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Oracle Databaseプラットフォーム共通日本語README
10g リリース2(10.2)
B19227-09
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Oracle10g Spatial

原典情報: $ORACLE_HOME/relnotes/readmes/README_spatial.txt



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インストール

10g リリース2(10.2)の新機能

GeoRasterの既知の問題

OracleでのRDF: 10.2.0.1.0から10.2.0.2.0へのアップグレード


インストール

Oracle Spatialのインストール手順については、次のマニュアルを参照してください。
『Oracle Spatialユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』

SYSTEM AS SYSDBAとして接続し、MDSYSユーザーを作成します。
$ORACLE_HOME/md/admin/mdprivs.sqlファイルを実行します。
SYSTEM AS SYSDBAとして接続し、catmd.sqlスクリプトを実行します。このスクリプトは$ORACLE_HOME/md/adminにあります。
これにより、Oracle Spatial製品がインストールされます。

10g リリース2(10.2)の新機能

トポロジ・データ・モデル

  • トポロジ・データ・モデルの新機能レベルの挿入/更新。
  • 機能を追加するための新しいグリッド・スナップのサポート。ユーザーは小数点以下の桁数を指定できます。この桁数を使用して、受信ジオメトリがスナップされます。つまり、トポロジ・マップ・キャッシュを使用して起動し、新機能を追加する場合は、グリッドを使用して、受信ジオメトリがキャッシュ内の既存のエッジ/ノードにスナップされます。

ネットワーク・データ・モデル

PL/SQLのサポート、パフォーマンスの改善、新しい分析機能。

  1. ネットワークの編集および分析用のPL/SQLラッパー・パッケージSDO_NET_MEM

  2. 分析機能のパフォーマンスの改善

  3. 単一ソース対単一シンクの最大フロー分析

JPEG圧縮およびDEFLATE圧縮のサポート

サード・パーティの圧縮機能のプラグイン・アーキテクチャです。スキーマ間で完全にアクセスできます。GeoRasterの拡張されたローダー、ビューアおよびエクスポータ・ツールです。

EPSG座標系のサポート

SpatialにEPSG座標系のサポートが追加され、現在はEPSGバージョン6.5に基づいています。

特にEPSGでは、座標参照システムとそのコンポーネント、および座標参照システム間の変換を定義する、スキーマおよびデータを公開しました。Spatialでは、EPSGのスキーマとデータを使用し、最も一般的に使用されている変換を実装しています。

この結果、Spatialでは、NADCON、米国版グリッドなど追加の変換タイプがサポートされるようになりました。さらに、従来より大きくカスタマイズ可能なチェーンで変換が実行できるようになりました。

Spatialの以前のバージョンの座標参照システムおよび変換は、引き続きサポートされます。また、EPSG準拠の新規座標参照システムに対応するWKT文字列が公開されています。ただし、ユーザーは、WKT文字列を手動で記述するのではなく、EPSGスキーマに新たにカスタムの座標参照システムを定義することもできます。この方法は、より便利で、わかりやすい表現になります。

索引付け

オンラインでの空間索引の再作成がサポートされており、次の順序でSQL文を使用します。この機能は、ローカル・パーティション索引ではサポートされていません。

    ALTER INDEX <indexname> REBUILD ONLINE
    PARAMETERS ('<index-creation parameters>')

これによって索引が再作成されます。再作成中は挿入、削除および更新操作がブロックされるため、空間演算子の問合せに対しては古い索引情報を使用して応答されます。再作成後、次のクリーン・アップ操作を使用して古い索引を明示的に削除する必要があります。

    ALTER INDEX <indexname> REBUILD ONLINE PARAMETERS ('index_status=cleanup')

これによって、古い索引情報がクリーン・アップされます。

Rツリー索引の更新のパフォーマンスが改善されました。索引は、sdo_rtree_ent_xpndパラメータを使用して作成できます。このパラメータを指定すると、索引では、各データのMBRが指定の量まで拡張されます。拡張されたMBR外のデータ項目が移動しない変更では、索引に対する更新がトリガーされません。したがって、索引の更新数が減るため、更新頻度の多い環境ではパフォーマンスが改善される可能性があります。測地索引の場合、このパラメータの値はメートルで指定します。CREATE INDEX PI ON POLY_4PT_TEMP(geometry) indextype is mdsys.spatial_index parameters('sdo_rtree_ent_xpnd=1800');

