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Oracle Identity Management 統合ガイド
10g(10.1.4.2)

E05894-01
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6 ディレクトリ同期プロファイルの構成

この章では、Oracle Directory Integration Platformへのコネクタの登録方法と、マッピング・ルール属性の書式設定方法について説明します。内容は次のとおりです。

Oracle Directory Integration Platformでのコネクタの登録

コネクタは、Oracle Internet Directoryに登録してから配置します。この登録には、ディレクトリにエントリとして格納されるディレクトリ同期プロファイルの作成作業が含まれます。

ディレクトリ統合プロファイルを作成するには、次のいずれかのツールを使用します。

同期プロファイル・エントリの属性は、オブジェクト・クラスorclodiProfileに属します。ただし、orclodiplastappliedchangenumber属性のみはorclchangesubscriberオブジェクト・クラスに属します。

プラットフォーム関連のクラスと属性には、オブジェクト識別子の接頭辞2.16.840.1.113894.7が割り当てられます。

ディレクトリ内の様々な同期プロファイル・エントリが、コンテナcn=subscriber profile,cn=changelog subscriber,cn=oracle internet directoryの下に作成されます。たとえば、OracleHRAgentというコネクタは、orclodipagentname=OracleHRAgent,cn=subscriber profile,cn=changelog subscriber,cn=oracle internet directoryとして、ディレクトリに格納されます。

同期プロファイルのサンプル

Oracle Directory Integration Platformをインストールすると、次のものに対するインポートおよびエクスポートの同期プロファイルのサンプルが、自動的に作成されます。

サンプル・プロファイルの作成に使用されるプロパティ・ファイルとマッピング・ファイルは、$ORACLE_HOME/ldap/odi/samplesディレクトリおよび$ORACLE_HOME/ldap/odi/confディレクトリにあります。

接続詳細の構成

サード・パーティ・ディレクトリは、Directory Integrationアシスタント(dipassistant)でExpress構成オプションを使用して構成できます。この方法を使用すると、接続詳細を入力として指定できます。構成方法として、この方法をお薦めします。

インストール時に用意されたテンプレート・プロパティ・ファイルに基づいて、プロファイルを作成することもできます。これを行う場合、プロファイルのodip.profile.condirurlodip.profile.condiraccountおよびodip.profile.condirpasswordの各プロパティに接続詳細を指定する必要があります。接続詳細の指定に加えて、サード・パーティ・ディレクトリのユーザー・アカウントに、ユーザーおよびグループ情報の読取りに必要な権限があることを確認する必要もあります。

Microsoft Active Directoryでは、ユーザー・アカウントに、変更の監視対象となっているフォレストのすべてのドメインに対して、ディレクトリ変更をレプリケートする権限があることを確認する必要もあります。これは、次のいずれかの方法により実行できます。

この権限を管理者以外のユーザーに付与するには、Microsoft Help and Support(http://support.microsoft.com/)の記事「How to Grant the 'Replicating Directory Changes' Permission for the Microsoft Metadirectory Services ADMA Service Account」の「More Information」の項の指示に従います。

ディレクトリ同期プロファイルの最も重要な部分のいくつかには、表6-1に示すプロパティに指定する接続詳細が含まれます。

表6-1    接続詳細のプロパティ 
プロパティ  説明 

odip.profile.condirurl 

接続ディレクトリのURL

  • LDAPディレクトリに接続するには、host:portの形式を使用します。

  • SSLモードで接続するには、host:port:1の形式を使用します。

  • データベースに接続するには、host:port:sidの形式を使用します。

 

odip.profile.condiraccount 

サード・パーティ・ディレクトリへの接続に使用される識別名またはアカウント名 

odip.profile.condirpassword 

サード・パーティ・ディレクトリへの接続に使用されるパスワード 


注意

  • 指定するアカウント情報には、接続するディレクトリでの十分な権限が必要です。

  • LDIFまたはタグ付きデータ形式を使用している場合には、アカウント名とパスワードのプロパティは不要です。

 

追加構成情報

同期プロファイルの「追加構成情報」(orclodipAgentConfigInfo)属性には、コネクタでOracle Internet Directoryと接続ディレクトリの同期化を行うために必要な追加の構成情報が格納されます。必須ではありませんが、次のパラメータを「追加構成情報」属性とともに使用すると、同期の効率を大幅に向上させることができます。

