services(CSS)デーモンを構成する必要があります。CSSデーモンによって、ASMインスタンスと、データベース・ファイル記憶域にASMインスタンスを使用するデータベース・インスタンスが同期化されます。
CSSデーモンを構成するには、次の手順を実行します。
# /etc/init.d/init.cssd stop
# $ORACLE_HOME/root.sh
ORACLE_HOMEは、OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)をインストールした場所です。
図8-2に、分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成を示します。
この構成は、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesコンポーネントをアクティブ-アクティブ構成で別のノードに個別にインストールすること以外、8.3項「OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成のインストール」に示す構成と同様です。
分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成では、OracleAS Metadata Repository、Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformをアクティブ-パッシブ構成で実行します。
ただし、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesコンポーネントは、アクティブ-アクティブ構成で実行します。これらのコンポーネントを実行しているノードにリクエストを送るためのロード・バランサがあります。
分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成を設定するには、次の手順を実行します。
手順 | 説明 | |
---|---|---|
1. |
インストール前の作業の詳細は、8.2項を参照してください。内容は次のとおりです。 |
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2. |
この手順では、共有記憶域にOracleAS Infrastructureをインストールします。OracleAS Single Sign-On、Oracle Delegated Administration ServicesおよびOCA以外のすべてのコンポーネントをインストールします。 |
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3. |
このインストール後の手順ではCSSデーモンを構成します。この手順は、OracleデータベースのASM(自動ストレージ管理)機能を使用していて、既存のOracleデータベースがない場合にのみ必要です。 |
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4. |
OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール |
この手順では、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesをインストールします。 |
8.2項「OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順」に示すインストール前の手順を実行します。
分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成では、「インストール・タイプの選択」画面で「Identity Management and OracleAS Metadata Repository」を選択して、OracleAS Metadata RepositoryとOracle Identity Managementコンポーネントの両方(OracleAS Single Sign-On、Oracle Delegated Administration ServicesおよびOCAを除く)を同じOracleホームにインストールします。このオプションにより、OracleAS Metadata Repository用の新規のデータベースと新規のOracle Internet Directoryが作成されます。
手順は、「構成オプションの選択」画面で「Oracle Application Server Single Sign-On」、「Oracle Application Server Delegated Administration Services」および「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択しないこと以外は、手順2「OracleAS Infrastructureのインストール」と同じです。
この手順は、次の両方の要件を満たしている場合にのみ必要です。
これらの要件を満たしている場合は、他のノードでCSSデーモンを構成する必要があります。CSSデーモンによって、ASMインスタンスと、データベース・ファイル記憶域にASMインスタンスを使用するデータベース・インスタンスが同期化されます。
CSSデーモンを構成するには、次の手順を実行します。
# /etc/init.d/init.cssd stop
# $ORACLE_HOME/root.sh
ORACLE_HOMEは、OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)をインストールした場所です。
OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesを各ノードのローカル・ディスクにインストールします。これらのインストールは、個別に行います。
インストール前の手順
このインストールは、実際にはOracleAS Cluster(Identity Management)インストールです。このため、第9章「高可用性環境へのインストール: OracleAS Cluster(Identity Management)」に示すOracleAS Cluster(Identity Management)の設定手順を実行します。
