Oracle Database インストレーション・ガイド 10gリリース2(10.2) for Microsoft Windows(32-bit) B25255-04 |
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この付録では、レスポンス・ファイルを使用したサイレントまたは非対話型インストールの実行、ネットワーク接続の構成、Oracleデータベースの構成または起動について説明します。この項の内容は、次のとおりです。
Oracle Universal Installerの起動時にレスポンス・ファイルを指定することで、Oracleソフトウェアのインストールおよび構成を完全または部分的に自動化できます。Oracle Universal Installerでは、一部またはすべてのプロンプトに対する応答にレスポンス・ファイル内の値が使用されます。
通常、Oracle Universal Installerは対話モードで実行されます。つまり、Graphical User Interface(GUI)画面で情報の入力を要求されます。レスポンス・ファイルを使用してこの情報を入力する場合は、次のいずれかのモードでコマンド・プロンプトからOracle Universal Installerを実行します。
-silent
パラメータを指定してsetup.exe
を実行し、Oracle Universal Installerプロンプトに対する応答を含むレスポンス・ファイルを組み込みます。
-silent
パラメータを指定せずにsetup.exe
を実行します。ただし、レスポンス・ファイルまたは適用する他のパラメータは組み込みます。
レスポンス・ファイルにリストされている変数に値を入力して、サイレントまたは非対話型インストールの設定を定義します。たとえば、Oracleホーム名を指定するには、次の例に示すように、ORACLE_HOME_NAME
変数に適切な値を入力します。
ORACLE_HOME_NAME="OraDBHome1"
レスポンス・ファイルの変数の設定を指定する別の方法は、その設定をOracle Universal Installerの実行時にコマンドラインの引数として渡す方法です。次に例を示します。
SYSTEM_DRIVE:¥setup.exe_location> setup -silent "ORACLE_HOME_NAME=OraDBHome1" ...
この方法は、パスワードなどの機密情報をレスポンス・ファイルに埋め込まない場合に特に役立ちます。次に例を示します。
SYSTEM_DRIVE:¥setup.exe_location> setup -silent "s_dlgRBOPassword=binks342" ...
変数とその設定値は必ず引用符で囲んでください。
表D-1に、Oracle Universal Installerをサイレントまたは非対話モードで実行する理由をいくつか示します。
レスポンス・ファイルを使用してOracle Databaseをインストールする一般的な手順は、次のとおりです。
レスポンス・ファイルは、次のいずれかの方法で作成できます。
レスポンス・ファイルをカスタマイズまたは作成する方法は、「レスポンス・ファイルの準備」を参照してください。
レスポンス・ファイルを使用してOracle Universal Installerを実行する方法は、「レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行」を参照してください。
この項では、サイレントまたは非対話モードのインストール時に使用するレスポンス・ファイルの準備に使用できる方法について説明します。
Oracleには、製品、インストール・タイプおよび構成ツールごとに、レスポンス・ファイルのテンプレートが用意されています。これらのファイルは、Oracle Databaseインストール・メディアのdatabase¥response
ディレクトリにあります。
レスポンス・ファイル・テンプレートを使用してレスポンス・ファイルを作成する方法は、Enterprise EditionまたはStandard Editionインストール・タイプの場合に使用すると便利です。
表D-2に、使用可能なサンプル・レスポンス・ファイルを示します。
レスポンス・ファイルをコピーおよび変更する手順は、次のとおりです。
database¥response
ディレクトリから、適切なレスポンス・ファイルをハード・ドライブにコピーします。
Oracle Databaseのインストール固有の設定を編集する以外に、FROM_LOCATION
パスが正しく、インストール・メディアのstage
ディレクトリにあるproducts.xml
ファイルを指していることを確認します。この変数は、次に示すような絶対パスを指すように設定することもできます。
FROM_LOCATION="¥¥myserver¥database¥stage¥products.xml"
パスワードなどの機密情報は、レスポンス・ファイル内ではなく、コマンドラインから指定できます。この方法については、「レスポンス・ファイルの使用方法」を参照してください。
レスポンス・ファイルを作成するには、記録モードを使用してOracle Universal Installerを対話モードで実行します。この方法は、カスタム・インストールまたはソフトウェアのみのインストールの場合に使用すると便利です。