「追加構成情報」属性の変更には、Oracle Directory Integration Server管理ツールまたはOracle Directory Managerを使用できません。かわりに、Directory Integrationアシスタント(dipassistant)を使用します。

関連資料

 

SearchDeltaSizeパラメータ

SearchDeltaSizeパラメータにより、同期サイクルの各反復中に処理される増分変更数が決まります。デフォルトでは、SearchDeltaSizeパラメータに500の値が割り当てられています。各同期サイクル中に実行される反復の回数は、保留中の変更数によって異なります。たとえば、SearchDeltaSizeパラメータに500の値が割り当てられていて保留中の変更が498ある場合、同期に必要な反復は1回です。しかし、保留中の変更が501ある場合は、同期に必要な反復は2回となります。場合によっては、このパラメータにより大きな値を指定すると、同期の効率が向上します。ただし、指定する値が接続ディレクトリ・サーバーのLDAP検索制限を超えないようにしてください。制限を超えると、同期中にエラーが発生し、一部の変更が処理されない可能性があります。


注意

SearchDeltaSizeパラメータを変更する際、特に2,000を超える値を指定する場合は、必ず配置を十分に分析し、テストしてください。 


SkipErrorToSyncNextChangeパラメータ

SkipErrorToSyncNextChangeパラメータにより、同期中に変更を処理するときにOracle Directory Integration Serverでエラーを処理する方法が決まります。デフォルトでは、SkipErrorToSyncNextChangeパラメータにfalseの値が割り当てられ、Oracle Directory Integration Serverはエラーが解決されるまで変更の処理を続行します。SkipErrorToSyncNextChangeパラメータにtrueの値を指定すると、Oracle Directory Integration Serverはエラーの原因となる変更をスキップします。失敗はすべて$ORACLE_HOME/ldap/odi/log/profile_name.aud監査ログ・ファイルに記録されます。SkipErrorToSyncNextChangeパラメータにtrueの値を指定しない場合は、失敗がないか監査ログを必ず定期的に調べてください。

関連項目

「同期に関するトラブルシューティング」 

UpdateSearchCount

UpdateSearchCountパラメータは、同期プロセス中に接続ディレクトリで実行する反復の最大回数を指定します。同期プロセスは、指定された回数の検索が実行されると停止し、次にスケジュールされた間隔に再開します。

マッピング・ルールの構成

この項では、マッピング・ルールの構成方法について説明します。内容は次のとおりです。

マッピング・ルール属性を使用して、ソースから宛先へエントリを変換する方法を指定します。Oracle Internet Directoryは、ソースまたは宛先のいずれかである必要があります。エントリを変換する際のマッピング・ルールには、ドメイン・ルール、属性ルールおよびリコンシリエーション・ルールの3種類があります。これらのマッピング・ルールにより、識別名マッピング、属性レベル・マッピングおよびリコンシリエーション・ルールを指定できます。リコンシリエーション・ルールは、Novell eDirectoryとOpenLDAPでのみ使用されます。リコンシリエーション・ルールの使用方法の詳細は、第22章「Novell eDirectoryまたはOpenLDAPとの統合」を参照してください。

マッピング・ルールは固定表形式で編成されます。この形式には慎重に従う必要があります。DomainRulesという語のみが指定されている行と、3つの番号記号(###)のみが指定されている行の間に、マッピング・ルールの各セットが記述されます。各ルール内のフィールドは、コロン(:)で区切られます。

DomainRules
srcDomainName1: [dstDomainName1]: [DomainMappingRule1]
srcDomainName2: [dstDomainName2]: [DomainMappingRule2]
AttributeRules
srcAttrName1:[ReqAttrSeq]:[SrcAttrType]:[SrcObjectClass]:[dstAttrName1]:
[DstAttrType]:[DstObjectClass]:[AttrMappingRule1]
srcAttrName1,srcAttrName2:[ReqAttrSeq]:[SrcAttrType]:[SrcObjectClass]:
[dstAttrName2]:[DstAttrType]:[DstObjectClass]:[AttrMappingRule2]
###

