JRockit Runtime Analyzer ユーザーズ ガイド

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BEA JRockit Runtime Analyzer の使い方

BEA JRockit Runtime Analyzer (JRA) ツールは、BEA JRockit の開発チームにとって有益な BEA JRockit の内部情報を豊富に提供します。これらのメトリックの中には、BEA JRockit をランタイム VM として使用する Java 開発者にとっても有益なものがあります。

注意 : JRA ツールの動作には J2SE バージョン 1.4 以降が必要です。

BEA JRockit Runtime Analyzer は 2 つの部分で構成されています。1 つは JVM の内部で動作し、JVM と現在動作している Java アプリケーションについての情報を記録します。この情報はファイルに保存され、もう 1 つの部分のアナライザ ツールで開かれます。このツールは JRA の記録ファイルに格納された情報を表示するための通常の Java アプリケーションです。

この節では、JRA を使用するために必要な手順として、以下の事柄を説明します。

 


JRA の新機能

このリリースの改善事項の詳細なリストについては、「リリース ノート」を参照してください。

 


JRockit Mission Control のライセンス情報

現在用意されているライセンス タイプは以下のとおりです。

適切なライセンスをダウンロードするには、次のページにアクセスしてください。

http://dev2dev.bea.com/jrockit/tools.html

 


記録の作成

JRA の記録を作成する方法は何通りかあります。

Management Console からの記録の開始

  1. BEA JRockit で Java アプリケーションを起動します。その際、コマンドラインに -Xmanagement オプションを追加します。
  2. Management Console を起動して、起動済みの JRockit インスタンスに接続します
    JRockit 5.0 については、この JRockit Management Console ユーザーズ ガイドを参照してください。
    JRockit 1.4.2 については、この JRockit Management Console ユーザーズ ガイドを参照してください。
  3. アプリケーションが動作していて負荷がかかっていることを確認します。
  4. 負荷のかかっていないアプリケーションから取得したデータでは、改良の余地があるかどうかわかりません。

  5. BEA JRockit Management Console で、[Plugins|Start JRA recording] をクリックします。
  6. [JRA Recording] ダイアログ ボックスが表示されます (図 1-1)。

    図 1-1 [JRA Recording] ダイアログ ボックス

    [JRA Recording] ダイアログ ボックス

  7. [File name] フィールドに、記録のわかりやすい名前を入力します。
  8. これは記録が作成されるホスト マシン上のファイルの名前です。特にパスを指定しない限り、このファイルは BEA JRockit プロセスのカレント ディレクトリに作成されます。ファイルがすでに存在する場合は上書きされます。

  9. 記録の長さを秒数で設定します。
  10. 注意 : 設定する時間が短すぎると (たとえば 30 秒以下)、記録が意味を持つほどのサンプル データが得られないでしょう。
  11. 必要に応じて、以下のサンプリング オプションを指定します。
    • Method sampling - メソッドのサンプルを記録
    • GC sampling - ガベージ コレクション イベントを記録
    • Native sampling - ネイティブ コードのサンプルを記録
  12. [Start recording] をクリックします。
  13. [JRA Recording Progress] ボックスが表示されます (図 1-2)。

    図 1-2 [JRA Recording Progress] ボックス

    [JRA Recording] ボックス

    このボックスに、記録が開始されたことが示されます。記録の途中および終了時に、JRockit コマンドライン ウィンドウに確認メッセージが表示されます。最後のメッセージが出力されたら、必要に応じてアプリケーションを停止できます。

jrcmd による記録の開始

  1. アプリケーションが動作していて負荷がかかっていることを確認します。
  2. 負荷のかかっていないアプリケーションから取得したデータでは、改良の余地があるかどうかわかりません。

  3. 次のコマンドのいずれかを使用して記録を開始します。
  4. Windows プラットフォーム :

    bin\jrcmd.exe <pid> jrarecording time=<jrarecording time> filename=<filename>

    Unix プラットフォーム :

    bin/jrcmd <pid> jrarecording time=<jrarecording time> filename=<filename>

    引数の意味は次のとおりです。

    • jrarecording time - 記録の期間の秒数 (適当な長さは 300 秒、つまり 5 分間)。
    • filename- 記録の保存先のファイル名 (jrarecording.xml.zip など)。このファイルは BEA JRockit プロセスのカレント ディレクトリに作成されます。ファイルがすでに存在する場合は上書きされます。
    • たとえば、
      bin\jrcmd.exe <pid> jrarecording time=300 filename=c:\temp\jra.xml.zip
      を実行すると、JRA 記録が 300 秒間行われ、結果が指定のファイルに保存されます。