レスポンス・ファイルを記録すると「サマリー」ウィンドウを完了した直後にレスポンス・ファイルが生成されるため、Oracle Databaseをインストールしてレスポンス・ファイルを作成する必要がなくなります。この方法でレスポンス・ファイルを作成した後は、必要に応じてその内容をカスタマイズできます。
非対話モードのインストール中に記録モードを使用する場合、Oracle Universal Installerは、元のソース・レスポンス・ファイルで指定された変数値を新規レスポンス・ファイルに記録します。
レスポンス・ファイルを記録する手順は、次のとおりです。
cd
コマンドを使用して、Oracle Universal Installer実行可能ファイルsetup.exe
が格納されているディレクトリに変更します。 setup.exe
は、インストールDVDのdatabase
ディレクトリにあります。あるいは、インストール・ファイルをダウンロードまたはコピーしたディレクトリにナビゲートします。
SYSTEM_DRIVE:¥setup.exe_location> setup -record -destinationFile response_file_name
response_file_name
は、新規レスポンス・ファイルの完全パス名に置き換えます。Windows Vistaでは、コマンド・プロンプトを使用する場合に管理者権限が必要です。
次に例を示します。
SYSTEM_DRIVE:¥setup.exe_location> setup -record -destinationFile
c:¥response_files¥install_oracle10_2.rsp
その後、Oracle Universal Installerは、コマンドラインで指定されたパスとファイル名を使用して新規レスポンス・ファイルを保存します。
Oracle Databaseのインストール固有の設定を編集する以外に、FROM_LOCATION
パスが正しく、インストール・メディアのstage
ディレクトリにあるproducts.xml
ファイルを指していることを確認します。この変数は、次に示すような絶対パスを指すように設定することもできます。
FROM_LOCATION="¥¥myserver¥database¥response¥stage¥products.xml"
パスワードなどの機密情報は、レスポンス・ファイル内ではなく、コマンドラインから指定できます。この方法については、「レスポンス・ファイルの使用方法」を参照してください。
この段階では、作成したレスポンス・ファイルを指定してコマンドラインからOracle Universal Installerを実行し、インストールを実行する準備ができています。Windows Vistaでは、コマンド・プロンプトを使用する場合に管理者権限が必要です。Oracle Universal Installer実行可能ファイルsetup.exe
には、いくつかのオプションが用意されています。これらのオプションについてのヘルプ情報を表示するには、次のように-help
オプションを指定してsetup.exe
を実行します。
SYSTEM_DRIVE:¥setup.exe_location> setup -help
新規のコマンド・ウィンドウが表示され、起動を準備中というメッセージが表示されます。このウィンドウには、短い間、ヘルプ情報が表示されます。
Oracle Universal Installerを実行し、レスポンス・ファイルを指定する手順は、次のとおりです。
次に例を示します。
SYSTEM_DRIVE:¥setup.exe_location> setup [-silent] "variable=setting" [-nowelcome] [-noconfig] [-nowait] -responseFile filename
各項目の意味は次のとおりです。
filename
: レスポンス・ファイルのフル・パスを指定します。
-silent
: サイレント・モードでOracle Universal Installerを実行します。「ようこそ」画面は表示されません。-silent
を使用する場合、-nowelcome
オプションは必要ありません。
"
variable
=
setting
"
は、レスポンス・ファイル内の変数を参照します。この変数は、レスポンス・ファイル内に設定するのではなく、コマンドラインから実行する変数です。変数とその設定値は引用符で囲んでください。
-nowelcome
: インストール時に表示される「ようこそ」画面が表示されません。
-noconfig
: インストール時にコンフィギュレーション・アシスタントを実行せず、ソフトウェアのみのインストールを実行します。
-nowait
: サイレント・インストールが完了すると、コンソール・ウィンドウを閉じます。
関連項目
レスポンス・ファイルを使用してNetコンフィギュレーション・アシスタントを実行する場合は、サイレント・モードで実行します。これによって、システムにおけるOracle Net Listenerの構成および起動、ネーミング方法の構成、およびOracle Netサービス名の構成が可能です。NetCAをサイレント・モードで実行するには、netca.rsp
レスポンス・ファイルを使用します。