この例のsrcAttrName1srcAttrName2を拡張するには、それぞれ改行なしで1行に記述する必要があります。

識別名マッピング

この項では、Oracle Internet Directoryと接続ディレクトリ間でエントリをマップする方法を指定します。Oracle Internet Directoryと別のLDAPディレクトリ間のマッピングの場合は、「マッピング・ルールの構成」で説明されているように、複数のマッピング・ルールを作成できます。ドメイン・ルールは、キーワードDomainRulesのみが指定されている行の後に指定されます。各ドメイン・ルールは、コロンで区切られたコンポーネントで表現されます。これらのコンポーネントの詳細は表6-2を参照してください。

表6-2    ドメイン・ルールのコンポーネント 
コンポーネント名  説明 

SrcDomainName 

関係のあるドメインまたはコンテナの名前。LDAPおよびLDIF以外のソースには、NONLDAPを指定します。 

DstDomainName 

宛先に関係のあるドメイン名。このコンポーネントは、宛先ディレクトリ内のエントリのコンテナが、ソース・ディレクトリでのコンテナと異なる場合に指定します。

SrcDomainNameに割り当てられた値がLDAPまたはLDIFドメインの場合、このフィールドも同じ値を継承します。ただし、SrcDomainNameに割り当てられた値がLDAPまたはLDIFドメイン以外の場合、エントリの作成場所となるコンテナを指定する必要があります。

未指定の場合、このフィールドは有効な状態にあるSrcDomainNameの値を継承します。LDAPおよびLDIF以外の宛先には、NONLDAPを指定します。インポートとエクスポートは、常にOracle Internet Directoryを参照するため、NONLDAP:NONLDAPの組合せは許可されません。  

DomainMappingRule 

このルールは、ソース・ドメイン名またはAttributeRulesに指定されている属性(あるいはその両方)から、宛先識別名を構成するために使用されます。このフィールドの形式は、通常、cn=%,l=%,o=oracle,dc=comです。これらの指定は、エントリをディレクトリ内の異なるドメインまたはコンテナに配置するために使用されます。LDAP以外のソースの場合、このルールにより、ディレクトリにエントリを追加できるようターゲット識別名を構成する方法を指定します。

このフィールドは、Oracle Internet Directoryへのインポート、またはLDIFファイルまたは他の外部LDAP準拠ディレクトリへのエクスポートの場合にのみ有効です。このコンポーネントは、宛先ディレクトリ内のエントリのいずれかの識別名が、ソース・ディレクトリのエントリの識別名と異なる場合に指定します。

このコンポーネントは、LDAPからLDIF、LDAPからLDAP、またはLDIFからLDAPへの同期の場合はオプションです。未指定の場合、ソース・ドメイン名と宛先ドメイン名は同じと考えられます。 

例6-1    識別名マッピングの例

Distinguished Name Rules
%USERBASE INSOURCE%:%USERBASE ATDEST%:

USERBASEは、サード・パーティ・ディレクトリのユーザーおよびグループのマップ元のコンテナを指します。通常、これは、サード・パーティ・ディレクトリ・ドメインのルートの下にあるusersコンテナです。

例6-2    1対1識別名マッピングの例

1対1マッピングを行うには、サード・パーティ・ディレクトリの識別名がOracle Internet Directoryの識別名と一致する必要があります。この例では、サード・パーティ・ディレクトリの識別名がOracle Internet Directoryの識別名に一致します。具体的には、次の条件を満たしている必要があります。

サード・パーティ・ディレクトリの識別名がOracle Internet Directoryの識別名と一致するため、ディレクトリ間の1対1識別名マッピングが行われます。

dc=us,dc=mycompany,dc=comの下のcn=usersコンテナのみを同期化する場合、ドメイン・マッピング・ルールは次のとおりです。

Distinguished Name Rules
cn=users,dc=us,dc=mycompany,dc=com:cn=users,dc=us,dc=mycompany,dc=com 

このルールでは、cn=users,dc=us,dc=mycompany,dc=comの下のすべてのエントリが同期化されます。ただし、このコンテナの下で同期化されるオブジェクトのタイプは、識別名マッピング・ルールに従う属性レベルのマッピング・ルールによって決まります。

cn=users,dc=us,dc=mycompany,dc=comの下のエントリcn=groups,dc=us,dc=mycompany,dc=comを同期化する場合、ドメイン・マッピング・ルールは次のとおりです。