インストール手順
手順は、9.6.5項「各ノードへのOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール」に示すものと同じです。
図8-3に、OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成を示します。
この構成は、別の高可用性環境にOracleAS Metadata Repositoryデータベースがあり、Oracle Identity Managementコンポーネント用にアクティブ-パッシブ構成を使用する場合に適しています。OracleAS Metadata Repositoryデータベースが格納されている共有ディスクとは異なる共有ディスクにOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。
構成内容は次のとおりです。
正常動作時には、プライマリ・ノードであるノード1がアクティブ・ノードです。これは、両方の共有ディスクをマウントしてOracle Identity Managementおよびデータベース・ファイルにアクセスし、Oracle Identity Managementおよびデータベース・プロセスを実行して、すべてのリクエストを処理します。
なんらかの理由でノード1が停止すると、クラスタウェアはOracle Identity Managementおよびデータベース・プロセスをノード2にフェイルオーバーします。ノード2がアクティブ・ノードとなり、共有ディスクをマウントしてプロセスを実行し、すべてのリクエストを処理します。
OracleAS Cold Failover Cluster内のアクティブ・ノードにアクセスするには、中間層コンポーネント、アプリケーションなどのクライアントは、OracleAS Cold Failover Clusterに関連付けられた仮想ホスト名を使用します。仮想ホスト名は、アクティブ・ノード(正常動作時にはノード1、ノード1が停止した場合はノード2)に関連付けられます。どちらのノード(プライマリまたはセカンダリ)がリクエストを処理しているかを、クライアントが知る必要はありません。
インフラストラクチャにアクセスするURLに仮想ホスト名を使用することもできます。たとえば、vhost.mydomain.com
が仮想ホストの名前である場合は、Oracle HTTP ServerおよびApplication Server ControlのURLは次のようになります。
次のもののURL | URLの例 |
---|---|
Oracle HTTP Server、「ようこそ」ページ |
http://vhost.mydomain.com:7777 |
Oracle HTTP Server、セキュア・モード |
https://vhost.mydomain.com:4443 |
Application Server Control |
http://vhost.mydomain.com:1156 |
Cold Failover ClusterデータベースにOracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成を作成するには、次の手順を実行します。
手順 | 説明 | |
---|---|---|
1. |
インストール前の作業の詳細は、8.2項を参照してください。内容は次のとおりです。 |
|
2. |
既存のCold Failover ClusterデータベースにOracleAS Metadata Repositoryをインストールします。 |
|
3. |
Oracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。 |
次の手順を実行して、Oracle Application ServerをOracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成にインストールします。
8.2項「OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順」に示すインストール前の手順を実行します。
OracleAS RepCAを使用して、OracleAS Metadata Repositoryを既存のデータベースにインストールします。詳細は、Oracle Application Server Metadata Repository Creation Assistantのユーザーズ・ガイドを参照してください。
既存のデータベースがない場合は、インストーラを使用して作成できます。仮想ホスト名を使用してデータベースを作成する必要があることに注意してください。データベースは、アクティブ-パッシブ構成で(通常はハードウェア・クラスタ上で)実行する必要があります。詳細は、8.8項「OracleAS Cold Failover Cluster環境へのOracleAS Metadata Repositoryのみのインストール」を参照してください。
Oracle Identity Managementは、他の共有ディスクにインストールします。表8-5に示すインストール手順に従います。
注意:
インストーラの画面
画面 | 操作 | |
---|---|---|
1. |
-- |
インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、4.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。 「インストール・タイプの選択」画面で、「Oracle Identity Management」を選択します。 |
2. |
構成オプションの選択 |
「Oracle Internet Directory」を選択します。 「Oracle Application Server Single Sign-On」を選択します。 「Oracle Application Server Delegated Administration Services」を選択します。 「Oracle Directory Integration Platform」を選択します。 認証局が必要な場合は、「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択します。 「次へ」をクリックします。 |
