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Oracle Identity Manager JBoss用インストレーション・ガイド
リリース9.0
B31962-01
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7 Oracle Identity ManagerサーバーおよびJBossのインストール後の構成

Oracle Identity Managerをインストールした後、アプリケーションを使用する前に、この章で説明するインストール後のタスクの実行について検討する必要があります。Oracle Identity Managerのデプロイによって異なりますが、タスクの一部は実行しないことも可能です。ここでは、次のインストール後のタスクについて説明します。


注意:

この章の例はWindowsのものですが、インストール後のタスクはUNIXとLinuxにも適用されます。

WindowsインストールでのJBossポートの予約

次の手順を実行して、WindowsインストールでJBossの必要なポートを予約します。

  1. Windowsで「スタート」メニュー→「ファイル名を指定して実行」を選択します。「ファイル名を指定して実行」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  2. 「ファイル名を指定して実行」ダイアログ・ボックスにregedt32と入力し、「OK」ボタンをクリックします。「レジストリ エディタ」ウィンドウが表示されます。

  3. 次のレジストリ・キーにナビゲートします。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters
    
    
  4. このレジストリ・キーが存在していない場合は、次のようにReservedPorts値を作成します。

    1. 「編集」メニューの「新規」をポイントし、「複数行文字列値」をクリックします。

    2. 値の名前としてReservedPortsと入力し、[Enter]キーを押します。

  5. 「ReservedPorts」値をダブルクリックします。「複数行文字列の編集」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  6. 「複数行文字列の編集」ダイアログ・ボックスの「値のデータ」ボックスに1098-1434と入力します。

  7. 「OK」ボタンをクリックして「複数行文字列の編集」ダイアログ・ボックスを閉じ、「レジストリ エディタ」ウィンドウも閉じます。

キーストア・パスワードの変更

Oracle Identity ManagerにはOracle Identity Managerサーバー用とデータベース用の2つのキーストアがあります。インストール時に両方のパスワードはxellerateに設定されます。すべての本番インストールでキーストア・パスワードを変更することをお薦めします。どちらのキーストアのキーストア・パスワードもkeytoolを使用して変更できます。

キーストア・パスワードを変更するには、次のようにします。

  1. Oracle Identity Managerのホスト・コンピュータでコマンド・プロンプトを開きます。

  2. <XL_HOME>\xellerate\configディレクトリにナビゲートします。

  3. 次のオプションを指定してkeytoolを実行します。

    <JAVA_HOME>\jre\bin\keytool -storepasswd -new <new_password> -storepass xellerate -keystore .xlkeystore -storetype JKS
    
    

    表7-1に、このkeytoolの例で使用したオプションを示します。

    表7-1 keytoolのコマンド・オプション

    オプション 説明

    <JAVA_HOME>

    アプリケーション・サーバーに関連するJavaディレクトリの場所

    <new_password>

    キーストアの新しいパスワード

    -keystore <option>

    パスワードを変更するキーストア(Oracle Identity Managerサーバーでは.xlkeystore、データベースでは.xldatabasekey)

    -storetype <option>

    .xlkeystoreの場合はJKS、.xldatabasekeyの場合はJCEKS


  4. プレーン・テキスト・エディタを起動し、<XL_HOME>\xellerate\config\xlconfig.xmlを開きます。

  5. <xl-configuration>.<Security>.<XLPKIProvider>.<KeyStore>セクションを編集して、キーストア・パスワードを指定します。


    注意:

    データベースのキーストア(.xldatabasekey)のパスワードを更新するには、構成ファイルの<XLSymmetricProvider>.<KeyStore>セクションを変更します。

    • パスワード・タグをencrypted="false"に変更します。

    • (通常の文字で)パスワードを入力します。たとえば、次のブロックがあるとします。

      <Security>
      <XLPKIProvider>
      <KeyStore>
      <Location>.xlkeystore</Location>
      <Password encrypted="true">xYr5V2FfkRYHxKXHeT9dDg==</Password>
      <Type>JKS</Type>
      <Provider>sun.security.provider.Sun</Provider>
      </KeyStore>
      