cn=groups,dc=us,dc=mycompany,dc=com: cn=users,dc=us,dc=mycompany,dc=com

関連項目

この章の終わりにあるマッピング・ファイルの例 

属性レベル・マッピング

属性ルールは、キーワードAttributeRulesのみが指定されている行の後に指定されます。属性ルールにより、エントリのプロパティ値が2つのLDAPディレクトリ間で、どのように関係付けられるかを指定します。たとえば、あるディレクトリのユーザー・オブジェクトのcn属性は、別のディレクトリのgivennameオブジェクトにマップできます。同様に、あるディレクトリのグループ・オブジェクトのcn属性は、別のディレクトリのdisplayname属性にマップできます。各属性ルールは、コロンで区切られたコンポーネントで表現されます。これらのコンポーネントの詳細は表6-3を参照してください。属性ルールの指定は、3つの番号記号(###)のみが指定されている行で終わります。

表6-3    属性ルールのコンポーネント 
コンポーネント名  説明 

SrcAttrName 

LDAP準拠ディレクトリのリポジトリの場合、このパラメータは変換する属性の名前を意味します。

Oracle Databaseのリポジトリの場合、このパラメータは、SrcClassNameで指定された表のColumnNameを意味します。

他のリポジトリの場合、このパラメータは適切に解釈されます。 

ReqAttrSeq 

ソース属性を宛先に渡す必要があるかどうかを示します。エントリをOracle Internet Directoryと接続ディレクトリ間で同期化する場合は、一部の属性を同期キーとして使用する必要があります。このフィールドは、指定した属性がキーとして使用されているかどうかを示します。使用されている場合は、属性の変化には関係なく、その属性の値がソースから抽出されます。

属性を相手側に常に渡す必要がある場合は、このフィールドに0(ゼロ)以外の整数値を指定します。 

SrcAttrType 

このパラメータは、整数、文字列、バイナリなど、属性の型を意味し、マッピング・ルールの妥当性をチェックします。  

SrcObjectClass 

共有している属性のソースがLDAP準拠ディレクトリの場合は、このパラメータによって、その属性が所属しているオブジェクト・クラスの名前が指定されます。

共有属性のソースがOracle Databaseのリポジトリの場合、このパラメータは表名を意味し、指定は必須です。他のリポジトリの場合、このパラメータは無視されます。 

DstAttrName 

オプションの属性。未指定の場合は、SrcAttrNameが使用されます。

LDAP準拠ディレクトリの場合、このパラメータは宛先の属性の名前を意味します。

Oracle Databaseのリポジトリの場合、このパラメータは、SrcClassNameで指定された表のColumnNameを意味します。

他のリポジトリの場合、このパラメータは適切に解釈されます。 

DstAttrType 

このパラメータは、整数、文字列、バイナリなど、属性の型を意味します。ソースおよび宛先の属性型の互換性を保証する責任は管理者にあります。Oracle Directory Integration Platformはこの互換性を保証しません。 

DstObjectClass 

LDAP準拠ディレクトリの場合、このパラメータは、属性が所属するオブジェクト・クラスを意味します。このパラメータはオプションです。

Oracle Databaseのリポジトリの場合、このパラメータは表名を意味し、指定は必須です。

他のリポジトリの場合、このパラメータは無視されます。 

AttrMapping Rule 

演算子+、|と、ファンクションtoUpper(string)toLower(String)trunc(string,char)を使用するオプションの算術式。未指定の場合は、ソース属性値が宛先属性の値としてコピーされます。リテラルは一重引用符('')または二重引用符("")で指定できます。 

新規に作成した同期プロファイルのマッピング・ルールは空になります。マッピング・ルールを入力するには、適切な形式に厳密に従ったファイルを編集します。


注意

マッピング・ファイルに属性およびオブジェクト・クラスが定義される際、スキーマに定義されているそれぞれの属性およびオブジェクト・クラスはソース・ディレクトリに入っているとみなされます。

同期用に親コンテナが選択されると、マッピング・ルールに一致するすべての子も同様に同期化されます。子コンテナを選択して同期から排除することはできません。 


新規マッピング・ファイルの作成方法

新規マッピング・ファイルを作成するには、次のようにします。

  1. ソース・ディレクトリ内で同期に関係のあるコンテナを指定します。

  2. ソース・コンテナ内のオブジェクトのマッピング先である宛先コンテナを指定します。指定されたコンテナがディレクトリ内に存在することを確認します。

  3. 宛先ディレクトリ内に作成されるエントリの識別名作成ルールを決定します。LDAPからLDAPへの場合、マッピングは通常1対1です。LDAP以外からLDAPへの場合は、ドメインの識別名構成ルールが必要です。たとえば、タグ付きファイルまたはHuman Resourcesエージェントからの同期の場合、マッピング・ルールの形式はuid=%,dc=mycompany,dc=comになります。その場合、Oracle Human Resourcesから適用されるすべての変更にuid属性が存在する必要があります。手順6で指定するとおり、必須属性としてuid属性を指定する必要があります。

