次の手順を使用することにより、可用性が高まるように構成されたデータベースを監視するOracle Enterprise Manager 10g Grid Controlを構成できます。
Oracle Management Agentをインストールします。
仮想アドレスでリスニングするOracle Management Agentを作成します。
手順2で作成したOracle Management Agentを、可用性が高まるように構成されたOracle Databaseと同じグループに追加します。
データベースを監視するようにOracle Management Agentを構成します。
この章では、次の項目について説明します。
可用性を高めるためにOracle Management Agentを構成するには、あらかじめ次のソフトウェアをクラスタ・システムにインストールしておく必要があります。
Oracle Database: Oracle Enterprise Manager 10g Grid Controlでサポートされるリリース
Oracle Management Agent
各クラスタ・ノードにManagement Agentをインストールする必要があります。各ノードで同じOracleホームを使用します。
Oracle Fail Safe
さらに、次のコンポーネントを構成する必要があります。
可用性を高めるために、Oracleデータベース・インスタンスを構成する必要があります。
Oracle Enterprise Manager Management Serverを構成して、設定の際に使用できるようにしておく必要があります。管理サーバーは、クラスタ・システム上になくても構いません。
次の手順に従って、可用性を高めるためのOracle Management Agentを構成する必要があります。
手順1 Management Agentの可用性の向上
Oracle Fail Safe Managerを使用して、Oracle Fail Safeのグループに新しいOracle Management Agentを追加します。このグループには、Oracle Management Agentが監視するデータベースが含まれます。Oracle Management Agentは、汎用サービスとしてグループに追加する必要があります。次の手順に従ってください。
「リソース」メニューで「グループに追加」をクリックします。「リソースをグループに追加」ウィザードが開きます。
「リソース・タイプ」ボックスで「Oracle Management Agent」を選択します。
「グループ名」ボックスで、Oracle Management Agentを追加するグループを選択します。これは、Oracle Management Agentによって監視するデータベースが含まれるグループにする必要があります。
「次へ」をクリックします。Management AgentのOracleホームページが開きます。
「Oracleホーム」ボックスで、グループに追加するOracleホームを選択します。
「次へ」をクリックします。Management Agentの「仮想アドレス」ページが開きます。
「仮想アドレス」ボックスで、必要な仮想アドレスを選択します。
「ポート」ボックスで、開くポート番号を入力します。
「終了」をクリックします。Management Agentの追加の終了ウィンドウが開きます。
このウィンドウには、ウィザードで設定したプロパティのサマリーが表示されます。サマリー情報が正しい場合は、「OK」をクリックします。そうでない場合は、「取消」をクリックしてから「戻る」をクリックし、エントリを変更するページをウィザードで探します。
「OK」をクリックすると、このクラスタワイド操作の進捗状況を表示するウィンドウが開きます。(クラスタワイド操作は、複数のクラスタ・ノードで行われる操作です。)
手順2 Oracle Enterprise Managerで可用性の高いデータベースをターゲットとして追加
可用性の高いManagement Agentによって可用性の高いデータベースを監視するように構成するには、次の手順に従います。
Oracle Enterprise Manager 10g Grid Controlコンソールにログインします。
「ターゲット」タブをクリックします。「ホスト」ページが開きます。
「データベース」セカンダリ・タブをクリックします。「データベース」ページが開きます。
「追加」をクリックします(ページの右上部分)。「データベース・ターゲットの追加: ホストの指定」ページが開きます。
懐中電灯アイコンをクリックします。検索と選択: ホスト・ウィンドウが開きます。
仮想ホストを選択し、「選択」をクリックします。検索と選択: ホスト・ウィンドウが閉じ、「データベースへのターゲットの追加: ホストの指定」ページの「ホスト」フィールドに選択した仮想ホストが含まれています。
「続行」をクリックします。「ホスト上で検出されたターゲット」ページが開きます。
監視する可用性の高いデータベースを選択し、「OK」をクリックします。「データベース構成結果」ページが開きます。
「OK」をクリックします。
手順3 可用性の高いManagement Agentのテスト
Management Agentの可用性が高いことをテストするには、監視している可用性の高いデータベースに対してジョブを実行し、次の手順に従います。
Oracle Enterprise Manager 10g Grid Controlコンソールにログインします。
次のように、SQLジョブを作成し、可用性の高いデータベースに対してこのジョブを発行します。
「ジョブ」タブをクリックします。「ジョブ・アクティビティ」ページが開きます。
「ジョブの作成」ボックスで、「SQLスクリプト」を選択し、「実行」をクリックします。「'SQL Script'ジョブの作成」ページが開きます。
「ジョブ名」ボックスにTEST JOB
と入力し、「SQLスクリプト」フィールドにSELECT * FROM ts$
と入力します。
このページの「データベース」領域で「追加」をクリックします。「ターゲットの追加」ページが開きます。
可用性の高いデータベースのホスト名(仮想ホスト名と一致)を選択し、「追加」をクリックします。「'SQL Script'ジョブの作成」ページが開きます。
このページの「ホスト資格証明およびデータベース資格証明」部分で、データベース資格証明を指定し、「発行」をクリックします。
発行したジョブが正常に完了することを確認します。
(このリストの手順1および手順2に従って)同じデータベースに対して別のジョブを作成します。ただし、現在の時刻から10分間行われるようにスケジュールを設定します。
Oracle Fail Safe Managerを使用して、グループをフェイルオーバーします。
10分後に、スケジュールを設定した2番目のジョブが正常に実行されたことを確認します。
手順4 Oracle Enterprise Manager環境からの不要なターゲットの削除
この手順までくると、Oracle Enterprise Manager 10g Grid Controlコンソールには、同じデータベースに対して3つのターゲットが表示されています。Management Agentのインストール時に、可用性の高いデータベースを含むOracleコンポーネントが自動的に検出され、検出されたコンポーネントはターゲットとして追加されます。
可用性の高いデータベース・インスタンスが各クラスタ・ノードに存在するため、データベースには2つのターゲットがあります。各ターゲットは異なるManagement Agentで監視されます。さらに、仮想サーバー上でリスニングする可用性の高いManagement Agentのターゲットとしてデータベースを追加する際に、3番目のターゲットを作成します(第10章「可用性を高めるためのOracle Application Serverコンポーネントの構成」)。
Management Agentのインストール時に検出されたデータベース・ターゲットを安全に削除するには、次の手順を実行します。
可用性を高めるように構成されたOracle Management Agentが不要になった場合は、該当グループからそのOracle Management Agentを削除します。削除を実行すると、Oracle Management Agentはクラスタから削除されます。
グループからOracle Management Agentを削除するには、次の手順を実行します。
Oracle Fail Safe Managerを開きます。
ツリー・ビューで、削除するOracle Management Agentを選択し、「リソース」メニューで「グループから削除」を選択します。
「グループからの削除の確認」ボックスが開きます。「グループからの削除の確認」ボックスで「はい」をクリックします。