3. |
ポート構成オプションの指定 |
コンポーネントにデフォルトのポートを使用する場合は、「自動」を選択します。 staticports.iniファイルをすでに作成していて、デフォルトのポートを使用しない場合は、「手動」を選択し、指定されたフィールドでstaticports.iniファイルへのフルパスを入力します。 「次へ」をクリックします。 |
4. |
リポジトリの指定 |
ユーザー名: OracleAS Metadata Repositoryデータベースにログインするために使用するユーザー名を入力します。ユーザーは、DBA権限を持っている必要があります。
ホスト名とポート: データベースが稼働しているコンピュータの名前を入力し、そのコンピュータがリスニングしているポートのポート番号を入力します。書式には、 サービス名: データベースのサービス名を入力します。サービス名には、データベースのドメイン名が含まれている必要があります。 「次へ」をクリックします。 |
5. |
高可用性またはレプリケーション・オプションの選択 |
「仮想ホスト」を選択し、「次へ」をクリックします。 |
6. |
Internet Directoryのネームスペースの指定 |
推奨されるネームスペースを選択するか、またはデフォルトのOracle Identity Managementレルムの場所のカスタム・ネームスペースを入力します。 「推奨されるネームスペース:」に表示された値が配置要件を満たしていることを確認します。要件を満たさない場合は、「カスタム・ネームスペース:」に必要な値を入力します。詳細は、4.16項「「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面での入力」を参照してください。 「次へ」をクリックします。 |
7. |
仮想ホストの指定 |
注意: これは、インフラストラクチャをOracleAS Cold Failover Clusterにインストールするときに重要な画面です。この画面が表示されない場合は、次の項目を確認してください。
仮想ホスト名: OracleAS Cold Failover Cluster構成の仮想ホスト名を入力します。 「次へ」をクリックします。 |
8. |
OCAの画面 |
「構成オプションの選択」画面で「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択した場合は、OCAを構成するための画面が表示されます。詳細は、4.30項「インストールの一部: OCAの画面」を参照してください。 |
9. |
インスタンス名とias_adminパスワードの指定 |
インスタンス名: インフラストラクチャ・インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、3.5項「Oracle Application Server インスタンスとインスタンス名」を参照してください。 「ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを設定します。これはインスタンスの管理ユーザーです。パスワードの制限については、3.6項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。 「次へ」をクリックします。 |
10. |
-- |
インストールを終了します。詳細は、4.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 |
この構成は、次のような場合に適しています。
図8-4に、分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成を示します。
この構成内容は次のとおりです。
この層では、正常動作時は、アクティブ・ノードが共有ディスクをマウントしてOracle Identity Managementおよびデータベースにアクセスし、Oracle Internet Directory、Oracle Directory Integration Platformおよびデータベース・プロセスを実行して、すべてのリクエストを処理します。
なんらかの理由でアクティブ・ノードが停止すると、クラスタウェアはプロセスをセカンダリ・ノード(ノード2)にフェイルオーバーします。ノード2が新しいアクティブ・ノードになり、共有ディスクをマウントしてプロセスを実行し、すべてのリクエストを処理します。
中間層コンポーネントおよびアプリケーションが格納されているアクティブ・ノードやクライアントにアクセスするには、仮想ホスト名を使用します。仮想ホスト名は、アクティブ・ノード(正常動作時はプライマリ・ノード、フェイルオーバー時はセカンダリ・ノード)に関連付けられています。どちらのノード(プライマリまたはセカンダリ)がリクエストを処理しているかを、クライアントが知る必要はありません。
アクティブ・ノードにアクセスするには、URLに仮想ホスト名を使用する必要があります。たとえば、vhost.mydomain.com
が仮想ホスト名である場合、この層でのOracle HTTP ServerおよびApplication Server ControlのURLは次のようになります。
次のもののURL | URLの例 |
---|---|
Oracle HTTP Server、「ようこそ」ページ |
http://vhost.mydomain.com:7777 |
Oracle HTTP Server、セキュア・モード |
https://vhost.mydomain.com:4443 |
Application Server Control |
http://vhost.mydomain.com:1156 |
この層のノードはクラスタ化されないことに注意してください。両方のノードは同時にアクティブであり、ファイルは各ノードでローカルにインストールします。これらのノードにアクセスするために、クライアントはロード・バランサを介します。たとえば、ロード・バランサの名前がloadbalance1.mydomain.com
