JRockit Management Console ユーザーズ ガイド
BEA JRockit Management Console の使い方
Management Console 内での移動を容易にするため、いくつかの情報タブが用意されています。表示されるタブの数は操作モードによって異なります (「開発者モード」を参照してください)。また、自分の好みに合わせて表示をカスタマイズすることもできます。この節の内容は以下のとおりです。
要約情報の表示
[Overview] タブ (図 6-1) には選択した接続の概要が表示されます。複数の接続を選択するには、表示したい接続が入っているフォルダを選択します。これで複数の接続が同時に表示されます。ページは、ゲージのある上部の「ダッシュボード」と、下部のチャートに分かれています。
注意 : 図に示してある [Overview] タブは、JRockit に接続しているときのものです。「新しい接続の作成」を参照してください。
図 6-1 [Overview] タブ
[Used physical memory] ゲージは、コンピュータの物理メモリの占有率を示します。
[Used Java heap] ゲージは、VM の Java ヒープ メモリの占有率を示します。
[CPU usage] ゲージは、プロセッサの使用率 (マルチプロセッサ マシンの場合はプロセッサの負荷の平均) を示します。
[Heap usage] チャートは、時間による Java ヒープの使用率を示します。
[CPU usage] チャートは、時間によるプロセッサの平均使用率を示します。
表示のカスタマイズ
以下の節で説明するように、コンソールをカスタマイズして、モニタ データの表示方法を変更することができます。
ゲージとバーのカスタマイズ
ゲージとバーは、メモリとプロセッサの使用率を示すグラフィカルな手段です (図 6-2)。
図 6-2 ゲージとバー
ゲージ表示からバー表示に変更するには、図 6-3 のように、ゲージをポイントしながら右クリックし、[Bar display] を選択します。
図 6-3 ゲージのコンテキスト メニュー
選択したゲージがバーとして表示されます。
ゲージに戻すには、上記の手順を繰り返しますが、今度は [Gauge display] を選択します。
水位標をリセットするには (これまでの測定では最高レベルが示されている)、ゲージまたはバーをポイントしながら右クリックし、[Reset watermark] をクリックします。
グラフのカスタマイズ
Management Console に表示されるグラフは、BEA JRockit に関して指定された情報を示します。
グラフ属性の変更
グラフを右クリックし、[Edit Attributes] を選択します。[Edit Graph Attributes] ウィンドウが表示されます (図 6-4)。
このウィンドウでは以下のことができます。
グラフに属性サブスクリプションを追加する。属性サブスクリプションを強調表示にし、[Add] をクリックします。
アクティブな属性サブスクリプションの色を変更する。
属性サブスクリプションを削除する。属性サブスクリプションを強調表示にし、[Remove] をクリックします。
テキスト (グラフのタイトルなど)、X ラベルと Y ラベル、およびインデックス名の文字数を変更する。
Y 軸を自動範囲に設定する。これは属性を広範囲にわたってプロットする場合に便利です。
グラフですべての属性を見るのが難しい場合は、[Edit Graph Attribute] ウィンドウで属性のスケールを変えてみてください。
メモリ使用状況のモニタ
[Memory] タブ (図 6-5) にはシステムのメモリの状態に関する情報が表示されます。
図 6-5 [Memory] タブ
[Used physical memory] ゲージは、使用中のマシン メモリの割合を示します。
[Used Java heap] ゲージは、Java ヒープの占有率を示します。
[Heap usage] チャートは、ヒープの占有率を時間の経過と共に示します。この例では、蓄えが落ち込んだときに JVM がガベージ コレクションを実行する様子を見ることができます。
ページの下部には以下のテキスト情報が表示されます (KB 単位)。
[Used heap] は占有されている Java ヒープのサイズを示します。
[Free heap] は空き Java ヒープのサイズを示します。
[Total heap] は Java ヒープの合計サイズを示します。
[Used memory] は占有されている物理メモリ量を示します。
[Free memory] は空き物理メモリ量を示します。
[Total memory] は物理メモリの合計サイズを示します。
[Total nursery] はナーサリに使われている物理メモリ量を示します (世代別ガベージ コレクタの実行中にのみ表示されます)。
[Memory] タブの機能
[Memory] タブから JVM のメモリに関する特定の側面を操作できます。その側面について表 6-1 で説明します。
表 6-1 [Memory] タブの機能
機能
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手順
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ヒープ サイズの操作
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以下のいずれかの方法でヒープ サイズを操作できます。
ヒープ サイズの要件については、「ヒープ サイズの設定」を参照してください。
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メモリ不足エラーの際の終了
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メモリ不足 (OOM) エラーが発生したときに JVM を終了する場合は、[exit on OOM] を選択します。
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ナーサリ サイズの変更
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世代別ガベージ コレクタを実行している場合、[New nursery size] に新しい値を入力してから [Change nursery size] をクリックすると、ナーサリのサイズをリセットできます。このアクションは、ナーサリを正確に指定のサイズに設定するのではなく、その値にできるだけ近い値にしようとするものです。
注意 : 世代別コレクタを実行していない場合、これらのフィールドは無効になります。
