Oracle Database プラットフォーム・ガイド 10gリリース2(10.2) for Microsoft Windows(64-bit)on Intel Itanium B25021-03 |
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この付録では、表領域のデータファイルをRAWパーティションに格納するためのシステム構成方法について説明します。
この付録の項目は次のとおりです。
表領域のデータファイルは、ファイル・システムまたはRAWパーティションに格納できます。RAWパーティションは、最下位レベルでアクセスされる物理ディスクの一部です。ファイル・システムが配置されているパーティションへの入出力(I/O)と比べ、RAWパーティションへのI/Oではパフォーマンスが約5〜10%向上します。
RAWパーティションを作成するには、最初に拡張パーティションおよび論理パーティションを生成する必要があります。拡張パーティションとは、データベース・ファイル用の複数の論理パーティションを割り当てられる、ディスク上のRAW領域を示します。拡張パーティションにより、論理パーティションを大量に定義して、Oracle Databaseサーバーを使用するアプリケーションに対応できるようになり、4つまでというパーティションの制限を回避できます。また、論理パーティションには、ドライブ文字を使用しなくてすむようにシンボリック・リンク名を付けることができます。
物理ディスクは、ディスク全体を示し、次のように指定します。
¥Device¥Harddiskx¥Partition0
シンボリック・リンク名¥¥.¥PhysicalDrive
x
は、コンピュータ内のすべてのハード・ディスクに対して、Windowsによって自動的に定義されます。たとえば、3つのハード・ディスクがあるコンピュータには、次のシンボリック・リンクがあります。
¥¥.¥PhysicalDrive0 ¥¥.¥PhysicalDrive1 ¥¥.¥PhysicalDrive2
これらの名前は、内部的に次のように展開されます。
¥¥.¥PhysicalDrive0 =¥Device¥Harddisk0¥Partition0 ¥¥.¥PhysicalDrive1 =¥Device¥Harddisk1¥Partition0 ¥¥.¥PhysicalDrive2 =¥Device¥Harddisk2¥Partition0
Partition0
は、そのディスク上のパーティション・スキームが何であっても、物理ディスク全体を表す特別なパーティション番号です。Windowsにより、認識しているすべてのディスクの最初のブロックに署名が書き込まれます。ブロックの上書きを防ぐために、Oracle Databaseでは、Oracle Databaseデータファイルに使用される物理RAWパーティションの最初のブロックがスキップされます。
論理パーティションは、¥Device¥Harddisk
x
¥Partition0
以外のドライブを示します。論理パーティションには、ドライブ名(¥¥.¥
drive_letter
:)の付いた名前が最初に割り当てられ、シンボリック・リンク名(¥¥.¥
symbolic link name
)が再度割り当てられるのが一般的です。たとえば、¥¥.¥D
:にシンボリック・リンク名¥¥.¥ACCOUNTING_1
が割り当てられているとします。ドライブ名とシンボリック・リンク名のいずれが使用されているかにかかわらず、論理パーティションはディスク全体ではなくディスク内の特定のパーティションを表すように定義されます。これらの名前は、内部的に次のように展開されます。
¥¥.¥D:= ¥Device¥Harddisk2¥Partition1 ¥¥.¥ACCOUNTING_1= ¥Device¥Harddisk3¥Partition2
使用するRAWパーティションを決定する際に、次のことを考慮してください。
Partition0
として定義することはできません。
Partition0
)を使用することと、Oracle Databaseデータファイル用にディスク全体を占めるパーティションを使用することは、同じではありません。1つのパーティションがディスク全体を占めている場合でも、ディスクにはパーティションに含まれていないわずかな領域が残っています。
Partition0
)をOracle Databaseデータファイル用に使用する場合は、Windowsが提供する定義済の物理RAW名を使用します。
論理パーティションを作成し、それらの論理パーティションに物理ディスク規則名を定義できます。次に例を示します。
¥¥.¥PhysicalDriveACCOUNTING_1 = ¥Device¥Harddisk2¥Partition1 ¥¥.¥PhysicalDriveACCOUNTING_2 = ¥Device¥Harddisk3¥Partition1
Oracle Databaseでは、実際には論理パーティションであったとしても、物理ディスク規則を使用してデータファイルを処理します。物理ディスク・ネーミング規則を使用しているかぎり、これによってデータが壊れたり失われたりすることはありません。できるだけ早い時期に論理パーティション規則に変換することをお薦めします。
Partition0
を表す論理名も作成できますが、これはお薦めしません。次に例を示します。
¥¥.¥ACCOUNTING_1 = ¥Device¥Harddisk1¥Partition0
ディスク管理では、通常、各ディスクの最初のブロックに署名を書き込みます。そのため、データファイルのヘッダー部分が上書きされてしまうこともあり、深刻な影響があります。また、データが失われる可能性もあります。Partition0
は、論理パーティション規則で使用しないでください。
物理パーティション規則と論理パーティション規則には、互換性がありません。物理RAW規則では、追加ブロックをスキップします。また、これらのパーティションの内容に互換性がないため、単純にOCOPYを使用して物理ディスクから論理パーティションにコピーすることはできません。
物理規則から論理規則に変換するには、次のようにします。
データベースのインストールで論理パーティションに物理ディスク規則を使用している場合は、前述の手順に従ってできるだけ早い時期に論理パーティション規則に変換することをお薦めします。
RAWパーティション内にあるデータファイルを使用する表領域を作成するには、次のようにします。
C:¥> sqlplus
Enter user-name: SYSTEM/password
ここで、ユーザー・アカウントSYSTEMのpassword
は、デフォルトではMANAGER
です。このパスワードを変更した場合は、MANAGER
を正しいパスワードに置き換えます。
SQL> CREATE TABLESPACE tablespace DATAFILE '¥¥.¥
datafile' SIZE xm;
それぞれの意味は次のとおりです。
たとえば、accounting_1
というシンボリック・リンク名が割り当てられたaccounting_1
という表領域を作成する場合は、次のように入力します。
SQL> CREATE TABLESPACE accounting_1 DATAFILE '¥¥.¥accounting_1' SIZE 502M;
ダイレクト・アタッチド・ストレージ(DAS)またはストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)で自動ストレージ管理を使用するには、asmtool
またはasmtoolg
(GUIバージョン)を使用して、ディスクにヘッダーを付ける必要があります。
それぞれのDASまたはSANディスクにはパーティション表が必要です。ディスクごとに、ディスク全体を含むパーティションを1つのみ作成することをお薦めします。Microsoftのコンピュータの管理またはコマンドライン・ツールdiskpart
を使用してパーティションを作成します。パーティションを作成したら、asmtoolg
またはasmtool
を実行します。これらのツールは、意味のある永続名を各ディスクに関連付けて、自動ストレージ管理でディスクを使用しやすくします。自動ストレージ管理では、ディスクのグループを同時により簡単に操作するため、ディスク文字列を使用します。そのため、この操作を行う場合、Windowsのドライブ文字を使用するよりも、asmtool
で作成された名前を使用する方がより簡単です。asmtool
で作成されたディスク名はすべて、識別しやすいように接頭辞ORCLDISK
で始まります。
自動ストレージ管理では、ディスク検出時に検索パスとして、初期化パラメータASM_DISKSTRING
の値を使用します。ASM_DISKSTRING
のデフォルト値は、¥¥.¥ORCLDISK
n
です。別の検索パスを使用する場合は、このパラメータに別の値を指定する必要があります。
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