空間分析およびマイニング

空間ビニング関数は、クワッド・ツリー型四角形に加えてグリッドを作成するように拡張されました。

Tiled_Bins関数およびTiled_Aggregates関数はxdivsとydivsの追加パラメータを取り、x(緯度)とy(経度)の各ディメンションに対するDIVISIONの数を指定します。xdivs/ydivsおよびtiling_levelがNULL以外の場合、tiling_levelは無視されます。

 関数 Tiled_Bins(l1 number, u1 number, l2 number, u2 number,
                     tiling_level number default null,
                     srid number default null,
                     xdivs number default null, ydivs number default null)
 RETURN MDSYS.SDO_REGIONSET PIPELINED;
xrange = [l1 u1], yrange = [l2 u2]

tiling_levelが指定されている場合、xrangeとyrangeは2^tiling_level個の等幅パーティションに分割されます(合計で4^tiling_level個の四角形になります)。

xdivsydivsが指定されている場合、xrangeは(xdivs+1)個の等幅に細分化され、yrangeも(ydivs+1)個の等幅に細分化されて、合計で(xdivs+1)×(ydivs+1)個の四角形(またはグリッド)になります。

GeoRasterの既知の問題

次のDEFLATEおよびJPEGの圧縮操作中のカーソル・リークに関するGeoRasterの既知の問題は修正されました。

既知の問題

DEFLATEおよびJPEGの圧縮操作や解凍操作でカーソル・リークが発生する場合があります。特に、圧縮型の変更のみ含まれる記憶域パラメータを使用してSDO_GEOR.changeFormatCopyをコールすると、圧縮操作または解凍操作で2つのカーソル・リークが発生し、ある圧縮型から別の圧縮型に変更すると4つのカーソル・リークが発生します。

トリミング済ウィンドウを全イメージにしてSDO_GEOR.subsetをコールし、記憶域パラメータに圧縮型の変更のみ含まれる場合は、各コールで2つのカーソル・リークが発生します。scaleFactor=1を指定してSDO_GEOR.scaleCopyをコールし、記憶域パラメータに圧縮型の変更のみ含まれる場合は、各コールで2つのカーソル・リークが発生します。結果を圧縮してSDO_GEOR.mosaicをコールすると、各コールで2つのカーソル・リークが発生します。

前述の関数を1つのセッションで複数回コールすると、データベースの最大オープン・カーソル数の設定に応じて、次のエラーが発生する場合があります。

ORA-13485: 圧縮や解凍中にエラーが発生しました: %s
ORA-01000: 最大オープン・カーソル数を超えました。

このエラーには次の2つの回避策があります。

  1. 適正な時間の経過後に同じユーザーを再接続することによって、1つのセッションにおける前述の関数へのコール回数を制限し、短いセッションを使用します。再接続するたびに、リークしたカーソルはOracleサーバーによって自動的にクリーン・アップされます。

  2. DBAに対して、Oracle初期化パラメータOPEN_CURSORSを変更して最大オープン・カーソル数を増やすように依頼します。

OracleでのRDF: 10.2.0.1.0から10.2.0.2.0へのアップグレード

10.2.0.1を10.2.0.2.0にアップグレードした後は、管理者はMDSYSでログオンし、次のプロシージャをコールする必要があります。

EXECUTE SDO_RDF_INTERNAL.TUNE_RDF_NETWORK_10R2_1('rdf_tablespace');

このプロシージャをコールする前に、SDO_RDF.CREATE_RDF_NETWORK('rdf_tablepace')コマンドで使用した表領域名でrdf_tablespaceを置換します。SDO_RDF.CREATE_RDF_NETWORK('rdf_tablepace')コマンドはRDFネットワークを作成したコマンドで、'rdf_tablespace'はRDFネットワークがインストールされている表領域名です。

このプロシージャのコールに失敗すると、nTriple2NDMBatchコンバータが正しく動作しません。

既知の問題

SDO_RDF_TRIPLE_Sタイプのアップグレード後、以前のタイプで作成したファンクションベースの索引が使用できなくなるエラー(ORA-30554)が発生する場合があります。次のいずれかの処置を実行してください。

DROP INDEXコマンドを使用して、指定した索引を削除する
ALTER INDEX REBUILDコマンドを使用して、指定した索引を再構築する
ALTER INDEX ENABLEコマンドを使用して、指定した索引を使用可能にする
ALTER INDEX UNUSABLEコマンドを使用して、指定した索引を使用可能にする