である場合、この層でのOracle HTTP ServerおよびApplication Server ControlのURLは次のようになります。
次のもののURL | URLの例 |
---|---|
Oracle HTTP Server、「ようこそ」ページ |
http://vhost.mydomain.com:7777 |
Oracle HTTP Server、セキュア・モード |
https://vhost.mydomain.com:4443 |
Application Server Control |
http://vhost.mydomain.com:1156 |
Cold Failover Clusterデータベースに分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成を作成するには、次の手順を実行します。
手順 | 説明 | |
---|---|---|
1. |
インストール前の作業の詳細は、8.2項を参照してください。内容は次のとおりです。 |
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2. |
既存のCold Failover ClusterデータベースにOracleAS Metadata Repositoryをインストールします。 |
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3. |
Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformのインストール |
Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformコンポーネントをインストールします。 |
4. |
OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール |
OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesコンポーネントをインストールします。 |
8.2項「OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順」に示すインストール前の手順を実行します。
OracleAS RepCAを使用して、OracleAS Metadata Repositoryを既存のデータベースにインストールします。詳細は、Oracle Application Server Metadata Repository Creation Assistantのユーザーズ・ガイドを参照してください。
既存のデータベースがない場合は、インストーラを使用して作成できます。仮想ホスト名を使用してデータベースを作成する必要があることに注意してください。詳細は、8.8項「OracleAS Cold Failover Cluster環境へのOracleAS Metadata Repositoryのみのインストール」を参照してください。
Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformコンポーネントは、共有ディスクにインストールします。表8-7に示すインストール手順に従います。
注意:
インストーラの画面
画面 | 操作 | |
---|---|---|
1. |
-- |
インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、4.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。 「インストール・タイプの選択」画面で、「Identity Management」を選択します。 |
2. |
構成オプションの選択 |
「Oracle Internet Directory」を選択します。 「Oracle Application Server Single Sign-On」は選択しないでください。 「Oracle Application Server Delegated Administration Services」は選択しないでください。 「Oracle Directory Integration Platform」を選択します。 「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」は選択しないでください。 「次へ」をクリックします。 |
3. |
ポート構成オプションの指定 |
コンポーネントにデフォルトのポートを使用する場合は、「自動」を選択します。 staticports.iniファイルをすでに作成していて、デフォルトのポートを使用しない場合は、「手動」を選択し、指定されたフィールドでstaticports.iniファイルへのフルパスを入力します。 「次へ」をクリックします。 |
4. |
リポジトリの指定 |
ユーザー名: OracleAS Metadata Repositoryデータベースにログインするために使用するユーザー名を入力します。ユーザーは、DBA権限を持っている必要があります。
ホスト名とポート: データベースが稼働しているコンピュータの名前を入力し、そのコンピュータがリスニングしているポートのポート番号を入力します。書式には、 サービス名: データベースのサービス名を入力します。サービス名には、データベースのドメイン名が含まれている必要があります。 「次へ」をクリックします。 |
5. |
高可用性またはレプリケーション・オプションの選択 |
「仮想ホスト」を選択し、「次へ」をクリックします。 |
6. |
Internet Directoryのネームスペースの指定 |
推奨されるネームスペースを選択するか、またはデフォルトのOracle Identity Managementレルムの場所のカスタム・ネームスペースを入力します。 「推奨されるネームスペース:」に表示された値が配置要件を満たしていることを確認します。要件を満たさない場合は、「カスタム・ネームスペース:」に必要な値を入力します。詳細は、4.16項「「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面での入力」を参照してください。 「次へ」をクリックします。 |
