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Oracle Database インストレーション・ガイド
10gリリース2(10.2)for Solaris Operating System(x86-64)

B28447-01
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C NASデバイスの使用

Oracle Storage Compatibility Program(OSCP)を介して認定されたネットワーク接続ストレージ(NAS)デバイスがある場合は、それを使用して、OracleソフトウェアまたはOracleデータベース・ファイル、あるいはその両方を格納できます。この付録では、Oracleのソフトウェアとデータベース・ファイルにNASストレージ・デバイスを使用するためのガイドラインを提供します。この付録の内容は、次のとおりです。

NASデバイスに関する一般的な構成ガイドライン

NASデバイスの構成方法に関する固有の情報については、NASデバイスに付属のドキュメントを参照してください。さらに、次のガイドラインを使用して、Oracleソフトウェアのパフォーマンスがユーザーの要件を満たしていることを確認してください。

マウント・ポイントの選択

この項では、Oracleのソフトウェアとデータベース・ファイルに使用するファイル・システムに対してマウント・ポイントを選択する方法のガイドラインを提供します。ここに記載されているガイドラインは、Optimal Flexible Architectureの推奨事項に準拠しています。

Oracleのソフトウェア・ファイルに対するマウント・ポイントの選択

Oracleのソフトウェア・ファイルは、3つの異なるディレクトリに格納されています。

システムに対するOracleソフトウェアの最初のインストールでは、通常、ORACLE_BASE環境変数で識別されるOracleベース・ディレクトリが、Oracleインベントリ・ディレクトリとOracleホーム・ディレクトリの両方に対する親ディレクトリとなります。たとえば、最初のインストールの場合、Oracleベース・ディレクトリ、Oracleインベントリ・ディレクトリおよびOracleホーム・ディレクトリには、それぞれ次のようなパスがあります。

ディレクトリ  パス 

Oracleベース($ORACLE_BASE) 

/u01/app/oracle 

Oracleインベントリ 

$ORACLE_BASE/oraInventory 

Oracleホーム 

$ORACLE_BASE/product/10.2.0/db_1 

後続のインストールでは、同じOracleベース・ディレクトリを使用するか、または異なるディレクトリを使用するかを選択できますが、オリジナルのOracleインベントリ・ディレクトリは、後続のすべてのインストールで使用されます。たとえば、新しいインストールでOracleベース・ディレクトリに/u02/app/oracleディレクトリを使用する場合も、Oracleインベントリ・ディレクトリは引き続き/u01/app/oracle/oraInventoryになります。

Oracleインベントリ・ディレクトリは、特定のシステムのOracleソフトウェアを効率的に保守できるように、ローカル・ファイル・システムのみに配置することをお薦めします。Oracleインベントリ・ディレクトリをNASデバイスに配置する必要がある場合は、複数のシステムによる同じインベントリへの書込みを避けるために、各システムに固有のディレクトリを作成してください。

ディレクトリ固有のガイドライン

Oracleソフトウェアの格納に使用するNFSファイル・システムのマウント・ポイントには、次のいずれかのディレクトリを使用できます。


注意:

次の例に記載されているパスは、Oracle Universal Installerの起動前にORACLE_BASE環境変数が設定されている場合のデフォルトです。  


Oracleのデータベース・ファイルとリカバリ・ファイルに対するマウント・ポイントの選択

NASデバイスにOracleのデータベース・ファイルまたはリカバリ・ファイルを格納するには、1つのデータベースからのみファイルを格納するか、あるいは複数のデータベースからファイルを格納するかによって異なるパスを使用できます。

自動ストレージ管理で使用するNASデバイスでのファイルの作成

認定済のNASストレージ・デバイスがある場合は、NFSマウント・ディレクトリにゼロ埋込みファイルを作成し、そのファイルを自動ストレージ管理ディスク・グループのディスク・デバイスとして使用できます。これらのファイルを作成する手順は、次のとおりです。


注意:

自動ストレージ管理ディスク・グループのファイルをディスク・デバイスとして使用するには、そのファイルがNFSマウント・ファイル・システムにある必要があります。ローカル・ファイル・システムのファイルは使用できません。  


  1. 必要に応じて、NASデバイスのディスク・グループ・ファイル用にエクスポート・ディレクトリを作成します。

    この手順の実行方法の詳細は、NASデバイスのドキュメントを参照してください。

  2. ユーザーをrootに切り替えます。

    $ su - root
    
    
  3. マウント・ポイント・ディレクトリをローカル・システムに作成します。

    # mkdir -p /mnt/oracleasm
    
    
  4. システムの再起動時にNFSファイル・システムが確実にマウントされるように、/etc/vfstabマウント・ファイルにファイル・システムのエントリを追加します。

    使用しているオペレーティング・システムに対応したマウント・ファイルの編集の詳細は、manページを参照してください。推奨されるマウント・オプションの詳細は、「NFSマウント・オプション」を参照してください。