ナーサリ サイズの要件については、「ナーサリのサイズの設定」を参照してください。
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実行中のプロセスのモニタ
[Processor] タブ (図 6-6) にはシステムのプロセッサの状態に関する情報が表示されます。
図 6-6 [Processor] タブ
[CPU usage] チャートはプロセッサの負荷の平均を割合で、時間の経過と共に示します。
[CPU usage] バーはプロセッサの負荷の平均を全負荷に対する割合で示します。
[Number of processors] は現在動作している Java プロセスの数を示します。
[CPU load] はプロセッサの全体の負荷を割合で示します。
[JVM process load] は BEA JRockit JVM プロセスの負荷を割合で示します。
JRockit に関する情報の表示
[System] タブ (図 6-7) にはシステムの状態に関するさまざまな情報が表示されます。
図 6-7 [System] タブ
カスタム警告とカスタム通知の表示と作成
[Notification] タブ (図 6-8) には、作成した警告に使用できるすべてのルールがリストされます。[Active rules for this connection] (右ペイン) には、該当する接続に対するアクティブなルールがリストされます。Management Console を使い始めた時点では、使用できるルールのリストは空です。Management Console を終了すると、作成したルールがコンソール設定ファイルに保存されます (「コンソール設定ファイル」を参照してください)。独自の通知を作成するときは、オプションで制約を指定して、属性サブスクリプションをトリガに結び付けます。ルールに適合した場合は、すぐに所定の通知 (「新しいルールの作成」を参照) で警告が出されます。
図 6-8 [Notification] タブ (ルールが定義されている状態)
カスタムの通知アクションと制約をプログラムで作成することができます。それらもコンソール設定ファイルに格納されます。追加されたアクションと制約は Management Console の [Notification] タブに表示されます。このドキュメントでは、この方法については説明しません。
通知トリガについて
通知トリガとして、BEA JRockit JVM への接続が失われた場合や、ある属性が特定の値に達した場合 (たとえば、メモリ使用率が 90% に達した場合) などの特定のイベントを指定できます。通知の制約では、たとえば夜間や特定の日付に警告を送信しないようにして、ルールがトリガされる時間を制限することができます。
通知アクションは、ユーザに警告を知らせる方法です。以下のいずれかになります。
[E-mail] - 指定された SMTP サーバを使用して、指定されたアドレスに電子メールで通知を送信します。
[System out action] - BEA JRockit Management Console を起動したコマンド ウィンドウに通知を表示します。
[Application alert] - Management Console の警告ダイアログで通知を表示します。
[Log to file] - 指定されたファイルに通知をロギングします。
新しいルールの作成
[Name your rule] ダイアログ ボックスが表示されます (図 6-9)。
図 6-9 [Name your rule] ダイアログ ボックス
ルールの名前を入力してから [Next] をクリックします。名前はできるだけ具体的なものにしてください。そうすれば、後で見たときにルールの働きがすぐにわかります。
[Select attribute subscription trigger] ダイアログ ボックスが表示されます (図 6-10)。
図 6-10 [Select attribute subscription trigger] ダイアログ ボックス
トリガを選択します (ウィンドウの右側に個々のトリガの説明が表示されます)。
トリガのリストの下にある [Max value] にしきい値を入力します (すべてのトリガについて入力する必要はありません)。
[on trigger] - 属性が低い値からトリガ値に達したときに通知をトリガします (たとえば、トリガ値が 80 で、属性の値が低い値から上昇した場合、トリガが作動します)。
[on recovery] - 側面が高い値からトリガ値に達したときに通知をトリガします (たとえば、トリガ値が 80 で、側面の値が高い値から下降した場合、トリガが作動します)。
[Select action] ダイアログ ボックスが表示されます (図 6-11)。
図 6-11 [Select action] ダイアログ ボックス
アクションを選択し、必要に応じて設定データを入力します。
この例では、JRA の名前と、記録の継続期間と、さまざまなサンプル統計を設定する必要があります。
ここでの選択肢は 2 つあります。
ルールが決まったら、すぐに手順 12 まで進みます。または、
ルールに制約を追加します。この場合は、手順 9 に進みます。
[Select constraint(s)] ダイアログ ボックスが表示されます (図 6-12)。
図 6-12 [Select constraint(s)] ダイアログ ボックス
制約を選択してから [Add] をクリックします。
これで [Active Constraints] リストにその制約名が表示されます。
日付、曜日、または時間を選択することで、その日付、曜日、または時間にのみイベントがトリガされるようになります。
新しいルールが [Notification] タブの [All available rules] リストに表示されます (図 6-8)。そのルールを接続に使用する場合は、「ルールを使用した接続のモニタ」での説明に従ってルールを追加します。
独自の通知アクションと制約の作成
独自の通知アクションと制約を作成して、ルールに利用することができます。具体的な方法については、「カスタム通知アクションおよび制約の追加」を参照してください。
ルールの編集
[All available rules] リストで、編集するルールを選択してから [Edit] をクリックします。
ルールを使用した接続のモニタ
[All available rules] リストでルールを選択します。
[Add to Connection] をクリックします。
図 6-13 のように、[Active rules for this connection] リストにルールが表示されます。