7. |
仮想ホストの指定 |
注意: これは、インフラストラクチャをOracleAS Cold Failover Clusterにインストールするときに重要な画面です。この画面が表示されない場合は、次の項目を確認してください。
仮想ホスト名: OracleAS Cold Failover Cluster構成の仮想ホスト名を入力します。 「次へ」をクリックします。 |
8. |
インスタンス名とias_adminパスワードの指定 |
インスタンス名: インフラストラクチャ・インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、3.5項「Oracle Application Server インスタンスとインスタンス名」を参照してください。 「ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを設定します。これはインスタンスの管理ユーザーです。パスワードの制限については、3.6項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。 「次へ」をクリックします。 |
9. |
-- |
インストールを終了します。詳細は、4.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 |
これらのコンポーネントをOracleAS Cluster(Identity Management)構成でインストールします。この構成では、各ノードのローカル・ディスクにインストールします。これらのインストールは、個別に行います。
インストール前の手順: このインストールは、実際はOracleAS Cluster(Identity Management)のインストールであるため、第9章「高可用性環境へのインストール: OracleAS Cluster(Identity Management)」に示すOracleAS Cluster(Identity Management)の設定手順に従うことができます。
インストール手順: インストール手順は、9.6.5項「各ノードへのOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール」を参照してください。
この項で説明する構成は、8.4項「分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成のインストール」で説明した構成に類似しています。相違点は、この項で説明する構成で、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration ServicesがOracleAS Cold Failover Cluster構成で実行される点です。
2セットのクラスタ・ノードが必要です。詳細は、図8-5を参照してください。1つのセットでOracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryを実行し、もう1つのセットでOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onを実行します。
各セットには、共有記憶域および仮想ホスト名が必要です。Oracle Application Serverの様々なコンポーネントのOracleホームを共有記憶域にインストールします。
手順 | 説明 | |
---|---|---|
1. |
インストール前の作業の詳細は、8.2項を参照してください。内容は次のとおりです。
|
|
2. |
必要に応じて、2つのstaticports.iniファイルを作成します。ノードの各セットで1つずつです。 |
|
3. |
OracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryのインストール |
ノード1から共有ディスクにOracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryをインストールします。 手順は、「構成オプションの選択」画面で「Oracle Application Server Single Sign-On」および「Oracle Application Server Delegated Administration Services」を選択しないこと以外は、手順2「OracleAS Infrastructureのインストール」と同じです。 |
4. |
ノード3からのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onのインストール |
ノード3から共有ディスクにOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onをインストールします。 |
5. |
ノード1からOracleAS Infrastructureプロセスを停止します。 |
|
6. |
ノード3からOracleAS Infrastructureプロセスを停止します。 |
|
7. |
このインストール後の手順ではCSSデーモンを構成します。この手順は、OracleデータベースのASM(自動ストレージ管理)機能を使用していて、既存のOracleデータベースがない場合にのみ必要です。 |
8.2項「OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順」に示すインストール前の手順を実行します。
必要に応じて、2つのstaticports.iniファイルを設定します。ノードの各セットで1つずつです。 staticports.iniについては、2.7.3項「カスタムのポート番号の使用(「静的ポート」機能)」を参照してください。
「インストール・タイプの選択」画面で「Identity Management and OracleAS Metadata Repository」を選択して、OracleAS Metadata RepositoryとOracle Internet Directoryを同じOracleホームにインストールします。このオプションにより、OracleAS Metadata Repository用の新規のデータベースと新規のOracle Internet Directoryが作成されます。