  4. ディレクトリ間で同期化するオブジェクト(ソースおよび宛先ディレクトリ内の関連オブジェクト・クラス)を指定します。通常、ディレクトリ間で同期化されるオブジェクトには、ユーザー、グループ、組織単位、組織およびその他のリソースがあります。これらのオブジェクトを識別するには、ディレクトリで使用されている実際のオブジェクト・クラスを識別します。

  5. ディレクトリ間で同期化する各種オブジェクトのプロパティ(LDAPコンテキストの属性)を指定します。オブジェクトの属性すべてを同期化する必要はありません。同期化対象のユーザー・プロパティは、cnsnuidおよびmailです。

  6. マッピング・ルールを定義します。各マッピング・ルールの形式は次のとおりです。

    <srcAttrName>:<ReqdFlag>:<srcAttrType>:<SrcObjectClass>: 
    <dstAttrName>:<dstAttrType>:<dstObjectClass>: <Mapping Rule>
    

マッピング・ルールを定義するときは、必ず次のことを確認してください。

ソース・オブジェクト・クラスに属する属性のすべてを1つの宛先オブジェクト・クラスに割り当てる必要はありません。ソース・オブジェクト・クラスの各種の属性は、異なる宛先オブジェクト・クラスに属する様々な属性に割り当てることができます。

属性がバイナリ値をとる場合は、<attrtype>フィールドでbinaryとして指定します。

マッピング・ルールには柔軟性があり、1対多と多対1の両方のマッピングを組み込むことができます。

サポートされている属性マッピング・ルールと例

サポートされている属性マッピング・ルールは、次のとおりです。

例: タグ付きファイル・インタフェース用のマッピング・ファイル

前述の説明に基づいて、ここではタグ付きファイル・インタフェースを使用して、Oracle Human Resourcesデータベース表からユーザー・エントリをインポートするためのマッピング・ファイルの例を示します。ソースはLDAP以外のディレクトリです。このサンプル・ファイルはインストール時に提供され、$ORACLE_HOME/ldap/odi/conf/oraclehragent.map.masterにあります。

DomainRules
NONLDAP:dc=myCompany,dc=com:uid=%dc=myCompany,dc=com
AttributeRules
firstname: : : :cn: :person
email : : : :cn: :person: trunc(email,'@')
email : 1 : :uid: :person:trunc(email,'@')
firstname,lastname: : : :cn: :person: firstname+","+lastname
lastname,firstname: : : :cn: :person: lastname+","+firstname
firstname,lastname: : : :sn: :person: lastname | firstname
EmployeeNumber: : : :employeenumber: :inetOrgperson
EMail: : : :mail: :inetOrgperson
TelephoneNumber1: : : :telephonenumber: :person
TelephoneNumber2: : : :telephonenumber: :person
TelephoneNumber3: : : :telephonenumber: :person
Address1: : : :postaladdress: :person
state: : : :st: :locality
street1: : : :street: :locality
zip: : : :postalcode: :locality
town_or_city: : : :l: :locality
Title: : : :title: :organizationalperson
#Sex: : : :sex: :person
###

前述のように、マッピング・ファイルは、キーワードおよびドメインと属性の一連のマッピング・ルール・エントリで構成されています。この例のマッピング・ファイルには、ドメイン・ルールNONLDAP:dc=myCompany,dc=com:cn=%,dc=myCompany,dc=comが含まれています。

例: LDIFインタフェース用のマッピング・ファイル

Directory Integrationアシスタント(dipassistant)を使用したインストールの一部として、一連の統合プロファイルのサンプルが作成されます。プロファイルの作成に使用されるプロパティ・ファイルは、$ORACLE_HOME/ldap/odi/samplesディレクトリにあります。

