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Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド
リリース10.2.7
B50389-01
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1 Oracle Configuration Managerの概要

Oracle Configuration Managerはクライアントの構成情報の収集と、この情報のOracleリポジトリへのアップロードに使用されます。クライアントの構成データが定期的にアップロードされると、カスタマ・サポートでこのデータを分析でき、顧客に対するよりよいサービスにつながります。たとえば、顧客がサービス・リクエストを登録する際、このサービス・リクエストに構成データを直接関連付けることができます。カスタマ・サポートでは、顧客に関連付けられているシステムのリストを表示し、適宜問題を解決します。

Oracle Configuration Managerを使用する利点は次のとおりです。

1.1 Oracle Configuration Manager 10.2.7.0.0の新機能

この項では、このリリースでの新機能をリストします。

1.2 システム・アーキテクチャ

Oracle Configuration Managerのアーキテクチャを図1-1に示します。

図1-1 Oracle Configuration Managerのアーキテクチャ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 Oracle Configuration Managerのアーキテクチャ」の説明

図1-1には次のものが示されています。

1.3 接続モードおよび非接続モードについて

Oracle Configuration Managerは2つのモードでインストールできます。

1.4 共有Oracleホームについて

共有Oracleホームは、共通の実行可能ファイルが1つのディレクトリに格納され、インスタンス固有の情報が別々に格納されているインストールです。共有Oracleホームには、次の2種類があります。

共有Oracleホームを使用することで、Oracle Configuration Managerの実行可能ファイルが占める領域を最小限にします。


重要:

既存のバージョンのOracle Configuration Managerからアップグレードする場合、この新機能は利用できません。この機能は、Oracle Configuration Managerリリース10.2.7の新規インストールでのみ使用可能です。

この機能を使用するには、Oracle Configuration Managerの現在のインストールをアンインストールし、Oracle Configuration Managerリリース10.2.7を再インストールします。


1.4.1 共有Oracleホーム - 複数ホスト上の1つのインスタンス

構成が複数ホスト上の1つのインスタンスである場合、Oracle Configuration ManagerはOCM_INSTALL_ROOTディレクトリにインストールされます(図1-2を参照してください)。共通ファイルとディレクトリのセット(共有ホーム)およびインスタンス固有のディレクトリ(log、state、config)があります。

インスタンス固有のデータを格納するディレクトリは、ホストごとにOCM_INSTALL_ROOT/ccr/hostに作成されます。

図1-2 複数ホスト上の1つのインスタンス

OCM_INSTALL_ROOTディレクトリおよび複数ホスト
「図1-2 複数ホスト上の1つのインスタンス」の説明

インストールおよび構成の後、Oracle Configuration ManagerでOCM_INSTALL_ROOTディレクトリおよびインストールされているホストに対する構成データを収集できます。

構成データの収集およびアップロード以外に、Oracle Configuration Managerのソフトウェア更新の有無もOracle Configuration Managerで確認されます。更新がある場合、Oracle Configuration Managerで更新がダウンロードされ、OCM_INSTALL_ROOTディレクトリにインストールされているOracle Configuration Managerソフトウェアが更新されます。

1.4.1.1書込み不可能なネットワーク上の場所の共有Oracleホーム・インストール

共有Oracleホームでは、マスター・ホストのネットワーク・ファイル・システムにソフトウェア・バイナリをインストールするのが一般的です。これらのファイルが読取り専用アクセスでロックされてエクスポートされ、ホスト間で共有されます。すべてのホストでソフトウェアにアクセスする際、このネットワーク・リソースが参照されます。

この種の共有Oracleホームは、Oracle Configuration Managerリリース10.2.7でサポートされます。ただし、バイナリ・ディレクトリが読取り専用であるため、Oracle Configuration Managerの自動更新機能を無効にする必要があります。以降の更新は手動で行う必要があります。すべての必須更新が適用されるまで、構成の収集は行われません。

バイナリ・ディレクトリの設定手順

マスターとするシステムで、次の手順を一度実行します。

  1. ネットワーク・ファイル・システムを備えたホストの書込みアクセス可能なディレクトリにOracle Configuration Managerをインストールします。簡単に行うには、ソフトウェアのインストールを非接続モード(setupCCR -s -dなど)で行います。

  2. すべてのホストに対して自動更新機能を無効にするには、次のプロパティをOCM_INSTALL_ROOT/ccr/config/collector.propertiesファイルに追加します。

    ccr.autoupdate=false

  3. OCM_INSTALL_ROOT/ccr/bin/configCCR –rコマンドを使用してマスター・ホストの構成を削除します。

  4. この場所を読取り専用でマウントします。

ホストの構成手順

Oracle Configuration Managerを使用して構成データを収集する各ホストで、次のようにします。

  1. ホストでNFSファイル・システムをマウントします。

  2. ホスト固有のOracle Configuration Managerファイルが格納されるディレクトリを特定します。

  3. ORACLE_CONFIG_HOME変数を、この前のステップで特定したディレクトリに設定します。

  4. OCM_INSTALL_ROOT/ccr/bin/configCCR -aコマンドを実行します。

更新の適用手順

Oracle Configuration Managerの更新がある場合、手動で適用する必要があります。これは、次のように行います。

  1. マスター・ホストからの書込みアクセスを有効にします。

  2. OCM_INSTALL_ROOT/ccr/bin/emCCR getupdatesコマンドを実行します。

  3. 読取り専用アクセス用にファイル・システムを再マウントします。

1.4.2 共有Oracleホーム - 1つのホスト上の複数インスタンス

共有Oracleホームを1つのホスト上に置き、共通ファイル用のディレクトリとインスタンス固有のデータ用の個別のディレクトリで構成できます。ORACLE_CONFIG_HOME変数は、インスタンス固有のデータの場所に設定されます。この環境では、Oracle Configuration Managerは、共通ファイルが置かれるメイン・ディレクトリ(OCM_INSTALL_ROOTディレクトリ)にインストールされます。

Oracle Configuration Managerを使用するよう構成されるインスタンスごとに、ccrディレクトリがORACLE_CONFIG_HOMEに作成され、Oracle Configuration Managerインスタンス固有の情報が格納されます。インスタンスごとに、構成データ、ログ・データおよび収集されたデータのセットがあります。図1-3を参照してください。

図1-3 1つのホスト上の複数インスタンス

1つのホスト上の複数インスタンス
「図1-3 1つのホスト上の複数インスタンス」の説明

インストールおよび構成の後、Oracle Configuration Managerで共有Oracleホームに対する構成データを収集できます。

構成データの収集およびアップロード以外に、Oracle Configuration Managerのソフトウェア更新の有無もOracle Configuration Managerで確認されます。更新がある場合、Oracle Configuration Managerで更新がダウンロードされ、顧客のシステムにインストールされているOracle Configuration Managerソフトウェアが更新されます。