この手順は、次に示す相違点以外は、手順2「OracleAS Infrastructureのインストール」と同じです。
次のコンポーネントは選択しないでください。
表8-9の手順に従い、ノード3から共有ディスクにOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onをインストールします。
注意:
表8-9 Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onのインストール
画面 | 操作 | |
---|---|---|
1. |
-- |
インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、4.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。 「インストール・タイプの選択」画面で、「Oracle Identity Management」を選択します。 |
2. |
構成オプションの選択 |
「Oracle Internet Directory」は選択しないでください。 「Oracle Application Server Single Sign-On」を選択します。 「Oracle Application Server Delegated Administration Services」を選択します。 「Oracle Directory Integration Platform」は選択しないでください。 「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」は選択しないでください。 「次へ」をクリックします。 |
3. |
ポート構成オプションの指定 |
「手動」を選択し、表示されたフィールドにstaticports.iniファイルへのフルパスを入力します。staticports.iniファイルは、手順2 「(オプション)staticports.iniファイルの作成」で作成しました。 「次へ」をクリックします。 |
4. |
高可用性オプションの選択 |
「仮想ホスト」を選択し、「次へ」をクリックします。 |
5. |
Oracle Internet Directoryへの登録 |
以前にインストールしたOracle Internet Directoryの接続情報を入力します。 ホスト名: Oracle Internet Directoryのホストにアクセスする仮想ホスト名を入力します。 SSLポート: Oracle Internet DirectoryがリスニングしているSSLポートのポート番号を入力します。ポート番号がわからない場合は、4.17項「コンポーネントが使用するポート番号の確認方法」を参照してください。 「次へ」をクリックします。 |
6. |
Oracle Internet Directoryへのログインの指定 |
ユーザー名: Oracle Internet Directoryにログインするためのユーザー名を入力します。 レルム: ユーザー名の妥当性を検証するレルムを入力します。このフィールドは、Oracle Internet Directoryに複数のレルムがある場合にのみ表示されます。 「次へ」をクリックします。 |
7. |
仮想ホストの指定 |
注意: これは、OracleAS Cold Failover Clusterにインストールする際の重要な画面です。この画面が表示されない場合は、次の項目を確認してください。
仮想ホスト名: OracleAS Cold Failover Cluster構成の仮想ホスト名を入力します。 「次へ」をクリックします。 |
8. |
インスタンス名とias_adminパスワードの指定 |
インスタンス名: インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、3.5項「Oracle Application Server インスタンスとインスタンス名」を参照してください。 「ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを設定します。これはインスタンスの管理ユーザーです。パスワードの制限については、3.6項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。 「次へ」をクリックします。 |
9. |
-- |
インストールを終了します。詳細は、4.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 |
OracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet DirectoryをインストールしたOracleホームで実行しているプロセスを停止します。
prompt> ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
prompt> ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
orcl
など)。
prompt> ORACLE_HOME/bin/sqlplus /nolog SQL> connect SYS as SYSDBA SQL> shutdown SQL> quit
prompt> ORACLE_HOME/bin/lsnrctl stop
prompt> ORACLE_HOME/bin/emctl stop dbconsole
Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-OnをインストールしたOracleホームで実行しているプロセスを停止します。
prompt> ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
prompt> ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