  5. 次のようなコマンドを入力し、ローカル・システムにNFSファイル・システムをマウントします。

    # mount /mnt/oracleasm
    
    
  6. 作成するディスク・グループの名前を選択します(nfsdgなど)。

  7. ディスク・グループ名をディレクトリ名として使用して、NFSファイル・システムにファイルのディレクトリを作成します。

    # mkdir /mnt/oracleasm/nfsdg
    
    
  8. 次のようなコマンドを使用して、このディレクトリに必要な数のゼロ埋込みファイルを作成します。

    # mkfile 1024M /mnt/oracleasm/nfsdg/disk1
    
    

    この例では、NFSファイル・システムに1 GBのファイルを作成します。外部冗長性、標準冗長性または高冗長性のディスク・グループを作成するには、1つ、2つまたは3つのファイルをそれぞれ作成する必要があります。

  9. 作成したディレクトリとファイルの所有者、グループおよび権限を変更するには、次のコマンドを入力します。

    # chown -R oracle:dba /mnt/oracleasm
    # chmod -R 660 /mnt/oracleasm
    
    
  10. データベースを作成している場合は、作成したファイル名と一致する正規表現を指定するために自動ストレージ管理ディスク検出文字列を編集します。たとえば、次のようなディスク検出文字列を指定できます。

    /mnt/oracleasm/nfsdg/*
    

NFSマウント・オプション

データベース・ファイルの格納に使用するNFSボリュームは、特別なマウント・オプションを使用してデータベース・サーバーが稼働中のホストにマウントする必要があります。NFSファイル・システムをマウントする場合は、NASベンダーがデバイスの認定時に使用したオプションと同じマウント・ポイント・オプションを使用することをお薦めします。適切なマウント・ポイント・オプションの詳細は、使用しているデバイスのドキュメントを参照するか、またはベンダーに問い合せてください。

一般に大半のベンダーは、次の表に示すNFSマウント・オプションの使用を推奨しています。

オプション  要件  説明 

hard 

必須 

NFSファイル・システムのハード・マウントを生成します。サーバーへの接続に失敗するか、または一時的に失われた場合、NASデバイスが応答するまで引き続き接続を試みます。 

bg 

オプション 

接続に失敗した場合にバックグラウンドで接続を試みます。 

proto=tcp 

オプション 

UDPではなくTCPプロトコルを使用します。TCPの方がUDPよりも信頼性が高くなります。 

vers=3 

オプション 

NFSバージョン3を使用します。バージョン2のパフォーマンスがそれほど高くないかぎり、使用可能な場合はNFSバージョン3を使用することをお薦めします。 

suid 

オプション 

クライアントは、SUIDが使用可能になっている実行可能ファイルを実行できます。このオプションは、Oracleソフトウェアのマウント・ポイントのために必要です。 

rsize 

必須 

NASデバイスからの読取りに使用するバイト数です。この値は、このプラットフォームでサポートされている最大データベース・ブロック・サイズに設定する必要があります。一般的な推奨値は、NFSバージョン2では8192、NFSバージョン3では32768です。 

wsize 

必須 

NASデバイスへの書込みに使用するバイト数です。この値は、このプラットフォームでサポートされている最大データベース・ブロック・サイズに設定する必要があります。一般的な推奨値は、NFSバージョン2では8192、NFSバージョン3では32768です。 

nointr
(またはintr) 

オプション 

ハード・マウントされたファイル・システムで応答を待機している間に、停止中のプロセスが削除されないように、キーボードの割込みを禁止します(あるいは許可します)。

注意: このオプションは、ベンダーによって推奨内容が異なります。詳細は、ベンダーに問い合せてください。 

noac  

必須 

属性のキャッシュを使用不可にします。

データベースをRACモードで実行する場合は、このオプションを設定する必要があります。GRIDなどの環境で様々な時点で異なるノード(ホスト・システム)から起動されるデータベース・インスタンスについても、設定することをお薦めします。

注意: ソフトウェアをインストールするNFSファイル・システムには、このオプションを指定する必要があります。このオプションを使用しないと、指定したディレクトリにソフトウェアがインストールされません。 

forcedirectio  

オプション 

データ転送に直接I/O(バッファリングなし)を使用します。

注意: このオプションは、Oracleデータベース・ファイルのみを含むファイル・システムに使用できます。Oracleソフトウェアを含むファイル・システムには使用しないでください。 

必須マウント・オプションは、NFSボリュームのマウント時に使用する必要のある最小限のマウント・オプション・セットを構成します。これらのマウント・オプションは、データの整合性を保護し、データベースの破損を防ぐ上で不可欠です。これらのマウント・オプションを使用しないと、ファイル・アクセス・エラーが生成される場合があります。使用しているプラットフォームでサポートされる固有のオプションの詳細は、使用しているオペレーティング・システムまたはNASデバイスのドキュメントを参照してください。


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