インポート・マッピング・ファイル例
DomainRules
dc=mycompany.oid,dc=com:dc=mycompany.iplanet,dc=com
AttributeRules
# Mapping rules to map the domains and containers
o: : :organization: o: :organization
ou: : :organizationalUnit: ou: : organizationalUnit
dc: : :domain:dc: :domain
# Mapping Rules to map users
uid : : :person: uid: :inetOrgperson
sn: : :person:sn: :person
cn: : :person:cn: :person
mail: :inetorgperson: mail: :inetorgperson
employeenumber: :organizationalPerson: employeenumber: :organizationalperson
c: : :country:c: :country
l: : :locality: l: :locality
telephonenumber: :organizationalPerson: telephonenumber: :organizationalperson
userpassword: : :person: userpassword: :person
uid: : :person: orcldefaultProfileGroup: :orclUserV2
# Mapping Rules to map groups
cn: : :groupofuniquenames:cn: :groupofuniquenames
member: : :groupofuniquenames:member: :orclgroup
uniquemember: : :groupofuniquenames:uniquemember: :orclgroup
owner: : :groupofuniquenames:owner: :orclgroup
# userpassword: :base64:userpassword: :binary:

この例では、ソース・ドメインと宛先ドメインの両方が、ドメイン・マッピング・ルール・セクションで指定されています。この例では、ソース・ドメインと宛先ドメインは同じです。ただし、コンテナが宛先ディレクトリにある場合は、異なる宛先ドメインを指定できます。

また、この例では、属性ルールがユーザー属性マッピング・ルールとグループ属性マッピング・ルールの2つのセクションに分かれています。マッピング・ルールにオブジェクト・クラスを指定すると、あるオブジェクトの特定の属性を一意にマップできます。

マッピング・ルールの更新

マッピング・ルールは、新規ルールの追加、既存ルールの変更またはorclodipAttributeMappingRules属性に指定されているマッピング・ルール・セットからの一部のルールの削除によって、カスタマイズできます。通常、これらの操作を実行するには、マッピング・ルールが指定されているファイルを指定するか、または『Oracle Internet Directory管理者ガイド』で説明されているようにldapsearchコマンドを使用してファイルの属性値を格納します。

マッピング・ルールは、Oracle Directory Integration Server管理ツールでは編集できません。かわりに、マッピング・ルールをファイルに格納し、そのファイルを属性の値としてディレクトリにアップロードします。マッピング・ファイルをアップロードするには、Directory Integrationアシスタント(dipassistant)を使用します。作成およびアップロードされたマッピング・ファイルのコピーは、$ORACLE_HOME/ldap/odi/confディレクトリに保持でき、将来更新した後に再度アップロードできます。

関連資料

Directory Integrationアシスタント(dipassistant)の使用方法の詳細は、『Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』を参照してください。 

エントリのマッピング・ルール・ファイルへの追加

新規エントリをマッピング・ルール・ファイルに追加するには、そのファイルを編集して、レコードをファイルに追加します。これには、次のようにします。

  1. Oracle Internet Directoryにマップする必要がある接続ディレクトリの属性名とオブジェクト・クラスを識別します。

  2. Oracle Internet Directory内の対応する属性名およびマップ先のオブジェクト・クラスを識別します。

  3. 属性値に対して実行する必要がある変換を示すマッピング・ルール要素を生成します。

  4. 属性マッピング・ルール・ファイルを同期プロファイルにロードします。

    たとえば、ソース・ディレクトリ内のあるエントリの電子メール属性を宛先の固有識別子にマップする必要がある場合は、次のようになります。

    Email:  :  : inetorgperson: uid: : person:
    

マッピング・ルール・ファイル内のエントリの変更

マッピング・ルール・ファイル内の変更するエントリを特定した後、属性値の変換に必要なマッピング・ルール要素を生成します。

エントリのマッピング・ルール・ファイルからの削除

マッピング・ルール・ファイル内の削除するエントリを特定した後、エントリをファイルから削除するか、エントリの前に番号記号(#)を付けてそのエントリをコメント化することができます。

関連資料

  • Directory Integrationアシスタント(dipassistant)の使用方法の詳細は、『Oracle Identity Managementユーザー・リファレンス』のOracle Directory Integration Platformツールに関する章を参照してください。

  • マッピング・ルール・ファイルの名前については、「ファイルの場所とネーミング」を参照してください。

  • OracleMetaLink Note: 261342.1「Understanding DIP Mapping Files」(OracleMetaLink(http://metalink.oracle.com/)で参照可能)。

 