この手順は、次の両方の要件を満たしている場合にのみ必要です。
これらの要件を満たしている場合は、他のノードでCSSデーモンを構成する必要があります。CSSデーモンによって、ASMインスタンスと、データベース・ファイル記憶域にASMインスタンスを使用するデータベース・インスタンスが同期化されます。
CSSデーモンを構成するには、次の手順を実行します。
# /etc/init.d/init.cssd stop
# $ORACLE_HOME/root.sh
ORACLE_HOMEは、OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)をインストールした場所です。
この項では、OracleAS Metadata Repositoryを新しいデータベースをインストールする(インストーラによって、新しいデータベースが作成され、OracleAS Metadata Repositoryが移入される)方法について説明します。このデータベースは、OracleAS Cold Failover Cluster環境で使用できます。
前提条件:
表8-10 OracleAS Metadata Repositoryのみのインストール
画面 | 操作 | |
---|---|---|
1. |
-- |
インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、4.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。 注意: |
2. |
構成オプションの選択 |
「次へ」をクリックします。 |
3. |
高可用性オプションの選択 |
「次へ」をクリックします。 |
4. |
Oracle Application Server Metadata Repositoryの登録 |
Oracle Internet Directoryがすでにあり、その接続情報がわかっている場合は、「はい」を選択し、Oracle Internet Directoryが実行されているコンピュータの名前とポート番号を入力します。ポート番号がわからない場合は、4.17項「コンポーネントが使用するポート番号の確認方法」を参照してください。 Oracle Internet DirectoryにはSSL接続のみ使用: Oracle Application ServerコンポーネントがOracle Internet Directoryへの接続にSSLのみを使用するようにする場合は、このオプションを選択します。 Oracle Internet Directoryがない場合、またはその接続情報がわからない場合は、「いいえ」を選択します。 「次へ」をクリックします。 |
5. |
Oracle Internet Directoryに対するログインの指定 |
この画面は、前の画面で「はい」を選択した場合にのみ表示されます。 ユーザー名: Oracle Internet Directoryへログインするためのユーザー名を入力します。ユーザーは、Oracle Internet DirectoryのiAS Adminsグループに属している必要があります。 レルム: このフィールドは、Oracle Internet Directoryに複数のレルムがある場合にのみ表示されます。ユーザーの認証に使用するレルムの名前を入力します。 「次へ」をクリックします。 |
6. |
仮想ホストの指定 |
「次へ」をクリックします。 |
7. |
Oracle Databaseの画面 |
OracleAS Metadata Repositoryデータベースの情報を入力します。詳細は、4.29項「インストールの一部: Databaseの画面」を参照してください。 |
8. |
-- |
インストールを終了します。詳細は、4.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 |
ORACLE_HOME/Apache/Apache/htdocs/index.html
ファイルで、すべての物理ホスト名(node1
など)を仮想ホスト名(vhost
)に変更します。ここで、node1
はホスト名を示します。
node1
がOracle Application Serverインスタンス名の一部として使用されている場合は、変更しないでください。
OracleAS Infrastructureのインストールが完了した後に、インストールを実行したノードからOracleAS Cold Failover Cluster内の他のノードに/var/opt/oracle
ディレクトリをコピーします。これによって、クラスタ内の各ノードからインストーラを実行して、Oracleホームを更新できるようになります。
2つの/var/opt/oracle
ディレクトリを同期された状態にします。インストーラを実行してインフラストラクチャを更新するときは、常に、oracle
ディレクトリを他のノードにコピーする必要があります。
/var/opt/oracle
ディレクトリは、Oracle Application Serverによって実行時には使用されません。このファイルはインストーラのみが使用します。
Cold Failover Clusterデータベースに対してデータベース・コンソールの起動、停止またはステータスの確認を行う前に、ORACLE_HOSTNAME環境変数を仮想ホスト名に設定する必要があります。たとえば、図8-1では、仮想ホスト名はvhost.mydomain.comです。ORACLE_HOSTNAMEを次のように設定します。
Cシェル:
$ setenv ORACLE_HOSTNAME vhost.mydomain.com
Bourne/Kornシェル:
% ORACLE_HOSTNAME=vhost.mydomain.com % export ORACLE_HOSTNAME
変数を設定した後に、emctl
action
dbconsole
コマンドを実行できます。action
は、start
、stop
またはstatus
です(emctl start dbconsole
など)。