図 6-13 [Active rules for this connection] リストに追加されたルール
通知警告の表示
[View|Notification Alert] をクリックします。
[Notification Alerts] ウィンドウが表示されます (アプリケーションに送信された警告の例として、図 6-14 を参照してください)。
図 6-14 アプリケーションに送信された通知警告
[Notification Alerts] ウィンドウの下部から、表示したい通知を選択します。
[Notification Alerts] ウィンドウに、その通知がどのようにトリガされたか、条件に適合した時間がどれだけか、といった情報が表示されます。
[Close] をクリックしてウィンドウを閉じるか、選択した警告を削除する場合は [Remove] をクリックします。
注意 : アプリケーションの警告は Management Console の終了時に保存されません。
接続からのルールの削除
[Active rules for this connection] リストから、使用をやめるルールを選択します。
[Remove from Connection] をクリックします。
そのルールは [Active rules for this connection] リストにしか表示されなくなります。
[All available rules] リストからのルールの削除
[All available rules] リストから削除するルールを選択します。
削除を確認するダイアログ ボックスが表示されます。
[All available rules] リストからルールが消えます。
メソッド プロファイリング データの取得
[Method Profiler] タブ (図 6-15) には、干渉のない方法でメソッドの実行をモニタできるテンプレートが含まれています。メソッド プロファイラは、選択したメソッドにかかった平均時間とメソッドの呼び出し回数に関する情報を提供します。テンプレートはさまざまなモニタ メソッドの集まりです (Management Console には Demo Template が付属しています)。テンプレートの設定はコンソール設定ファイル (「コンソール設定ファイル」を参照) に格納され、すべての接続で使用できます。
図 6-15 [Method Profiler] タブ
独自のメソッド テンプレートを作成すると、実行中のアプリケーションのメソッドをモニタして、コードの問題箇所を見つけるのに役立ちます。
メソッド プロファイリング テンプレートの開始と停止
[Select template] リストから、開始するテンプレートを選択します。
まだテンプレートを作成していなくても、「Demo Template」というテンプレートを開始することができます。
[Start] または [Stop] をクリックします。
メソッド呼び出しが行われるたびに、各メソッドの [Invocation count] セルの数字が増加します。[Stop] を選択すると、このアクティビティが停止します。
新しいメソッド プロファイリング テンプレートの作成
[New template] ダイアログ ボックスが表示されます (図 6-16)。
図 6-16 [New template] ダイアログ ボックス
テキスト フィールドに新しいテンプレートの名前を入力します。
作成したテンプレートにメソッドを追加することができます。
メソッド プロファイリング テンプレートの削除
確認のダイアログ ボックスが表示されます。
テンプレートへのメソッドの追加
[Select template] リストから、メソッドを追加するテンプレートを選択します。
[Enter class name] ダイアログ ボックスが表示されます (図 6-17)。
図 6-17 [Enter class name] ダイアログ ボックス
テキスト フィールドに完全修飾クラス名 (java.lang.Object
など) を入力してから [Next] をクリックします。
[Select method] ダイアログ ボックスが表示されます (図 6-18)。
図 6-18 [Select method] ダイアログ ボックス
テンプレートに追加するメソッドを選択してから [Finish] をクリックします。
そのメソッドがテンプレートの [Method profiling information] リストの [Method] 列に表示されます (図 6-19)。
図 6-19 メソッドが追加された [Method profiling information] リスト
テンプレートからのメソッドの削除
[Select template] リストから、変更するテンプレートを選択します。
[Method profiling information] リストの [Method] 列から、テンプレートから削除するメソッドを選択します。
[Remove method(s)] をクリックします。
メソッド プロファイリングの設定
メソッド プロファイリングのテーブルでは、メソッドの完全修飾名 (qualified name) または短い名前の使用を切り替えることができます。
呼び出し回数を有効にするには、ページ下部の [Invocation count] チェックボックスを選択します。
タイミングを有効にするには、ページ下部の [Timing] を選択します。
BEA JRockit における例外のカウント
[Exception Count] タブ (図 6-20) には、BEA JRockit JVM で送出される例外が表示されます。特定のタイプの例外が送出された回数がカウントされます。この情報は Java アプリケーションのトラブルシューティングに役立ちます。
図 6-20 [Exception Count] タブ
例外の追加
ページ上部のテキスト フィールドに例外の完全修飾名 (「java.io.IOException
」など) を入力します。
[Include all subclasses] チェックボックスを選択または選択解除して、その例外のすべてのサブクラスをカウントに含めるかどうかを選択します。
[Add] をクリックします。BEA JRockit JVM にロードされている java.lang.Throwable
のサブクラスのみを追加できます。また、接続中にのみ例外を追加できます。
例外がテーブルに表示されます。
例外カウントの開始、停止、および削除
例外カウントを開始するには、[Start] をクリックします。カウントされている例外の名前の横に結果が表示されます。同様に、例外カウントを停止するには、[Stop] をクリックします。
カウントから例外を削除するには、削除する例外を選択してから [Remove] をクリックします。