一致フィルタの構成

デフォルトで、コネクタにより、同期用に構成されたコンテナ内のすべてのオブジェクトに対する変更が取得されます。しかし、ユーザーおよびグループに対する変更のみなど、特定のタイプの変更のみを同期化する場合があります。マッピング・ルールにより、エントリをあるディレクトリから別のディレクトリに変換する方法を指定できますが、ディレクトリ間で同期化されるオブジェクトをフィルタ処理することもできます。接続ディレクトリからの変更をOracle Internet Directoryにインポートする前に、同期プロファイルで変更を「接続されたディレクトリ一致フィルタ」(orclODIPConDirMatchingFilter)属性を使用してフィルタ処理できます。同様に、Oracle Internet Directoryから接続ディレクトリにエクスポートする前に、変更を「OID一致フィルタ」(orclODIPOIDMatchingFilter)属性を使用してフィルタ処理できます。どちらの属性の場合も、次の項で説明されているように、接続ディレクトリに対して、LDAP検索により増分変更を取得するか、または変更ログに変更を格納するかのいずれかのフィルタを指定できます。

一致フィルタを更新するには、Oracle Directory Integration Server管理ツールまたはDirectory Integrationアシスタント(dipassistant)を使用します。

関連項目

第3章「Oracle Directory Integration Platform管理ツール」 

LDAP検索による変更のフィルタ処理

変更ログをサポートしていない接続ディレクトリの場合、LDAP検索の実行によりエントリの最新のフットプリントが取得されます。objectclass=*を指定して実行されるLDAP検索では、所定のツリーまたはサブツリー内のエントリがすべて返されるため、同期に関係のあるオブジェクトのみを取得するには、LDAPフィルタ構文を使用してフィルタを指定する必要があります。たとえば、検索フィルタをorclOdipConDirMatchingFilter属性に割り当てることができます。フィルタは、searchfilter=LDAP_SEARCH_FILTERと指定します。

次の例では、組織単位、グループおよびユーザーを取得し、コンピュータは取得しないLDAP検索フィルタを作成します。

searchfilter=(|(objectclass=group)(objectclass=organizationalUnit)
(&(objectclass=user)(!(objectclass=computer))))

変更ログからの変更のフィルタ処理

変更ログに変更を格納する接続ディレクトリの場合、Oracle Directory Integration Platformに用意されている次の単純な演算子を使用すれば、「接続されたディレクトリ一致フィルタ」(orclODIPConDirMatchingFilter)または「OID一致フィルタ」(orclODIPOIDMatchingFilter)に一致フィルタを指定できます。

LDAPまたはLDAP以外のディレクトリで、変更ログから増分変更が取得される場合は、前述の演算子を使用できます。searchfilter属性を使用しない場合は、前述の演算子ではワイルドカードやパターン一致はサポートされません。ただし、フィルタに複数の演算子のペアが含まれている場合、式はAND論理演算子として評価されます。たとえば、次の式には4つの演算子のペアが含まれています。

(objectclass=group)(objectclass=organizationalUnit)
(objectclass=user)(objectclass!=computer) 

この式は次のように評価されます。

objectclass is equal to group
AND objectclass is equal to organizationalUnit
AND objectclass is equal to user
AND objectclass is NOT equal to computer 

変更を変更ログに格納する接続ディレクトリの場合、一致フィルタで同期化できるのは、変更ログに現れる属性についてのみです。変更ログにない属性を一致フィルタに含めると、検索操作は失敗します。このため、一致フィルタの使用は、変更ログに増分変更を格納する接続ディレクトリに限られます。

ファイルの場所とネーミング

表6-4に、ディレクトリ統合プロファイル内および同期時に使用される各種のファイルの場所を示します。

表6-4    ファイルの場所と名前 
ファイル  ファイル名 

インポート・データ・ファイル 

$ORACLE_HOME/ldap/odi/data/import/Profile_Name.dat 

エクスポート・データ・ファイル 

$ORACLE_HOME/ldap/odi/data/export/Profile_Name.dat 

追加構成情報ファイル 

$ORACLE_HOME/ldap/odi/conf/Profile_Name.cfg 

マッピング・ルール・ファイル 

$ORACLE_HOME/ldap/odi/conf/Profile_Name.map 

たとえば、Oracle Human Resourcesコネクタのデータ・ファイル名はoraclehrprofile.datです。


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