OracleAS Cold Failover Cluster環境では、OracleAS Infrastructureの手動フェイルオーバーのフレームワークが提供されます。自動フェイルオーバーを行うには、クラスタウェアを使用するエージェントを設定する必要があります。自動フェイルオーバーの例には、プライマリ・ノードのハートビートを監視するようにセカンダリ・ノードを設定し、プライマリ・ノードの停止を検出したら、仮想IPアドレス、共有記憶域およびすべてのOracleAS Infrastructureプロセスがセカンダリ・ノードにフェイルオーバーするなどがあります。
この項では、OracleAS Cold Failover Cluster InfrastructureにCold Failover Cluster構成ではない中間層をインストールする方法について説明します。
OracleAS Cold Failover Clusterで非Cold Failover Clusterの中間層がOracleAS Infrastructureとともに動作するためには、クラスタ外のコンピュータまたはクラスタ内のノードに中間層をインストールできます。
非Cold Failover Clusterの中間層をOracleAS Cold Failover Clusterのノード(プライマリまたはセカンダリ)にインストールする場合は、中間層をインストールする前に次のタスクを実行します。
中間層で使用されるポートが、インフラストラクチャで使用されるポートと同じでないようにします。これは、インフラストラクチャがプライマリ・ノードからセカンダリ・ノード(またはこの逆)にフェイルオーバーすることがあり、いずれのノードでもポートの競合が発生しないようにするためです。両方のノード上のインフラストラクチャに同じポートを確保する必要があります。
中間層をインストールするノードでインフラストラクチャが実行中の場合は、インストーラはどのポートが使用されているかを検出して、中間層に別のポートを選択します。たとえば、インフラストラクチャがプライマリ・ノードで実行されており、中間層をインストールするためにインストーラをプライマリ・ノードで実行する場合は、インストーラによって別のポートが中間層に割り当てられます。
ただし、中間層をインストールするのとは異なるノードでインフラストラクチャが実行されている場合は、インストーラはインフラストラクチャがどのポートを使用しているかを検出できません。たとえば、インフラストラクチャがプライマリ・ノード上で実行されていて、中間層をセカンダリ・ノードにインストールする場合は、インストーラはインフラストラクチャがどのポートを使用しているかを検出できません。この場合、中間層用のポート番号を指定するためにstaticports.ini
ファイルを設定する必要があります。詳細は、2.7.3項「カスタムのポート番号の使用(「静的ポート」機能)」を参照してください。
インフラストラクチャが使用しているポートは、ORACLE_HOME/install/portlist.ini
ファイルで確認できます。ここで、ORACLE_HOMEは、インフラストラクチャをインストールしたディレクトリです。
インフラストラクチャで使用されているものと同じインベントリ・ディレクトリを使用するかわりに、中間層が独自のインベントリ・ディレクトリを持つように環境を設定します。これを行うには、/var/opt/oracle
ディレクトリの名前を他の名前に変更して、インストーラによって新しいインベントリ・ディレクトリの入力が要求されるようにする必要があります。次の例では、その名前をoracle.infra
に変更します。
prompt> su Password: root_password # cd /var/opt # mv oracle oracle.infra
インストーラによりインベントリ・ディレクトリの入力が要求されたら、ローカル記憶域のディレクトリ、またはOracleAS Infrastructureがインストールされたディスク以外のディスクのディレクトリを指定します。
中間層のインストールが完了したら、次のようにして名前を変更します。
prompt> su Password: root_password # cd /var/opt # mv oracle oracle.mt see (1) # mv oracle.infra oracle see (2)
(1)このコマンドは、インストーラを使用して中間層をインストールした際に作成されたoracle
ディレクトリの名前を変更します。
(2)このコマンドは、oracle.infra
ディレクトリの名前をoracle
に戻します。
/var/opt/oracle
ディレクトリは、Oracle Application Serverの実行時には使用されません。これが必要となるのは、インストーラを実行するときのみです(たとえば、インスタンスを削除したり拡張する場合など)。
インストーラを実行する前に、正しいoracle
ディレクトリが配置されていることを確認します。
OracleAS Cold Failover Cluster内のOracleAS Infrastructureに中間層をインストールするには、中間層のリリース用のOracle Application Serverインストレーション・ガイドに記載された中間層のインストール手順に従います。ただし、次の点を除きます。
コールド・フェイルオーバー・クラスタ構成でない中間層をOracleAS Cold Failover Cluster Infrastructureと同じノードにインストールする場合、中間層で使用するポートは、同じクラスタにインストールされているOracleAS Infrastructureで使用するポートとは異なる必要があります。また、ポートは、同じノードの他のOralceホームで使用するポートと異なる必要があります。Oracleホームのコンポーネントに割り当てられたポートを確認するには、Application Server Controlコンソールの「ポート」ページを確認します。
中間層をインストールする場合は、staticports.ini
ファイルを使用する必要があります。詳細は、2.7.3項「カスタムのポート番号の使用(「静的ポート」機能)」を参照してください。
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