Windows Vistaでは、コマンド・プロンプトを使用する場合に管理者権限が必要です。
Netコンフィギュレーション・アシスタントのレスポンス・ファイルを作成する手順は、次のとおりです。
netca.rsp
をコピーします。netca.rsp
は、Oracle Databaseインストール・メディアのdatabase¥response
ディレクトリにあります。
レスポンス・ファイルnetca.rsp
を適切に構成しないと、Netコンフィギュレーション・アシスタントは正常に動作しません。
作成したレスポンス・ファイルを使用してNetコンフィギュレーション・アシスタントを実行する手順は、次のとおりです。
ORACLE_HOME
環境変数を設定して正しいOracleホーム・ディレクトリを指定します。
c:¥> set ORACLE_HOME = c:¥oracle¥product¥10.2.0¥db_1
local_dir
は、編集済のレスポンス・ファイルnetca.rsp
を配置したディレクトリに置き換えます。
c:¥> ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥bin> netca /silent /responsefile /local_dir¥netca.rsp
次に例を示します。
c:¥> ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥bin> netca /silent /responsefile
/c:¥oracle_response_files¥mynetca.rsp
Oracle Database Configuration Assistantをサイレント・モードまたは非対話モードで実行し、システムでOracleデータベースを構成および起動できます。Oracle Database Configuration Assistantをサイレントまたは非対話モードで実行するには、レスポンス・ファイルdbca.rsp
を使用します。
Windows Vistaでは、コマンド・プロンプトを使用する場合に管理者権限が必要です。
Oracle Database Configuration Assistantのレスポンス・ファイルを作成する手順は、次のとおりです。
dbca.rsp
をコピーします。 レスポンス・ファイルdbca.rsp
は、Oracle Databaseインストール・メディアのdatabase¥response
ディレクトリにあります。
dbca.rsp
を開きます。
dbca.rsp
ファイルを編集します。レスポンス・ファイルdbca.rsp
を適切に構成しないと、Oracle Database Configuration Assistantは正常に動作しません。
作成したレスポンス・ファイルを使用してOracle Database Configuration Assistantを実行する手順は、次のとおりです。
ORACLE_HOME
環境変数を設定して正しいOracleホーム・ディレクトリを指定します。
c:¥> set ORACLE_HOME = c:¥oracle¥product¥10.2.0¥db_1
c:¥ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥bin> dbca {-progressOnly | -silent} [-cloneTemplate] ¥[-datafileDestination /datafilepath] -responseFile /local_dir/dbca.rsp
各項目の意味は次のとおりです。
-silent
は、サイレント・モードでOracle Database Configuration Assistantを実行します。
-progressOnly
は、非対話モードでOracle Database Configuration Assistantを実行します。
-cloneTemplate
によって、次のいずれかの事前構成済データベースを作成できます。
-datafileDestination
は、データベース・ファイルを作成する親ディレクトリを指定します。デフォルトでは、このディレクトリはORACLE_BASE
¥
ORACLE_HOME
¥oradata
です。
/local_dir
は、レスポンス・ファイル・テンプレートdbca.rsp
をコピーしたディレクトリのフルパスです。
次に例を示します。
c:¥> ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥bin> dbca -progressOnly -cloneTemplate -responseFile /c:¥oracle_response_files¥mydbca.rsp
レスポンス・ファイルを使用してデータベースを作成するかわりに、コマンドライン・オプションとして必要な情報をすべて指定することで、コマンドラインからdbca
を実行できます。サポートされるオプションのリストについては、次のコマンドを入力します。
c:¥> ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥bin¥dbca -help
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