      

      これを次のように変更します。

      <Security>
      <XLPKIProvider>
      <KeyStore>
      <Location>.xlkeystore</Location>
      <Password encrypted="false">newpassword</Password>
      <Type>JKS</Type>
      <Provider>sun.security.provider.Sun</Provider>
      </KeyStore>
      
      
  6. アプリケーション・サーバーを再起動します。

    アプリケーション・サーバーを停止して起動すると、構成ファイルのバックアップが作成されます。構成ファイル(新しいパスワードを含む)が読み込まれ、ファイル内でパスワードは暗号化されます。

  7. ここまでの手順がすべて正常に終了したら、バックアップ・ファイルを削除することができます。

ログ・レベルの設定

Oracle Identity Managerでは、ロギングにlog4jが使用されます。JBoss対応のインストールでは、ロギングはlog4j.xmlファイルで構成されます。

デフォルトでは、Oracle Identity Managerは警告レベル(WARN)で出力するように構成されています。すべてのコンポーネントを一括して、または個別のコンポーネントごとにログ・レベルを変更できます。Oracle Identity Managerの通常の使用方法では、このインストール後の構成手順は必須ではありません。

Oracle Identity Managerコンポーネントのロギング

コンポーネントは、<XL_HOME>\xellerate\config\log.propertiesファイルのXELLERATEセクションで指定されます。次のようになります。

log4j.logger.XELLERATE=WARN
log4j.logger.XELLERATE.DDM=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.ACCOUNTMANAGEMENT=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.SERVER=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.RESOURCEMANAGEMENT=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.REQUESTS=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.WORKFLOW=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.WEBAPP=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.SCHEDULER=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.SCHEDULER.Task=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.ADAPTERS=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.JAVACLIENT=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.POLICIES=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.RULES=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.DATABASE=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.APIS=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.OBJECTMANAGEMENT=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.JMS=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.REMOTEMANAGER=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.CACHEMANAGEMENT=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.ATTESTATION=DEBUG
log4j.logger.XELLERATE.AUDITOR=DEBUG

JBossのためのログ・レベルの設定

JBossでのすべてのロギングではlog4j.xmlファイルが使用されます。したがって、Oracle Identity ManagerのコンポーネントはXellerateタグを使用します。log4j.xmlファイルには次のようなXellerateの一般設定が含まれます。

<category name="XELLERATE">
  <priority value="WARN" />
</category>

一般設定のpriority valueを編集してすべてのコンポーネントのログ・レベルを変更するか、新しいロギング・カテゴリ要素を追加して特定のコンポーネントのログ・レベルを変更することができます。

追加できるカテゴリは、log.propertiesファイルのXELLERATEセクションに指定されています。詳細は、「Oracle Identity Managerコンポーネントのロギング」を参照してください。

たとえば、Oracle Identity Managerサーバーのレベルを変更するには、次の要素をlog4j.xmlファイルに追加します。

<category name="XELLERATE.SERVER">
  <priority value="WARN" />
  <appender-ref ref="FILE"/>
</category>

JBossでOracle Identity Managerのログ・レベルを設定するには、次のようにします。

  1. テキスト・エディタでファイル<JBOSS_HOME>\server\default\conf\log4j.xmlを開きます。

  2. 必要なコンポーネントの要素を挿入します。

  3. 必要なコンポーネントのpriority valueを適切なレベルに設定します。

    次に、サポートされるログ・レベルのリストを、ロギング情報の多い順に示します(DEBUGでは最も多くの情報がロギングされ、FATALでは最も少ない情報がロギングされます)。

    • DEBUG

    • INFO

    • WARN

    • ERROR

    • FATAL

  4. 変更内容を保存します。

Oracle Identity Managerのためのシングル・サインオン(SSO)の有効化

次の手順で、ASCII文字のログインを使用するOracle Identity Managerに対してシングル・サインオンを有効にする方法を示します。非ASCII文字のログインに対応するシングル・サインオンを有効にする場合も、次の手順を使用しますが、手順4で説明する追加の構成が必要です。


関連資料:

Oracle Access Managerを利用するOracle Identity Managerでのシングル・サインオンの構成の詳細は、OracleMetaLinkの「Note 394670.1」を参照してください。次のURLを使用してOracleMetaLink Webサイトにアクセスできます。

https://metalink.oracle.com/



注意:

英字のみのヘッダー名しか認証されません。ヘッダー名には特殊な文字や数字を使用しないことをお薦めします。

Oracle Identity Managerのためにシングル・サインオンを有効化するには、次のようにします。

  1. アプリケーション・サーバーを正常に停止します。

  2. プレーン・テキスト・エディタを起動し、次のファイルを開きます。

    <XL_HOME>\xellerate\config\xlconfig.xml

  3. 次のようなシングル・サインオンの構成を探します(次に示すのは、シングル・サインオンを含まないデフォルト設定です)。

    <web-client>
    <Authentication>Default</Authentication>
    <AuthHeader>REMOTE_USER</AuthHeader>
    </web-client>
    
    
  4. 次のようにシングル・サインオン構成を編集し、シングル・サインオン・システムで構成した適切なヘッダーで<SSO_HEADER_NAME>を置き換えます。

    <web-client>
    <Authentication>SSO</Authentication>
    <AuthHeader><SSO_HEADER_NAME></AuthHeader>
    </web-client>
    
    

    非ASCII文字のログインに対してシングル・サインオンを有効にするには、非ASCIIのヘッダー値をデコードするようにデコード・クラス名を指定する必要があります。デコード・クラス名を追加し、シングル・サインオン構成を次のように編集します。

    <web-client>
    <Authentication>SSO</Authentication>
    <AuthHeader><SSO_HEADER_NAME></AuthHeader>
    <AuthHeaderDecoder>com.thortech.xl.security.auth.CoreIDSSOAuthHeaderDecoder</AuthHeaderDecoder>
    </web-client>
    
    

    シングル・サインオン・システムで構成した適切なヘッダーで<SSO_HEADER_NAME>を置き換えます。

  5. アプリケーション・サーバーとWebサーバーの構成を変更して、シングル・サインオンを有効にします。アプリケーション・サーバーおよびWebサーバーのベンダーのドキュメントを参照してください。

  6. アプリケーション・サーバーを再起動します。

1つのデータベースを使用する複数JBossインストールの構成

ロード・バランサに接続されている複数の非クラスタJBossインストールが1つのデータベースを指定している場合、個々のJBossインスタンスが異なるJMS表を使用するように構成する必要があります。

同じOracle Identity Managerデータベースを使用する2番目およびその他すべてのJBossインスタンスで次の手順を実行して、それらのインスタンスが異なるJMS表を使用するようにします。

  1. プレーン・テキスト・エディタを起動して、ディレクトリ<JBOSS_HOME>\server\default\deploy\jmsにナビゲートし、ファイル<database_name>-jdbc2-service.xmlを開きます。

    <database_name>は、複数のJBossインスタンスで使用される共通のデータベースを表すことに注意してください。

  2. <database_name>-jdbc2-service.xmlのsqlPropertiesセクションのすべての問合せと文において、JMS_MESSAGESおよびJMS_TRANSACTIONSで表される表の名前を、有効で新しい一意の値に変更します。

  3. ファイルの最後に次の文を追加します。

    DELETE_TEMPORARY_MESSAGES = DELETE FROM <NEW_JMS_MESSAGES_NAME>
        WHERE TXOP='T'
    CREATE_IDX_MESSAGE_TXOP_TXID = CREATE INDEX
        <NEW_JMS_MESSAGES_NAME>_TXOP_TXID ON <NEW_JMS_MESSAGES_NAME> (TXOP, TXID)
    CREATE_IDX_MESSAGE_DESTINATION = CREATE INDEX
        <NEW_JMS_MESSAGES_NAME>_DESTINATION ON <NEW_JMS_MESSAGES_NAME>(DESTINATION)
    
    

    注意:

    <NEW_JMS_MESSAGES_NAME>は、手順2で変更したJMS_MESSAGES表の新しい名前です。

  4. ファイルを保存して閉じます。