      記録が開始されると、その旨を示すメッセージが表示されます。記録が終了すると、別のメッセージが表示されます。その後で、アプリケーションを安全にシャットダウンできます。

JRockit コマンドラインからの記録の開始

記録を取るアプリケーションを起動するときに java コマンドに追加のオプションを指定して、JRA の記録をコマンドラインから開始することもできます。表 1-1 に、実行する JRockit のバージョンに応じたオプションを示します。

BEA JRockit バージョン 7.0sp7/1.4.2_04 以降なら、-XXjra オプションと共に「BEA JRockit 7.0sp7/1.4.2_04 以降」の欄に記載されているパラメータを使用します。

BEA JRockit のバージョンが 1.4.2_04 よりも前なら、表 1-1 の「BEA JRockit 1.4.2_03 以前」の欄に記載されている起動オプションを使用して各パラメータを設定する必要があります。

表 1-1 コマンドラインの起動パラメータ
BEA JRockit 7.0sp7/1.4.2_04 以降
BEA JRockit 1.4.2_03 以前
説明
delay
-XXjradelay
記録を開始するまでの待機時間 (秒単位)。
recordingtime
-XXjrarecordingtime
記録の継続時間 (秒単位)。これは省略可能なパラメータ。使用しない場合、デフォルトは 60 秒。
filename
-XXjrafilename
記録ファイルの名前。これは省略可能なパラメータ。使用しない場合、デフォルトは jrarecording.xml です。
sampletime
-XXjrasampletime
サンプリングの間隔 (ミリ秒単位)。動作を理解していない場合はこのパラメータを使用しないこと。これは省略可能なパラメータ。
nativesamples
-XXjranativesamples
ネイティブ コードでメソッドのサンプルを表示する。つまり、C コードで記述された関数の名前が表示される。これは省略可能なパラメータ。
methodtraces
なし
デフォルトでは各サンプルでスタック トレースが収集されるが、このパラメータを false に設定すると、スタック トレースの収集が行われなくなる。デフォルト値は true。
tracedepth
なし
スタック トレースの収集時に取得されるフレームの数を設定する。指定可能な値は 0 ~ 16。デフォルト値は 16。

注意 : methodtraces を false に設定した場合でも、スタック トレースの一部が取得されることがあります。これらのスタック トレースは JRockit による動的な最適化に伴って取得されるもので、トレースの深度は 3 になります。(-Xnoopt の指定によって) 最適化が無効に設定されている場合は、このようなトレースが取得されることはありません。

たとえば、次のように -XXjra 起動オプションを使用すると、

-XXjra:delay=10,recordingtime=100,filename=jrarecording2.xml

以下のように記録が行われます。

BEA JRockit 1.4.2_03 以前でリリースされたバージョンの JRA でこれと同じデータを作成するには、以下の 3 つのオプションを指定する必要があります。

 


JRA ツールの起動

作成した記録を参照するには、JRA ツールを使用します。java -jar RuntimeAnalyzer.jar でツールを起動します。JRA アプリケーションが開きます (図 1-3)。

図 1-3 JRA アプリケーション (記録を開いた状態)

JRA アプリケーション (記録を開いた状態)

記録ファイルを開く

  1. [File|Open file] をクリックします。
  2. 記録ファイルを探して選択し、[Open] をクリックします。
  3. [Improve JRockit] ウィンドウが開きます。このウィンドウには、JRockit エンジニアリング チームによる JRockit と JRA の改良に寄与するための情報が表示されます。

  4. [OK] をクリックします。
  5. JRA の [General] タブにデータが表示されます (図 1-3)。

    注意 : JRA の以前のバージョンを実行している場合は、取得できないデータもあるので、そうしたフィールドは空になります。

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